今野敏
GOOブログからこちらに移転する際に正規の手続きでブログ・ファイルを転送できなかった読後印象記を順次、こちらに再掲載している。先日今野敏さんの小説についてのブログ記事を再掲載していた。その時、幾冊か近年刊行された小説で見過ごしているものに…
機捜235シリーズ第3弾! 「小説宝石」(2023年7月号~2024年5月号)に連載された後、単行本が2024年12月に刊行された。 「機捜235」は警視庁機動捜査隊の覆面パトカーのコールサイン。この覆面パトカーで機動捜査隊員として勤務に就くのは、高丸卓也と縞長…
パソコン内の読書関連記録のファイルを改めて見ていたら、ブログを始める前に覚書を書き残していたものを見つけた。すっかり忘れていたファイル。 そこに、「ST 警視庁科学特捜班」シリーズのうち、断片的に3作のメモ書きが保存されていた。 冒頭の表紙は…
] 隼瀬順平は、9月28日土曜日の朝刊で、法務省の官僚が遺体で発見されたというニュースを読んだ。ふとその事案について情報を集めてみようかと思った。だが、刑事局の事案だと判断し何もしないことにした。しかし、同期の飲み会でその事件に対する皆の認識に…
この小説をひとことで言うなら、警察官成長物語だろう。少し補足してみる。 大学では体育会のラグビー部に所属していた柿田亮(かきたりょう)は警察官になる。警視庁巡査を拝命した22歳の柿田が警察官として訓練に明け暮れ、成長していく最初の3年を描く。…
本書は1981年から2013年にかけて各誌に発表された短編を集めた作品集。 文庫オリジナル短編集で、2014年2月に刊行された。 現在『奏者水滸伝 阿羅漢終結』(講談社文庫)と改題して発刊されている『ジャズ水滸伝』が出版されたのが1982年2月。「今野 敏の作…
今野敏さんがこんな特異な設定で警察小説を書いているとは知らなかった。じゃあ、どこでこの作品を知ったのか。著者のホームページにアクセスした結果である。「今野 敏の作品リスト」というページをプリントアウトし、この「遊心逍遙記」以前から読み継いで…
著者の作品を結構数多く読んで来ている。しかし、著者がビジネスものを書いていたことを知らなかった。本書が私にとっては著者のこのジャンルとのファースト・コンタクトである。他にビジネスものがあるかどうか・・・知らない。 さて私の読後印象では、「膠着…
冒頭の表紙は、1998年12月に、ハルキノベルスとして刊行されたもの。本書をこれで読んだ。読み残していた本の一冊。1999年11月にハルキ文庫に入り、2009年5月には新装版が刊行された。 こちらがハルキ文庫新装版の表紙 本のカバーも時代を反映していくのだろ…
一読者として私の知る限り、著者・今野が海を直接の舞台として人々が活躍する小説を書いているのはこの作品だけだろうと思う。シリーズものを波紋が広がるように読み継いできて、この小説が出版されていることに目を留めたのは、最近のことだった。 2014年3…
本書は1995年12月に飛天ノベルスとして刊行され、2010年3月にジョイ・ノベルスとしての再刊を経て、2011年8月に集英社文庫が刊行された。 本作には年代が出てこないが、出版された時期の時代背景を踏まえた作品。1990年代初めに日本経済はバブルが崩壊し、19…
本書は1994年4月に『拳と硝煙』と題し、トクマノベルズとして出版された。 それを改題し文庫化(2007.12)されたもの。 時代背景としては、ロシア連邦においてエリツィン派と議会派が対立している時期に設定されている。議会との対立は1993年9月の議会による…
この小説、著者ホームページに掲載の作品リストを見ると、出版8冊目。 1982年12月に『レコーディング殺人事件』と題して講談社ノベルズで出版された。 作品リストの第1冊が1982年2月の出版なので、実に最初期に書かれた作品。 やはり、改題名称の方が何と…
本書は今野敏の著作出版歴リストで見ると、第2作。1983年3月にトクマ・ノベルズとして出版され、1988年に文庫本化されていたもの。原題は『海神の戦士』。 朝日文庫での出版にあたり、『獅子神の密命』と改題された。2011年1月刊行。 今風に見ると、やはり…
読み始めて、一瞬デジャビ感を抱いた。なぜだろう・・・? そこで思い出した。「渋谷署強行犯係」シリーズだった。これは『拳鬼伝』シリーズの改題として同じ徳間文庫から2008~2014年に出版されたものだ。 竜門整体院の院長・竜門光一が主人公であり、渋谷署強…
本作は、美崎整体院を経営する整体師・美崎照人と警視庁捜査一課の部長刑事・赤城竜次を軸とする武道+ミステリー小説。 美崎は「私」として登場する。赤城はしつこい腰痛に悩む患者であり、かつ強行犯事件に格闘技が絡むと、美崎に情報を投げかけて、美崎の…
この小説の冒頭は、与那国島のホテル業を営む実家の近くで、ダイビング・ショップを開いた男が、ダイビングのガイドとして周辺すべての海を知る目的で、島の東南端、新川鼻(あらかわばな)の沖合でアンカーを打ち、潜っていくシーンから始まる。彼はそこで…
「インポケット」の2015年1月号から6月号に連載され、2015年8月に単行本として刊行された。2019年9月に『STプロフェッション 警視庁科学特捜班』として講談社文庫化されている。単行本で読んだ。 百合根警部をキャップとするST科学特捜班のメンバーはそ…
本書の巻末はこんな会話で終わる。「科学捜査ですか」「いつか、専門の組織を作りたい、そのときは、君にも手伝ってもらうかもしれない」「科学捜査専門の組織ですか。ぴんと来ませんね」菊川が言うと、三枝が穏やかにほほえんだ。 本書冒頭に、警視庁捜査一…
著者が1998年に生み出した『ST警視庁科学特捜班』は、シリーズを重ね、2010年12月出版のこの本で11冊になった。警察小説としてはちょっとユニークなシリーズだ。 主人公は警察官ではなくて一般職員の研究員。科学捜査研究所の中に実験的に特別に設置された…
この表紙は文庫本の新装本として2014年6月に再刊されたもの。この時に「歌舞伎町特別診療所」という副題がつけられた。この副題が付けられただけで、イメージが少し絞られ、それだけで現代感覚が加わってくる。おもしろいと思う。 本書末尾に付けられた「今…
本書は1989年7月に『ガイア戦記』(トクマ・ノベルス)と題して刊行され、改題されて、2010年1月に文庫本が刊行された。 ガイアはギリシャ神話に登場する女神、地母神であり大地の象徴だが、ガイアは天をも内包した世界そのものをも意味するという(資料1)…
この作品は1988年5月徳間書店より刊行された『ミュー・ハンター最後の封印』(トクマ・ノベルス)の改題により、2009年11月に文庫が刊行された。 牛の伝染性貧血症ウィルスから枝分かれしたHIV、後天性免疫不全症という病原性をもつウィルスが更に枝分かれし…
この作品の中心人物は樋口顕(ひぐちあきら)という警視庁・捜査一課強行犯係(第三係)の刑事、係長である。まずこの樋口のキャラクター設定がこの作品をおもしろく色づけている。樋口自身が警察官として自己評価している自己像と第一捜査課の上司・同僚を…
警視庁捜査一課殺人犯捜査第5係に所属する宇田川亮太巡査部長と宇田川がいつも組んで捜査をする20歳近く年上の植松義彦警部補がこのストーリーの中心となる。そこに宇田川が初任科で同期だった大石陽子とさらに蘇我が事件に絡んでくる。この二人は、宇田川…
本作は警視庁本部の刑事、宇田川亮太が中心人物。四月の人事異動の情報から話が始まる。かつて宇田川が特捜本部で組んで捜査をした土岐達朗が警視庁刑事部第一課の特命捜査対策室に配属予定であり、また、初任科同期の大石陽子が警視庁本部の捜査第一課特殊…
「継続捜査ゼミ」シリーズの第2弾。奥書を見ると、「小説現代」の2017年8月号から2018年7月号に連載され、2018年10月に単行本が刊行された。 登場する主要人物は、新米教授小早川一郎とそのゼミ生5人。小早川一郎は、幼馴染みである三宿女子大学長・原田郁…
ちょっと異色な切り口から構想された警察小説バリエーション。著者のチャレンジ精神が発揮されている。 奥書を読むと「週刊現代」に連載後、2016年10月に単行本として出版された作品。 法律の改正で殺人等重要事案の公訴時効が廃止されたことにより、捜査本…
この作品の主な登場人物の中で中心となるのは磯貝竜一。彼は自治省から出向して内閣情報調査室に勤める調査官で、自治省のキャリア組。磯貝は突然に沖縄への出張を命じられた。国際都市形成構想推進室の現状を調査に出向く。出張目的はこの推進室の現実性と…
2011年3月に、『奏者水滸伝 阿羅漢集結』を手にしてから、順次読み継いできた。 この「北の最終決戦」で7冊の連作が終わる。 『奏者水滸伝』は、1980年代に書かれた作品が、講談社文庫として再刊されも。 私はこの文庫本で読み始めた。 「阿羅漢集結」「小…