遊心逍遥記

遊び心で本の森を逍遥し、その時の思いを残しておこうと始めました。

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『共謀捜査』  堂場瞬一   集英社文庫

『検証捜査』では、キャリア官僚永井をリーダーとして全国の警察署から集められた刑事たちがチームを組み、捜査に携わった。警察が警察を検証するために極秘に捜査をするというものだった。その捜査が完了した時点で、刑事たちは原職へと戻っていった。だが…

『鬼煙管 羽州ぼろ鳶組』   今村翔吾   祥伝社文庫

加持星十郎は、明和の大火後、安永2年(1773)1月末頃に、暦の論争に関して山路連貝軒に協力することと、長谷川平蔵宣雄から、京都西町奉行に着任後怪事件が頻発していることに知恵を借りたいという依頼を受けたことで京都に入った。だが、火消の身内を誘拐…

『凍結捜査』   堂場瞬一   集英社文庫

『検証捜査』でタスク・フォースとして全国から集められ捜査に従事したメンバーは、事件解決後、解散し原職に復帰した。だがそのネットワークを活用して事件捜査に役立てるというつながりが色濃く出てくる設定でおもしろい作品群が続く。それに加わった一冊…

『九紋龍 羽州ぼろ鳶組』 今村翔吾  祥伝社文庫

羽州ぼろ鳶組シリーズの書き下ろし第3弾。平成29年(2017)11月に文庫が刊行された。 町火消「に」組の頭・辰一は、火消番付で東の関脇に位置づけられている。町火消最強と評される男。身の丈六尺三寸(189cm)で筋骨隆々の巨体の持ち主であり、背中に九頭の龍…

『茶道の正体』  矢部良明  宮帯出版社

地元の図書館に設けられた本を紹介する書架で本書のタイトルが目に止まった。まず「正体」という語に惹きつけられた。「茶道の正体」というちょっと思わせぶりなタイトルで何を語るのか? 千利休関連の本は幾冊か読んでいるが、直接「茶道」を冠した教養書は…

『教場X 刑事指導官風間公親』  長岡弘樹  小学館

県警察学校に勤務する風間公親の過去に遡る作品。刑事指導官の立場で活躍する風間公親を明らかにしたのが『教場0』だった。その続編に位置づけられるのがこの『教場X』である。0からXへと記号が飛躍した。本書はこれまでと同様短編連作集であり、6話収…

『花のあと』  藤沢周平  文春文庫

ゆっくりとしたペースで、藤沢周平作品を読み継いでいる。本書は8篇を収録した短篇集。昭和49~60年の期間に各種雑誌に発表され、昭和60年(1985)11月に単行本が刊行された。1989年3月に文庫化されている。 本書の末尾に、「花のあと-以登女お物語」が収録…

『卑劣犯 素行調査官』  笹本稜平  光文社文庫

素行調査官シリーズの第4弾。多分、著者にはこのシリーズのさらなる構想があったのではないかと想像するが、この作品が本シリーズの最後の作品となった。本書は、「小説宝石」(2016年7月号~2017年12月号)に連載された後、2017年12月に刊行され、2020年7…

『黒石(ヘイシ) 新宿鮫ⅩⅡ』  大沢在昌   光文社

新宿鮫シリーズはブログ記事を書き始める以前から読み継いでいる。この第12巻は、「小説宝石」(2021年4月号~2022年10月号)に連載されたのち、加筆・修正されて、2022年11月に単行本が刊行された。 ネット上のある会員組織がシステムのバージョンアップを…

『20 CONTACTS 消えない星々との短い接触』  原田マハ  幻冬舎

タイトルの 20 CONTACTS という文字列が目に止まり本書を手にした。そして、まず知ったことがいくつかある。ICOMと略称される International Council Museums (国際博物館会議)という国際会議が存在すること。2019年にICOM京都大会が開催されたこと…