物思いにふける

日記的な感覚で、独り言のように、ゆるーく発信。

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旅日記②。『チェンマイで食べたものの話。』

 

気づけば2025年が終わり新年。

私は引き続きタイランドに滞在中。半袖でこの時期を過ごすのに妙な新鮮味を感じつつ、ゆるい空気感を存分に五臓六腑に吸収している。

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チェンマイに滞在したのは8日程、その後私はバンコクに列車で移動。

バンコクからまたどこに行くかを検討している。

チェンマイという土地は、この時期の朝晩は非常に涼しく、また日中はカラッとした陽射しと気温の快適さ、そして土地勘も幾分身についてきたこともあり、この場所が好きになっている私がいた。

初日から引き起こされた腹痛の悪夢もすっかり消え去り、元気にタイで食事も続けることが出来ている。

 

jusan13.hatenablog.com

(初日からの出来事は上記のブログをご覧いただけると幸いです。)

 

タイはご飯が安くて美味しい‥。というわけで、今回のブログテーマは『食』。

チェンマイでの滞在中、いただいた食事を振り返ろうと思う。

 

まずは衝撃的な美味しさの朝食。

1.BaanBaan.Breakfast

卵サンドが衝撃的な美味しさ。

ボリューム満点。そして安い。

ホテルが併設されているようで、宿泊客含めそれなりに賑わっているのだが店内は非常に清潔。

 

そして、またまた朝食。

2.Bloomin' Moon Hostel

カフェラテが可愛い。朝食もリーズナブルで美味しかった。

コチラもHostel併設のカフェ。

室内、屋外ともに席があり、安くて美味しく、何より猫さんが懐っこい。

カフェで飼われている猫さん、相席してくれました。

 

そして3件目はタイ語表記で名前が分からず‥。

3.全品20バーツ(100円)のパン屋さん。

店名がタイ語表記のみで読めず‥。

ふっわふわの生地に具が山ほど入っている。

20バーツとは思えないクオリティ。

生地がふっわふっわで、力を入れると崩れそうな程。

沢山の味の種類があり、もっと食べ比べがしたかった‥。

 

そして安定のお店。

4.McDonald's

マックのタイ限定の朝食メニューのお粥。

ジョーク(お粥)にフライドチキンが入っている、カリカリの食感がアクセントとなって安定的な美味しさ。

 

また、写真は撮っていないのだが、日本料理屋からは『博多焼き鳥 バリうま』の焼き鳥、『正勝』のとんかつ丼

日本料理の完成度も高く、リーズナブルでボリューム満点であった。

 

‥‥。

あれ‥。

‥‥‥‥‥。

 

お気付きになられただろうか‥。

タイ料理を全然食べていない。

今回のテーマが『食』と言いながら、いわゆるタイのローカルフードなどを全くいただいていない、私は一体何をしているのだろう‥。

心のどこかで、初日の腹痛の記憶がチラついていたのだろうか‥。

 

チェンマイから移動する2日前にこのブログを書き出したのだが、せっかくのローカルタイフードを少しでもいただきたいと思い、早朝からランニングをして無理矢理にでもお腹を減らし、いざ出発。

 

まずは手始めにコチラから。

5.Central Chiangmai Airportのフードコート

ビブグルマンに選出されたお店でいただいたお料理。

焼き豚の表面がカリカリ、ボリュームは少なめ。

コチラのフードコートはビブグルマン(価格以上の満足感が得られる料理)に選出されている店舗が数件入っている模様。

私的には少し微妙かな。

 

そして次に伺ったのはコチラ。

6.カオソーイ・メイサイ。

ミシュランガイドにも掲載されている。

ビーフカオソーイ。チキンが食べたかったが品切れであった。

人気店だけあって、30分程は待ったかと思う。

観光客が沢山なのだが、正直並んでまで行く価値を私には見つけれなかった‥。

美味しいと言えば美味しいのだが、別の店でいただいたカオソーイと味の違いは絶対に無い。と私は思う。

 

そしてコチラ。

7.シリチャイ・カオマンガイショップ

生姜をたっぷり入れたソースと鶏肉の組み合わせが最高だったカオマンガイ

スープが抜群のクイッティアオ。

このお店は最高に美味しい。

チェンマイ・サンティタムエリアで長年ローカルの方々に愛されているお店とのこと。

タイ料理、特にお米料理はパサパサしていたり、炊き加減が日本と違い微妙だなって思うことがあるのだが、ここはお米もしっとりしていて最高。

カオマンガイの時点で私の満腹中枢は十分に満たされていたが、繊細なお米の炊き加減、鶏肉のホロホロ感が好奇心を刺激し、追加でクイッティアオも注文。

間違いなく美味しく、おすすめのお店。

 

私はこのシリチャイ・カオマンガイショップで大満足を通り越し、お腹がはち切れそうになるほどの満腹感。

急いで宿に戻り、またトイレに引き篭もることに。(食べ過ぎが原因)

なんとなく、チェンマイにいる間はトイレの時間が多かったな‥。

 

 

その後はトイレを恐れあまり食事をせず、飲み物ばかり飲んでいた始末‥。

自然がいっぱいの場所でいただいたブルーベリーシェイク。

ふと入ったカフェにて。人懐っこい猫ちゃん。

撫でるのをやめても中々動かない。可愛いです。

 

そんなこんなでチェンマイでの滞在に日程が終了し、私はお世話になった宿から列車移動の為、駅へ向かう。

3件目の宿、Little Guest Hotel
ご夫婦で営まれているようで、オーナーさんも英語が話せてとても親切。部屋も最高。

カラッとした陽射しを存分に受け、私は歩いて駅へ。

宿から1時間程歩き、チェンマイ国鉄の駅へ到着。

世界各国の時計。映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』のオープニングを思い出す。

寝台は売り切れだったため、リクライニング席での13時間移動。
車内はかなり年季が入っているが、風情があって良い。乗客はローカルの方ばかり。

美しい夕焼けでした。

 

そんなこんなでバンコクに到着したのが12月31日。

宿へ向かい、長時間の移動で疲れていたこともあり眠りについたのだが、目を覚ました時には年が明けていた‥。

というわけで新年を迎えた感覚も持ち合わせず、私はいたって通常の日常。

そしてタイの方々というと、新年からいつも通り変わらず働いていたり、お店を閉めて休暇を楽しんでいる方もいたり、道端で花火をしていたり。

相変わらず埃っぽくて、常夏で、ゆるーい空気が流れているタイランド

やっぱり大好きな国だと改めて思う。

 

 

本日も、『物思いにふける』を見つけてくださった方、お読みいただた方、ありがとうございます。

2026年が、全ての方々に素晴らしい一年になりますように。

 

それではまた。

 

旅日記。『チェンマイ初日、浮かれた代償は地獄の腹痛だった。』

私は現在タイのチェンマイに滞在している。

チェンマイに到着したのは12月22日の夜21時頃。

厳しい寒さの日本から常夏のタイへ。一番過ごしやすいと言われている乾季の時期に来る事が出来たことも嬉しく、タイに到着するや私の心は浮かれていた。

快適な気温、雑多な街並み、綺麗とは言えない埃っぽい空気、多種多様な人々。

何度も来ているタイではあるが、少し久しぶりに来るとその全てが光を放っているようで、心がワクワクしているのであった。

そして、浮かれた気持ちとワクワク感から判断を誤り、到着初日から地獄の3日間を過ごすことになるとはこの時に微塵も思っていなかったのである‥。

 

 

今回私は初めての関西国際空港を利用。そこからバンコク(ドンムアン空港)でトランジットしチェンマイへ。

航空券は僅か8,500円程。

時間は掛かるのだが、移動と宿にあまり費用をかけたくない、バックパッカースタイルの旅が好きな私にとっては嬉しい価格。

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まず14時頃にドンムアン空港に到着。

チェンマイに到着するのは夜のため、先にバンコクで3万円分のみ両替。

空港近くの比較的レートが良いとされる両替所でさえも、1万円が2千バーツを下回っている。1バーツ五円オーバー‥。

円の弱さを実感しながら、空港近くを歩き時間を潰すのだが、特にすることも見るところも何も無く、仕方なしに昼からビールを飲んで、空港でダラダラと時間を過ごしチェンマイ行きの出発を待つ。

時間が経ち19時過ぎ、ようやくバンコクからチェンマイに向け出発。

約1時間強のフライトを経て、チェンマイに到着。私はBoltアプリにてバイクタクシーを呼び、まずはチェックインのために宿へ。

 

チェンマイでまず最初にお世話になった宿。
『Bloom Guest House』

非常にリーズナブルな宿ではあるのだが、クリーンでシンプルで最高。

荷物を置き、私は浮き足立ちながら、すぐに周辺の散策へ。

この宿の周辺は足を運んだことがあるため、なんとなく土地勘があり、ふらふらとご飯を求め、夜の街を彷徨っていると一本5バーツの串焼屋を発見。

興味を惹かれ、なんとなくその店に入ってみることに。

1本5バーツ。6本で30バーツ(約150円)。

大きい冷蔵庫から自分の好きな串を取り、店主に渡して焼いてもらうシステム。

店主から渡された器に選んだ串を入れるのだが、私はどうも渡されたその器が気になった。

それは、私に渡す直前に明らかにかなりの汚れが付着しており、その汚れを香ばしそうな雑巾で拭いているのを見ていたから。

一抹の不安が頭を過ったのだが、気にしすぎるのは逆効果と、そのまま使用。

店主に取った串を入れた器を渡し、焼き上がりを待つこと10分程。

一口食べた味は、美味しくも不味くも無く、まるっきり普通。(普通の下といったところ。)

さっと食べ終え、もう少し周辺を散策し、コンビニでビールを買い宿へ。

少し休憩してから部屋でビールを飲み、時間は23時頃。

急にお腹に違和感が。

 

「いたたた‥。」

 

いや、違和感では無い。これは完全なる腹痛。そしてどんどん強さが増していく。

気づくとこれまでの人生の中で、過去TOP3に入る程の衝撃。

痛さのあまり、体から汗が吹き出し、頭には食べた串焼きがチラつく。

 

「痛てテテてて痛!!!!!!!!!!!!!」

 

自然とラマーズ呼吸法を繰り返し、串焼き屋に怒りを感じ、ベッドの上で悶え苦しみながら意識が遠のいていく‥。

何時間経ったのだろうか‥、ふっと目を覚ますとiPhoneの液晶画面は夜中の4時頃。

腹痛のピークは超えたものの、まだかなり苦しく、身動き出来ない状態。

何とか早期に回復することを祈りながら、ベッドの上を釣り針に掛かった魚の如く跳ね苦しみ回る次第。

 

気がつくと、到着日の翌日も、クリスマスもコンビニと宿の往復のみ。

思い出しても、部屋の中ではトイレとベッドの往復のみ。

そう、私はそのまま23日・24日・25日をベッドの上で苦しみながら過ごしていたのであった。

 

考えられるのは串焼きしか無い‥。

串焼きの鮮度か悪かったのか、火が通っていなかったのか、それとも器が絶望的に汚かったのか‥。

思い返すと、人が殆ど入っている様子が無かった。

いつもならローカル客で賑わっている場所中心に店を選ぶはずが、今回は完全に判断を見誤ってしまい、そこから地獄の3日間が始まってしまったのだ。

少し旅慣れしてきたかと思ったのだが、この有様‥。

 

腹痛の地獄中、痛みが和らぐとコンビニ(セブンイレブン)に向かい、薬とフルーツ、ヨーグルトを購入。

痛みに堪え、毎回同じ組み合わせの同じものをひたすら摂取。

味のついた硬いマンゴー。(梅のような味。)

美味しいというわけでは無いのだが、フルーツ程度しか食べれない状態だったため、塩分と酸味、甘さを全て感じられる味付けマンゴーは有り難い存在。

そして薬はこちら。

タイのメジャーな腹痛の薬「CA-R-BON」
セブンイレブンで25バーツ。

この薬の効果がどれほどなのか不明なのだが、25日が終わりを迎える頃には体調がやや良くなっていたので、自然回復だけでは無く薬の効果も多少はあったのではないかと思う。

回復したとは言い切れないながらも、良くなったと感じた私は外出したい気持ちが強かったため、着替えてすっかりと更けた夜の街へ。

道中、「3日間無駄にしてしまった‥。」とか、「色々計画が頓挫してしまった‥。」とか、「まぁ、仕方ないか。」とか様々なことが頭を過りながら街を歩き、少しすると綺麗なイルミネーションを発見。

クリスマスムードのイルミネーション。
タイではクリスマスイルミネーションは年明けまで続く模様。

歩くたびに腹部に鈍痛を感じながらも、明日は流石に外に出かけられそうだなと思い、少し安心。

そして翌日、ようやく明るい時間に外出。

通りすがりの寺院。

名前も分からない寺院を取り敢えず訪れたり。

忠犬ハチ公もどきというか、ようなもの。

何故か日本を感じたり。

整備された綺麗な公園。

あてもなくフラフラしていると整備された草花たちが現れたり。

お腹に不安があったが、どうしても食べたかったカオソーイ。

ローカル食堂でカオソーイをいただいたり。

100バーツで整えるサウナ、オールドメディスン。

サウナで整ったり。
ベッドとトイレ、宿とコンビニの日々を挽回するかの如くあちらコチラ歩き倒したのであった。

 

 

現在は2件目の宿へ。

『@HOME HOSTEL』
ドミトリールームのため、この宿に来るまでに腹痛を抑え込みたかったのである。

チェンマイは8日間滞在する予定であり、その後寝台列車バンコクに向かう。

バンコクからその後の予定はまだ決めておらず、カンチャナブリか、ホアヒンに向かおうかと悩み中。

 

 

東南アジアはお腹を壊すなんてよく聞く話のはずなのに、まさか自分がなるとは‥。

慣れというのは、怖い。

「これくらいは大丈夫であろう」という慢心が、旅の中では一番危険なのかもしれない。と感じさせられた今回の件。

気をつけよう‥。

 

 

本日も『物思いにふける』を見つけてくださった方、お読みいただいた方、ありがとうございます。

 

 

タイには今回三週間程滞在する予定。

やりたい事や行きたい所が特別あるわけではないのだが、この緩い空気と快適な気温が最高に楽しい。

 

明日は何をしようかな。

それではまた。

主観的読書感想その5、三島由紀夫『潮騒』。

作者というのは、どうしてこれほど美しい表現が出来るのだろう。

語彙力や表現力、いわゆる文才というものが重なりあって生まれているのだろうか。

私は難しい言葉を覚えると、ついその言葉を使ってみたくなる。でも、いざ使って見ると使い慣れていないせいか、しっくりこない。

やはり、言葉を選び取る感覚と、思考力なども関係しているのだと思う‥。

 

そんなことを改めて感じた、三島由紀夫作品。

今更ながらの読了となった『潮騒』。

美しい物語というのは、きっとこういったもの。

 

 

潮騒

著者:三島由紀夫

(1954年6月10日出版、新潮社、240ページ)

(第一回新潮社文学賞受賞)

 

 

書籍について

文明から孤絶した小島。

そこに暮らす漁師の青年・新治と、裕福な家庭の娘・初江との純粋な恋を描いた物語。

いくつもの困難や障害を乗り越え、純愛が成就するまでを描かれており、自然の美しさと二人の真っ直ぐな感情を丁寧に表現されている。

古代ギリシアの散文作品『ダフニスとクロエ』から着想を得て書かれたとのこと。

 

 

 

主観的感想

私は三島由紀夫作品はそれなりに愛読しているのだが、この『潮騒』に関しては初めての読了。

三島由紀夫作品の中でも珍しいというべきなのか、健やかな若者の恋の物語を一貫して描かれている。

血生臭い描写や反逆性などは全く払いのけられ、平和で静穏な小説。

ですが、これはこれで素晴らしかった。

 

始まりは、「歌島は人口千四百、周囲一里に充たない小島である。」の一文から。

一里というのは3.927kmほどの長さなのですが、それほどの小さい島の説明がこのように出来るものなのかと。

言い方を変えれば周りくどいといのかもしれませんが、相変わらずの豊かな表現力。

島の情景が思い浮かび、新治と初江の物語がいっそう美しく感じれる。

 

そして新治の人物像が印象的。

多くは語らず、言い訳もせず、ただ自分の仕事と責任を全うする姿には、現代とは対照的だと思ってしまう。

私は物語の中で新治が初江に話す、好きな台詞があります。

「どんな時世になっても、あんまり悪い習慣は、この島まで来んうちに消えてしまう。海がなア、島に要るまっすぐな善えもんだけを送ってよこし、島に残っとるまっすぐな善えもんを護ってくれるんや。そいで泥棒一人もねえこの島には、いつまでも、まごころや、まじめに働いて耐える心掛けや、裏腹のない愛や、勇気や、卑怯なところはちっともない男らしい人が生きとるんや。」

うん、素敵な台詞。

このような思いというのは、現代では最早稀有を通り越し、皆無なのかもしれませんが、この台詞に初江も共感と信頼を込めて頷く。

何て純粋な、そして綺麗な心の持ち主達なのか。

 

その他の登場人物達、新治の弟・宏も可愛らしい。

修学旅行先から速達にて、大きな映画館へ行った話を手紙に書き家族に送るのですが、内容がとても可愛らしく、そして歌島がいかに孤島なのかも分かる。

 

また、東京の大学へ進学し、夏休みに帰郷する千代子。

自身の嫉妬からとってしまった行動を後悔し、出来る限りのお返しを何か出来ないかと考え、そして母親に手紙でとある依頼を送る。

 

新治の母親、初江の父親なども、登場人物の大半が善人で構成されており、本作品は劇的な展開や衝撃的な結末などがあるわけではなく、読み続けていくうちに心が綺麗になるような、そんな感覚が残る作品でした。

 

 

小話

歌島の舞台となったのは、三重県の神島という場所。

三島がその島を選んだ理由は、日本に唯一パチンコ店が無い場所だったからとのこと。

初めて神島を訪れた三島は、

「人口千二、三百、戸数二百戸、映画館もパチンコ屋も、呑屋も、喫茶店も、全て『よごれた』ものは何もありません。この僕まで忽ち浄化されて、毎朝六時半に起きてゐる始末です。ここには本当の人間の生活がありさうです。たとへ一週間でも、本当の人間の生活をまねして暮すのは、快適でした。<中略>明朝ここを発つて、三重賢県の志摩観光ホテルへまゐります。そこで僕はまた、乙りきにすまして、フォークとナイフで、ごはんをたべるだらうと想像すると、自分で自分にゲツソリします。」

と述べている。

<三島由紀夫川端康成宛の書簡」より>

※その他『潮騒』について沢山の小話がありますので、ご興味ある方はWikipdiaなどご覧いただくと面白いかと思います。

 

 

最後に

三島由紀夫の別作品、美を武器に人を壊すことの快楽と空虚さのようなものを描いた『禁色』とは正反対の、純粋な恋愛を描いたこの作品『潮騒』。

出版時の年齢は二十九歳だったとのことですが、本当に表現方法に幅が広い方なのだと改めて感じます。

潮騒』は読みやすく、三島作品の中でも入門編のように捉えられたりもするようなのですが、私は『禁色』や『金閣寺』から入ったものでして。

そのため読み始めると、あれ?と思うような違和感を感じたりもしましたが、幸せな結末含め十分な満足感を感じることが出来ました。

 

改めて、凄い方です。

 

 

本日も物思いにふけるを見つけてくださった方、お読みいただた方、ありがとうございます。

 

 

私は小説で難しい漢字が出てくると、調べることもあれば、勢いで飛ばしたりするのですが、どうするのが正解なのか‥。

とまあこの話はまたの機会に。

 

それではまた。

主観的映画感想その9、シャーリーズ・セロン主演『Monster』。

昔拝見した映画、『モンスター』。

初めて見た時のインパクトが強く残っており、もう一度、現在はどう感じるのかも含め再度鑑賞し、その感想を綴らせていただこうと思う。

 

 

(2004年9月25日上映/109分/製作国アメリカ)

(ジャンル:ドラマ、クライム、伝記)

(監督・脚本:パティ・ジェンキンス)

(キャスト:シャーリーズ・セロンクリスティーナ・リッチetc...)

 

 

映画『モンスター』について

映画『モンスター』は、実在の女性連続殺人犯「アイリーン・ウォーノス」をモデルにした作品。

アイリーン・ウォーノスは貧困と暴力に満ちた過去を背負い、路上で売春をしながら生活をしている。

社会から見放され、孤独と絶望の中で日々を過ごしていた彼女は、同性愛者のセルビーという若い女性と出会う。

セルビーとの関係は、アイリーンにとって初めて人として愛される経験だった。

普通の生活を夢見るようになるが、現実はあまりにも過酷。

生きるため、愛を守るためにとった行動は取り返しのつかない連鎖を生み出していく。

 

 

主観的感想

この映画を見ると、この世の「善と悪」について考えされられてしまう。

冒頭、アイリーンは「残り5ドルしかない。」と呟き、有り金を使い切ったら命を絶とうと考えている。

それほど、人生に疲れ果て、絶望してしまっている。

しかし、そこで出会う18歳の同棲愛者のセルビー。

当初セルビーを拒絶していたアイリーンだったが、二人で酒を呑むにつれ距離が近まっていく。

そして自身の愛する人に。

序盤はまるで二人のメロドラマを見ているような感覚。

使用されている曲も相まって、この先に希望があるようにも感じてしまうのですが。

 

本作『モンスター』では、アイリーンの犯罪を正当化せず、決して同情を誘うような描写があるわけではありません。

しかし、幼少期からの辛い経験、生計を立てるために売春という手段しかなかったアイリーンは、環境の犠牲者だったのではと感じてしまう。

アイリーンが人生で望んだのは、愛する人を得ることだけだった。

セルビーという愛する人を手に入れたアイリーンは、それを守るためなら何でもしようとしたのだろう。

また、最初の殺人に対して何の疑いもかからなかったことが、その後の犯罪を容易にしてしまった。

とんでもないことだが、犯罪ということしか手段がなく、そしてそれくらい二人の生活を守りたかったのだと感じる。

終盤、警察に盗聴されたアイリーンとセルビーの電話での会話で、殺害の責任は全て自分一人にあると認め、自分を起訴したセルビーに一切の恨みを抱きませんでした。

もし、自分がアイリーンと同じ環境で、他の手段が何もない環境だったらと考えると、色々と考えてしまう。

勿論、罪を犯すという行為は肯定できるものではありません。

ですが、一概に「悪」というだけでは説明がつかない。

何かきっかけだったり、ほんの少し環境が違ったら違う結末になっていたのではないだろうか。

彼女は生まれた時から「モンスター」では無かったのではないか。

答えは難しい‥。

 

アイリーンは12年間の服役の後、死刑が執行される。

映画でのアイリーンの最後の言葉、

「愛は全て打ち勝つ」

「どんな困難でも必ず光が差す」

「信仰は山を動かせる」

‥‥‥「全部クソだ。」

これを最後に聞いた時、彼女は本当に救いがなかったのだろうと、心が痛くなってしまった。

 

 

シャーリーズ・セロンの演技

主演のシャーリーズ・セロンは本作で、約14キロほどの増量の肉体改造と素晴らしい演技力で、アカデミー主演女優賞を受賞。

体重増加だけではなく、煙草の吸い方、ビールの飲み方、話し方なども、いわゆる労働階級の仕草というものが非常にリアルに表現されているのが凄い。

恐らく、何も情報を見ないで鑑賞すると主演がシャーリーズ・セロンとは気づかないのではないだろうか。

特殊メイクもあるとは思うのだが、凄まじい変化。



アイリーン・ウォーノスについて

1989年から91年にかけて7人の男性を殺害した罪で死刑判決を受け、2002年に薬物注射によって死刑が執行された。

アメリカでは死刑になった10番目の女性。

裁判では当初アイリーンは罪を認める気は無かった。

しかし、ティリア(セルビーのモデルとなった人物)が検察側の証人で出廷、警察と司法取引を結び、彼女は起訴されることになった。

誰も信頼出来なったアイリーンの唯一の存在だったティリアの裏切り、全て悟ったアイリーンはこの頃から罪を認めるように。

そして精神鑑定の結果も全て正常であるとの判断だったことが死刑判決への道を開く。

彼女は最後の晩餐を拒否し、コーヒーを一杯だけ飲んだとのこと。

そして最後の言葉は、「あたしはこれから航海に出るけど、『インディペンデンス・デイ』って映画みたいに、イエス・キリストと一緒に母船に乗って帰ってくるよ。6月6日にね。また帰るんだよ。戻ってくるからね」だった。

(一部、Wikipediaから抜粋)

本作のジョンキンス監督は、刑務所に収監されていたアイリーンと文通でのやり取りをしていたようです。

 

 

最後に‥

初めてこの『モンスター』を観た時は、どうにも居た堪れない気持ちになったことを覚えています。

そして今回、やはり同じような気持になったし、もっとリアルに自分だったら‥。ってことも考えた。

アメリカの貧富や環境の差というのは、深い溝があり、そこから抜け出すことの困難さは非常に難しいのかもしれません。

日本は、恐らくそこまで厳しいことは無く、セーフティラインみたいなのが整備されていると思います。

しかし日本も今後のことは分からない。

色々考えさせられる映画です。

 

 

本日も物思いにふけるを見つけてくださった方、お読みいただいた方、ありがとうございました。

 

 

現在Netflixにて『アイリーン:シリアルキラーの数奇な人生』というドキュメンタリーが配信中。

‥多分、私は観ないかな‥。

 

それではまた。

 

『オンラインショッピングで詐欺に遭った話。』

先日、オンラインショッピングで詐欺被害に遭ってしまいました‥。

私は普段からネット通販をそれなりに利用するのですが、まさか自分が詐欺に引っかかるとは。

同様の被害に遭う人が少しでも減ればと思い、今回の経緯や詐欺の手口、対処法などをまとめておこうと思います。

 

 

詐欺サイトにたどり着いたきっかけ

詐欺サイトにアクセスしたのは、探している商品名をGoogleで検索した時でした。

見たことも聞いたこともないオンラインショップでしたが、検索結果の2番目に表示されており、

「検索上位ならそれなりに利用者がいるのかな?」

と勝手に安心してしまったことが、失敗のはじまりでした。

私は12月下旬から海外へ一人旅に出るため、旅のお供にアウトドアブランドの製品を購入したいと思っていたこともあり、そのサイトを見てみると‥どの製品も通常よりも明らかに安い価格帯。

今思えば怪しすぎるのですが、その時は「お、安いな。ラッキー。」くらいの楽観的な考えだったのです。

 

 

何故怪しいと気づけなかったのか

詐欺サイトは雑な印象があると思っていたのですが、そのサイトは違いました。

Google検索で上位表示

・口コミレビューが多数掲載

・国内住所や代表者名が公開されていた

上記のそれっぽさから、こういったサイトもあるんだと思ってしまい、疑う気持ちが薄れてしまったのです。

 

ちなみにこちらのサイトです。

犬畜生の詐欺サイトです。
こちらは詐欺サイトなのでご注意ください!



実際に遭った詐欺の流れ

商品を選択後、支払い方法は

・コンビニ振り込み

・PayPay送金

の2つのみ。

この時点で本来なら警戒するべきなのですが‥。

そして注文するには会員登録が必須になっている。

私は個人情報を入力し、支払いはPayPay送金を選択し確定。

すると支払い詳細などのメールがすぐに届きました。

届いたメール。(個人情報は削除しています。)

それらしい内容のメールが届いたのですが、私はPayPayでの送金がやはり気になり、このサイト名を検索してみると、知恵袋などでも詐欺サイトとして複数の報告が‥。

ここで疑惑が確信に変わりました。

被害額は5,720円。まだ少額だったのと、クレジットカード情報などは入力していないのが唯一の救い。

しかし金額よりも、個人情報を入力してしまっている事の不安が私は大きかったです。

 

詐欺サイトの典型的な手口

詐欺サイトは特徴があり、

・商品画像や説明文が他のECサイトから引用している

・価格が相場より不自然に安い

・日本語が不自然なこともある

他にも色々あるようですが、今回のケースは日本語の不自然さはあまり感じなかったのですが、でもどの特徴も頭では分かっていたはずなのに‥。

 

そして翌日、さらに詐欺サイトから新たなメールが。

商品欠品のため、返金しますとのこと。

このいかにもなメールは、Lineにおびき寄せ二次被害を狙われているので返信してはいけません。

詐欺サイトは返金などするはずもなく、巧妙な手口でさらなる詐欺を狙っています。

 

 

被害後に実際に行った対処法

翌日、すぐに以下の対応を行いました。

・警察へ連絡

海外サーバーのサイトのため、逮捕は難しいとのことでしたが、検索エンジンやセキュリティ会社へ注意喚起を出してくれるとのこと。

また、逮捕などや補償は難しいようなので、被害届は出しませんでした。

(本来は被害届は出された方がよろしいかと思います。)

 

・PayPayへ連絡

送金は本人の意思とみなされ、返金の可能性は限りなく低いとの説明。

補償申請を行う場合は、審査の間3ヶ月間アカウントが凍結されるようで、今回は申請を見送りました。

また、PayPay側からは、「送金だけでは個人情報や乗っ取りに遭う可能性は非常に低い」と聞き、少し安心。

 

PayPayの注意書きにも説明がありました。

 

・各種サイトの登録メールアドレスとパスワードの変更

同じメールアドレスを使用しているサイトは、出来る限りパスワードやアドレスの変更を行いました。

 

 

詐欺サイトのチェック方法

以下の確認方法で、詐欺サイトの多くは防ぐことができると思います。

・支払い方法が振り込み、送金のみ→95%以上の確率で詐欺

・詐欺サイトチェッカーでホームページを調べる

・メールアドレスがフリーメール

特商法表記が不十分(住所が曖昧)

今回私は住所をGoogleマップで調べましたが、地方のショッピングモールの住所が使われており、実在しているかのように見せる巧妙な手口‥。

警察からは、怪しいと感じたら詐欺サイトチェッカーを出来る限り使用することを推奨されました。

このホームページでURLを入力するのみ。

 

 

年末は詐欺が増えるので要注意

年末はクリスマスやセール、ふるさと納税などの需要が増加するため、オンラインでの詐欺被害が急増するようです。

オンラインでのお買い物は便利ですが、注意も必要ということが改めて身に染みた今回の件。

少額だったし勉強代なのかな‥。なんて思ったりもしたのですが、本来であれば不要な勉強代、そして何より気持ちが沈む。

トホホ‥。

 

この内容が、どなたかが詐欺に遭わないためのきっかけになれば嬉しいです。

 

 

本日も物思いにふけるを見つけてくださった方、お読みいただいた方、ありがとうございます。

 

 

まさか自分が‥、なんてことが起こるのが人生。

何事も油断は禁物ですね。

それではまた。

 

 

 

主観的映画感想その8、『ナイト・オン・ザ・プラネット』。

久しぶりに、ジム・ジャームッシュ監督の『ナイト・オン・ザ・プラネット』を鑑賞。

良い映画は、何度観てもやはり良い。

『ナイト・オン・ザ・プラネット』について、うんたらかんたら、なるべくネタバレなしで主観的な感想を書かせていただこうと思います。

 

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『ナイト・オン・ザ・プラネット』 原題『Night on Earth』

(1992年4月25日上映/129分/アメリカ、ドラマ)

(監督:ジム・ジャームッシュ/キャスト:ウィノナ・ライダージーナ・ローランズロベルト・ベニーニetc...)

 

 

この映画はロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキの同じ夜を、タクシー運転手と乗客が車内で交わす会話を中心に描いたオムニバス作品。

五つの都市の夜の街、そしてタクシー運転手と乗客。

異なる文化や言語、異なる国の建築様式。それぞれの魅力的な人物のちょっとしたエピソード。

決して派手さがあるわけではないが、映像や言葉のセンスがたっぷりと詰まった素晴らしい作品。

 

 

ロサンゼルス

最初のエピソードはロサンゼルス。

ウィノナ・ライダー演じるコーキーという女性がタクシードライバー

小柄で可愛らしい女性。ボーイッシュで一見子供のように見える彼女は、地に足がついた考えを持っている。

そこに乗客として乗り込んだのは、ハリウッドのキャスティングエージェントをする女性(ジーナ・ローランズ)。

大ぶりな携帯電話で仕事の話をしているその女性は、身なりや持ち物で大物と思われる。

まるで身分が違う二人が会話を続ける内に、コーキーの魅力に気づいたその女性はある提案をするのだが。

 

こちらのエピソードは、ウィノナ・ライダーが完全に『クール』です。

可愛いとか、綺麗とか、そのような言葉というよりも『クール』という表現がしっくりくる。

キャップを後ろ向きに被り、ダボっとしたワークシャツを腕まくり、大きめのデニムを履きガムを噛みながらラッキーストライクのタバコを吹かす。

いかにも旧アメリカらしい服装。

しかし、将来の事は非常に現実的でぶれない考えを持っている。

二人の会話中にコーキーが面倒くさそうに、「OK、ママ」と言う場面が何度かありますが、アメリカらしい表現が何ともおしゃれ。

 

ウィノナ・ライダーティム・バートン監督の初期作品の常連で、『ビート・ルージュ』、『シザーハンズ』をはじめ、現在大人気の『ストレンジャー・シングス』にも出演。とても魅力的な女優です。

 

ニューヨーク

お気に入りのストーリー。

ブルックリンへ向かう黒人男性の若者が、街角でタクシーが捕まらず苛たっている。

その黒人男性の前にようやく、奇妙な走行で年配の男性が運転する一台のタクシーが止まります。

この全く異なるキャラクターの語らいが可笑しく温かい。

年配男性のドライバーは自身の名前を「ヘルムート」と伝えると、黒人男性は「ヘルメット」に聞こえると大いに笑います。

その後に自分の名前を聞かれると、少し罰が悪そうに「ヨーヨー」と明かす。

この何の変哲もないやり取りが、私には可笑しく好み。

 

年配のヘルムートは運転もままならず、アメリカ文化を理解していないことが分かったヨーヨーは、目的地まで自分が運転すると伝え、迷った末ヘルムートはそれを承諾することに。

終盤になる頃には、人種も全く違うこの二人のキャラクターの絆が感じれる、少し温かいストーリー。

 

 

パリ

パリ編では、イサック・ド・バンコレが名もなき運転手を演じます。

この回での彼の最初の乗客は二人のアフリカ移民。彼らは自らを「重要人物」と称し、大きな声で笑いながら語っているのだが、運転手はとても不快に感じている。

二人の乗客は運転手の顔、話し方などで出身国を当てようと悪ふざけをするのだが、コートジボワール出身だと知ると彼らはからかい始め、怒った運転手は何もない道端で彼らを下ろし走り去る。

憤りを感じながら次の乗客を探していると、一人の女性(ベアトリス・ダル演じる盲目の女性)がタクシーを待っており彼女を見た彼は、この乗客なら文句は言わなさそうだと思い車を停めますが、その彼女の一言目は「クソ野郎。轢き殺すところだったわ。」でした。

タクシー運転手役のイサック・ド・バンコレは実際にコートジボワール出身。
盲目女性を演じたベアトリス・ダルの演技も凄いです。

このストーリーは大変興味深いです。

運転手は物珍しいものを見たかのように、好奇心から乗客の盲目の女性に執拗に様々な質問をするのですが、全ての問いに見事な答えを持っている。

「色は見えないだろ。」と聞くと、「色を感じることができる。」と答える。

「俺のアクセントや話し方で出身国が分かるか?」と聞くと、「コートジボワールね。」と当てられる。

その女性は盲目ということが大袈裟に扱われることに、恐らく苛たちを感じている様子。

結末のオチを含め、「目が見える人の方がよっぽど見えていない。」と言われているようなストーリーです。

 

 

ローマ

ローマ編は特にコメディな色が強い回。

ロベルト・ベニーニ演じる運転手ジーノが乗客の神父を見つけるのですが、タクシーに乗り込もうとする車を動かし、また乗ろうとすると車を動かす。

まるで悪戯をしているのか、からかっているのか。

具合な悪そうな神父がタクシーに乗り込むと、ジーノは煙草を吸いその煙に咽ぶ神父。

ジーノは懺悔を聞いてほしいとお願いするのだが、神父は繰り返し拒否します。

しかし無理やりに懺悔を始めるのだが、そこからのマシンガントークが始まります。

あまりの下品な内容に、神父の具合はどんどん悪化していき‥苦笑。

完全なるブラックジョークのストーリー。

 

こちらの運転手ジーノ役のロベルト・ベニーニは、1998年公開の『ライフ・イズ・ビューティフル』にて脚本と主演を務め、アカデミー主演男優賞、アカデミー外国語映画賞カンヌ国際映画祭 審査員特別グランプリを獲得するなど世界各国の映画賞を受賞した名俳優。

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そんな彼の独特のコメディセンスから発せられるマシンガントークと、神父との温度差は爆笑です。

 

 

ヘルシンキ

雪景色のヘルシンキを舞台にした最終章は、哀愁を帯びたストーリー。

ミカ(マッティ・ペロンパー)は無表情で口髭を生やしたタクシー運転手。

依頼された場所へ向かうとひどく泥酔した三人組が肩を寄せ合い立っており、彼らを家まで乗せるのですが、三人組の内の一人アキは酔い潰れて意識がない状態。

彼らは「アキにとって今日は人生最悪の日だった。」と主張します。

彼らはアキに何があったか話はじめるのですが、運転手のミカは「そんな程度か。」と。

そしてミカは自身に起きた出来事を話はじめる。

ミカの語る話は彼らにはあまりにも悲しく、涙を流し、「アキに起こったことなんて大したことではない。こんなことで愚痴をこぼすなんて。」と意識の無いアキを罵倒。

自宅近くで二人は下車。アキはようやく目を覚ましふらふらした手でお金を支払い、一人ぽつんと歩道に降り座り込み、エンドロールが始まります。

 

なんとも言えない、深い意味があるのか、はたまた無いのか。

物静かで、雪景色が相まって哀愁の漂うストーリーになっています。

 

 

この『ナイト・オン・ザ・プラネット』アメリカで公開された際には僅か40スクリーンでの公開だったようです。

力を入れている大作になると、300〜400以上のスクリーンでの公開を迎えるようなのですが、対象的。

しかし、この理由は効果的なプロモーションを狙った限定公開だったようで、静かなストーリーとこういった宣伝が項を制したのか、昨今でも好きな方が多い作品になったと思います。

 

ジム・ジャームッシュ監督は、『ナイト・オン・ザ・プラネット』を俳優たちを想定し脚本を僅か8日間で書き上げたとのこと。

自らが旅人でもあるジム・ジャームッシュ監督は本作について、「私は都市が大好きだ。まるで恋人のようだ。」、「タクシーの中に閉じ込められていても、都市は重要人物となる。各都市の雰囲気、色彩、光の質は大きく異なり、そこに住む人々や、そこにいるあなたの感情に異なる影響を与えている。」と語っている。

 

小話

2022年2月11日に公開された松居大吾監督の日本映画、『ちょっと思い出しだだけ』という映画にて、劇中のロサンゼルス編の映像が引用されています。

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『ちょっと思い出しただけ』

クリープパイプの尾崎世界観が自身のオールタイムベストに挙げている映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』から着想して作曲した『ナイトオンザプラネット』に監督の松居が触発され、自身初の完全オリジナルラブストーリーとして執筆した。またクリープパイプも主題歌を手掛けるのみならず、劇中バンドとしても出演する。

(Wikipediaより抜粋)

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夜にのんびりと見たくなるような、そんな映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』

繰り返しになるのですが、良い映画は何度見てもやはり良いもの。

間違いなく素敵な映画です。

 

本日も、物思いにふけるを見つけてくださった方、お読みいただいた方、ありがとうございます。

 

ジム・ジャームッシュ監督の作品は本当に名作が多い。

『コーヒー&シガレッツ』『パターソン』ゴースト・ドッグ

寝不足に注意しないと‥。

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それではまた。

 

 

【2025年11月・映画記録】今月鑑賞した映画5選。

秋が深まるにつれて、夜の時間が長くなる。

集中力が高まるこの夜の時間は、本を読んだり、じっくりと映画を楽しむのに最適だと思います。

今月もたくさんの作品に出会うことが出来ました。

先日の読書記録に引き続き今月鑑賞した中から、おすすめできる映画5選をご紹介させていただきたいと思います。

 

 

1.『PERFECT DAYS』

(2023/12/22上映 124分 日本映画、ドラマ)

(監督 ヴィム・ヴェンダース/主演 役所 広司)

 

役所広司さん演じる平山が、東京のトイレ清掃員として日々を送る姿を描いた作品。

ルーティン化された仕事、小さな趣味、人との繋がり。

特別な出来事が起こるというよりも、日常の中の小さな幸せ、ちょっとした風景の美しさに目が引き、とても良い。

浅草の街並みや、レトロなカセットテープなど、ノスタルジックな雰囲気も感じられる。

人生とは、幸せとは何かを問いかけられる。静かで美しい。

 

 

2.『Aftersun』

(2023/5/26上映 101分 イギリス映画、ドラマ)

(監督 シャーロット・ウェルズ/キャスト ポール・メルカル、フランキー・コリオetc...)

 

30歳になった娘ソフィが、20年前に父と過ごしたトルコのリゾート地での夏休みの映像を振り返る。

記憶を振り返った思い出が中心の為、ふわふわとぼやけた映像に感じます。

結末をはっきりと描くわけではなのですが、それがまた何とも言えない切なさを増幅させます。

鑑賞した後はとてつもなく余韻が残る、凄い映画でした。

 

 

3.『THE BEACH』

(2000/4/22上映 118分 アメリカ映画、サスペンス、ドラマ、アドベンチャー)

(監督 ダニー・ボイル/主演 レオナルド・ディカプリオ)

 

センスの塊、ダニー・ボイル監督の一作。

バンコクを旅する青年は伝説のビーチの話を耳にし、その地図を手にする。そしてそのビーチを目指し、遂に辿り着くのだが‥。

2000年前後のバンコクは現在よりも混沌としており、THE東南アジアも感じられる作品。

久しぶりに鑑賞したが、やはりダニー・ボイルの映像センスを実感いたします。

集団生活、同調圧力の怖さ。自然の楽園も、人間の考えや行動によって変わってしまうのかもしれません‥。

 

 

4.『THE BIKERIDERS』

(2024/11/29上映 116分アメリカ映画、ドラマ)
(監督 ジェフ・ニコルズ/キャスト オースティン・バトラー、トム・ハーディetc...)
 
1965年アメリカ・シカゴで結成された架空のモーターサイクルクラブ、「ヴァンダルズ」を描い作品。
荒くれ者の不良達の絆と葛藤、時代と共に変容していくチームの姿を映し出している。
「ヴァンダルズ」はどんどん大きくなり、各支部が立ち上がるほど急激に拡大していくのだが‥。
古き良きアメリカが舞台となった映画には惹かれますが、こちらも正に。
自由を愛するアウトローたちのファッションやバイクが素晴らしく、そしてオースティン・バトラー演じるベニーが最高に格好良いです。
 
 
5.ラスベガスをやっつけろ

(1999/12/18上映 118分アメリカ映画、ドラマ)
(監督 テリー・ギリアム/キャスト ジョニー・デップ、ベネチオ・デル・トロetc...)
 
テリー・ギリアム監督の独特の映像が魅力なドラッグロードムービー
私の大好きな俳優ベネチオ・デル・トロとジョニー・デップの破茶滅茶な怪演も映像と合わさり、正に60年代から70年代の空気感を感じれる。
様々なドラッグが出てくるのですが、都市伝説でよく聞く「アドレナクロム」なんかも登場。映画の登場人物は常にラリった状態とやりたい放題。
ジョニー・デップの髪型にご注目ください。
 
 
以上、今月鑑賞した一部ではありますが、印象に残った作品5選。
どれもおすすめですし、恐らく鑑賞した方は多いのではと思います。
 
 
特に1.『PERFECT DAYS』2『Aftersun』は個人的に心に残った映画。
『PERFECT DAYS』ヴィム・ヴェンダース監督は小津安二郎監督作品に深い影響を受けているようで、日本文化を深く愛してくれているようです。
その為、外国人監督が撮ったとは感じられない、違和感の無い日本の下町カルチャーと言いますか、浅草のノスタルジックな街並みが描かれている。
そして劇内で使用されている音楽も印象的。
 
また『Aftersun』言語化するのが難しい程に、心に深く残るというよりも、突き刺さる先品です。
良かったという単純な感想では語り尽くせない、色々な事を心に思う。
「エモい」という表現がありますが、鑑賞中から見終わった後まで「エモい」気持ちになる。
ご興味のある方は、是非この秋の夜長(と言ってももう冬)ご覧になってみてください。
 
 
本日も『物思いにふける』を見つけてくださった方、お読みいただいた方、ありがとうございました。
 
それではまた。