Skip to content

英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

  • Contact
  • Privacy Policy
  • 自己紹介 / About me

カテゴリー: 映画

2025年総括と2026年展望

Posted on 2025年12月31日 by cool-jupiter

2025年総括

副業、さらに英語ネタの note に時間を使っていて、年間100本のレビューには二年連続で及ばず。しゃーない。邦画では『 国宝 』がまさかの実写歴代一位を獲得。年末にも上映されているという異例のロングランとなったのが印象的。外国映画では、数こそ少ないものの中国アニメが鮮烈な印象を残した。映画館の営業スタイルはコロナ禍の前および最中に比べて完全に旧に復したが、チケット代はじわじわと上昇。それだけ国が貧しくなったのだと感じて、気が滅入る。アニメが強いのはお国柄だと言えるが、アニメが最強コンテンツだというのは毎年ながら釈然としない。

 

前向きになれる傾向としては、コロナ禍を経験した中で、旧来の連たちの形、新しい連帯の形が積極的に模索されてきたこと。『 フロントライン 』や『 この夏の星を見る 』などは、社会派でありつつエンタメの要素も併せ持った良作だった。今後は外国人問題、超高齢者問題、孤独死、尊厳死、そして戦争前夜の雰囲気を色濃く反映した映画が作られていくことを懸念しつつ、期待もしたい。

 

それでは各賞の発表をば。

 

2025年最優秀海外映画

『 教皇選挙 』

現実世界での教皇の死去および本物のコンクラーベが本作公開の年に起こるというのは、良くも悪くも最高のプロモーションになったのではないだろうか。宗教というシステム(Jovianの卒論のテーマだった)は信じることによって生み出されているが、それは政治でも経済でも同じこと。法律は文字、貨幣は物体。そこに現実的な拘束力はない。しかし、我々はそのシステムに従う。大切なのはシステムを盲目的に受け入れることではなく、それに疑義を抱くこと。そうしたことを非常にサスペンスフルに描き出した本作こそ、年間最優秀映画の栄に浴するにふさわしい。

次点

『 羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 』

小黒の成長、新キャラの導入、そして人間と妖精、妖精と妖精の間の緊張関係の高まりを2時間の中に過不足なく盛り込んだ脚本は称賛に値する。また、台詞に頼らない narrative 、さらにアニメ的というよりも漫画的な格闘シーンの数々が印象的だった。中国がコンテンツ産業にも力を入れ始めた証か。ジブリを承継するのは日本ではなく中国となるのだろうか。このクオリティの作品を継続的に作れるなら、それも歓迎したい。そう感じられるほどのクオリティの高さを誇っている。

次々点

『 ラブ・イン・ザ・ビッグシティ 』

韓国に限らず、世界の大都市に共通する環境の中で紡ぎだされる物語。都市とは、隣人が正体不明である空間に他ならない。誰もが他人に無関心である中、マイノリティたちが互いにロマンティックにならず、しかし自らのロマンスをひたむきに追い求め、傷つき、そして癒されていく。分断の対義語の一つに共存があるが、その共存のありうべき形を提示した傑作。

 

2025年最優秀国内映画

『 愛されなくても別に 』

ある意味で日本版の『 ラブ・イン・ザ・ビッグシティ 』であるとも言える作品。身の上の不幸を嘆くのはいいが、それを他人と競っても仕方がない。同病相哀れむのはいい。しかし、これからの時代に求められるのは、異病相慈しむという姿勢ではないだろうか。それを如実に示した本作の価値は上がりこそすれ、下がることはないに違いない。

次点

『 国宝 』

まさかの実写映画の日本歴代ナンバーワンの興行収入を達成。テレビの力で一位に君臨してきた作品が、テレビ資本なしの本作によって蹴落とされるのは象徴的。政治およびエンタメの世界の口コミの力に辟易していたのだが、本作のヒットは間違いなく数多くのレビュワーの力によるところも大きい。もちろん、脚本、演技、撮影のすべてもハイレベルだったことは言うまでもない。

次々点

『 JUNK WORLD 』

狂ったクリエイターがさらにその凶器を加速させて作り上げたエンタメ。実写とアニメの境目を行く本作は、その制作過程だけではなく、そのストーリーも良い意味で狂っている。個性が重視されながらも、それを育てる土壌がない日本社会において、このようなクリエイターが制作に没頭し、作品を発表できていることは非常に好ましいことだ。

 

2025年最優秀海外俳優

デミ・ムーア

『 サブスタンス 』での異様・異形の演技を高く評価する。日本の小説の『 モンスター 』をボディ・ホラーに昇華させ、『 ザ・フライ 』のような着ぐるみとメイクがCGに優る視覚効果を生み出すことを再確認させてくれたのも大きい。

次点

ティモシー・シャラメ

『 名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN 』で反骨のボブ・ディランを体現した。一歩間違えば単なる物真似かつコスプレになってしまうところを、伝記映画として引き締めたのはシャラメの力に依るところが大きい。

次々点

レオナルド・ディカプリオ

かつてのハンサム俳優から、なんでもありの演技派となったディカプリオが、『 ワン・バトル・アフター・アナザー 』で新境地を開拓した。父親の愛情を表現する演技のひとつの基準になったのではないか。

 

2025年最優秀国内俳優

吉沢亮

『 国宝 』の主演によって、ついに代表作を手に入れた。ハン・ソロ=ハリソン・フォード、ロッキー=シルベスター・スタローンのように、立花喜久雄=吉沢亮だと言えるようになった。演技は学問であり、知識であり、技術であるが、それだけではない。渾身の力で演じることが重要なのだと、吉沢の演技は物語っていた。

次点

毎熊克哉

『 桐島です 』で時代に取り残された不器用な逃亡者を好演した。陰のある男がよく似合う、どこか昭和、平成の空気をまとった役者で、この人が出ている作品はハズレが非常に少ない。

次々点

馬場ふみか

『 愛されなくても別に 』で、非常にアンニュイながらも内に秘めたエネルギーの強さを感じさせるキャラを好演した。Jovianのお気に入りの南沙良を役の上で完全にコントロールしていた。おそらく撮影の現場でもそうだったのだろう。さらなる活躍に期待が高まる。

 

2025年最優秀海外監督

ポール・トーマス・アンダーソン

一歩間違えれば壮大なギャグになりかねない『 ワン・バトル・アフター・アナザー 』を、ユーモアと緊張感とスリルと恐怖で2時間40分を1時間40分に体感させるほど凝縮した手腕は見事の一語に尽きる。

次点

MTJJ

『 羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 』の、徹底して絵で見せる手法と、その根底にある観客への信頼を評価する。言葉ではなく行動で語る鹿野というキャラは、まさにMTJJ監督の申し子とも言うべき存在。

次々点

チョ・ソンホ

『 君の声を聴かせて 』の演出が胸を打った。フェアに伏線を張りつつ、それでいて終盤に観る側を驚かせてくれるという演出のバランス感覚は絶妙だった。

 

2025年最優秀国内監督

李相日

3時間の長丁場をまったく弛むことなく、常にドラマを盛り上げ続けた『 国宝 』の演出を評価したい。歌舞伎の人気を盛り上げ、また兵庫県をはじめとする各地の聖地巡礼を盛り上げるなど、社会現象にまでなった。そうしたムーブメントを起こせる映画は数年に一つ生まれるぐらいである。

次点

平松恵美子

『 蔵のある街 』で、これぞご当地ムービーという作品を届けてくれた。地元出身者を起用するという基本を外す作品が多い中、本作は倉敷出身者をキャスティングしたところも好印象。

次々点

山元環

『 この夏の星を見る 』が示した、オンラインでのつながりが、決して触れ合えない、しかし互いの存在は認識し合える星と星のようだった。触れ合うことなくとも、人は人を照らすことができるということをコロナ禍の最中の青春群像劇として仕上げた手腕は素晴らしかった。

 

2025年海外クソ映画オブ・ザ・イヤー

『 ジュラシック・ワールド/復活の大地 』

前作までの設定をすべて放り出したリセット作品。人間の行動がすべてアホで、なおかつ「それはもう別の作品で見た」という監督の自己満足シーンのオンパレード。時間とカネを無駄にした作品のワースト・ワンに決まりである。

 

次点

『 スーパーマン(2025) 』

魅力に欠ける主人公、そしてそれ以上に魅力とカリスマ性に欠けるヴィランと、せっかくのスーパーマンとレックス・ルーサーという極上の素材がまったく活かされないままに調理されてしまった。

 

次々点

『 ロングレッグス 』

2021年の『 ウィッチサマー 』と同じく、もの珍しさだけで喧伝されてしまった作品。

 

2025年国内クソ映画オブ・ザ・イヤー

『 恋に至る病 』

意味不明な展開に意味不明なキャラ描写。キャラクターたちの行動原理の奥底にあるものを一切描写することなく、そのヒントすらないままに奇行に走っていくキャラたちに頭を抱えるばかり。脚本段階、撮影段階、編集段階、試写と、どこかの段階で誰か突っ込みを入れられなかったのか。

次点

『 ぶぶ漬けどうどす 』

ダメなご当地映画はこうやって作れ、というお手本のようなクソ作品。京都を極めて皮相的にしか理解していない人間が京都を題材にするとこうなってしまうわけだ。脚本家および監督は少なくとも京都に3年は住む、あるいは働いてから本作に取り掛かるべきだった。

次々点

『 果てしなきスカーレット 』

姫たるスカーレットが死者の国で復讐の鬼と化す。これほど面白そうな題材を、何をどうやったらあれほどクソつまならない物語にしてしまうのか。聖のキャラの薄っぺらさ、スカーレットのぶれぶれの姿勢、ご都合主義ばかりのストーリー展開。復讐したい相手がその先に待つという階段を、『 タイタニック 』でジャックに支えられるローズばりに登っていく姿には頭を抱えざるを得なかった。

 

2026年展望

AIが日常生活、学校教育、産業に浸透してきた。当然、映画製作の現場にもその影響は押し寄せている。そこには正の影響も負の影響もあるわけで、技術をどのように受容するのかは業界が試行錯誤して決める、あるいは自然淘汰に任せることになるだろう。映画ファンとしては、AIをホラーあるいはファンタジーではなく、ミステリやサスペンス、あるいはヒューマンドラマの文脈で再解釈した作品が国内外でより多く生み出されることを期待したい。

 

個人的には来年はゲームサントラのコンサートのレビューや、小説や漫画、ビジネス書のレビューにも挑戦してみたい。

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村  
Posted in 国内, 映画, 海外Tagged 2020年代Leave a Comment on 2025年総括と2026年展望

『 白の花実 』  -曖昧模糊もほどほどに-

Posted on 2025年12月31日2025年12月31日 by cool-jupiter

白の花実 35点
2025年12月31日 テアトル梅田にて鑑賞
出演:美絽 池端杏慈 蒼戸虹子 門脇麦
監督:坂本悠花里

 

2025年の締めくくりにテアトル梅田へ。

あらすじ

心ならずも全寮制の女子校に転校してきた杏菜(美絽)は、ルームメイトの莉花(蒼戸虹子)と友達になる。しかし、莉花(蒼戸虹子)はある日、命を絶ってしまう。莉花の日記も見つかり、そこに綴られた思いに触れていく杏菜。そして莉花の魂を目にするようになり・・・

 

ポジティブ・サイド

思春期の女子たち、それも生活を共にする者たち特有の距離感がよく表されている。二人部屋、三人部屋でも互いに立ち入るべきではないパーソナルなスペース(必ずしも人間のそばである必要はない)は確かにある。

 

一人でいることを好む者、集団に属すことを好む者、大人への反抗を旨とする者、そうした少女たちの思いは、それぞれが杏菜の思いの体験者であり、代弁者でもあったのだろう。

 

若いキャストばかりで浮ついた、表面的なストーリーになりそうなところを、門脇麦や河井青葉らが引き締めてくれた。

 

ネガティブ・サイド

杏菜も莉花も栞も、ちょっと演技が薄っぺらい。「発声」と「動き」を同時にできていない。これは監督の演出力の不足のせいか。

 

杏菜が霊感を有するという設定の見せ方が下手すぎるし、ドアがバタンと閉まったぐらいで大袈裟に動揺する寮生たちもどうなのか。人魂もあまりにもチープ。人魂が存在するのが悪いのではなく、それが青白く光る球体というのが陳腐すぎる。

 

女子校の寄宿舎に、仮にも父兄とはいえ、男がずかずかと上がり込めてしまうのはセキュリティ上、どうなっているのか。

 

そもそも生徒が飛び降り自殺しているわけで、そこに出てくるのが警察ではなく第三者委員会というのがおかしい。

 

門脇麦の思わせぶりな台詞や、読めそうで読めない日記の記述など、こちらが知りたいことについて、ほとんど明確な答えを得られないまま物語が閉じてしまうのは残念。もちろん、謎を謎のまま放置するのが悪いわけではない。が、明かすべき謎とそのまま残しておくべき謎の峻別が本作はあまりうまく行えていないという印象を持った。

 

総評

脚本や演出がもう一つなのだろうが、一番の問題はおそらく編集。必要なところをカットし、不要なところをつなげてしまったせいで、全体的に木に竹を接ぐようなシーンの連続になってしまった。美少女たちのやりとりで瞬間瞬間は絵になるが、観終わってみると???となる。この一作で見切りをつけるのは早計。坂本悠花里の次回作に期待をしたい。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

boarding school

寄宿学校の意。日本にはほとんど存在しないのではないか。Jovianは大学時代にキャンパス内の寮に4年間住んでいたので、なんとなく寄宿学校の雰囲気は分かる気がする。本作とも共通する寄宿学校の雰囲気を味わいたい向きは、ヘルマン・ヘッセの『 車輪の下 』がお勧めである。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 星と月は天の穴 』
『 ボディビルダー  』
『 YADANG ヤダン 』

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村  
Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, E Rank, サスペンス, 日本, 池端杏慈, 監督:坂本悠花里, 美絽, 蒼戸虹子, 配給会社:ビターズ・エンド, 門脇麦Leave a Comment on 『 白の花実 』  -曖昧模糊もほどほどに-

『 アバター ファイヤー・アンド・アッシュ  』 -同じことの繰り返し-

Posted on 2025年12月30日2025年12月30日 by cool-jupiter

アバター ファイヤー・アンド・アッシュ 40点
2025年12月29日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:サム・ワーシントン スティーブン・ラング ゾーイ・サルダナ ウーナ・チャップリン
監督:ジェームズ・キャメロン

 

『 アバター ウェイ・オブ・ウォーター 』の続編ということでチケットを購入・・・ではなくポイントで交換。

あらすじ

クオリッチ大佐(スティーブン・ラング)を撃退したジェイク(サム・ワーシントン)だったが、スパイダーの安全のために彼を風の商人たちと共に基地へ送ることを決断する。しかし、その途上でヴァラン(ウーナ・チャップリン)率いるアッシュ族の襲撃を受け、一家は離散してしまう。さらに、クオリッチが銃器提供を見返りにアッシュ族と手を結び・・・

 

ポジティブ・サイド

映像は確かに素晴らしい。また、スパイダーやキリ、その周辺のキャラクターに対する深堀もされている。

 

一作目と二作目のキャラおよびクリーチャーの復帰も歓迎したい。特にトビウオは汎用性がありすぎ。もし自分で辞書を作れるのなら「キモカワイイ」の挿絵に採用したい。

 

今回はスカイ・ピープル側にも良心の持ち主がいて、彼のささやかな反抗はかなりの破壊をもたらしてくれる。このキャラも、アッシュ族のギャランと共に次作に出てきそう。

 

中途半端な奇跡を起こすばかりだったエイワが、やっと攻撃的な姿勢を見せてくれた。次作は地下世界だと思われるので、巨大地震で地割れを起こして、スカイ・ピープルの基地を一掃してほしい。そして完結編の5作目は成層圏バトル。磁力線の竜巻で宇宙船をことごとく破壊してほしい。

 

ネガティブ・サイド

ナヴィの武器に銃器が本格的に加わってしまったことで、本作のファンタジー要素がはがれ落ち、単なるSFアクションになってしまった。弓矢で戦うところがこの上なくクールだったのに、残念である。

 

キリの出自に関しての情報が明かされるが、それは今さら驚くようなことなのか?ジェイク(のアバター)の方が客観的にはるかにおかしな生まれ(?)に思えるのだが。

 

スパイダーをめぐってのジェイクとネイティリのやりとりはなんだかなあ。これまでの描写からして、その役割、逆ちゃう?

 

そのスパイダーも、基地からあっさりと脱走。人類史上でも最高級に貴重な標本を何だと考えているのか。

 

全体的に言葉が汚すぎ。地球的、もっと言えばアメリカ的な言葉を話すナヴィは、もはやナヴィではなくなりつつある。そもそも一番汚い言葉を話すスパイダーは、誰からそれらを教えられたのか。

 

また、そうした swear words を使った台詞やその他の台詞に、過去の作品からのパクリ的なものが多すぎたという印象を受けた。”You’re our only hope.” は『 スター・ウォーズ 』のレイア姫的だし、”Leave my mother alone, bitch.” は『 エイリアン2 』のリプリーの “Get away from her, you bitch!”にそっくり。またクオリッチ大佐の “Ain’t this a bitch?” も『 フルメタル・ジャケット 』の ”Ain’t war hell?” を彷彿させた。他にも「ん?これはあの映画の台詞では?」というものが多数。オリジナリティはどこへ?

 

総評

一作目は『 ポカホンタス 』を彷彿させて面白かった。二作目は急に陳腐化して、『 アフリカン・ダンク 』になった。本作ではさらにフツーの映画になってしまった。それなりに面白いのだが、似たような展開はいくらでもあり、食傷気味である。次の舞台は地下世界か?映像技術の革新という意味ではシリーズを続ける価値はあるのだろうが。鑑賞中、眠りこそはしなかったものの、10回ぐらいは大きなあくびが出てしまった。それが本作の評価である。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

calibration

元々はcaliber=銃の口径で、動詞化するateがついてcalibrate=銃の射程を測るの意となり、それをさらに名詞化してcalibrationとなっている。技術の世界でキャリブレーションテストと言えば、機器を標準に設定された値に補正するためのテストのこと。JovianはAIを使ってのフィードバックが一定の水準になるように年に数回、キャリブレーションテストを行っている。技術分野の人、あるいは技術の分野に進もうと考えている人は知っておきたい語。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 星と月は天の穴 』
『 ボディビルダー  』
『 YADANG ヤダン 』

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村  
Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, D Rank, SFアクション, アメリカ, ウーナ・チャップリン, サム・ワーシントン, スティーブン・ラング, ゾーイ・サルダナ, 監督:ジェームズ・キャメロン, 配給会社:ディズニーLeave a Comment on 『 アバター ファイヤー・アンド・アッシュ  』 -同じことの繰り返し-

『 ナタ 魔童の大暴れ 』 -神仙妖魔の区別なし-

Posted on 2025年12月29日 by cool-jupiter

ナタ 魔童の大暴れ 75点
2025年12月28日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:田村睦心
監督:餃子

 

春ごろに一人で鑑賞したJovian妻曰はく「面白い」とのことだったのでチケット購入。確かに面白かった。

あらすじ

哪吒(田村睦心)は親友の敖丙の魂の消滅を防ぐために、仙人となり、その褒美をもって敖丙の肉体の元を得ようとする。師匠とともに崑崙山の先の仙境に赴いた哪吒は順調に試験をこなしていくが・・・

ポジティブ・サイド

冒頭で前作の内容をダイジェスト的に流してくれるのはありがたい。細かい部分はどうにかして前作を観るしかないのだが、とにかく哪吒と敖丙は『 RRR 』におけるラーマとビームのような関係だと思えばよい。無二の親友となった二人だが、実は戦い合う運命だった二人だと思えばよい。

 

そんな二人が、おそらく前作で肉体的に死亡してエンド、しかし本作はその直後、師匠が二人を肉体的によみがえらせようとするところから始まる。ディズニーアニメはほとんど観ないが、これはまさにディズニーおよびピクサーのノリではないか。ミニオンが出てきても違和感がなさそう。それが不思議に合う。というか、魔童たる哪吒の悲壮感と、それを隠そうとするために作った悪ガキ感にマッチしている。

 

序盤にお下劣かつお笑いシーンがあるが、実はこれが大いなる伏線。無意味なギャグが無意味ではなかった。

 

戦闘シーンは中国の武術と神仙もしくは妖魔の超能力のミックス。それを『 ドラゴンボール 』的に見せてくる。終盤の哪吒は明らかに超サイヤ人と漫画『 HUNTER×HUNTER 』のゴンさんを模しているとしか思えない。明らかにアメリカおよび日本を意識して作られているが、それが中国国内で超絶ヒットしたというのだから興味深い。現代中国人のテイストがそれだけ成熟しているのだろう。

 

最後の最後も『 羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 』にも存在した一種のカタルシスのシーン。こういうのを見ると、儒教的・家父長的な価値観は現代中国にも根強く残っていて、しかし中国人は実はそれを打破したがっているようだ。日本もエンタメを通じて自身の想いをぶちまける、あるいは時代や社会の閉塞感を吹っ飛ばすような願望を込めるということをもっと行っていいし、この点は中国作品から学べるはずだ。

 

ネガティブ・サイド

嘔吐はセーフだと思うが、いっぺんゲロしたものをもう一度食べようとするのはどうなのか。

 

『 封神演義 』の世界観の中で「完璧」という言葉が出てくるのは翻訳としていかがなものか。時代が全然違う。オリジナルの中国語でもそうなのだろうか。ストップなどの外来語を使うのも感心しない。これは吹替だけ?こちらもオリジナルがそうなっているのか?

 

総評

キャラ同士の人間関係や世界観を掴むのに苦労するが、ある程度理解してしまえば、あとはアクションを楽しむのみ。『 羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 』では見られなかった、火尖槍で暴れる哪吒を堪能できる。文字通りの意味での哪吒の三面六臂の活躍が見られる。中国語で上映している劇場はないのだろうか。ぜひ隣に中国人の観客がいる状態で鑑賞してみたい。

 

Jovian先生のワンポイント中国語レッスン

師父

『 羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 』で小黒や偽ムゲンが何度も発していた語。中国語を習っているJovian妻によると、ここで使われている父という漢字は必ずしも男性性を表しているわけではなく、技術や知識を時代に継がせていく役割を担う者という意味らしい。そして師母というのは、師匠の奥さんという意味になるそうな。中国語、難しい・・・

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 星と月は天の穴 』
『 ボディビルダー  』
『 アバター ファイヤー・アンド・アッシュ  』

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村  
Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, B Rank, アクション, ファンタジー, 中国, 田村睦心, 監督:餃子, 配給会社:面白映画Leave a Comment on 『 ナタ 魔童の大暴れ 』 -神仙妖魔の区別なし-

『 ナイトフラワー 』  -その母性は罪か-

Posted on 2025年12月22日2025年12月22日 by cool-jupiter

ナイトフラワー 70点
2025年12月20日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:北川景子 森田望智
監督:内田英治

 

アングラな雰囲気に惹かれ、チケット購入。

あらすじ

シングルマザーの夏希(北川景子)はバイトを掛け持ちするも生活に困窮。ある夜、違法薬物の売人から偶然に薬物を手に入れた夏希はそれを一万円で売ってしまう。そして、ふとしたことから知り合った格闘家の多摩恵(森田望智)と共に薬物の売人になることを決意して・・・

ポジティブ・サイド

シングルマザーの貧困率が5割だと報じられて久しい。そして(主に)元夫側の養育費未払い率も統計によっては9割に達するという。2024年に法改正され、今年2025年から養育費の未払い・不払いには強制執行がなされるようになったのは、蓋し良い変化だろう。しかし、本作の夏希の夫は逃げた。つまり書類上は夫婦のまま。これでは養育費は取れない。本作はそんな夏希の窮状と子育てのストレスを序盤から存分に見せつける。同じシングルマザーでも『 レッドシューズ 』とはそこが違った。

 

本作の一つのテーマに、貧困家庭と恵まれた家庭、そしてそうした家庭の親と子の関係性の対比がある。貧しい家の子がなんらかの才能に秀でていても、それを伸ばせる環境を与えるには結局財力がものを言う。芸術でも格闘技でもおなじこと。この世は結局カネなのか。本作はそれに対して明確にYesと答えつつも、カネでは決して得られないものがあることも鮮烈に描き出す。『 ヤクザと家族 THE FAMILY 』では現代に昭和的なヤクザの家族観をある意味で復活させたのが新鮮だったが、そうした価値観が普通の人々にまで及んできている、新しい形の連帯が望まれている、あるいは生まれていることを活写したのは本作の貢献の一つ。

 

メインのキャラクターの背景を掘り下げず、観る側の想像に委ねるのは吉と出れば凶と出ることもある。本作は吉。たとえば夏希が高校中退なのは何故か。明確な答えはない。ただし妊娠・出産のために中退したわけではない(年齢的に合わない)ことは分かるし、おそらく『 愛されなくても別に 』の宮田の母的な母親に育てられたであろうことは、実家に頼れないことからも想像がつく。そしてスーパーで働けば日用品や食品が従業員割引で買えることも知らない、つまりそんなバイト経験を持つ同級生や知り合い(地域の気の良いおばちゃんなど)とのつながりも持てなかったことが分かる。

 

そうした想像力を働かせることで、田中麗奈演じるもう一人の母親の心理が逆に手に取るようにわかる。非常に抑制された演技が、逆に過剰に見えるほどだった。このあたりの演出はさすがだと感じた。

 

自分および家族の幸せのためなら他者を不幸にすることを厭わないのは罪なのか。他者を不幸にする者は、別の他者によって不幸にされても文句は言えないのだろうか。そうしてまで追い求める幸福は現実なのか、それとも薬物が生み出す多幸感同様に虚構なのか。答えは月下美人のみぞ知る・・・

 

ネガティブ・サイド

母性をテーマにするのは結構だが、内田監督自身が一種のバイアスを今でもかなり引きずっているのだろうか。母性を婉曲的にではあるが、神話的に扱っているのはどうかと思う。ドラッグ製造と密売のボス的存在が「母親がまともなら自分はこうはならなかった」的に述懐するのは興ざめ。裏を返せば母親のせいで犯罪者になったと言っているのに等しく、それはもう母原病と同じで根拠がない、ただの難癖だ。

 

そんなボス的存在が素人の夏希にアジトの場所や顔を晒す?迂闊すぎるやろ・・・

 

田中麗奈演じる母親も、普通は探偵に調査プラス救出、または自分をそこに連れていってほしいと依頼するのが筋。渋川清彦演じる探偵も、なんでその写真をチョイスするのか。ホンマに元警察かいな・・・

 

総評

公開からしばらく経つのに劇場の入りはなかなか。ほとんどが女性で、10代はゼロ、20代はまばら、30~60代が大勢を占めていた。男性客は非常に少ない。それだけ本作および本作のレビューが訴えかける層がはっきりしているのだろう。社会の不条理と様々な母性を映し出す佳作であることは間違いない。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

protect

多摩恵が夏希に言う「守ってやるよ」を英訳すると、I’ll protect you. となる。守るには、defendやguardなどの似た動詞があるが、protectは危険から守る、defendは攻撃から守る、guardは安全のために守るということ。野球の捕手や主審がプロテクターをつけるのは投球や打球が危ないから、サッカーやバスケのディフェンスは敵の攻撃に対する守備、ガードレールは交通安全ためにある、という感じで覚えよう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ナタ 魔童の大暴れ 』
『 星と月は天の穴 』
『 ボディビルダー  』

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村  
Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, B Rank, ヒューマンドラマ, 北川景子, 日本, 森田望智, 監督:内田英治, 配給会社:松竹Leave a Comment on 『 ナイトフラワー 』  -その母性は罪か-

『 WEAPONS/ウェポンズ 』 -Where are the children?-

Posted on 2025年12月16日 by cool-jupiter

WEAPONS/ウェポンズ 65点
2025年12月14日 大阪ステーションシティシネマにて鑑賞
出演:ジュリア・ガーナー ジョシュ・ブローリン ケイリー・クリストファー
監督:ザック・クレッガー

 

子どもが消える、というあらすじ以外なにも知らずに鑑賞。メアリ・クラークの『 子供たちはどこにいる 』的なテイストを期待したが、全然別物だった。

あらすじ

深夜2時17分、17人の子どもたちがベッドを抜け出し、夜の闇の中へ走り去っていった。姿を消したのは、みな同じクラスの子たち。そして一人、アレックス(ケイリー・クリストファー)だけが残された。親たちに疑惑の目を向けられた担任教師ジャスティン(ジュリア・ガーナー)は調査を始めるが、街では奇妙な出来事が起こり始め・・・

ポジティブ・サイド

子どもたちが消えたという事象とその後の余波を、街の様々な人間の視点から見つめていく構成が面白い。最初は教師のジャスティン、次に保護者のアーチャー、続いて警察官のポールと視点が目まぐるしく変わっていく。登場人物ごとに同じものを見ていながら、異なる視点からそれを見ているというのが面白い。

 

一人の視点が別の視点に切り替わる際、常に驚きと恐怖をもたらしてくれるのが新鮮。特にハサミが出てくるシーンはかなりの恐さを感じさせてくれた。また、トレイラーでも特徴的だった子どもたちの走り方だが、あれを大人がやるとかなり怖い。そうそう、その人物絡みで『 ミッドサマー 』以上の人体破壊描写があるので、耐性がない人は鑑賞しない方がよい。

 

途中の人物でギャグもしくはコメディ担当のような人物がいるが、これは必要な措置。普通に考えれば17人もの子ども、それも小学生が一斉に消えたのなら、その行先というか潜伏先は・・・おっと、これ以上は無粋か。ただ観ている側としては「普通に考えれば□□は△△だ」と考えるが、その理由や背景が皆目見当がつかない。そこは終盤に明かされるので、楽しみにしてほしい。

 

ネガティブ・サイド

うーむ、それにしても本作も『 シェルビー・オークス 』同様にかなりの竜頭蛇尾。『 フィールド・オブ・ドリームス 』のレイの奥さんが登場してきたあたりから、ストーリーが一気にきな臭くなる。いや、本当はアーチャーが巨大な幻を空に見た瞬間から「あ、これはアカン」と感じたが、それをもっと確信させられたのが某シーンのテレビで解説されている生き物と、それと同じ発音の属性を持つ人物の登場シーン。そんなんありかと思わせてくれる。No pun intended. 

 

ここから物語は一気に『 ロングレッグス 』的かつ『 ゲットアウト 』的になる。アメリカ人はこういうのが好きなのか?こちとら散々、『 イノセンツ 』的な展開、あるいは小説の『 スラン 』や『 アトムの子ら 』の正反対を行くような展開(それならWEAPONSという不穏なタイトルの説明もつく)を予想していたのに、裏切られた気分である。またはシオドア・スタージョンの『 人間以上 』や映画化もされた『 光る眼 』のように、子どもが子どもだけで何か特別にすごいことをする、あるいは邪悪なことをするという展開にならなかったのは残念で仕方がない。

 

最後の展開はホラーとギャグの紙一重。個人的にはギャグかな。ただ、教育や政治、あるいは戦争に関するメタファーだと言えなくはない。が、それはないか。

 

総評

結局のところ作り手と波長が合うかどうかなのだが、序盤から中盤にかけては文句なしに面白いし、否応なく引き込まれる。記事の副題にさせてもらった Where are the children?=『 子供たちはどこにいる 』も中盤までは超一級のサスペンスかつミステリで、終盤で失速する。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Woe is me.

「自分はなんてかわいそうなのだろう」という非常にアルカイックな表現。『 はじまりのうた 』での終盤で歌われる Lost Stars の歌詞の一部に Woe is me. があり、そこで知った表現。普通に学習していても、まずお目にかからない表現だが、Subzinなどで調べると映画の台詞では結構ヒットする。ただし、古風かつ大げさな表現であることには注意。わざとらしく自虐する時にだけ使うべし。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ナイトフラワー 』
『 ナタ 魔童の大暴れ 』
『 消滅世界 』

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村  
Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, C Rank, アメリカ, ケイリー・クリストファー, ジュリア・ガーナー, ジョシュ・ブローリン, スリラー, ホラー, 監督:ザック・クレッガー, 配給会社:ワーナー・ブラザーズ映画Leave a Comment on 『 WEAPONS/ウェポンズ 』 -Where are the children?-

『 シェルビー・オークス 』 -クリシェ満載の竜頭蛇尾-

Posted on 2025年12月14日2025年12月14日 by cool-jupiter

シェルビー・オークス 40点
2025年12月13日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:カミール・サリバン
監督:クリス・スタックマン

 

個人的に大好きで、英語の勉強の参考にさせてもらっていた映画批評家YouTuberのクリス・スタックマンの脚本および監督作品ということでチケット購入。

あらすじ

YouTube配信グループのひとり、ライリーがシェルビー・オークスで疾走した。仲間の惨殺死体が発見されるも、ライリーの行方は不明なまま。12年後、思いがけない形でライリーの失踪と彼女の仲間の死の真相に迫るテープを手にした姉のミア(カミール・サリバン)はライリーを探し出すためシェルビー・オークスへと向かう・・・



以下、本作品および他作品のマイナーなネタバレあり

ポジティブ・サイド

序盤は面白い。YouTubeでの配信というアイデアはリアルだし、そうした人間はどんどん過激なコンテンツを追い求めていく傾向にあるのも事実だ。

 

ヒントの出し方も巧み。いきなりマイルズが死亡するが、その最後の台詞が She finally let me go. であり、この She が誰を指すのかで観る側は疑心暗鬼になる。パラノーマルな現象が起きるシーンで気温が下がるのを吐く息が曇ることで表現するのもうまい。

 

より興味深いシーンはビデオ映像。序盤のライリーのビデオでは、窓の反射に重要なものが移っていることが後に分かるが、それは中盤のライリーのビデオでも窓の反射に注意を払えというヒントになっている。なかなか凝った趣向で、見方を必要最低限だけ提示するという、ある意味で観客を信頼した演出であると言える。

 

そうそう、最後のクレジットで出資者名がずらりと表示されるが、中に Shelby Begayさんというシェルビーの名を冠した人がいる。目に自信があれば探してみよう。

ネガティブ・サイド

ライリーをはじめとしたパラノーマル・パラノイズの面々が遭遇していた超常現象が本物なのか偽物なのかをもっと曖昧に見せるべきだった。誰もいない廃墟の小学校でいきなりドアが閉まるシーンも、カメラをドンピシャのタイミングでそっちに向ければ、「ああ、仕込みね」と思われても仕方がない。そのあたりの虚実をうまく曖昧なままにしておかないと、ホラーやスーパーナチュラル・スリラーの要素が一気に萎む。そして、本作はまさにその愚を犯した。

 

ミアがいきなりシェルビー・オークスに旅立つあたりから一気に物語は陳腐化する。基本的にすべてどこかで観たことのあるシーンや展開のパッチワークで、

 

『 ブレア・ウィッチ・プロジェクト 』
『 オーメン 』
『 ローズマリーの赤ちゃん 』
『 エクソシスト 』
『 へレディタリー/継承 』

 

のようなメジャーどころが頭に思い浮かぶ人が多いはず。

 

突っ込みどころは数々とあるが、ネタバレになるのでやめておく。ただ、どうしてもこれだけは言いたい。クリス・スタックマンは『 ミスター・ガラス 』のネタバレ・レビューで 

 

One of them should have realized he could just cover their eyes 

 

とまっとうな批判をしていたが、同じように言わせてもらえば、 

 

Either Mia or Riley should have realized she could just close the curtains 

 

となるだろうか。

 

街の衰退をひとりの人物に結び付けるのはあまりにも非合理的。そして、その理由が悪魔に憑かれていたというのはもっと非合理。そして、ミアがそう信じる契機が囚人のコメントって・・・

 

また冒頭で死亡するマイルズの刑務所入りの期間を2002年~2007年の5年間としているが、これは6年間の間違いでは?単純ミスではすまない。なぜなら、この期間にライリーの夜驚症が収まっていたことになっているから。なんでこんな設定レベルのところでミスるかな・・・

 

謎の老婆というホラーでは見飽きた設定をここでも採用。悪魔よ、本当にことを為したいなら、使うのは老婆ではなくもっと若い女性もしくは男性だぜ・・・

 

総評

料理評論家が料理の達人でないのと同様、映画のレビュワーが必ずしも優れた映画監督とは限らない・・・と結論付けるのは早い。クリスが自分の我を通した結果がこうだったのか、それとも手慣れたスタッフたちの意見に耳を貸してこうだったのかで、評価は大きく分かれるはず。ただ、いずれにしろ、映画の出来についての評価を最終的に負うのは脚本家であり監督。その意味で決して良いデビュー作であるとは言えない。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

abandon

捨てる、の意味。ごみを捨てるのではなく希望や乗っている乗り物、住んでいる土地などを捨てるという文脈で使う。『 果てしなきスカーレット 』でも地獄門にラテン語でRelinquite omnem spem, vos qui intratis と刻まれていたような。英語にすると Abandon hope, all ye who enter here. で「ここに入る者は希望を捨てよ」となる。 戦争映画などでは Abandon ship! や Abandon Area 3! のように使われる。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ナイトフラワー 』
『 WEAPONS/ウェポンズ 』
『 ナタ 魔童の大暴れ 』

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村  
Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, D Rank, アメリカ, カミール・サリバン, ホラー, 監督:クリス・スタックマン, 配給会社:KADOKAWALeave a Comment on 『 シェルビー・オークス 』 -クリシェ満載の竜頭蛇尾-

『 TOKYOタクシー 』 -見え見えの結末とそれなりの感動-

Posted on 2025年12月12日2025年12月12日 by cool-jupiter

TOKYOタクシー 65点
2025年12月7日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:倍賞千恵子 木村拓哉 蒼井優
監督:山田洋次

 

『 こんにちは、母さん 』は吉永小百合だったのでスルーしたが、こちらは倍賞千恵子なのでチケット購入。

あらすじ

タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は高野すみれ(倍賞千恵子)を神奈川の施設まで送ることになった。すみれの頼みで道中、二人は東京の各地に寄り道をしていく。そんな中で、すみれは徐々に自らの過去を語り始めて・・・

 

ポジティブ・サイド

東京の柴又から出発するロードムービーというのがいい。『 男はつらいよ 』へのリスペクトになっているではないか。長逗留しては去っていき、また戻ってきては長逗留して、という風来坊の寅さんと、柴又から恒久的に去っていくさくら・・・じゃなかったすみれの姿に、それだけでウルっときてしまった。

 

タクシーの客と運転手が、いつしか人生を振り返り、語り合い、忘れえぬ時間を作っていく。陳腐ではあるが、その人生が激動の昭和そのものと重なったとき、多くの不幸が襲ってくる。Jovianが小学生の時に昭和は終わったが、それでも学校教師などの理不尽な暴力は中学生ぐらいまでは普通にあった。ということは、家庭内では言わずもがな。

 

すみれの若い頃を蒼井優が好演。男に頼って生きるのが既定路線だった時代、女性が自分というものを持てなかった時代に、それでも自分の生きざまを守ろう抗った姿には素直に胸を打たれた。反撃シーンでは観ているこちらの息が止まりそうになった。男性諸氏は、このシーンを息を止めて観られたし。

 

倍賞千恵子の矍鑠とした語り口とたたずまいが、木村拓哉のどこか疲れた中年男との対比を際立たせていて、それがゆえに見え見えの結末ではあるものの、そのインパクトがより強くなっている。終活なる言葉があるが、人生を終えようかという老境に差し掛かると、人はどうしても自分の人生を振り返りたくなるものらしい。自分の人生は、誰かに、あるいはこの世界に何かを残せるだろうか。そんなことを考えさせられた。

 

ネガティブ・サイド

すみれの男を見る目の無さが気になった。どう見ても地雷なのに・・・ 観客の方にも好青年然とした姿を見せておき、結婚後に本性を現す、という形にすべきだったのでは。

 

タクシーの中で若き日のすみれと老いたすみれが向き合うシーンは、正直蛇足に思えた。

 

キムタクが父親として、ちょっとだらしなさすぎ。夫としてだらしないのはいい。ただ、父親として、娘の学費その他もろもろに関してあまりに感度が低い。高校の入学金と授業料でたじろいでどうする?3年後には大学も待っているのに・・・ だからこそ結末が光ると言えば光るのだが。

 

総評

最初の10分でほとんど結末まで見えてしまうのだが、それでもそれなりに心動かされてしまう。脚本の力、もっと言えばオリジナルのフランス映画にそれだけの力があるのだろう。戦後80年というが、ちょっと前まで大学生相手に教えていた身からすると、大学生たちは2000年以降生まれということに衝撃を覚えたものだった。そんな若い世代にこそ観てほしい、時代の移り変わりを見事に切り取った作品だ。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

liberation

劇中で語られるウーマン・リブとは Women’s Liberation のこと。1960年代のアメリカから全世界に伝わったとされる。解放の度合いが高いものから順に freedom, liberation, emancipation となる。これらの単語をパッと使って口頭英作ができれば、英検準1級以上である。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ナイトフラワー 』
『 WEAPONS/ウェポンズ 』
『 シェルビー・オークス 』

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村  
Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, C Rank, ヒューマンドラマ, 倍賞千恵子, 日本, 木村拓哉, 蒼井優, 配給会社:松竹Leave a Comment on 『 TOKYOタクシー 』 -見え見えの結末とそれなりの感動-

『 桂米朝・米團治と行く大坂むかしまち巡り ~商家の賑わい篇~ 』 -大阪人なら一度は観るべし-

Posted on 2025年12月9日 by cool-jupiter

桂米朝・米團治と行く大坂むかしまち巡り ~商家の賑わい篇~ 65点
2025年12月6日 大阪くらしの今昔館 風呂屋シアターにて鑑賞
出演:桂米朝 桂米團治

 

天神橋筋のアーケードに遊びに来ていて、妻が行ってみたいというので大阪くらしの今昔館へ。シアターがあるというので、ついでに鑑賞。

 

あらすじ

桂米朝のナレーションおよび桂米團治の出演とナレーションで、江戸自体の大坂の町家や風呂屋の情景を活写する。

 

ポジティブ・サイド

『 国宝 』で言及した本物の人間国宝、桂米朝のナレーションが耳に心地いい。さすが噺家である。『 恐竜超伝説 劇場版 ダーウィンが来た! 』の大塚寧々と田辺誠一は、アナウンサーに習うよりも噺家に習うべきだった。

 

大坂の町屋の風俗習慣、特に風呂屋のあれこれは色々と興味深い。たしかNHKの『 浮世絵EDO-LIFE 』で当時の銭湯は実質的には蒸し風呂で、湯船につかるには柘榴口に云々と言っていたが、柘榴口とはそういう意味だったのかと得心できた。

ネガティブ・サイド

字幕、特に英語のそれがかなり微妙。こんなブログを関係者が読んでいるとは思えないが、英語字幕の改訂の依頼があれば格安で引き受けたいぐらいである。

 

総評

大阪人に観てほしい作品。風呂屋シアターだけではなく、町家の再現スペースそのものや、そこを見て、そしてそこに入っていくという動線の作り方も含めて非常に面白い。江戸時代の地図を見ると、大坂=大坂城の城下町という感じがする。梅田を否定するわけではないが、大阪の原点は淀屋橋や本町や船場など町人および商売人のエリアだと実感する。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

bathhouse

風呂屋の意。public bath も銭湯だが、こちらには house の持つなんとなく柔らかい感じがしない。うちの近所にも昭和温泉という銭湯があるが、昭和の時代の番台があり、男と女も番台前の暖簾をくぐれば行き来可能。これこそ bathhouse というものであろう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ナイトフラワー 』
『 TOKYOタクシー 』
『 WEAPONS/ウェポンズ 』

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村  
Posted in 国内, 映画Tagged 大阪くらしの今昔館, 桂米團治, 桂米朝Leave a Comment on 『 桂米朝・米團治と行く大坂むかしまち巡り ~商家の賑わい篇~ 』 -大阪人なら一度は観るべし-

『 ネタニヤフ調書 汚職と戦争 』 -他国のスキャンダルと思うことなかれ-

Posted on 2025年12月8日2025年12月8日 by cool-jupiter

ネタニヤフ調書 汚職と戦争 65点
2025年12月5日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:ベンヤミン・ネタニヤフ
監督:アレクシス・ブルーム

 

簡易レビュー。

あらすじ

イスラエルで長期政権を築くベンヤミン・ネタニヤフ。しかし数々の贈収賄疑惑から当局による取り調べを受けていた。彼自身への尋問およびネタニヤフの妻サラやその他多くの関係者の取り調べから見えてきた構図とは・・・

ポジティブ・サイド

日本では国会議員はごくまれにしょっ引かれるが、ほとんど不起訴。それと同じことがイスラエルでも起きているらしい。元大統領がほとんど逮捕・起訴される韓国はたいしたものだと感心させられる。

 

本邦で言えば安倍晋三あたりから明らかに権力者のふるまいが変質したが、彼もある意味で妻に翻弄されていたところがネタニヤフとの共通点。そして贈収賄の疑いが非常に濃かった点も似通っている。困ったときの北朝鮮頼みと、困ったときのハマス叩きというのも共通点だと言えよう。

 

民主主義がポピュリズムと結びつき、さらに仮想的を見つけた時にどのような悲劇が起こりえるのか。まさに我々はそれをリアルタイムで目撃させられていると言える。

 

ネガティブ・サイド

アメリカ議会でのネタニヤフの演説をフルで、とは言わないまでも、もっと長く見せてほしかった。そうすることでアメリカがいかに恣意的に敵と味方を区別しているのかがもっとわかりやすくなったはず。

 

警察の質問の仕方が直球過ぎ。それでは落とせるものも落とせない。それに、もっときわどい質問や、威嚇するような取り調べもあったはずだが、そういった部分をカットしてしまったのは腰が引けていると言わざるを得ない。

 

総評

某極東の島国でも首相が「そんなことより~」と答弁したのが話題になったが、彼女とネタニヤフのやり口は同じ。すなわち国民の内政面への不満を外敵に向けるというもの(そんなことより発言はその文脈で発せられたものではなかったが)。賢明なる映画ファンは、現政権が利益誘導万歳の麻生派によって支えられ、かつ裏金議員万歳の高市による組閣で行政が動いていることと、また自民党のDNAに刻み込まれていると言ってよい献金万歳主義とネタニヤフ政権の共通点の多さに慄然とすることだろう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

turn ~ upside down

~を(上下逆さまに)ひっくり返すの意。物理的な意味でも比ゆ的な意味でも使う。This news will turn the current administration upside down. = このニュースが明るみに出れば、現政権は上を下への大騒ぎとなるだろう、のように使う。

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村  
Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, C Rank, アメリカ, イスラエル, ドキュメンタリー, ベンヤミン・ネタニヤフ, 監督:アレクシス・ブルーム, 配給会社:トランスフォーマーLeave a Comment on 『 ネタニヤフ調書 汚職と戦争 』 -他国のスキャンダルと思うことなかれ-

投稿ナビゲーション

過去の投稿

最近の投稿

  • 2025年総括と2026年展望
  • 『 白の花実 』  -曖昧模糊もほどほどに-
  • 『 アバター ファイヤー・アンド・アッシュ  』 -同じことの繰り返し-
  • 『 ナタ 魔童の大暴れ 』 -神仙妖魔の区別なし-
  • 『 ナイトフラワー 』  -その母性は罪か-

最近のコメント

  • 『 i 』 -この世界にアイは存在するのか- に 岡潔数学体験館見守りタイ(ヒフミヨ巡礼道) より
  • 『 貞子 』 -2019年クソ映画オブ・ザ・イヤーの対抗馬- に cool-jupiter より
  • 『 貞子 』 -2019年クソ映画オブ・ザ・イヤーの対抗馬- に 匿名 より
  • 『 キングダム2 遥かなる大地へ 』 -もう少しストーリーに一貫性を- に cool-jupiter より
  • 『 キングダム2 遥かなる大地へ 』 -もう少しストーリーに一貫性を- に イワイリツコ より

アーカイブ

  • 2025年12月
  • 2025年11月
  • 2025年10月
  • 2025年9月
  • 2025年8月
  • 2025年7月
  • 2025年6月
  • 2025年5月
  • 2025年4月
  • 2025年3月
  • 2025年2月
  • 2025年1月
  • 2024年12月
  • 2024年11月
  • 2024年10月
  • 2024年9月
  • 2024年8月
  • 2024年7月
  • 2024年6月
  • 2024年5月
  • 2024年4月
  • 2024年3月
  • 2024年2月
  • 2024年1月
  • 2023年12月
  • 2023年11月
  • 2023年10月
  • 2023年9月
  • 2023年8月
  • 2023年7月
  • 2023年6月
  • 2023年5月
  • 2023年4月
  • 2023年3月
  • 2023年2月
  • 2023年1月
  • 2022年12月
  • 2022年11月
  • 2022年10月
  • 2022年9月
  • 2022年8月
  • 2022年7月
  • 2022年6月
  • 2022年5月
  • 2022年4月
  • 2022年3月
  • 2022年2月
  • 2022年1月
  • 2021年12月
  • 2021年11月
  • 2021年10月
  • 2021年9月
  • 2021年8月
  • 2021年7月
  • 2021年6月
  • 2021年5月
  • 2021年4月
  • 2021年3月
  • 2021年2月
  • 2021年1月
  • 2020年12月
  • 2020年11月
  • 2020年10月
  • 2020年9月
  • 2020年8月
  • 2020年7月
  • 2020年6月
  • 2020年5月
  • 2020年4月
  • 2020年3月
  • 2020年2月
  • 2020年1月
  • 2019年12月
  • 2019年11月
  • 2019年10月
  • 2019年9月
  • 2019年8月
  • 2019年7月
  • 2019年6月
  • 2019年5月
  • 2019年4月
  • 2019年3月
  • 2019年2月
  • 2019年1月
  • 2018年12月
  • 2018年11月
  • 2018年10月
  • 2018年9月
  • 2018年8月
  • 2018年7月
  • 2018年6月
  • 2018年5月

カテゴリー

  • テレビ
  • 国内
  • 国内
  • 映画
  • 書籍
  • 未分類
  • 海外
  • 英語

メタ情報

  • ログイン
  • 投稿フィード
  • コメントフィード
  • WordPress.org
Powered by Headline WordPress Theme