乗った後の景色

乗り鉄・乗りバス好きな乗りマニアの旅行雑ネタブログです。

3・3・SUNデジタルフリーきっぷ

 「乗り鉄」だとフリーきっぷの類にお世話になることが多々ありますが、その中で一番楽しく使えたものを挙げるとしたら「ワイド3・3・SUNフリーきっぷ」のような気がします。名鉄近鉄・南海の鉄軌道に加えそれぞれのグループ各社のバスや船まで3日間乗り放題という広さ・細かさで6000円という安さでしたし、名鉄に岐阜の600V各線があれば近鉄にはナローあり南海フェリーで徳島まで行けてしまうとなるとどこに行こうかと目移りして困ったものです。「ワイド3・3・SUNフリーきっぷ」の登場前から存在していた鉄軌道だけ乗れる「3・3・SUNフリーきっぷ」(5000円)にも何度かお世話になりましたしこの両フリーきっぷのおかげでこの三社の縄張りに親しみがわくようになったようなところがあります。

 そんな便利でありがたいフリーきっぷが廃止されたのは2006年とずいぶん前になりますが、2025年に「3・3・SUNデジタルフリーきっぷ」というものが登場しました。バスや船には乗れないのでだいたい「3・3・SUNフリーきっぷ」と似たようなものです。それを知ったら懐かしくなり一度使ってみることにしました。

 

 というわけで東京から「ひかり」で豊橋に向かったのですが、ここで出鼻をくじかれることになります。「3・3・SUNデジタルフリーきっぷ」は紙の時代に比べうんと高い(3日間用8200円・2日間用6200円)のに名鉄では13駅だけでしか乗降できません。名古屋本線東側の有効区間東岡崎以西なので豊橋から名鉄入りするとその分は別に運賃をとられることになります。

 しかも、というのか乗ろうとしたらかぶりつき席がないハズレ車両を引いてしまったのでがっかり感にやられたものの「3・3・SUNデジタルフリーきっぷ」使うためすぐ東岡崎で降りちゃうしと思い直しました。乗り込んで次来るときはかぶりつき席つきを引けるかなと前向きに考え始めたら、でもそういえばかぶりつき席がなくなるのもそう遠くはないことかもとか余計なことを考えてしまったりのっけからどうも暗くなりがちです。

 東岡崎岡崎市の代表駅で三河有数の主要駅ではあるものの鉄道路線の乗換駅というわけでもありませんし特に用もないのに降りておカネ払うのはくやしいものがあります。ともあれ改めて乗った新鵜沼行きの快特もハズレの「新車」でしたが、これには弁当食べるため料金払って特別車に乗ったのでそこまで残念に思わずに済みました。尤も名鉄での乗り鉄としての一番好みの体感は一般車の転換クロスやかぶりつき席でないと味わえず、そこをハナから捨てて乗るのだとあまり比較にはならないのですが。

 豊橋で買っておいた駅弁の稲荷寿司を名鉄で食べるのはひょっとしてこないだが初めてだったかもと思ったりです。名鉄は一般席の方が乗り味が好みなので特別車にはほとんど乗りませんし豊橋で駅弁買うのはたいてい東京に戻るときですから。今回は三色稲荷にしてみましたが一色の方が好みかもとついでに思ったりです。同じ味のお稲荷さんの食べ続けでは飽きちゃうのでこの手の変わり稲荷も楽しいのですが。当方はそれであれば助六派ということになりそうです。

 さて「3・3・SUNデジタルフリーきっぷ」を使う上で重要な駅を挙げるとすればまず名鉄近鉄が接続する名古屋のはずですが、その名古屋で名鉄近鉄の連絡改札口は利用できないとあるのでイラつきました。まあ遠回りでも近鉄名古屋駅に入って剛体架線や二階建てビスタカー見たらすぐ機嫌は直ったので世話ないのですが。こういうところが抜けているのはよほど大急ぎで企画したものなのだろうかとか勝手に想像してしまいます。

 名鉄では豊橋稲荷寿司食べるために特別車の料金払いましたが、近鉄では松阪の駅弁「元祖特撰牛肉弁当」を衝動買いしたためロングシートというわけにいかず特急料金払うはめになってしまいました。そもそも山田線の方に寄り道しようと考えたのがフリーきっぷのおかげだったのでお得に乗れるはずが出費がかさむ原因にもなったりするわけです。

 南海ではぼちぼち減って来た6000系に乗るのに役立ちました。上り下り関係なくどこ行きであろうがとりあえず乗りたい車両を見たら捕まえるというような乗り方はフリーきっぷあってこそです。

 という具合に乗り歩いたら「3・3・SUNデジタルフリーきっぷ」の3日間用8200円を単純に3で割って考えて「儲け」が出る1日2734円以上は乗り十分モトはとれたのですが、名鉄では乗降できる駅が少なく豊橋すら使えない、名古屋の連絡改札が使えないという不満も残りました。また電波の状況が悪かったのかQRコードがうまく更新されないときがあって冷や汗かきましたしやっぱり紙の頃の方がよかったとは思ってしまいます。とは言え「3・3・SUNフリーきっぷ」の復活自体は喜ばしいことなので続くのかこれっきりになるのか今後が気になるところです。

東松山のやきとり

 秩父鉄道とか東武小泉線辺りに乗りに行って熊谷から帰京ということはありがちですが、高崎線はつまんないしくたびれるけどグリーン車代払うのもくやしいし新幹線使うには近距離なので高い割にそこまで速くないという具合で選ぶ決め手に欠ける上にどう転ぶにしても「ここから消化乗り」になる感が涌いてきてしまいます。

 さて先日熊谷でその「消化乗り」はどうしようかと考え始めたときに東武東上線の川越特急を思い出しました。川越特急はTJライナーと同じクロスシート車両に料金不要で乗れる一方走る時間帯は限られますが、上りの夕方以降は30分毎とちょうど帰京するときに使いやすい時間帯になっています。それなら高崎線や新幹線よりは面白そうなので熊谷からバスで東上線東松山に出て川越特急に乗ることにしました。

 熊谷~東松山国際十王交通バスは日中でも平日15分毎・週末20分毎程度ありバスが衰退するばかりのこのご時世だとなかなか立派なものです。このくらいあれば今回のような突然の思い付きでも無理なく使え助かります。

 東松山は熊谷の南側ですが発着する場所は熊谷駅北口です。発車すると駅の北側の町中を抜けてから上熊谷駅付近で高崎線秩父鉄道を跨ぎつつ新幹線の高架を潜って南側に出ます。

 続いて跨ぐというか渡った荒川です。

 そのうちに熊谷市から東松山市に入りしばらくすると「やきとり」の幟が目立つ「肉の室田」が美味しそうに見えました。「やきとり」は東松山の名物(後述)です。

 市野川を渡ったとこで割と目立つ「手作りキムチの店」「キムチ」の字が見えてなんだかとりあえず買ってみたくなるような雰囲気に感じたりしましたが残念ながら開いてはいませんでした。ともあれ都内からだいぶ離れているものの農村でもないような地味な車窓が続くので食べ物系と川が目についたという感じです。

 そんなこんなで着いた東松山ではせっかくなので「やきとり」を食べることにしました。東松山駅観光協会のチラシ入れに「やきとりMAP」が入っているくらいですから公認の名物と言えそうです。

 東松山は「やきとり」という名物の食べ物がしっかりとあって駅前にこんなものも見られたりするので随分と遠いところに着いたような気分になります。池袋からで考えると城下で観光地の川越がうんと目立つために川越過ぎると一気に遠い「ヨソ」に来た感が強くなるということもありますけれども。

 「やきとり」は元祖のお店という大松屋で食べました。

 「やきとり」とずっと括弧付きにしている理由でもありますが東松山名物の「やきとり」は鶏肉ではなく豚肉で、主にカシラに辛い味噌ダレをつけて食べる面白い方式です。この方式は韓国慶尚北道出身の大松屋の初代の方が考案されたといいますから味のルーツも興味深いものがあります。味噌ダレは色は赤くてもうんと辛くはなく、辛さに弱い当方でもどんどん食べ続けられるくらいの加減でした。

 こちらは煮込です。汁は赤みが見えるものこれもそれほど辛くはなくモツや大根によく味が染みていてオツでした。

 という具合に川越特急に引かれて着いたら「やきとり」も食べられたのでトクした気分です。一方で食べてから乗ったせいか本来の目的のはずの川越特急では眠くなり気がついたら池袋に着いていましたが。

 東武東上線って地味な車両が延々と流して走るイメージで遠くまであまり乗りたくならず足が向きにくかったのですけど、楽ができる川越特急のおかげで東松山で「やきとり」食べたり寄居で卵でとじないかつ丼食べたりすることになったのですから我ながら単純なものです。

西武でクロスシート

(前回のつづきです。)

 寄居で秩父鉄道に乗ったら元都営6000形でした。秩父鉄道では5000系になっていて5200番代の車番もあるので似たような顔だった浅草線5200形を思い出したりもします。まだ東急に直通していない地味な三田線で走っていた頃からそれほど乗りたいとも思わない車両でしたが、今は見かけると長いこと頑張っているなあととりあえず感心するようにはなりました。秩父鉄道で積極的に乗りたい感が湧く電車だった元101系の1000系も気がつけば引退からもう10年ひと昔を超えていますから驚いてしまいます。

 秩父鉄道には御花畑までお世話になりました。少し歩いた西武秩父からの各停飯能行きが「乗り目的」の後半になります。そもそも東武6050系の快速からの東武つながりで川越特急に乗りたくなり、さらに2扉ボックスシートという点から西武4000系も思い出したのでハシゴしようというわけです。

 西武4000系東武6050系に乗ってゆったり目のボックスシートが並ぶ様子を見ると転換クロス不毛の関東なりの豊かさみたいなものを感じたりします。

 テーブルの下についている栓抜きを見たらそういえば瓶入りの飲み物買ってくればよかったと後悔しました。

 池袋発着の列車ではなく飯能までの鈍行だと長距離列車感はないものの、秩父線の山あいの車窓とボックスシートの相性はよく結構たっぷりと乗った気になれるものです。

 今回のお出かけは料金不要のクロスシート車両に乗るのがテーマのようなところがありその点は満足できたので飯能からは急行で帰京すればいいかと思っていましたが、特急ラビューの発車時刻がほどよく間もなくだと気づいたらまんまと特急券を買ってしまいました。急行は所沢までだらだらと各駅に停車する上にロングシートなのでとっさに逃げたくなったというだらしなさです。

 乗って来た4000系の後を追いかけるように西武秩父からラビューがやってきました。

 一風かわった見た目の座席は腰掛けてみると普通に快適で、ものすごい大窓ぶりも面白くゆったり感があって好印象です。今回当たった座席は電動車ながら乗り鉄としては物足りないくらい走行音が静か、だったのも良い点だと思います。

 あまり飛ばさない流し気味の走りで東が西武の池袋に着いたら西の東武が見えました。西東武の川越特急で池袋を出るときは東側のパルコが見えたのでこれでオチがついたような気がします。うんと大きい側窓にくらべると扉の窓がずいぶんと小さく感じました。

 という具合で最後は料金特急に日和りましたが、池袋から池袋まで関東にしてはそこそこ多めに料金不要のクロスシート車両に乗れて満足です。