jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

津波は白波を立てない--報道現場は相変わらず「見た目」演出重視

2025/7/30 8:25、カムチャツカ半島で発生したM8.7の海底地震で,津波が発生。現地で4m,日本でも1mを超す津波が観測されつつある(16:00執筆現在)。当初予測では10:00ごろに3m規模とされていた。ハワイ島でも3mの予測が出ているほか,海上での観測機器でも津波として観測され,引き続き警戒が必要な状況になっている。

 筆者の勤務先は,高さ30mの津波も届かないし,自宅は80mもあるので他人事としてニュースをフォローしているのだが,どうしてマスコミは相変わらず,見た目の異常ばかり見せたがるのだろうか。「白波が大きくなっています」「川に波が寄せています」など,ビジュアルで津波を表現しようとしている。これは「誤り」である。

 津波は「波」ではなく,海水そのものが動いて移動しているのであり,高波が打ち寄せるのではなく,海水面そのものが上がることで陸地にも影響が及ぶのである。水の量が増えるから海面が上昇するのであって,大きな波が来るのとはまったく現象が異なる。したがって,白波が迫ってくるようなレポートはまったく無意味である。

 東日本大震災気仙沼港での津波の被害を見ても,海面は静かに盛り上がって港に進入し,そのまま堤防を越えて街に流れ込んだ。その水の動きは,浮かんでいた船が動かされることで分かったが,堤防を越えて初めてその水量によって建物が押し流され,今度は水位が下がることで陸に上がった水が海に戻る勢いでさらに建物が破壊された。これは「波」ではない。

 某ワイドショーでも,相変わらずMCが各地の中継画面の中の白波にばかり注目して解説をしていた。波が迫ってくるような演出はそれっぽく見えるが,まったくに間違いであることを,ゲストの専門家は厳しく指摘すべきだと思うのである。

 世界中に「TSUNAMI」は共通用語になってしまったが,元々の英語は「tidal wave」である。tideつまり潮の満ち干と同じように水の量が増えることで引き起こされる。「wave」にも波という意味はあるが,どちらかといえばこの場合は「うねり」に近い感覚である。日本語の波とはちょっとニュアンスが違うように思える。せっかく共通語になったのだが,日本語が正確な表現だったとは思えない。特にマスコミが誤ったイメージで伝え続けることが,元凶だと思うのである。ぜひ批判したい。