jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「放送法」に代わる「情報発信法」の制定を提案--コンプライアンスが必要なのはテレビ業界だけでなく個人も対象にすべき

フジテレビが,出演ゲストに対して女性アナウンサーを当てがい,性暴力を伴う事態を招いたという事件が明らかになった。犯人は,元SMAPの中居正弘だが,おそらくこの事例に留まらないのだろうと推測される。フジテレビは経営陣の大幅な刷新をおこなった。中居はどうなるのか知ったことではないが,アイドルの頂点に立って,何不自由なく過ごしている中で,一般的な常識が欠落してしまったのだろう。元々,こういう事件が起こる体質の業界である。メディア側も,タレント側も,そしてタレント事務所側も,有名になれば何でも許されると思う体質は,江戸時代の悪代官レベルのミミッチイ根性の世界である。

 フジテレビは今回,総務省から「放送法」に照らしても許されない行為,と指摘された。放送という公共電波を使う権利を獲得していたにも関わらず,公共性という使命を果たしてこなかったという実態が明らかになった。しかしこれは同社に限らない。NHKですら,この放送法の原則から外れた行為が頻繁に露見される。

 若者世代を中心に,今やテレビを視る人は激減している。インターネットがあれば,いつでも必要なムービー素材を視聴することができる世の中になった。テレビという時間枠に制限されたメディアを視聴しているのは,60歳台以上の老人だけである。

 その若者に送るメッセージが,テレビからはもはや発信できていない。放送倫理規定ギリギリのイメージ動画を流したりして,視聴者やスポンサーを集めようと躍起になっているが,もはやニュースと災害速報以外の価値はなくなっている。まして,番組に広告を出すなど,誰に対するアピールなのか分からないことも多い。

 それでも,基本的には放送に必要な電波の周波数帯を国から割り当てられ,その中で情報発信するという「仕事」のためのルールとして,「放送法」が定められている。発信する情報の内容に対して,放送する権利とそれに伴う義務・責任があり,それを実現するための企業としてのコンプライアンスも求められているはずだが,周波数帯を割り当てられた段階からこれを「既得権益」と考えて自由に使ってきてしまったのではないだろうか。一次情報発信者としての驕り(おごり)があったのではないだろうか。

 放送業界には,今後もこの放送法を含めた枠が付きまとう。したがって,何でも報道できるわけではなく,今回の事件で改めて事業内容を精査し,体制を整える必要が出てくるだろう。外部のプロダクションからの企画持ち込みにも慎重になる必要が出てくるだろう。

 フジテレビに対しては,海外の大手株主から今回の人事刷新について不十分というコメントが出されている。さらなる改革が必要という意見である。そうなると,もはや存続できなくなるのではないかという気もしてくる。

 筆者はこれまでも,NHKを含めてテレビが発信する情報の質が落ちていることを指摘してきた。SNS映像を集めて報道したり,素人ゲストを集めてワイドショーを構成したり,ついにはお笑い芸人が司会進行を務めるなど,公共電波を使って発信する情報ではないと指摘してきた。そろそろ考え方をもう一度改めて引き締める必要があるのではないかと思われる。

 一方で,一次情報発信者は「個人」による「SNS」を通じた「インターネット」への情報発信に代わりつつある。その場に居合わせた個人が発する情報が,最も信頼できる情報だと言えるからである。しかしそこには公序良俗コンプライアンスも存在しない。個人情報の取り扱いなどまったく配慮されない。情報を発信しようとする個人の資質,常識,良心に期待するしかない。

 であれば,あらゆるSNSのプラットフォーム運営者に対して,その情報発信が適切なのかどうかの責任を負わせる「情報発信法」という枠組みを掛ける必要があると考える。

 現在のSNSプラットフォームは,場を提供するだけでそこに発信される情報は無制限である。良識も何もない。情報を載せるのは発信する個人の責任であると言い逃れしている。これはおかしい。新聞でも書籍でもテレビでも,基本的にはチェック部門,校閲部門が存在する。発信していい情報かどうかをきちんと判断している。しかし,SNSプラットフォームにはその機能が存在しない。あるいは,犯罪に関わるような情報ですら自由に発信させることで利益を得ているケースも見られる。

 サイバーセキュリティーを標ぼうするなら,これを監視し,規制する法律と組織が必要だが,いまはまったくの無法地帯である。あらゆるSNSプラットフォームに,フィルタリング機能を持たせることを義務づける法律が必要と考える。

 そうすると,筆者のような匿名での情報発信そのものが規制されるわけだが,それは構わない。そうなったら,筆者は堂々と名乗りを上げるだろう。

 しかし結局は,その法律の裏でガッポリ稼ぐ仕組みが出てきてイタチごっこになるのだろう。悪の道は旨味たっぷりだからである。

 それにしても,音楽業界や映画業界,スポーツ業界を含めてエンタメ業界は,いまだに接待体質が横行しているのを改めて感じる。それを支えてきたテレビ業界が,キレイどころとしての女性アナウンサーを採用し,またその業界に接近した仕事をする目的でテレビ業界に入ろうという意識がなかったとは言えないのではないだろうか。やはりカネが人を狂わせてしまう事例だが,世の中から見れば氷山の一角でしかないと思われる。