使わなくなった古いコンピューターが、埃をかぶったまま放置されていないだろうか。特に「Windows 10」は動作するものの、「Windows 11」へのアップグレード要件を満たしていない端末を所有しているなら、朗報がある。
世の中には軽量なLinuxディストリビューションが数多く存在しており、それらを導入すれば、古びたマシンでも初心者が初めて車を運転するときのような、きびきびとした動作を取り戻すことができる。
数ある軽量ディストリビューションの中でも、筆者が特に優れていると考える「Puppy Linux」と「Linux Lite」の2つに絞り、その特徴を比較していく。
Puppy Linux
提供:Screenshot by Jack Wallen/ZDNET
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Puppy Linuxは、長年提供されている軽量Linuxディストリビューションの代表格である。このOSのサイズは500MBから1.5GB程度に収まっている。一般的なLinuxディストリビューションが1GBから5GBであることを考えれば、500MBというサイズがいかに驚異的に小さいかが分かるだろう。
また、Puppy Linuxの興味深い点は、ベースとなるシステムを「Debian」「Ubuntu」「Slackware」「Void」の中から選択できることにある。
Puppy Linuxは導入後すぐに利用可能だが、その運用方法には特徴がある。基本的には「ライブディストリビューション」として実行するのが最適だ。これはOSを完全にRAM上で動作させる仕組みを指す。ストレージの内容を変更せずに利用できるため、例えばWindowsマシンで一時的にLinuxを起動して作業し、再起動すれば元のWindowsに戻るといった使い方ができる。
また、永続ストレージ機能を備えたUSBドライブにインストールして持ち運ぶことも可能だ。極めて軽量であるため、USBドライブからの起動であっても非常に軽快に動作する。
機能面では「JWM(Joe's Window Manager)」を採用しており、システムリソースの消費を最小限に抑えつつ、終了時には作業内容や設定をファイルに保存するセッション永続化機能を備えている。標準搭載アプリには、ウェブブラウザーの「Pale Moon」やワードプロセッサーの「AbiWord」、メディアプレーヤー、ファイルマネージャーの「ROX-Filer」などが含まれる。デザイン面は洗練されているとは言い難いが、実用性を重視した設計だ。
さらに、データの誤消去を防ぐために起動時にドライブを自動マウントしない仕様や、独自のカスタムISOを作成できる強力なツール「Puppy Unleashed」の提供など、独自の工夫も見られる。パッケージ管理には独自の「PET」を使用するが、「APT」や「RPM」もサポートしている。セキュリティ面でも、アプリを隔離されたコンテナーで実行する機能や、ロックダウンモードを備えている。
Puppy Linuxが適したユーザー
現代的な外観を求めず、RAM上で動作させる運用に抵抗がないのであれば、Puppy Linuxは古いハードウェアを復活させるための理想的な選択肢となるだろう。ただし、ストレージに直接インストールして利用したい場合は、あらかじめドキュメントを読み込んでおく準備が必要だ。


