何時かは文豪

文豪を夢見る書生の日記。

散文 カメムシ

 部屋に入り込んだカメムシ

プラスチック製の、コンビニコーヒーの入っているようなカップで捕らえられ、窓から外へ、カップにしがみついているのを、振り落とそうと、大きく振ったり、トントンと叩いたり。

しかし、中々しぶといもので、

離れまい、落とされまい、と、必死で、しがみつく。

結局最後は落とされること、分かっていながら、どうしても、必死なんだ。私の力ではどうにもならない、強い力、大きな意思、ドンッと大きな衝撃、一瞬、ついに足場を失い、落下。

見れば、閉められる窓、カーテン、闇にのまれる。

暗い、寒い、怖い。

手足の先から、冷えていく、かじかんで、固まっていく。

私の居場所は、ここなんだ。どこでも、今いるところが、居場所なんだ。

そうして、なんて、惨め。不可抗力の、まにまに。進む気力もなくなった。捨てられた、カメムシ。綺麗な、薄緑の……。

違う、私は、違う、カメムシじゃない。私は、今も、窓の内側にいる。

 

 

 

書きっぱなしの散文です。

寒い夜に、薄緑の綺麗なカメムシが、部屋の中に入り込んでいるのを見つけたのです。

そうしたら、誰だってそうするでしょう。

そうして、窓を開けた時、吹き込んできた空気が余りに暗くて冷たくて、

だから、私はカメムシを振り落して、早々と窓を閉めて了ったのです。