胃カメラの検査で引っかかった。再検査必要ありと言われ、再検査の予約を終えた。そのことは、そんなに気にもとめていなかった。
子どもの頃、わたしの祖母が72歳で亡くなった。初めて経験した人の死。その時以来、わたしも72歳ごろまで生きるのだろうなと漠然と思っていた。それは、人間の命の長さの基準となった。わたしは現在71歳。
夜ふとんに入った瞬間、ひょいと頭の中に死の想念が浮かんできた、しかし、すぐに又静かに消えていった。
そして、その時祖母の死を想い起こし、ふとこんな句を思い出した。
死は春の空の渚に游ぶべし 石原八束
しははるの そらのなぎさに あそぶべし
そして、以前自分でつくったフレーズも。
春の空ばあちゃんあそぼと声響く いろは
すでに半世紀以上前に逝ってしまった祖母。
大好きだったその祖母と遊んだ思い出。
そんな春のあたたかい空を、冬の夜のふとんの中で想い出した。
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