劇映画
孤独のグルメ
※本稿はネタバレを含みます。ご注意下さい。
序盤は「ん?」、中盤「ふーん」でもラストシーンで「おぉ!」と唸らせた粋な演出にドラマシリーズファン感涙
劇映画『孤独のグルメ』とは
2012年1月よりテレビ東京にて、深夜でひっそりと放送がスタートした『孤独のグルメ』。
食欲をそそる料理と松重演じる井之頭五郎の大胆な「食べっぷり」や「心の声」が話題となり、ハマる人が続出。
そんな海外にも多数のファンを抱える「孤独のグルメ」が、12年にわたって井之頭五郎を演じてきた松重豊による初の監督・脚本で堂々の劇映画化!
主演ももちろん松重豊氏。
本編撮影はフランス・韓国・日本の3か国にて敢行。
深夜のグルメドラマの枠に収まらない "劇映画"。
この映画、時間や社会にとらわれず、ご鑑賞の皆様を "幸福に空腹へ" と誘う。
原作:久住昌之
原作:谷口ジロー
監督/脚本:松重 豊
脚本:田口佳宏
主題歌:ザ・クロマニヨンズ
エグゼクティブ・プロデューサー:浅野 太
エグゼクティブ・プロデューサー:吉見健士
チーフプロデューサー:祖父江里奈
プロデューサー:小松幸敏
プロデューサー:佃 敏史
プロデューサー:古郡真也
音楽:Kan Sano
音楽:The Screen Tones
原作『孤独のグルメ』
時間や社会にとらわれず、幸福に空腹を満たすとき
つかの間、彼は自分勝手になり自由になる
誰にも邪魔されず、気を遣わず物を食べるという孤高の行為
この行為こそが、現代人に平等に与えられた最高の癒しといえるのである
『孤独のグルメ』は、原作:久住昌之氏、作画:谷口ジロー氏のグルメ漫画。
扶桑社の「月刊PANJA」にて1994~1996年連載。
あらたに『新装版 孤独のグルメ』が出版された。
そして、2015年9月末第2巻目が刊行された。
だが2017年に作画の谷口先生が逝去した為、「事実上連載は終了した」と原作の久住氏により明かされている。
緻密に書き込まれた背景と料理は、実在の(または過去に実在した)店舗を参考にしている。
グルメ漫画ではあるが、基本的に主人公の井之頭五郎が1人あちこちで食事をしてモノローグが延々と続くだけ。
他のグルメ漫画のような「食材や産地がどうこう」「調理法がどうこう」等の蘊蓄は出て来ない。
ステーキを残念そうに食べたり、コンビーフを美味しそうに食べたり、新幹線内をシュウマイの匂いで充満させてしまったりと実にハードボイルドに食べる。
そして何より五郎のあまりにネタっぽい(本人はいたって大真面目なのだが)台詞が一部で話題になる。
いわゆるインターネットで火が付くパターンであり、正連載が終了し単行本が出版された数年後、文庫版やドラマCDが発売される等、じわじわと静かなブームが広がってゆく。
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ドラマシリーズ『孤独のグルメ』
原作:久住昌之、作画:谷口ジローのグルメ漫画を原案としたテレビドラマ『孤独のグルメ』。
2012年1月より松重豊氏主演で、実写ドラマがテレビ東京系列で放映された(.第5期からはドラマ24枠に移動)。
松重氏の豪快で幸せそうな食いっぷりが、深夜の視聴者の腹の虫を刺激し「夜食テロ」なる言葉まで生まれた。
どちらかと言うと痩せ型で強面なルックスであり、漫画版の五郎とはかけ離れていたため「ミスキャストではないか?」との懸念もあったが、(松重氏の役作りの一環が功を奏した)その食いっぷりはまさに五郎そのものであり「これもまた五郎ちゃん」と受け入れられた。
「アニメや漫画の実写化作品に良作無し」とまで言われるほど実写化作品はハズレが多いジャンルではあるが、あえて漫画版を「原作」ではなく「原案」とし、よくある実写化作品のように「原作をそのままなぞる」ような展開をせず(作品としての「最低限の要素」を取捨選択の上に換骨奪胎)、大筋をドラマオリジナルの作風で仕上げた結果、前評判を覆して良作ドラマとして人気を博すに至った。
番組の最後に原作者である久住昌之氏本人が、実際に作中で入店したお店を訪問しては酒を飲んで悦に浸るおまけコーナー「ふらっとQUSUMI」等の、ドラマ版独自の演出やおまけも人気が高い。
あらすじ
輸入雑貨の貿易商を営み、商談で赴く先々で食事することを無上の喜びとしている井之頭五郎。
かつての恋人・小雪の娘、千秋からとある依頼の連絡があり 飛行機の機内で腹を減らしながらフランス・パリへ向かう。
パリに到着し、空腹をいつものように満たし、千秋と共に依頼者の祖父の元へ向かう。
そこで、千秋の祖父である一郎から、 「子供の頃に飲んだスープがもう一度飲みたい。
食材を集めて探して欲しい。」とお願いされる。
わずかな地名をヒントに、五郎も行って食材を探してみることにしたのだが...。
フランス、韓国、長崎、東京。
究極のスープを求めて、五郎は世界へ漕ぎだす!
しかし... スープ探しのはずが、行く先々で様々な人や事件に遭遇。 次第に大きな何かに巻き込まれていく...。
登場人物
井之頭五郎
演:松重豊
輸入雑貨の貿易商を個人で営む。
商談で赴く土地の飲食店で食事することを無上の喜びとしている。
好みの店には五郎なりの美学があり、下調べはせず偶然の出会いを大切にする。
志穂
演:内田有紀
五郎が迷い込む韓国領の島のコミュニティで暮らす女性。
中川
演:磯村勇斗
中華ラーメン店「さんせりて」の常連客。
スープの食材とレシピを探す五郎のことを手伝う。
松尾千秋
演:杏
フランス在住の五郎のかつての恋人・小雪(さゆき)の娘。
祖父である一郎の依頼を引き受けてもらうため、五郎をパリに呼ぶ。
店主
演:オダギリジョー
中華ラーメン店「さんせりて」の店主。
松尾一郎
演:塩見三省
千秋の祖父で、小雪の父親。
千秋と共にフランス・パリに住んでいる。
「子供の頃に飲んでいたスープをもう一度飲みたい」と五郎に食材とレシピ探しを依頼する。
滝山
演:村田雄浩
五郎と旧知の仲でもある同業者。
主題歌
- 空腹と俺 / ザ・クロマニヨンズ
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松重豊氏主演の人気ドラマを松重本人が監督・脚本・主演を務め映画化した『劇映画 孤独のグルメ』の主題歌が、ザ・クロマニヨンズによる「空腹と俺」である。
何を隠そう松重氏とザ・クロマニヨンズのボーカルを務める甲本ヒロト氏は約40年前、下北沢にある中華料理屋「珉亭」(みんてい)で同じ日にアルバイトを始めた間柄。
松重氏の熱烈なオファーにより、今回のタッグが実現した。
学生時代、松重氏は映画監督を志し、上京。
時を同じくして、バンドマンになるために上京した甲本氏。
たまたま同じ日に「珉亭」でアルバイトを始めた二人はすぐさま意気投合し、共に夢を追いかけた。
松重氏が「主題歌はどうしてもヒロト(甲本)にやってもらいたかった」と熱い思いを明かすと、甲本氏も「今回こうして関われた、一枚嚙むことができたことに喜びがあるよね」と少し照れたように返している。
主題歌タイトルは、本作にぴったりの「空腹と俺」。
腹を空かせる井之頭五郎(松重)と、そして本作を見て腹を空かせることになるであろう、観客の心を代弁するかのような力強い楽曲である。
序盤は「ん?」
まずはじめに、著者はシーズン1の第1話から『孤独のグルメ』を追いかけているドラマシリーズファンである。
だからこそあえて言うが、最近のドラマは正直パッとしなかった。
制作側もそれを察してか、現行シリーズに過去シリーズで訪れた店を落とし込むなど、様々な工夫がたしかに見て取れた。
配信オリジナル作品では若手芸人とコラボしてみたり、スピンオフでは『それぞれの孤独のグルメ』と称しシリーズ初の外部から主役を募った。
それでもマンネリ化は否めない。
しかし都合シーズン12ともなれば、マンネリ化も致し方ないことだ。
そもそも『孤独のグルメ』とは、何も考えたくない時やボーっとしたい時に観る空き埋め的な作品なのだと、個人的には定義している。
だから30分ドラマのマンネリ化など、さほど気にもならなかった。
だが、劇場版となると話は変わる。
ドラマシリーズでも出張スペシャルや大晦日スペシャルなど、長尺になることはこれまでも何度かあった。
だが劇場版("劇場版" ではなく "劇映画" と表現したのは「単なるテレビドラマ版の延長線上にしたくない」という松重氏の意向)ともなれば、「お金を払ってわざわざ観に行く作品」が求められる。
果たして、シーズン12まで続きすでに出涸らし尽くしたような作品に、お金を払ってまで観る価値があるのか?
そんな疑問が頭をよぎる。
案の定、物語の序盤はドラマファンには疑問符がつく内容だった。
たしかに新しい試みはいくもある。
魅せ方も工夫している。
だがこれは『孤独のグルメ』と呼べるのか?
初の劇場版で入れ込み、下手にこねくり回したせいで、『孤独のグルメ』本来の魅力をスポイルしてしまってはいないか?
そもそも設定に違和感しかない。
『孤独のグルメ』主人公の井之頭五郎は、たしかパリ在住経験があったはず。
ドラマシリーズの中でも、フランス人の知り合いと流暢に会話しているシーンがあった。
外国人からの質問にも、流暢な英語で答えている。
なのに本作では、フランス語はもとより、英語ですら相当怪しい雰囲気だ。
というより、外国人とのコミュニケーション自体がかなり辿々しく、ザ・日本人的対応しか出来ていない。
これが『孤独のグルメ』?
映画を愛してやまない芝居バカの、自己満作品になってはいないか?
唯一ドラマファンを喜ばせたのは、五郎のかつての恋人・小雪(さゆき)の再来だ。
ファンのみが知っているであろう小雪は、本作が初登場ではない。
実はドラマシリーズでたった2度(実質1度だけ)、シーズン1の第4話「千葉県浦安市の静岡おでん」と、シーズン6の第9話「東京都品川区旗の台のサルスエラとイカ墨パエリア」(シーズン1での初登場時と同じ映像)の回想シーンにて登場しているのだ。
本作では写真の中でしか登場しないが、写っているのが当時と同じ目黒真希さんであったこと、そして当時と変わらない風貌であったことから、この写真はおそらくは唯一の登場シーンを切り取ったものだろう。
登場の仕方こそなんとも微妙な形ではあったが、小雪の再来はファンにとってなんとも粋な演出となっている。
だが、それ以外は「ん?」と思わせる懐疑的な展開の序盤だった、と言わざるを得ない。
中盤「ふーん」
物語も中盤となると登場人物も増えてくる。
ドラマファンにとっては、やはり滝山の登場に安心感を覚える。
滝山が電話越しではなく、ちゃんと姿をみせているシーンはドラマシリーズでも数少ない。
そんな滝山が、劇場版にもしっかりお呼ばれしたことだけでドラマファンは嬉しい。
しかし何より目を引いたのは、杏さん(序盤から登場)と内田有紀さんのほとばしりまくる美しさとぐうの音も出ない可愛さだ。
もうこの二人を見ているだけで眼福の極みである。
これだけで十分金が取れる。
本作の勝因は杏さんと内田有紀さんをキャスティングできたことではないのか?
そんなアホことを考えながら、序盤で若干興醒めしていた内容云々など、この時すでにどうでも良くなりつつあった。
ラストシーンで「おぉ!」
序盤〜中盤に至るまでは、キャスティング以外いまいちパッとしなかった本作。
そんな弛み気味の展開も、いざ終盤に差し掛かるとさすがの盛り上がりをみせ始める。
きっかけは、これまたキャスティングの妙であるオダギリジョー氏の登場だ。
この人が映る(役にもよるが)だけで、画面の色が変わる。
さすがはオダジョー、滲み出る色気が半端ない。
ここからは劇場版と呼ぶに相応しい展開といっても差し支えはないだろう。
あえて特筆するなら劇中テレビドラマ「孤高のグルメ」に、松重豊氏の盟友である遠藤憲一氏が登場してくれたこと。
その劇中テレビドラマで遠藤憲一氏が演じた井之頭五郎にそっくりな人物の名前が善福寺六郎であったことは、十分に笑わせてもらった。
物語の仕舞い方は『孤独のグルメ』らしくはないものの、嫌いではない。
終わりよければすべてよし。
そんな言葉が頭によぎる。
わずかばかりの余韻に浸って眺めるスタッフロール。
だが、本当の "終わり" はスタッフロールの後の最後の最後にあったのだった。
再び現れた井之頭五郎。
背後に見える赤ちょうちんに刻まれた「やきとり」の文字。
そして店名とその店構えにはどこか見覚えがある。
そうだ。
この時五郎さんが行こうとしていた "やきとり「庄助」" は、ドラマシリーズ『孤独のグルメ』シーズン1の記念すべき第1話「江東区門前仲町のやきとりと焼きめし」で登場した、つくねピーマンが美味そうだったあの店ではないか。
そして下戸の五郎さんがシリーズ最初に入る店に、居酒屋を選んだことでとても印象に残る店である。
まだあったのか。(一応調べた)
最初期から観続けてきたドラマファンにしか気づけない粋なこの演出には、さすがに感動を覚えた。
そこにはコロナ禍をよくぞ耐え抜いてくれた「庄助」への賞賛が多分に含まれていることは、言うまでもない。
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