
自宅の晩酌用に光栄菊酒造の【光栄菊 Sunburst(サンバースト) 無濾過生原酒】を調達しましたので、甘口辛口などの味の解説やレビューをざっくばらんに書き殴ります。皆さんの日本酒選びに1ミクロンでもお役に立てますと幸いです。
一つ前の記事です→『031|土田 生酛』※未作成
お酒のレビュー
概要と経緯
隣町でのN酒店にて。
犬山「こないだの亀齢クラシック(『010|亀齢 純米 クラシック』にて紹介)、めっちゃ良かった」
店主「ただの純米じゃなかったでしょ?」
犬山「バランスと言うか、纏まりみたいなのが一線を画してたよね。完成度の高い食中酒だった」
偶にこんな風に飲んだ酒のレビューを頼まれていないのにする事もあったり……そこから話を広げて30分くらい話し続けてしまう事もあれば、早々に打ち切ってお酒選びに入る事も。
この日は直後に用事があるので後者のパターン。会話はそこそこに冷蔵ケースに視線を落とし、一つの銘柄をマークしておく。銘柄名は、酸味が印象的な物が多い光栄菊。それがスペック違いで3種類くらい置かれていた。
犬山「今日はちょっと趣向を変えて酸味系がちょっと欲しいかも。甘酸っぱい、けどそこまで甘すぎない奴」
既に心の中では当たりを付けているけど、そういう形で尋ねてみる。その真意を察したのか察してないのか店主は答える。
店主「じゃあそこの光栄菊とかいいっすね」
犬山「幾つかあるけど、どういう違い?」
店主「ぜんぜん違いますよ。ただ、酸味が前面っていうのなら真ん中のサンバーストですね。酸味はあるけどバランス良いからおすすめ」
裏面に太陽のイラストが書いてある。イメージからして夏酒のようだけど、夏酒らしい夏酒はこの店は置いていない(詳しくは『006|大治郎 渡船二号 生酛純米生酒』を参照)ので、極端にさっぱりしているという事は無さそうだ。度数も15度あるし。
店主「ちなみにこれ、酸がバーストって意味でもあるので。酸って、酸味の酸ね」
犬山「なんだそれw、酸が爆発してんの? めっちゃ酸っぱそうだだけどw」
店主「ところがそうでもない。バランスはかなり良いですよ」
犬山「バーストしてるのに?」
店主「そうそう」
正直、バーストした酸というものがどういったものか気になったので、今回は特に迷わずその一本を選ぶ事にした。


光栄菊の銘柄を醸す光栄菊酒造は佐賀県小城市に所在。小城羊羹で有名な旧小城町の町域からは少し離れていて、旧三日月町の織島という集落にあるようです。
ここの酒蔵は2006年に廃業以来、2019年に13年ぶりに酒造りが復活したという事で当時の銘酒界隈では話題になった所でもあります。(話題になったのは、復活にマスコミ関係者が携わっていたという所が大きい気も……)。それゆえに一時期は全体的に品薄だったみたいな話もありましたが、今ではだいぶ沈静化していてネットとかでも普通に買えるようです。
銘柄の全体的な傾向として、酸が印象的なさっぱりとした味わいで、なおかつ芯を感じられる。そんな感じのお酒なので料理、特に洋食系と合わせやすくて気に入っていて、復活後は何度か購入していたり。


復活後に最初に飲んだのはこのSNOW CRESCENT(スノウ・クレッセント)という、うすにごりの無濾過生原酒でした(製造年月日が酒蔵としての販売開始である2019年12月とあるので、本当に作り初めの時のお酒です)。ガス感がかなりあるものの、さっぱり酸味傾向、それでいて飲みごたえがある満足度の高いお酒でした。

ただ、光栄菊復活に際して菊鷹の銘柄を製造していた藤市酒造の杜氏の方を招聘する形になってしまったので、それから程なくして菊鷹の銘柄は造りがストップ。個人的にはこっちの方もかなり好きだったので、当時はちょっと複雑な気分だったりしました。(ただ、現在は藤市酒造のお酒では別銘柄の尾州寿が人気を博していますので、こちらもそのうち買ってみたいなと思ったり)
味覚の傾向

今回も弟氏(吟醸系大好き&アンチ辛口酒)が遊びに来ていたので、いつもの家族と合わせて3人でのテイスティングに……。
犬山「せっかく来てるから新しいお酒開けようと思ってるんだけど」
弟氏「何がある?」
犬山「佐賀と兵庫と京都と石川と岐阜、どこがいい?」
弟氏「うまい酒多いから佐賀……もしかして鍋島?」
犬山「鍋島じゃない」
と言って光栄菊の一升瓶をテーブルにどん。弟は暫くそのラベルを眺めた後。
弟氏「知らん酒。見た事ない」
犬山「最近ってほどじゃないけど何年か前に復活した所のお酒。何度か買ってるから飲んでるはずだと思うけど……」
弟氏「そう言えば、はせがわ酒店で見た気もする。買ったことはないけど」
という前置きの後、3人が席に揃った所でお猪口に注いでテイスティング。自分は2人の評価を待つ。
弟氏「けっこう甘い。良いお酒だと思う」
家族「美味しい。自分好み」
両者から小学生みたいな感想しか貰えなかったので、もう少し実のあるコメントを引き出してみる事に。
犬山「酸味とかあるでしょ。サンバーストって酸のバーストって意味もあるらしいし。酸って酸性アルカリ性の酸ね」
弟氏「なんだそれw、言われてみれば……これは酸味か」
言われてみればって、バーストしてる割には酸味の印象そこまで無いのだろうか? バーストして燃え尽きてる?
家族「そうそう、かなり甘酸っぱいと思う。飲みやすくて危険なタイプ」
酸味系大好きの家族はちゃんと認識してたようだった。
自分の方も改めて飲んでみる。甘味は……確かに多少は甘いものの、中庸より少し甘口寄りで物凄く甘いという訳でもない。濃淡は以前飲んだうすにごりのスノウ・クレッセントよりも酒質がだいぶ濃いめな気もする。
そしてメイン?の酸味。確かに前面に感じられるけど、そこまで強烈なものではなく、これより酸味の強い酒はいくらでもありそうな気もする。ゆえに味覚の中でそれが突出しているという訳ではないので、店主が言っていたように全体のバランスは結構良い。そして甘さがそこまで強烈ではないという事で食中、特に肉類には合わせやすそうな印象だった。
犬山「バーストしてる割には大人しめの酸だったけど、これくらいが丁度いいかもね」
弟氏「ただスペアリブには合わないな。ビールの方が絶対に合う」
犬山「こっちも合うでしょ。さっぱりしてるし酸味で締まるし」
弟氏「そりゃ普通の酒より合うけどさ」
などと言い合いながら盃を進めていく。こういう酸味系のさっぱりタイプの日本酒、味付けの濃い肉類にはめちゃくちゃ合うと思うんですけどね……。

※数値が高ければ味が優れているという訳ではないのでご注意下さい
料理との組み合わせ

味覚の傾向の所でも書いたスペアリブとの組み合わせです。スペアリブと言ってもハム屋(燻製所)のものなので、味が奥の奥まで染みていてお酒のつまみのような代物。そこで、さっぱり酸味な光栄菊と合わせる。かなりいい所行ってると思う……80点の組み合わせ。
スペック一覧表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 蔵元 | 光栄菊酒造(佐賀県小城市)→(HPリンク) |
| 使用米 | 不明 |
| 精米歩合 | 不明 |
| 日本酒度 | 不明 |
| 酸度 | 不明 |
| アルコール度数 | 15度 |
| 種別 | 純米酒(生原酒)※特定名称の表記無し |
| 購入価格(税込) | 3,660円(1,800ml) |
買えるお店の紹介(あれば)
記事のサンバーストは扱っている店は無かったですが(あっても適正価格ではなかったので)、代わりのスペックのものを幾つか紹介致します。
清海の火入れは楽天のみ、月下無頼の無濾過生原酒はAmazonのみの取り扱いとなります。月下無頼は購入時にお店に並んでいて、サンバーストとどちらにするか少し悩んだ品でもあったり。
注意点ですが、光栄菊の銘柄は一時期は転売の商材と化していて、その名残か今でも正規特約店ではないお店が適正価格を大幅に上回る価格で売ってたりしますので(特にAmazon)、購入の際は定価を調べた上でどうぞ。※幾つかのハイスペック品を除き一升4000円強、四合2000円オーバーが相場です
こうした転売品が多い商品はAmazonや楽天ではなく、正規特約店のショップで購入する事をおすすめします。有名所だと伊勢五本店とかはせがわ酒店辺りでしょうか。
※流通量の少ない地酒なので、品切れ&リンク切れの際はご容赦下さい。
次回のお酒はこちら→『033|大七 純米 生もと』※未作成


