ラベル Async DR の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル Async DR の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年9月21日日曜日

NutanixからNutanixへの移行考慮点(その1・Nutanix+ESXiからNutanix+AHVへの移行)

2015年から本格的にNutanixが日本市場に浸透し、Nutanixを新規で導入するユーザーが爆発的に増えている最近ですが、一方でNutanixからNutanixへの移行というフェーズも多く見かけるようになりました。10年前と違いNutanixで選択できる幅が大きく増えていることから、改めてNutanixからNutanixへの移行について見ていきたいと思います。


移行課題その1
ESXiからAHVへのハイパーバイザー変更


方法1.Convert Clusterによる変換後のExpand Cluster+Remove Host

2020年前後までは、Nutanix+vSphere ESXi環境で稼働している環境も多かったのではないでしょうか?VMwareの買収もあり、vSphereからNutanix AHVへの移行を検討されている場合増えています。この場合、Nutanixの既存のクラスターに追加ノードでAHVのノードを追加し移行するという構成が組めません。

この場合2つの方法があります。

1つは、既存のNutanixクラスターをConvert ClusterでESXi上で稼働しているクラスターをAHVにハイパーバイザーを変更します。(仮想マシンは、NGTがインストールされていることが前提となりますが、そのままAHVで稼働する仮想マシンに変換されます)

コンバート完了後、AHVクラスターになった状態で新規ノードを追加し、リプレース対象のノードをRemoveすることで、リプレースを完了することができます。

この場合、ESXiからAHVにコンバートする際に、ハイパーバイザーの入れ替えやCVMの作り替えが行われるため、Foundationを行うのと変わらないぐらいの時間(3ノードであればおよそ1時間程度)かかります。さらに内部でVMDKをRAW形式に変換する動作を行いますので、それなりにクラスターの停止時間がかかってしまいます。

▼既存クラスターのハイパーバイザー変換


コンバートが変更した後、追加ノードを入れて1つのクラスターにします。

▼Expand ClusterでAHVクラスターとして6ノード構成にする


その後、古いノードをRemove Hostで外すことで、新しいノードのみで継続稼動させることができます。

▼Remove Hostで古いノードの切り離しを行う


方法2.Async DRの利用

こちらが移行としては、時間がかからない方法の1つであると思います。クラスター間のレプリケーションであるAsync DRを設定し仮想マシンの移行ができます。こちらを利用すれば、Prismの操作画面のみで簡単に仮想マシン単位で移行計画を作ることができます。

NGTがインストールされていない場合、Async DRのMigrate機能ボタンがPrism上では押せませんが、ncliで「skip-vm-mobility-check」パラメータを利用すれば、NGTのインストール有無に関係なく仮想マシンの移行ができます。(NGTをインストールしていない場合、ゲストOSにVirtIO Driverがインストールされていないため仮想マシンのOSが正しく起動できない可能性があります。その場合事前にVirtIO Driverのインストールを行ってください。)



方法3.Nutanix Moveを利用した仮想マシン移行

Nutanix to Nutanix移行であってもハイパーバイザーが異なる場合、Nutanix Moveを利用して移行することができます。

移行元のNutanixクラスターと移行先のNutanixクラスターを設定することで、Nutanix Moveのメリットを生かした仮想マシン単位かつ移行時間をカットオーバー機能で自由に制御できます。

▼Moveを使った仮想マシンの移行



今回は、Nutanix+ESXi環境からの移行についてご紹介しました。ハイパーバイザーが異なるからNutanixでも移行は無理みたいな印象がある方に出会うことがありますがそのようなことはなく、Nutanixの良さを生かした移行が可能です。


次はまた違う移行パターンについてご紹介します。








 

2020年11月22日日曜日

Nutanixにおけるデーター保護のあれこれ

Nutanixが提供するHCI製品は、サーバー・ストレージを統合した仮想化基盤であることは皆さんご存じだと思います。仮想化基盤の運用において課題の1つが仮想マシンのバックアップです。仮想化により高集約にすると、物理サーバーの台数に対して仮想マシンのバックアップ対象仮想マシンが多くなり、夜間の業務時間外にバックアップが終了せず、翌朝の始業時間を迎えてしまうといったことはよく聞かれる運用の悩みです。

Nutanixにおいては、従来からDataProtectionといわれる仮想マシン保護機能がついていましたが現在ではさらに多くの機能が搭載されています。今回は、様々なシーンにおいて利用できるデーター保護機能を改めて押さえていきたいと思います。


Nutanixにおけるレプリケーションの基本

Nutanixのストレージは、ストレージブロック単位でCopy on Writeによる制御を行います。ストレージブロックでのCopy on Writeを利用したスナップショットを利用するため、稼働ディスクファイルを分割するハイパーバイザーが提供するスナップショットと異なり、高い安全性を保ったまま差分データーブロックを保持することができ、その差分データーブロックをレプリケーションすることで、効率的なレプリケーションを実現します。


Async DRによる保護(非同期)

最もシンプルなレプリケーション方法です。Nutanixの全てのエディションで利用できる機能であり、仮想マシン単位でクラスター間のレプリケーションとDRが可能です。最短のレプリケーションサイクルは1時間に1回となります。レプリケーション先のNutanixクラスターで、仮想マシンを仮想マシンを稼働させることも可能です。



SNRTへの保護(非同期)

SNRTは、Single Node Replication Targetの略で、1ノードで構成されたNutanixクラスターで、主にレプリケーション目的で利用するNutanixクラスターのことを指します。
SNRT利用時のレプリケーションサイクル(RPO)は、6時間に1回となります。
Ansyc DRの時と同様に、SNRT側で仮想マシンを稼働させることができますが、SNRTにおける稼働する仮想マシン台数は、5台程度が推奨となります。
SNRTへのレプリケーションの制限として、転送元のクラスターのストレージコンテナに重複排除が有効化されていないことが条件となります。



NearSycnによる保護(非同期)

NearSyncは、Nutanixクラスター間を最小20秒で非同期レプリケーション行う仕組みです。Async DRは最小1時間のRPOでしたが、NearSyncは15分から20秒の間でレプリケーション設定が可能であり、よりクリティカルな環境におけるDRを実現します。
NeaySyncは、マルチサイトレプリケーションに対応していますが、NearSyncでのレプリケーションは1:1となり、その他のレプリケーション先はAsyncDRになります。また、NearSyncを利用するクラスターはノード当たり1.2TB以上のSSDを搭載する必要があります。ハイパーバイザーは,AHVとESXiのみがサポートされ、クロスハイパーバイザーレプリケーションは未対応です。
RPOは、NearSyncのみの利用時は最小1分であり、MetroAvailabilityとの併用利用時にESXiで構成されたNuatnixクラスターの場合、ストレージコンテナレベルでのレプリケーションとして20秒のレプリケーションが可能です。
Async DRと同様にレプリケーションを受け取ったバックアップクラスター側で仮想マシンを起動させることが可能です。



MetroAvailabilityによる保護(同期)

Metro Availabilityは、完全な同期レプリケーションを行う方式です。完全な同期レプリケーションのため、データーの差分無くメインクラスターが何らかの障害が発生した場合、セカンダリーのクラスターでHAが発動して仮想マシンが稼働する仕組みです。Metro Availabitilityには、いくつかの制限があります。まずは、2クラスター間の回線の遅延が5msec以内である必要があります。Metro Availavilityは、ESXi及びHyper-Vクラスターをサポートします。ESXi+AHVストレージノードで構成されたクラスターはサポートされますが、Hyper-V+AHVストレージノードで構成されたクラスターはサポートされません。また、WitnessVMにおける監視は、AHVストレージノードが構成されている場合、サポートされません。



Leapによる保護

Async/Near DRによる保護は、仮想マシンのレプリケーションと簡易的なDRを実現できます。一方で仮想マシンの自動起動や起動時のシナリオなど細かい設定はAsync/NearSyncでは設定できませんでした。その課題を解決すべく、現在ではPrismCentralを介して細かなDRを構成するLeapが提供されています。Leapを利用すると、仮想マシンのフェールオーバー時の細かい設定(起動順序や待ち時間設定)、DRのテストを行うことが出来ます。
Leapにおいても、同期レプリケーション及び非同期レプリケーションがサポートされていますが、同期レプリケーションはAHVのみの対応となります。一方NearSyncベースのレプリケーションは、AHVもしくはESXiクラスターのみがサポートされます。



Leapにより、仮想マシンのDRにおいてシナリオ(RunBook)に応じてDRを実現する方法が実現できるようになりましたが、Nutanixは、vSphere Site Recovery Manager (SRM)のSRA(アダプタ)を提供していますので、vSphere ESXi環境のNutanixにおいては、SRMを利用したRunBookを備えたDR環境が構築可能であることも忘れてはいけません。

Nutanixにおけるレプリケーション/DRの構成には様々な手法があり、かつ条件が複雑化してきています。以下の表のように簡単にまとめてみましたが、その他にも様々な仕様条件がありますので、特にNearSyncやMetro、Leapを利用する場合はNutanixから提供されるドキュメントを確認の上、環境条件が揃っていることを確認する必要があります。


▼レプリケーション/DRにおける機能毎のまとめ(表をクリックすると拡大表示できます)