
William Kraus
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Papers by William Kraus
第二言語教授法において, ライティングで個人的な内容を指示文(Prompts)とすることは, より意義深い学習を促すためによく利用されている。ところが残念なことに, このような指示文が、学習者の書いた成果物にどのような効果をもたらすかはあまり調査されていない。本研究では, その効果に関連しうる二つの研究-記憶の自己参照効果, およびロビンソンの認知仮説を考拠とした。ライティングにおける個人的な内容の指示文の効果を実験的に調査するため, 英語を外国語として学習する女性日本語母語話者36 名の参加者によって書かれたエッセイを用い, 文章の長さ, 複雑さ及び正確さを分析した。記憶研究および認知仮説に基づき, 個人的なことを書く場合はより長い文章になる一方, 複雑さや正確さはより劣るであろうという仮説が立てられた。結果は仮説と一致する部分があったものの, 正確さについてはより高まることがわかった。したがって, ライティングの流暢さに焦点を当てる場合は, 個人的な内容を指示文とする方がより好ましい教授的選択であると言える。他方, 他者に関することや非個人的な立場をとる内容を指示文とする際は, より強力な足場づくりが必要となり, 学習が進んでから用いるのが望ましいと考えられる.
第二言語教授法において, ライティングで個人的な内容を指示文(Prompts)とすることは, より意義深い学習を促すためによく利用されている。ところが残念なことに, このような指示文が、学習者の書いた成果物にどのような効果をもたらすかはあまり調査されていない。本研究では, その効果に関連しうる二つの研究-記憶の自己参照効果, およびロビンソンの認知仮説を考拠とした。ライティングにおける個人的な内容の指示文の効果を実験的に調査するため, 英語を外国語として学習する女性日本語母語話者36 名の参加者によって書かれたエッセイを用い, 文章の長さ, 複雑さ及び正確さを分析した。記憶研究および認知仮説に基づき, 個人的なことを書く場合はより長い文章になる一方, 複雑さや正確さはより劣るであろうという仮説が立てられた。結果は仮説と一致する部分があったものの, 正確さについてはより高まることがわかった。したがって, ライティングの流暢さに焦点を当てる場合は, 個人的な内容を指示文とする方がより好ましい教授的選択であると言える。他方, 他者に関することや非個人的な立場をとる内容を指示文とする際は, より強力な足場づくりが必要となり, 学習が進んでから用いるのが望ましいと考えられる.