20XX年。メロン国といちご国との関係が悪化する。
「子どもが好きなフルーツNO.1」という称号に対し両国が領有権を主張し、店舗陳列権益をも奪い合う外交問題にまで発展したのだ。
メロン国いちご国の国境には検問所が設置され、通行する人々は厳しい監視下に置かれた。
メロン国検問所
「待て待て、貴様」
「へえ。どうも、本日は結構なお天気で」
「いずこへ参る」
「へい。あっしはこれからメロンパン村へ帰るところでござんす」
「メロンパン村…貴様、あまり見ない顔だな。名は?」
「いちごメロンパンと申します。しかしなんですな、メロンパンといっても円形、紡錘形、長方形、楕円形、富士山形など様々ありまして、名前なんかも西の方じゃサンライズなんかが一般的で、『おい、サンライズ。聞いてんのか?やいっ、サンの字!』なんて呼ばれたって、まさか自分の事だなんて気づかず怒られちまうなんて、まったくとんだお笑いぐさで。アハハ。そういやァ広島の呉で…」
「怪しい奴だ。体を改める」
「怪しかァないよ。怪しいと思ったら、メロンパン村大字ニューデイズへ行って訊くがいいや。メロン国の役人が、人気赤丸急上昇中のいちごメロンパンを知らねえとは、おどろいたね」
「…貴様、こんなピンク色をしたメロンパンがどこの世界にいる!」
「へえ、当方いちごメロンパンなもんで。ニューデイズ今週の新商品、その名も高きいちごメロンパンでござんす」
「一癖ありげな奴め。所持品を改める。中を開けろ」
「中を開けたって仕方がないよ。こちとらJR東日本の駅で待っているお客さんが大勢いるんだ。つまらねえ手間をかけさせる人たちだよ」
「…貴様、こんなピンク色をしたクリームが入っているメロンパンがどこの世界にいる‼」
「なにしろいちごメロンパンなもんで」
「モグモグ…貴様、いちご味しかしないメロンパンが世の中にあってたまるか!」
「えっと…『とちあいかのいちごクリームを包んでビス生地をのせて焼き上げた後、ホイップを入れました』ってんで」
「ん?今なにか読んでいなかったか?」
「滅相もございません」
「あっ、待て!貴様、逃げるか‼ そこになおれ!」
「なおってられないよ。冗談じゃねぇ、こちとら1/7~1/13までの販売期間なんだ。あばよ」
「おのれ…音に聞こえたニューデイズのいちごメロンパンか。なんて足の速い奴だ。彼奴め、敵か味方か…いちごかメロンか…1/7~1/13の期間中にニューデイズで奴を見かけ次第ひっ捕らえよ。もう一度…もう一度味見をしなければならん!」