imaginegargle’s blog

中国文明の揺籃である河南省への旅の準備とその旅路について記すブログ

天山南路を往く 20

トルファンからウルムチ

 トルファンは緑が多くて静かないい街だ。街路樹が繁っていて、歩行街の頭上には葡萄棚が広がって陽の光を遮ってくれる。陽の光と言えば、南彊ではついぞ見なかった青空と太陽、月の影、そんなものがはっきりと見える。ホテルの18階から遠望すれば遠く火焔山の赤茶けた山肌も見える。夏から秋に変わろうとする季節の移りが空気から感じ取れる、そんな街だ。

 夜にはホテルの向かいにある公園にたくさんの市民が集まって来て、スピーカーから流れる音楽にのってたくさんの踊りの輪が出来る。そういう人びとが、自らの平和な暮らしを大切にしている雰囲気がある街だ。新疆に来て感じられるのはそういう居心地の良さと言っていいだろう。トルファン3日目の朝、この街を出て行く。最後の目的地はウルムチである。

 当初、高鉄に乗ってウルムチまで引き返そうと思ったが、時刻表を見て考えを変えた。トルファン北駅を1220に出発するK9785列車に変更してのんびりとウルムチまで向かうこととする。この列車は喀什を出発して、和田から若羌を経て格庫線に入り、タクラマカン砂漠を横断し、ロプ・ノールを通ってトルファンまでやって来た列車だ。終点はウルムチなので、俺が和田から乗ってきた鉄路を逆周りで来たことになる。そんな夢のような列車に一部なりとも乗らなかったら後悔するに決まっているではないか。

吐魯番北駅から緑皮車に乗る

カシュガルから和田経由で砂漠を横断しやって来た烏魯木斉行きK9785列車

 そう思ってすぐに後悔した。トルファン北駅に来てちょうど停車中の同列車に乗り込む。2時間ほどの乗車なので硬座を予約しておいたのだが、それが大量の荷物を持った乗客で埋め尽くされひどい混みようだ。頭上の荷物棚はすべて埋め尽くされ、予約した席もなんだかおっさんがふんぞり返っている。硬座取るとたいていはこういう目に遭う。決まっておっさんが座っているのだ。にこやかにこの席の占有権を主張したら何やら呟きながら別の席に移って行った。最初から自分の席に座って居れば良いものを、おっさんはそうはしない。しないからおっさんなのだ。

 あまりの混雑に列車長さんが登場し、棚の荷物を整理し始める。きっちり詰めればちゃんとはいるのだ。暑い車内も走り出すと空調が効いてきて過ごしやすくなった。

 線路はスラブ軌道で時速100km以上の高速で走り抜ける

 烏魯木斉の鉄道駅は2つあって、片や烏魯木斉南、片や烏魯木斉である。先に停まるのが烏魯木斉「南」駅、次が烏魯木斉駅だ。カシュガルから寝台で到着して高鉄に乗り換えたのが烏魯木斉駅だったので、今回も烏魯木斉駅まで数分乗車して降りることにしたが実際にはこれは避けた方がいい。なぜならこの駅は大きいが空港に近い、市中心部からはいささか離れた駅なのだ。市内中心部の国際大バザールなんかに近い駅は「南」駅なのでそちらで降りるのがいいだろう。今回はタクシーで繁華なロータリーに面した人民電影院そばの亜朶酒店に宿を取った。さすがに新疆ウイグル自治区の首都だけあって高層ビルもたくさんあり、砂塵も少ないし繁華な町です。

人民電影院とホテル

 人民電影院は古い歴史がありそうな映画館で、南京事件の映画なんかをやっていた。繁華街なので武装警察が車両を出して警備中。もうこの光景には慣れてきたが、実際には中国全土で繁華街にはこういう警備が当たり前である。

 腹が減ったので、近所のチェーン店と思われる「エビ餃子」を売り物にした店に入る。せっかくだからエビ餃子と羊肉の串焼きを頼む。で、やって来たのが

おしゃれなシートにのった羊肉串焼き

そしてぷりぷりとしたエビ餃子

いやー、なんかなあ。少なくともこうじゃあねえんだよな~。都会的すぎるというか洗練され過ぎなんだよ。ギトギトしてないし。