先日、広島県大竹市にある「下瀬美術館」に行ってきました。
こちらは、2023年5月に開館した『アートの中でアートを観る』というコンセプトの美術館。
その言葉通り展示品だけでなく、施設そのものがアート作品として楽しめる場所になっています。
アクセス
・JR山陽本線「玖波(くば)」駅または「大竹」駅からこいこいバスに乗車。
バス停「ゆめタウン」下車徒歩5分
・JR山陽本線「大竹」駅から無料シャトルバスにて10分(シャトルバスは1時間に1本程度)
私は今回、美術館に併設されている「SHIMOSE ART GARDEN VILLA」に宿泊したため、玖波駅から往復共に送迎していただけました。
美術館
美術館の設計は、建築家の坂茂(ばんしげる)さん。

大分県立美術館や、ニュージーランドの紙の大聖堂なども手掛けられている建築家さんです。
大分県立美術館(2025年6月訪問)
紙の大聖堂(2020年1月訪問)
坂さんは、紙管や木材などを使用した建築で有名な方。

こちらの美術館も、入口を入るととても特徴的な木の柱が建っています。


36本の木材を1本にまとめて造られたという柱。
放射線状に天井に広がる様は、まさに大樹のよう。
エントランス棟は、左手がミュージアムショップ、右手がカフェスペースとなっています。

昨年、世界的な建築賞「ベルサイユ賞」を受賞されたそう。
「世界で最も美しい美術館」の称号を得た美術館です。
ちなみに、高松にある香川県立アリーナもこのベルサイユ賞を受賞しているそうです。

下瀬美術館の周辺施設を含めた模型。
目に留まるのが、手前に並ぶカラフルで四角い建物たち。
これらは、この下瀬美術館の最大の特徴でもある水辺に浮かぶ可動展示室です。
あと気になるのが、建物の天井部に張り付けられた大量のソーラーパネル・・・
そこの再現性、いる?
一旦、外に出て可動展示室を見に行ってみます。

とんでもなく曇天なのが残念でなりません。

ちなみに、エントランス棟のショップ&カフェとこちらの場所は、美術館のチケットがなくても入場可能です。
展覧会
私が訪問した日(12/13)は、企画展『SIMOSE新コレクション展—サム・フォールズ、松山智一』が開催中でした。
(12月18日から『SIMOSE新コレクション展—サム・フォールズ、小松美羽』に変わっています。)
まずは、可動展示室に展示されていた松山智一さんの作品を鑑賞。
外から見たあの四角い建物たち。内部はどうなっているのかと入ってみると・・・

各展示室が、このような自動扉と廊下でつながれており、内部は真っ白の四角い部屋。

私たちの後ろから来た男性二人組が
「精神と時の部屋みたいだな」
って言っていました。
めっちゃ分かるわ!それ!!悟空修行してそうやわ!!
でも安心してください。ここの重力は他の空間と何ら変わりません。(そらな。)




超サイヤ人を極める代わりに、松山智一さんの作品を堪能させて頂きました。
もう1か所、企画展示室側で展示されていたサム・フォールズさんの作品。
中でも、制作に1年を費やしたという高さ3.6m、幅45mの大作《Spring to Fall》(2023-2024年)が素晴らしかったです。

日本初公開のこちらの作品。
その規模感に圧倒されます。

サム・フォールズさんはアメリカのアーティストで、
①キャンバスの上に植物の枝葉や花などを置く
②その上に特殊な顔料を撒く
③太陽光や雨風にさらして放置
→植物のシルエットが浮かび上がる
という手法が特徴的な方だそう。
(勉強不足ゆえ、今回初めて知りました。)

近づいて見てみると、沢山の草花のシルエットが浮かび上がっているのが分かります。
素敵。

サイズがサイズなだけに、展示できる美術館も限られそうですし、ここで見られたのはとても貴重だったのではないかと思います。
現在開催中の後期では、今年の10月に来日した際、宮島で制作された作品3点が展示されているそうです。
制作現場のショート映像が展示室で流れていて、その作品も見てみたくなりました。
近場であれば、後期も行きたいところですが正直アクセス良好と言える場所ではないのでねぇ・・・
望洋テラス
企画展示棟の外に、海と瀬戸内の島々、そして水面に浮かぶ可動展示室を一望できるテラスがあります。
(こちらは、美術館の入館券を購入した方しか入れません。)

企画展示棟にある出入口から、少し坂を上がっていきます。
円形の建物がエントランス棟、そこから続く企画展示棟。全面ガラス張り。

振り返ると、展示棟のガラスに映るテラスが、なんだかピラミッドのよう。
後方にそびえる山々も相まって、これまた素敵な風景なんですが、どうしても目がいくのが青い看板の「EDION」・・・
ある意味、宣伝効果としては成功しているかもしれない。
寒空の中、まだ頑張るコスモスたちが数本。
もう少し時期が早ければ、丘部分一面にコスモスが咲いていたんでしょうね。
そして、展望テラスからの景色がこちら。

瀬戸内の島々と海、そして可動展示室。
これぞ、下瀬美術館の象徴!とも言える景色です。
ものごっつ曇天やけど。
振り返れば、今年の旅行はイマイチお天気に恵まれなかったことが多かったな・・・

右手側、少し遠目には工業地帯。
海沿いに建つ工場の風景って結構好きです。


瀬戸内海を挟んで向こう側に見える一番大きな島は、宮島(厳島)
隣接するホテルに1泊したので、翌朝もテラスに上って朝の展示室を眺めてみました。
(宿泊者は、滞在中美術館に出入りできるカードを頂けたので、2日間とも美術館に入れました。)

晴れたー!!
瀬戸内海の青空、ようやく見れました。


海も朝日でキラキラ輝いています。
やっぱり青空の元で見る方が、綺麗ですね。天気って大事。
屋外展示
1点だけ屋外に展示されていた作品。


ただ、これについての説明書きがなく(見つけられなかっただけかも)誰の何なのか、常設なのか、期間限定なのか、何もかも分かりませんでした・・・
エミーレ・ガレの庭
下瀬美術館のコレクションの一つに、工芸家エミール・ガレの作品があります。
アーティストだけでなく、植物学者としても活動していたガレの作品に登場する植物を中心に、植栽された庭園。
こちらも美術館に繋がった施設になるので、入館券を持った方しか入れません。
まぁ、ただ12月という季節は、庭園を愛でるには適さないですね・・・
分かってはいましたけど。
ただ、全くお花が咲いていない訳ではありません。
寒空の元に咲いている花を見ると、応援したくなる。
そして勝手に、気候がいい季節に咲く花よりも、彼らは強いと思っている。

こちらも晴れた翌朝に歩いてみました。

池の周りの金網にも、所々ガラス(?)のような細工がされていました。
こういう細かい所にもアートが散りばめられています。さすがです。
庭から見た可動展示室。
曇ってるとき~
晴れてるとき~
晴れたのはいいけれど、朝は逆光になってしまうので、晴れた午後が写真を撮るにはベストかもしれません。
全体として、そこまで大きな美術館ではないですがまさに「アートの中でアートを観る」というコンセプトの通り、建物のデザインや、テラスに庭園と施設全体含めてアートを楽しめる美術館でした。
利用案内
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝休日の場合は開館)、年末年始、展示替え期間
観覧料:大人2,000円 高校生・大学生1,000円 大竹市民1,500円 中学生以下無料