iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に忘れっぽい私の読書録。最近はもっぱらAudibleで聞く読書

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「たとえる技術」

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 さて、お正月なので難しいことは考えたくない!のでいつもどーりやります。 せきしろの「たとえる技術」を読んだ。 人生の中でふと大喜利をしないといけない場合にそなえるのによい。 面…

「青瓜不動 三島屋変調百物語九之続」聞き手の成長も嬉しい変調百物語シリーズ

宮部みゆきの「青瓜不動 三島屋変調百物語九之続」を読んだ。 さて次は何を読もう。おそらく今年最後の本になるだろうからと楽しみにとっておいたこの一冊を。 安定の人情物面白うございました。 次男坊、富次郎が「絵師」になりたいという夢を無理に諦めよ…

「BUTTER」人のかたちにどんな意味があるのか?

柚木麻子 の「BUTTER」を読んだ。 実際の事件を下敷きにした小説。 首都圏連続不審死事件とも呼ばれているが、ほとんどの方は「木嶋佳苗」という犯人の名前で思い出すことが多いだろう。 この話はそれをベースにしながらも落としどころとしては事件とは全く…

「脂質起動」油を食べねば脂は燃えないらしい

山田悟の「脂質起動」を読んだ。 脂質起動とは、糖質を減らして脂を摂ることで、体が脂肪を使いやすい状態になるという考え方。 著者の山田さんは話題作「糖質疲労」の作者が仕掛けた現役の糖尿病専門医で、実際に自分のところの患者さんにもこの方法を勧め…

『名探偵再び』探偵のプライドとは?

潮谷験の「名探偵再び」を読んだ。 軽いノリの女子高生探偵の話かと思ったら、最後にどんでん返しがやってくる。正直、前半は軽妙なコメディかと思って油断していた。だが終盤、目まぐるしく伏線が回収され、見事に騙されていたことに気づかされる。その巧妙…

『虚構推理』嘘で怪異を解体するミステリー

城平京の「虚構推理」を読んだ。 「都市伝説✕ミステリー」という紹介文を『このミステリーがすごい!2026年版』で見かけて手に取ったのだが、これが思いのほかの当たりだった。アニメっぽい表紙に惑わされて今までスルーしていたことを悔やむほど、自分好み…

『午前三時の化粧水』昭和男が“もち肌”を手に入れるまで

爪切男の「午前三時の化粧水」を読んだ。 通りすがりの小学生に「太っちょゴブリン」と呼ばれた男が、己の見た目を省みて化粧水を手に取る。 そんな、悲しくも笑える出発点から始まるこのエッセイ「午前三時の化粧水」は、美容に目覚めた中年男性のビフォー…

「鈍色幻視行」曖昧さを受け入れる余裕

恩田陸の「鈍色幻視行」を読んだ。 一つの「呪われた小説」に関して関係者を一同にあつめた豪華客船でその小説について語り合うというなんだか一人や二人死人が出てもおかしくないシュチュエーション。 物語は、小説家の妻とその夫の二人の視点から交互に語…

『滅茶苦茶』コロナ禍で交錯する三人の「最悪」

染井為人の「滅茶苦茶」を読んだ。 最悪だけど、最低ではない——そんな終わり方に、少しだけ救われた。 「滅茶苦茶」は、コロナ禍のうつうつとした日常を“心のコロナ”として描いたサスペンス小説。 やることなすこと、何もかもが裏目に出る怒涛の展開。まさに…

「お金が貯まる家」にはものが少ない」物持ちと金持ちはちがうのね

下村 志保美 の「お金が貯まる家」にはものが少ない」を読んだ。 とにかくいつも部屋を片付けたいと思っている(うっすら) (ちなみに言うといつも痩せたいと思ってるし、いつも肩が凝ったと思っている。) そんなこんなで、いっちょ年末にむけ「断捨離の炎…

『ルポ 秀和幡ヶ谷レジデンス』現代のディストピアは渋谷の隣にあった

栗田 シメイの「ルポ 秀和幡ヶ谷レジデンス」を読んだ。 最初にタイトルを見たとき、てっきりエンタメ小説かと思った。いや、「ルポ」と付いていても、だ。だがその中身は、実際は一つのマンションで本当に起こった「管理組合対住民」の壮絶な争いを克明に描…

「渇愛」彼女がこうなってしまった理由

宇都宮直子 の「渇愛」を読んだ。 数年前に世間を騒がせた「頂き女子りりちゃん」事件について書かれたノンフィクションだ。 とーにかく面白かった! 自身も結婚詐欺のようなことを繰り返し、しかもその詐欺の方法を情報商材としてマニュアル化して販売して…

「何をするにもやる気がでないので30秒でモチベーション上げる方法を教えて下さい」どれか一つでも使えれば儲けもん

吉本ユータヌキの「何をするにもやる気がでないので30秒でモチベーション上げる方法を教えて下さい」を読んだ。 ゆるい絵柄ながら胸が漫画を描く漫画家さんだ。と言いながら、私は知らなかったので、思わず検索してnoteを読み漁ってしまった。 とっても読み…

『ミシン2』で贅沢な生き方とはなにか学ぶ。お洋服偏愛小説

嶽本野ばらの「ミシン2/カサコ」を読んだ。 ミシンがすごく良くて、そのままの流れでミシン2・カサコまで一気に読了。 ちなみにこのミシンとカサコたちは少女たちの名前でミシンは「美しい心」と書いてミシン。名前の通り立ちの整った美しい少女da。 一報「…

ブランド服は鎧になる――『ミシン』を読んで思うこと

嶽本野ばらの「ミシン」を読んだ。 いやー世界観がすごい。嶽本野ばらの作品は、映像化されたものも多く、その名はずっと耳にしていたが、実はこれが初読である。いやはや、これが処女小説とは信じがたい完成度。 表題作「ミシン」も、「世界の終わりという…

「Q&A」究極の会話劇

恩田陸の「Q&A」を読んだ。 すべてが「会話」だけで描かれた謎だらけのストーリー 20年近く前に書かれた結構古い話だが、まるでその後の事件を予測しているかのようなストーリー。 大型ショッピングモールMで起こった大惨事。最初は火災と思われていたが、よ…

『中山民俗学探偵譚』大好物の匂いしかしないが…

柳川 一 の「中山民俗学探偵譚 」を読んだ。 戦前戦後にかけて、中山が出会った有名人たちとのエピソードをうまく謎ときに仕立てたミステリー。 ナレーターの読み方の問題もあるかもしれないが、大変上品というか京都料理みたいな本。欲を言えば滋味深いが逆…

「日本の昔ばなし」とNanobanana

柳田國男の「日本の昔ばなし」を読んだ。 昨日の本(動物たちは何をしゃべっているのか)を読んで、ききみみ頭巾が欲しいなーと思っていたところ、収録されていたのに行き当たった(偶然よ?)すごいセレンディピティ! ききみみ頭巾は、赤い頭巾らしいよ。 …

「動物たちは何をしゃべっているのか?」うちの猫は「ごはん」としゃべっている(と私は思う)

山極寿一 (著), 鈴木俊貴 (著) の「動物たちは何をしゃべっているのか?」を読んだ。 今年のトップ10に入る良かった本「僕には鳥の言葉がわかる」の鈴木俊貴と超有名なゴリラ研究者山極寿一、二人の研究者による対談本。 一般人向けにきちんと噛み砕かれてい…

「命みじかし恋せよ乙女 少年明智小五郎」

辻真先の「命みじかし恋せよ乙女 少年明智小五郎」を読んだ。 事件の舞台は「むの字屋敷」。俯瞰で見ると、ひらがなの“む”のように見えるという、なんとも奇妙な構造だ。読者としても、その全貌をなかなか掴みきれないのだが、登場人物たちも迷いながら歩い…

『暁星』宗教と家族、あの問題は結局どうなったのか

湊かなえ の「暁星」を読んだ。 実は読後に嫌な気持ちになるのでは…と、しばらく聞き渋っていた作品だったが、いざ聴いてみると、その不安は杞憂に終わった。むしろ、心を大きく揺さぶられた。湊かなえの「暁星」は、宗教2世の痛みと、それに絡み合う人間の…

「口外禁止」AIはそこまで進化・・・してまへん

下村 敦史,の「口外禁止」を読んだ。 最新のAIが「サッカーワールドカップの対戦成績を予測」できたら? そんなはずないと頭では思いつつも、3回連続当たっていたら、信じてもしょうがないのかもしれない。 昔、ワールドカップの結果を予想するタコのパウル…

『踊れ、愛より痛いほうへ』無条件の愛が苦しい理由

向坂くじらの「踊れ、愛より痛いほうへ」を読んだ。 少女「アンノ」の理解されない生きづらさを丁寧に描いた作品。 「割れる」という感覚に、これほど説得力をもたせた表現があっただろうか。少女「アンノ」は、傷つかないために、必死で自分が割れないよう…

「巴里マカロンの謎」小山内さんの声がかわいい

米倉穂信の「巴里マカロンの謎」を読んだ。 2日続けて美味しそうなものが登場するミステリーを読んでしまった。 私のグルテンフリー生活が危うい。 米倉穂信の小市民シリーズ、安定のおもしろさだった。 今回の気付きは本で読むのとAudibleで聴くのでは随分…

『謎の香りはパン屋から』香ばしい幸福と上質ミステリ

土屋うさぎの「謎の香りはパン屋から」を読んだ。 読む手を止めるたび、ふわりとパンの匂いが鼻腔をくすぐる気がして、お腹が鳴った。まったく罪なミステリーである。グルテンフリーチャレンジ中の人間が読む本ではない。 「謎の香りはパン屋から」は、主人…

『たそがれの侵入者』裏社会と上流未亡人の交差点

赤川次郎の「たそがれの侵入者」を読んだ。 赤川次郎といえば、昭和から令和をまたぐ大ベテランだが、その筆致はまるで衰え知らず。この人、まだこのテンションで書けるのか~。 朗読ナレーションがとても良いという噂を聞き、久しぶりに手に取った(という…

『五つの季節に探偵は』少女の成長と探偵の宿命

いやー先日は一生懸命書いた「YABUNONAKA」の感想文を投稿していなかったようで残念だ。あんなに頑張って書いたのに。 なんで、一日に2つも投稿しちゃう。 逸木 裕 の「五つの季節に探偵は 」を読んだ。 初読みの作家さん。 「五つの季節に探偵は」は、連作…

『殺意の輪郭』バディの温度差にニヤリとする警察小説

麻見 和史 の「殺意の輪郭 猟奇殺人捜査ファイル」を読んだ。 上品なものばかり食べていると、たまにジャンクフードが食べたくなるように、人気作家の新シリーズを読んでみた。 タイトルからして、もっと血みどろな「猟奇殺人」を期待していたが、思ったより…

「もしも豊臣秀吉がコンサルをしたら」かなりうまくやる

眞邊 明人 の「もしも豊臣秀吉がコンサルをしたら」を読んだ。 気づいてなかったが右肩に「ビジネス小説」の断り書きが(笑) もちろん、この本をよんで「コンサルティングとはなにか」がわかるわけではない。 それを踏まえても「ビジネス感」はそんなにない…

『となりの陰謀論』陰謀論はあなたのすぐとなりに。

烏谷 昌幸の「となりの陰謀論」を読んだ。 陰謀論という言葉に、どこか「頭の悪い人が信じるもの」という偏見を持っていた。 正直に言うと、少し見下していたところがある。でも、「となりの陰謀論」を読んで、その考え方がいかに浅かったかを思い知らされた…