iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に忘れっぽい私の読書録。最近はもっぱらAudibleで聞く読書

2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『あなたの強さは、あなたの弱さから生まれる』ありがとうが溢れる最期

小澤 竹俊 の「あなたの強さは、あなたの弱さから生まれる」を読んだ。 ホスピス――それは、毎日のように誰かが亡くなる場所である。 けれどもこの本を読んで、そこは「死の場」ではなく「生の場」でもあるのだと、しみじみ思った。人は、死を間近にしたとき…

4月1日のマイホーム

真梨 幸子の「4月1日のマイホーム」を読んだ。 前々から、イヤミスの女王。ということだけ知っていて読むのをためらっていたが、読んでみたら思ったよりコメディで。好みの感じ。 初対面からタメ口の隣人女性に対する違和感とかを丁寧にすくっているところ…

『はじめる力』失敗を恐れない人が未来をつくる

安野 貴博 の「はじめる力」を読んだ。 未来の日本に、オードリー・タンのような存在が現れるとしたら、それはこの人かもしれない。 ——今一番乗りに乗ってる、勢いを感じたる安野貴博。 「はじめる力」は、都知事選で4位に入り、参院選でも当選を果たした著…

『スリーピング・マーダー』久しぶりにドンデンがえさない

アガサ・クリスティの「スリーピング・マーダー」を読んだ。 記憶の中に埋もれた殺人事件。 それが、ひょんなきっかけで再び姿を現すなんてことが本当にあるのか? 「スリーピング・マーダー」は、そんな“眠っていた”事件を掘り起こす物語である。 今回の作…

「『脳にいいこと』すべて試して1冊にまとめてみた」後遺症からの再出発がすごすぎた

平井 麻依子 の「『脳にいいこと』すべて試して1冊にまとめてみた」を読んだ。 国際的に飛び回りながらバリバリ働いていた彼女が、イギリス出張中に突如激しい頭痛に襲われ、病院に駆け込んだところ脳腫瘍であることが判明する。 30代の壮年期には非常に稀…

『それいけ!平安部』スクールカーストを蹴鞠で超えろ

宮島未奈の「それいけ!平安部」を読んだ。 物語は、ちょっと浮いてるけど妙に魅力的な女子高生・あいかちゃんが、文化部として謎の「平安部」を立ち上げるところから始まる。 物語はあいかの勢いに巻き込まれ、半信半疑ながら入部してしまう語り部のしおり…

「白木蓮抄(マグノリアショウ)」少女漫画が花ひらいた時代

花郁悠紀子 の「白木蓮抄(マグノリアショウ)」を読んだ。 少女漫画が花開いた時代の作品で、テーマがとても私好みだった。 表題作『白木蓮抄』は、戦後の地方を舞台にした物語。引退した老女優と、その隣に住む若い娘の交流が描かれている。 “戦争が私から…

『産む気もないのに生理かよ!』子どもを持たないという選択

月岡ツキの「産む気もないのに生理かよ! 」を読んだ。 なかなかにパンチの効いたタイトルである。 本書は、月岡ツキが「なぜ私は子どもを産まないのか」について、自らの体験と思想を通して語る一冊である。 彼女によれば、子どもを産まない理由を数えたら…

人生あと何回ごはん食べられる?”と思ったら、『世界思い出旅ごはん』

低橋の『世界思い出旅ごはん』を読んだ。 いやー、これだけの国を旅して、これだけの料理を食べて、しかも全部イラストに描くなんて……すごすぎる。 世界には、私たちが知らない料理がこんなにもあるんだなぁと、改めて驚いた。最近、私はとっても食いしん坊…

『大樹館の幻想』乙一が仕掛ける衝撃の“親子バディ”

乙一の「大樹館の幻想」を読んだ。 「未来の胎児と会話しながら事件を推理する」という言葉だけで、読まずにはいられなかった。設定だけを聞けばSFかファンタジーと思いきや、これが実に堅実な「館もの」ミステリであるというギャップにまず驚く。 メイドの…

『お経から読み解く未来予言 仏教コード』は仏教版ダ・ヴィンチ・コードか?

三木大雲の「お経から読み解く未来予言 仏教コード」を読んだ。 冒頭から、まるで仏教版ダ・ヴィンチ・コードかと思わせるタイトルに心躍ったが、読み進めるうちに「ああ、これは普通に怪談和尚だったな」と。 すなわち、科学的な考察やデータ分析を織り交ぜ…

『リボルバー』ゴッホに寄り添えなかった男、ゴーギャン

原田 マハの「リボルバー 」を読んだ。 これが本当なら、大事件だ。 ゴッホが自ら命を絶ったとされる「リボルバー」が、現代に突然オークションハウスに持ち込まれたら――そんな衝撃の導入で始まる「リボルバー」は、想像以上に奥深く、芸術の真実に迫る物語…

朗読がすごい!Audibleでエンタメ小説7選

Audible歴は2021年から。月に150時間以上聴いている自他共に認める“ながら読書家”である私が、ナレーションに惚れ込んだAudible作品を7つ厳選した。朗読者の演技力・声の力・演出により、原作の魅力が倍増している名作たちだ。 有名俳優が朗読するときはピッ…

『スマホ時代の哲学』わからなさを抱える勇気

谷川 嘉浩 の「スマホ時代の哲学: 「常時接続の世界」で失われた孤独をめぐる冒険 」を読んだ。いや、聴いた。 ゾンビ映画で最初にゾンビにやられてしまう人たちには、ある共通点がある。 「謎にハイテンションで妙に自信満々」。 自分がわけのわからない状…

『生成AIと脳』チャッピーと30分話した夜

池谷裕二の「生成AIと脳 この二つのコラボで人生が変わる」を読んだ。 「AI」という言葉がタイトルに踊る本は最近山ほどあるが、「池谷裕二」とあれば話は別だ。 彼の本は読みやすいし、しかも読後には何やらやる気が湧いてくるので好き。 この本もまさに…

『6』梨が仕掛ける、不気味で知的な物語

梨の「6」を読んだ。 むむむ、難解!なんだこれ。 タイトルからして「?」だし、読み進めてもスッキリするどころか、ますます霧の中。 最終的には伏線が回収されるっぽいんだけど、それまでの道のりが長い。そして重い。怖いというより、気色悪い。言葉のセ…

Audibleで聴ける不気味な小説6選──本を読む気力がない日にも、ゾッとしたいあなたへ

Audibleで聞ける不気味な話 2021年からAudibleを愛用し、月に150時間以上を聴いている私だ。最近は寝落ちするまでAudibleで読み聞かせしてもらっているいい大人だが、暑くなってきたことだし、ここらでおすすめのホラーを集めてみた。 日常の隙間時間に“背後…

『国宝』尾上菊之助朗読で堪能する青春と芸道

吉田修一の「国宝」を聴いた。 奥様方の間で映画『国宝』の話題でもちきりなのである。 そこで、永遠の命題「原作読んでから観るか、観てから読むか」という話になり、「読むには上下巻で結構長いよね」となり、(途中「最近本を読むにも集中力がなくて…」み…

『神と怨霊』竹田恒泰と三上丈晴の“目に見えない世界”対談

竹田恒泰・三上丈晴対談本の「神と怨霊」を読んだ。というか聴いた。 竹田恒泰 といえば、皇族の血を引く(のに割ときついことをテレビで言ってる)政治評論家で「三上丈晴」は全然知らなかったが20年近く「ムー」の編集長をしている人らしい。 なんか、きな…

伊藤潤二展に行ってきた

福岡市科学館で行われている「伊藤潤二展~誘惑~」に行ってきた。 先週行くつもりがダラダラしているうちに日が暮れてしまったので、今日こそは前日から伊藤潤二の「死びとの恋わずらい」などを読み、気持ちを高める。 それにしても、子どもたちが喜び集う…

『明智恭介の奔走』ゾンビなし、だけど事件あり!

今村 昌弘 の「明智恭介の奔走」を読んだ。 「屍人荘シリーズ」の4冊目で、時間を遡り「登場するなり死んでしまう残念な名探偵・明智先輩」と、葉村君の出会いのシーンを描いた作品である。 まず、「屍人荘の殺人」は衝撃だった。 上でもちらっとふれたが、…

『たそがれの市 あの世お伽話』-死後の永遠が問いかけるもの

近藤ようこの『たそがれの市 あの世お伽話』を読んだ。 ずっと読みたかったが、先日Kindleで50%還元になっていたことに気づき即買い。 私、近藤ようこ大好きなのでかなり執拗にウォッチしているのだが、この作品が50%還元になるのは初めてかも。 たまに冷…

「僕には鳥の言葉がわかる」リアルドリトル先生

鈴木俊貴の『僕には鳥の言葉がわかる』を読んだ。 若い頃からシジュウカラの観察をつづけてきた著者が、シジュウカラが言語を持っていることを解明する道のりをユーモアを交えて描いた科学エッセイ。 お、おもしろい! まず大学の卒業論文のために3ヶ月軽井…

『別れ道の二人』――手書きで量産される令和のメロドラマ

赤川次郎の『別れ道の二人』を読んだ。 私が小学生の頃から活躍していた作者は、一体今いくつ?と気になって調べてみたら、77歳。今でも現役バリバリで、2025年現在も複数の連載を抱える人気作家とのこと(下世話な興味で申し訳ない)。 それにしても、この…

「ハイパーたいくつ」いわゆる怪作

松田いりのの『ハイパーたいくつ』を読んだ。 ギャルに筒井康隆が乗り移ったかのようなハイテンション小説。 なんだかとんでもないものを読んだ気がする。 会社に行きたくなくてしょうがない「私」は、通勤路で何回も投石などのたちの悪いいたずらを行い、事…

「鬼の哭(な)く里」鬼より怖い集団心理

中山 七里 の「鬼の哭(な)く里」を読んだ。 タイトルからして、横溝正史的なドロドロした因習ミステリを期待して読み始めた。山間の寒村、閉ざされた人間関係、そして“鬼”という不穏な言葉。これはもう、血と怨念が渦巻く世界が待っているに違いない―― 確…

「夫よ、死んでくれないか」夫婦って、愛と殺意の紙一重

丸山正樹『夫よ、死んでくれないか』を読んだ。 なんともギョッとするタイトル。 まあ、そりゃそうなんだけどさ、「言っちゃった!?」って思ってソワソワしちゃう。 大学の同期だった三十代の女性3人は、集まればいつも旦那への不満ばかり。一人は早々に離…

『ビタートラップ』甘くない罠が純愛に

月村 了衛 の「ビタートラップ」を読んだ。 初読みの作者さんだ。 なんとなくだけどゴリゴリのハードボイルド、もしくはハードSFを描く人だと思っていたが、以外にも読みやすい。 主人公は、ちょっと軟派な青年・並木。 タイトルの「ビタートラップ」は「ハ…

「1%の革命 ビジネス・暮らし・民主主義をアップデートする未来戦略」 若者の一票が埋もれる理由

安野 貴博 の「1%の革命 ビジネス・暮らし・民主主義をアップデートする未来戦略」を読んだ。 デジタル民主主義という言葉を初めて知った。 「なるほど、もっともだ!」と思うことが多くて、この人が都知事になっていれば東京も台湾のようになっていたのか…

「5キロ痩せたら100万円 「健康」は最高の節約 」

荻原 博子 の「5キロ痩せたら100万円 「健康」は最高の節約 」を読んだ。 またまたぁ、「5キロで100万円」なんて大げさな~と思いつつ、健康ってやっぱりプライスレスな宝物だよなぁ、と納得。 この本では、読者の目を引くために「5キロで100万」なんてキャ…