多浪の医学部合格戦記

多浪の末に医学部に合格し、現在は医学生をしながら塾講師としての指導もしています

物理が伸びない原因は「公式暗記」にある|定義と条件を言語化せよ

― 物理で本当に点数が伸びる勉強法 ―

物理が伸びない原因の多くは、公式そのものではなく、公式の“使える条件”を理解していないことにあります。
今回は、

  • ① 公式の丸暗記で終わらない

  • ② 定義・意味・条件を言語化できる

この2点を軸に、具体例を使って解説します。

 

① 力学的エネルギー保存則は「いつでも」使えるわけではない

まず、よくある質問から。

力学的エネルギー保存則が使える条件とは?

多くの受験生は
「摩擦がないとき」「エネルギーが保存されるとき」
といった曖昧な答えで止まってしまいます。

しかし、言語化するとこうです。

力学的エネルギー保存則

保存力のみが物体に作用する条件下で、
運動エネルギーと位置エネルギーの和が常に一定に保たれるという物理法則。

ここで重要なのは
「保存力のみが作用する」
という条件です。

では、次の疑問が必ず出てきます。

保存力とは何か?
非保存力とは何か?

この問いを曖昧にしたまま問題演習に入ると、
なぜこの問題でエネルギー保存が使えないのか
なぜ運動方程式を立てる必要があるのか
が一生分からないままになります。

 

② 「重力とは何か」を言語化できるか?

次に、より本質的な例です。

重力とは何か?

多くの受験生の答えは
「物体を下に引く力」
で終わります。

しかし、定義として正確に言うとこうなります。

重力とは

物体に働く重力は、厳密には
万有引力と遠心力の合力である。

正直に言うと、
この定義を高校生のうちに正確に答えられる人はほとんどいません

実際、これまで教えてきた生徒の中でも、
最初から答えられた人はほぼゼロでした。

(恥ずかしながら、こんなブログを書いている私自身も、
合格できるレベルになるまでこの事実を正確には理解していませんでした)

でも、これは「特別な知識」ではない

重要なのは、
これらの内容はすべて高校の教科書に書いてある
という点です。

多くの人は、

  • 太字の公式

  • 四角で囲まれた結論

  • 例題の解法手順

ばかりに目を奪われます。

しかし、本当に大事なのは
その直前に書いてある文章です。

  • その公式は「何を仮定して」成り立つのか

  • どんな条件では「使ってはいけない」のか

  • どの力を無視してよいと考えているのか

これらは、すべて文章として説明されています。

 

物理ができる人は「文章を読んでいる」

物理が得意な人は、

  • 公式を多く覚えている
    のではなく

  • 定義・条件・前提を言語で理解している

という違いがあります。

逆に言えば、

  • 公式を覚えたのに点が伸びない

  • 問題が少し変わると対応できない

人ほど、
教科書の文章部分をほとんど読んでいません。

 

まとめ:今日からできる具体的な勉強法

今日から意識してほしいのは次の3点です。

  1. 公式を見る前に「この公式はいつ使えるのか?」を確認する

  2. 定義を一文で説明できるか、自分に問い直す

  3. 教科書の太字の前後の文章を必ず読む

物理は「暗記科目」ではありません。
条件を理解した上で、道具(公式)を使う科目です。

 

↓こちらの記事も参考にしていただけると分かりやすいです↓

hsese.hatenablog.com

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入試本番で「初見問題」に当たった時の考え方

― 解けない問題で“失点しない”ための現実的戦略 ―

入試本番で多くの受験生が崩れる原因は、
難問そのものではなく、「見たことのない問題に出会った瞬間の思考停止」です。

実際、合否を分けているのは
「解けたか」ではなく
「初見問題にどう対応したか」です。

 

結論:初見問題は「解く」ものではなく「処理する」もの

まず前提をはっきりさせます。

  • 本番初見問題=作問側も「全員が解ける」とは想定していない

  • 差がつくのは 満点か0点かではない

  • 多くの場合、「途中点」「時間配分」「精神安定」で勝敗が決まる

つまり、目標は
最小失点でやり過ごすこと”です。

 

本番で初見問題に当たった瞬間にやること(3ステップ)

①「これは実力不足ではない」と即断する

初見問題に出会った瞬間、
多くの受験生は無意識にこう考えます。

「やばい、知らない」
「自分だけ解けてないかも」

これは 誤りです。

  • 本番初見問題は「差をつける」ために置かれている

  • 周囲も同じように困っている

  • ここで焦る人から順に落ちていく

知らない=失敗ではない
知らないのに冷静でいられるか、が試験の本質です。

 

②「何を聞いている問題か」だけを抽出する

解こうとしない。
読む目的を変えます。

チェックするのは以下だけ:

  • 問われている最終ゴール(数値?選択?記述?)

  • 使用できそうな既知の知識・公式

  • 条件の制限(範囲、近似、仮定など)

この段階で
「解法が浮かばない」のは正常です。

重要なのは
“全体構造は把握できたか”です。

 

③「途中点が取れる形」に変換する

初見問題で満点を狙うのは、戦略ミスです。

代わりに考えるべきは:

  • 使えそうな公式だけ書く

  • 図・式・表を整理する

  • 明らかに言えることだけを答案に残す

多くの試験では
「そこまで書ければ部分点」というラインが存在します。

何も書かない=0点
途中まででも書く=差がつく

この差は、合否では致命的です。

 

やってはいけない思考パターン(重要)

❌ その場で解法をひねり出そうとする

→ 時間を溶かすだけ。
→ 他の「取れる問題」を落とす。

❌ 周囲の鉛筆音に動揺する

→ 音=解けている証拠ではない。
→ 単なる作業音の可能性が高い。

❌ 問題を飛ばした自分を責める

→ 戦略的撤退は正解。
→ 入試は「完走レース」ではなく「順位戦」。

 

初見問題に強い人が“事前に決めていること”

本番で冷静な人は、
あらかじめルールを決めています。

例:

  • 「3分考えて何も浮かばなければ次へ」

  • 「式が1行も書けなければ一旦捨てる」

  • 「最後に戻って途中点だけ拾う」

これは才能ではなく、準備です。

 

直前期にできる唯一の対策

新しい問題集は不要です。

やるべきことは1つだけ:

  • 過去問で“解けなかった問題”を、
    途中点目線で見直すこと

「自分なら本番でどこまで書くか」
これを決める練習が、初見耐性を作ります。

 

まとめ:初見問題は敵ではない

  • 初見問題は全員にとって初見

  • 解けなくても焦らない人が勝つ

  • 書けることを書く、それだけでいい

入試本番で必要なのは
ひらめきではなく、崩れない判断力です。

 

直前期は“見る情報”で不安が増える。医学部受験生の僕が実践した“受験ブログとの付き合い方”

直前期になると、普段なら気にならない受験ブログやSNSの体験談を延々と読んでしまうことがあります。理由は簡単で、「不安だから」です。ただ、この“情報の選び方”を間違えると、逆に不安が増えてしまう。この記事では、医学部受験生として僕が直前期に実践していた「受験ブログを見るときの注意点」をまとめます。完全に個人の意見ですが、少しでも参考になれば幸いです。

 

1. 直前期は誰でも“情報を漁りたくなる”

直前期は、勉強していても手が止まってしまい、落ち着かず、つい受験ブログやSNSを開いてしまう時期です。

・他の受験生は何してる?
・自分の勉強は間違ってない?
・合格者は直前期どう過ごした?

こうした不安に対する“答え合わせ”を求めてしまうのは自然なことです。

ただし、ここで問題が生じます。

見る情報を誤ると、むしろ不安材料が増える。

「みんな完璧に仕上げている」
「自分だけ遅れている気がする」

という“錯覚”が生まれ、焦りにつながります。

正直なところ、一番いいのは「見ない」ことです。
…とはいえ、それはほぼ不可能です。人間なので。

そこで重要なのは「何を見るかの選び方」です。

 

2. 情報を見るときの原則:

“やってはいけないこと”が書かれている記事だけを拾う

直前期に特に役立つのは、以下のようなタイプの記事です。

・「〜をしたら失敗した」
・「〜だけはしてはいけない」
・「直前期にこれはやるな」

この“禁止事項系”の情報は、どのレベルの受験生にも共通して有効だからです。

■ 理由

・失敗パターンは、学力に関係なく誰でも陥りうる
・「やるべきこと」は人によって最適解が異なる
・しかし「やってはいけないこと」はほぼ全受験生で共通している
・直前期はミスの回避が最重要

特に医学部のような上位層が集まる試験では、
何を追加でやるかより、“何を切るか・避けるか”が合否を大きく左右します。

だからこそ、

「やったら危ない行動」
「直前期の典型的な失敗」

は、最も再現性のある情報です。

 

3. 逆に、避けるべき情報の例

直前期に不安を増大させる情報は、これです。

・他人の勉強量自慢
・成績の推移(特に成功者の美談)
・“これさえやれば受かる”系
・勉強スケジュールの公開
・難問解説系の記事を直前期に読み込む

これらは、あなたの状況とは無関係なことが多く、
「比較」「焦り」「迷い」を強めるだけです。

直前期は、
“自分の戦略をブレさせない”ことが最も価値が高い行動
です。

 

4. 結論:直前期のブログは“失敗回避のためだけに使う”

直前期は、

・不安になりやすい時期
・焦りから情報を探し続けてしまう時期
・しかし情報の質を間違えると状態が悪化する時期

だからこそ、ブログやSNSを見るときは、

「成功談」ではなく
 「やってはいけないこと」を読む

これだけで、精神的な負担は大きく減ります。

受験生にとって、直前期は“加点”より“減点回避”が価値を持つフェーズです。
必要以上の情報は切り捨てて、自分のパフォーマンスを守ることを優先してください。

不安で何も手につかない日の対処法

医学生の自分が“本当に効いた”5つの方法〜

直前期になると、机に向かっているのにページが進まない。
頭では「やらないと」と分かっているのに、体が動かない。
私は医学部受験も医学部の定期試験も、同じ状態を何度も経験しました。

今日は、そんな“何も手につかない日”に、自分が実際にやって効果があった対処法だけをまとめます。
テクニック論ではなく、「今日から再現できる行動」だけに絞っています。

 

1. 勉強をやめて、最初の10分で“段取りだけ”整える

不安で動けない日は、勉強そのものではなく「手をつけるまでの摩擦」で止まっています。

私がやっていたのは、以下の3つを10分で終わらせることだけです。

  1. 机の上をリセット

  2. 今日やる3つのタスクだけ紙に書く

  3. 最初の問題集を開いておく

この10分が終わると、何もしていない罪悪感が消え、着手までのハードルが一気に下がります。
実際、「タスクを書くだけで30分後には勉強が始まっていた」ことが何度もあります。

 

2. “15分だけ”のタイマーをセットして強制的に始める

長時間の勉強を想定するから動けなくなります。
私が直前期に徹底したのは「15分だけやる」という最低ラインの設定です。

・タイマーをつける
・15分経ったら必ず一度止める
・再開するかはそのとき決める

不思議なことに、15分だけのつもりが1時間続くことが多いです。
動けない日は、「勢いを作る」ことだけが目的と割り切った方が進みます。

 

3. 不安を言語化する:1分で“頭のメモリ”を解放する

不安は、正体がわからないほど強く感じます。

私は、以下の1分メモを書くだけで、頭の中が一気に空きました。

・今、不安に思っていることは何か
・その不安は今日どうにもならないか
・いま自分がコントロールできることは何か

ポイントは「解決しようとしない」こと。
ただ書き出して可視化するだけで、脳内の負荷が減り、集中しやすくなります。

 

4. 最後の手段:今日は“回復日にする”と割り切る

本当に何もできない日は、無理に進めるより回復を優先した方が翌日の伸びが大きいです。

・散歩
・シャワー
・昼寝20分
・部屋の片付け
・早めに寝る

直前期ほど「回復日の価値」が大きくなります。
焦って詰め込んでも吸収しない日のほうが多いからです。

 

まとめ:動けない日は“仕組みで動く”

不安で動けない状態は根性では解決しません。
対処法は、意志ではなく仕組みです。

・段取り10分だけやる
・30分タイマーで着手する
・不安を言語化する
・ダメな日は回復日にする

直前期は、勉強量より「毎日机に座れる仕組み」を作った人が最後に伸びます。

 

直前期はこれ。最終浪人の僕がやった“5冊固定 × 周回特化”勉強法

直前期になるほど不安が増えて、勉強法が揺らぐ人は多いと思います。
僕もそうでしたが、最終浪人の年だけは違いました。
あらゆる教材を手放し、「朝から夜まで、決めたことだけをやり続ける」仕組みを作ったことで、1ヶ月で成績が一気に伸びました。

この記事では、当時の1日のルーティンから、実際に使った参考書、そして周回数までお伝えします。参考にしていただけると幸いです。

 

■ 僕の“最終浪人の直前期”の1日のルーティン

朝は強くないタイプだったので、起床は9〜10時。無理に朝活を狙わず、起きてから最速で集中に入れるリズムを優先していました。朝食はプロテインのみでした。

 

 

■ 起床後〜11時までに必ずやる“基礎の総点検”

直前期に最優先したのは「用語・公式・反応の意味」の再確認です。
理解の穴を残したまま応用演習に入ると伸びないと考えていたため、毎朝このルーティンだけは固定していました。

【化学】
・無機:資料集で色・沈殿を確認
有機:系統図で反応の流れを整理
・理論:苦手分野の教科書を読み、言葉・反応の意味を説明できるかチェック

【物理】
・教科書で公式や概念の“意味”を確認
(暗記ではなく、定義や前提条件まで説明できるレベルを目標に)

【英語】
・DUOを音読し、頭を英語モードに切り替える練習も

【数学】
・計算演習のみ(ウォーミングアップとして最適)

この“前半2時間の基礎総点検”が、一日の学習の質を大きく左右していました。

 

 

■ 昼食後は“選んだ参考書以外はやらない”徹底ルール

直前期1ヶ月前に、参考書を次の5冊に完全に固定しました。
「この教材だけを完璧にする」ことで迷いが消え、学習効率は一気に高まりました。

使用したのは以下の5冊のみ:
・エクセル化学
・体系物理
・標準問題精講
・DUO3.0
ネクステージ(文法・語法のみ)

これらをただ回し続けるだけの1ヶ月でした。
余計な教材に浮気しないことで、判断コストがゼロになり、まさに機械のように勉強できました。

 

■ 1ヶ月の周回実績

・エクセル化学:6周
・体系物理:5周
・標準問題精講:5周
・DUO3.0:10周
ネクステージ(文法・語法のみ):6周

“何周したか”は本当に重要です。直前期は広げるよりも、「決めた教材をどれだけ深く削るか」で得点が決まると実感しました。

 

■ まとめ

直前期に大事なのは「迷わない仕組みづくり」です。
起床後〜11時までの基礎総点検、教材の完全固定、そして周回重視。
この3つを徹底したことで、最終浪人の年はブレずに走り切ることができました。

 

【私立受験はまだ間に合う】国立志望でも「私立を2校以上」受けるべき理由

国立志望であっても、
本命前に最低2校の私立受験を入れることをおすすめします。

実際に多くの受験生が効果を感じる“現実的な戦略”です。

◆なぜ2校以上の私立を受けると良いのか?

① 本番の“空気”に慣れる

模試とは違い、会場の静けさや緊張感、時計の進み方など、本番ならではの環境があります。
1〜2校経験するだけで、
「雰囲気に飲まれにくくなる」というメリットがあります。

② 弱点が一気に明確になる

実際に試験を受けると、想像していなかった気づきが出ます。

  • 思ったより覚えられてない単元

  • 本番特有の時間配分のクセ

  • 本当に緊張した時の計算・ケアレスミスの傾向

  • 休憩時間の使い方で集中が変わる

これらは模試だけでは気づきにくい部分なので、
本命前に発見できるのは大きいです。

③ その年の「出題の雰囲気」が分かる

毎年、大学を通して、難易度や傾向に微妙な変化があります。
実際に受けることで、

  • 今年はノーベル賞に関連した問題が多いな

  • 今年話題になった政治問題に関係する英文がでていた

などの“空気感”をつかめます。

④ 経験を重ねるほど安定してくる

多くの受験生は、次のようなパターンを辿ります。

1校目:緊張で実力が出し切れない
2校目:だんだん慣れる
3校目以降:安定して解けるようになる

僕自身、医学部受験で本命までに5校受けましたが、
最初の2校は落ち、それ以降は合格をもらいました。

本番慣れの効果は意外と大きいと感じました。

 

◆ただし、スケジュールと体力面は調整必須

連続受験が続くと負担が大きいので、

  • 移動距離

  • 前泊の必要性

  • 睡眠の確保

  • 試験科目の数

を考慮しながら、無理のない日程を組んでください。

 

◆試験後に必ず一度ふり返る

試験が終わったその日のうちに、気づいた点を簡単に書き出すことをおすすめします。

  • 不足していた知識

  • 時間配分の改善点

  • ミスの再発防止

  • 体調管理の反省点

次の試験までに“必要な部分だけ”を重点的に直す。
これを繰り返すと精度が上がります。

 

◆まとめ

私立受験は、本命のための準備として非常に役立つ部分があります。
大げさな話ではなく、
「受けてみて分かること」が確実に存在します。

まだ十分間に合うので、
スケジュールに無理のない範囲でうまく活用してみてください。