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次に読む一冊は?読書習慣を始めてみてはいかが?ココで知った本を読んでみようかなって思ってもらえたら嬉しいです。未だ知らない書籍とあなたとの出会いのキッカケになりますように。管理人自体も結構次に読む書籍をネットで探しています。

【ネタバレなし】松下龍之介『一次元の挿し木』DNAがつないだ“ありえない謎”の面白さ


一次元の挿し木(著:松下龍之介)は、2025年に刊行され、このミステリーがすごい!大賞・文庫グランプリを受賞した注目作です。 

もうそれだけで自分なら読もうかな?となってしまいますので紹介したいと思います。

目次

  1. あらすじ

  2. 見どころ

  3. この本だけの特徴

  4. あとがきにかえて


1. あらすじ

物語の発端は、ヒマラヤ山中の湖周辺で発掘された“約200年前の人骨”。大学院で遺伝人類学を学ぶ主人公、七瀬悠がその人骨のDNA鑑定を行ったところ……なんと「4年前に失踪した妹のDNA」と一致したという、普通ではありえない結果が出る。 その不可解さを相談しようと教授のもとを訪れた悠だったが、教授は殺害され、人骨も何者かによって盗まれてしまう。そして調査を進めるうちに、悠は妹の行方と古人骨の真相を追う、大きな陰謀へと巻き込まれていく――。  

 

全体として、DNA鑑定という科学的な設定から始まるサスペンスと、妹の行方、不穏な事件の積み重ねが、「これは一体どういう物語なのか?」と読む者をぐいぐい引き込む構成になっています。


2. 見どころ

  • 最初から最後まで「読ませる力」が強い
    物語の導入(人骨の鑑定結果)からして釘づけですが、その後も事件の連鎖、謎の提示、予想外の展開が次々と起こるため、ページをめくる手が止まりません。あるブログでは「構成力、伏線回収、中だるみしない展開、ラストの締め方、どれを取っても一級品」と称されていました。 

 

  • 科学(遺伝子/DNA鑑定)+ホラー/ミステリー/SF的な混ざり具合が新鮮
    古人骨のDNA鑑定という現代科学の知見を土台にしつつ、そこから展開する謎、過去と現在が交錯する不穏な空気、人間の倫理や生命の尊厳といった重さも感じられる──そうした複数要素のバランスが絶妙です。あるレビューでは「SF、陰謀劇、成長、スリラーの要素が巧みに組み合わされた」と評されています。 

 

私も読んでいて、「科学」という堅苦しいテーマでありながら、この軽さと読みやすさのおかげで、ぐいぐい読み進められたのが良かったと思います。


3. この本だけの特徴

  • “過去の人骨”というリアルな設定と“DNA鑑定”という科学的なアプローチ
    たとえば普通のミステリーなら、「昔の遺跡」「謎の手紙」「古文書」といった定番設定かもしれません。しかしこの作品は「古人骨 + 現代の遺伝子 鑑定」という、現代科学と過去の遺物を結びつけた仕掛けがある。この“科学 × 遺物 × 過去と現在の交錯”は、この作品ならではの魅力だと思います。

 

  • 「ミステリー+SF+ホラー」のクロスオーバー感
    単なる“探偵モノ”や“サスペンス”ではなく、読んでいる間「もしかして現実ではあり得ないことかも…?」とゾクッとするような雰囲気や、科学的な問いかけ。そして、謎が謎を呼ぶ構造――この異色の混ざり具合が、他作品とは一線を画しています。

 

  • 独特な殺害方法 
    ちょっと残酷な気もしますが牛尾というキャラクターがある道具を使って殺害していきます。
    個人的にはそんな物使って殺られるくらいならもういっそのこと一思いにザクっとやってくれ!と言いたくなりますね。

 

ミステリー初心者でも手が伸ばしやすく、「ちょっと難しそう…」と敬遠しがちな科学ミステリーでも、気軽に読み始められると思います。


 

4. あとがきにかえて ― 

 

今のところ「一次元の挿し木」が彼の代表作ですが、彼の今後の作品は、“科学的テーマ + サスペンス/ホラー”というこのスタイルをさらに発展させるのか
もしくは完全に別ジャンルに挑戦するのか楽しみですね。
このミス受賞者が送る!なんて本の帯でまたこれからどんどん発売されると思いますので期待しながら待ちたいと思います。

 

 

【ネタバレなし】『凶人邸の殺人』感想!極限の「脱出×論理」ミステリー

 



今回は、今村昌弘先生の『凶人邸の殺人(きょうじんていのさつじん)』を紹介します。

管理人はシリーズ物を連続では読まないたちなので以前に「屍人荘の殺人」と「魔眼の匣の殺人」を読んでいたのに続きを読むのをサボっていました。

 

この本はただの犯人探しじゃないんです。「化け物が襲ってくる屋敷からの脱出」という、まるでサバイバルホラーゲームのようなドキドキ感が味わえる本です!
何ならもういわゆるバイオハザード状態ですね。

 

目次

  1. 命がけの「大脱出」!?あらすじと極限状況
  2. 「特殊設定ミステリーは邪道」なんて言わせない!
  3. 葉村くんと比留子さんの関係にも注目(個人的な感想)
  4. シリーズ作品紹介:まずはここから始めよう

 

1. 命がけの「大脱出」!?あらすじと極限状況

 

まず、この物語の舞台は「凶人邸」と呼ばれる廃墟のようなお屋敷です。

主人公の葉村譲(はむら ゆずる)と、剣崎比留子(けんざき ひるこ)のコンビは、ある目的のためにこの不気味な屋敷に潜入します。

でも、そこには想像を絶する「脅威」が待ち受けていました。

この本のすごいところは、「犯人を見つけないと殺される」だけでなく、「ぼやぼやしてると“アレ”に殺される」という二重の恐怖があること。

普通のミステリーなら、警察が来るのを待てばいいですよね?

でも、この凶人邸ではそれができません。外部との連絡は遮断され、館の中には「出会ったら即アウト」な殺人鬼(のような存在)が徘徊しています。

    • 閉ざされた屋敷
    • 正体不明の怪物
    • その中で起きる不可解な殺人事件
    • さっさと逃げたいけど怪物も解放される?!

 

「怪物の他にいる犯人は誰だ?」と考えている最中にも、すぐ後ろまで死が迫っているような緊張感。ページをめくる手が汗ばむくらい、ハラハラドキドキの連続です。深夜に読むとトイレに行けなくなるかもしれません(笑)。



2. 「特殊設定ミステリーは邪道」なんて言わせない!

 

ここで、少し意地悪な視点で考えてみます。

「モンスターとか超能力が出てくるミステリーって、なんでもありじゃん? それって推理小説としてズルくない?」

これ、いわゆる「特殊設定ミステリー」に対するよくある批判です。「魔法で密室作りました」なんて言われたら、読者は推理のしようがないですよね。だから「邪道だ」と敬遠する人もいます。

でも、この作品に関しては、その反論を完全に論破できます!

なぜなら、今村昌弘先生の描く特殊設定には、ガチガチに厳しい「ルール」があるからです。

  • 怪物はどういう時に襲ってくるのか?
  • 何ができて、何ができないのか?

このルールが最初に提示され、そのルールを逆手に取ったトリックが仕掛けられています。「なんでもあり」どころか、「この状況、このルールだからこそ、このトリックしかありえない!」という論理的なパズルが完成されているんです。

ファンタジー要素があるからこそ、ロジック(論理)の美しさが際立つ。

「ズルい」どころか、「フェアすぎる」くらいの知恵比べが楽しめるのが、この作品の真骨頂です。



3. 葉村くんと比留子さんの関係にも注目(個人的な感想)

 

ここからは個人的な推しポイントを。

このシリーズの魅力は、探偵役の美少女・剣崎比留子さんと、ワトソン役(助手)の葉村譲くんのコンビネーションです。

比留子さんは普段はミステリアスで可愛いんですが、推理となるとキレッキレ。でも、今回の『凶人邸』では、そんな彼女も追い詰められ、弱さを見せる場面があります。

そこで頑張るのが、我らが葉村くん!

彼は特別な才能があるわけではない、普通の大学生です。でも、「比留子さんを守りたい」という一心で、恐怖に足を震わせながらも立ち向かっていきます。

「事件を解決するため」ではなく「生き残って帰るため」の推理。

これまでのシリーズ以上に二人の絆が試される展開に、読んでいて胸が熱くなりました。ミステリーとしての驚きはもちろんですが、青春小説としても一級品。読み終わった後、タイトルの意味を考えながら、きっと誰かと語り合いたくなるはずです。



4. シリーズ作品紹介:まずはここから始めよう

 

実はこの『凶人邸の殺人』は、シリーズ第3弾です。

もちろんこの本から読んでも楽しめますが、登場人物の関係性をより深く知るために、過去作も合わせて読むのを強くおすすめします!

 

★絶対読んでほしい第1作:『屍人荘の殺人』

 

映画化もされた、衝撃のデビュー作です。

「山荘での合宿中に、ゾンビ映画のようなパニックが起きる」という、あらすじだけで「えっ!?」となる設定。

『凶人邸』が気に入るなら、間違いなく『屍人荘』もハマります。まずはここから、伝説の始まりを目撃してください。

 

★シリーズ第2作:『魔眼の匣の殺人』

 

こちらは「予言」がテーマ。

「あと二日のうちに、男女二名ずつが死ぬ」という予言から逃れられるのか?という心理戦が熱い作品です。

 

本格ミステリーも良いですがたまには違った形のミステリーもオススメです!

【ネタバレなし書評】摩耶雄嵩『神様ゲーム』:その結末、あなたならどう考察する?

元々は「さよなら神様」を読もうと思ったのですがそちらは続編ということで
やっぱり最初から読まないと!!

となりましてコチラの「神様ゲーム」から読むこととしました。

ただ、トップの画像はAIにタイトルから書かせたイラストですので全く関係ありませんw

🔖 目次

 

  1. 神様ゲーム』ってどんな話?

    • 神様と名乗る転校生

    • 小学生探偵団の奮闘

  2. 普通のミステリーとどう違う?本作のココがすごい!

    • 「超常現象」と「論理」の緊張感

    • 単なるトリックでは終わらない重いテーマ

  3. 🤔 個人的に推したい!賛否両論の「読者に委ねる結末」

    • 白黒つかない読後感

    • あなただけの真実を見つけられる

  4. まとめ:頭をフル回転させたい君へ


 

1. 『神様ゲーム』ってどんな話?

 

 

神様と名乗る転校生

 

物語の舞台は、猫の連続殺害事件が起きている神降市。そこに転校してきたのが、自らを「神様」と名乗る少年、鈴木太郎です。彼は、事件の犯人を一瞬で言い当て、その能力で周囲を驚かせます。

小学生の主人公の芳雄は、半信半疑ながらもこの謎めいた「神様」に引き込まれていきます。しかし、芳雄もさらに大きな事件へと巻き込まれていきます。

 

 

小学生探偵団の奮闘

 

この小説の面白い点は、事件を追うのが警察やベテラン探偵ではなく、小学生の子供たちであることです。
この本自体が児童書という扱いだからかもしれません。

子供たちの純粋な目線を通して、真実というものの複雑さが浮き彫りになっていきます。


 

2. 普通のミステリーとどう違う?本作のココがすごい!

 

 

「超常現象」と「論理」の緊張感

 

多くのミステリーでは、事件の裏には必ず人間的なトリック動機があります。しかし、この作品の核には、すべてを見通すかのような「神様」の存在がある。

読者は、「本当に神様の力なのか?」それとも「すべては計算された天才の行動なのか?」という、二つの可能性の間で考えさせられます。

摩耶雄嵩氏は、この「神の力」という異物を持ち込みながらも、本格ミステリーとして推理やロジックで事件を解決しようとする構造を見事に保ちきっています。このジャンルを超えたスリルと緊張感が、本作最大の魅力です。
ただ、児童書とう観点からはどうかな?と思わないでもありませんが。

 

単なるトリックでは終わらない重いテーマ

 

この物語は、単に「犯人が誰か」を探すだけではありません。事件の背後にあるのは、人間のエゴ、信仰、そして罪の意識といった、とても重いテーマです。

特に「真実とは何か?」「正しいことは誰が決めるのか?」といった、答えのない問いを突きつけられる読書体験は、きっと大きな刺激になるはずです。


 

3. 🤔 個人的に推したい!賛否両論の「読者に委ねる結末」

 

 

白黒つかない読後感

 

この小説の結末は、非常に挑戦的です。一般的なミステリーのように、「犯人はAで、トリックはBでした」とすべてのピースが完璧に埋まるわけではありません。

作中では、いくつもの可能性が提示されますが、結局、鈴木太郎が何者であったのか、そして本当の真実がどこにあったのかについて、作者は明確な結論を出しません。

 

あなただけの真実を見つけられる

 

個人的に、この「読者に判断を委ねる」点が、本作を傑作にしていると考えています。

  • 「神様」の言葉を信じて、超常的な結末を受け入れるか?

  • すべての現象を論理的に解釈し、人間のエゴやトリックを見抜くか?

最後のページを閉じた後、あなたは必ず「じゃあ、本当はどうなんだ?」と考え始めます。
もしかするとちょっと検索してみようと思ってこのサイトに来られたかたもいるかもしれません。この小説は、あなたの
想像力、論理力、そして倫理観を試す、一種の読者参加型ゲームなのです。賛否は分かれるかもしれませんが、この「後引く」読後感こそ、摩耶雄嵩作品の醍醐味です。


 

4. まとめ:頭をフル回転させたい君へ

 

神様ゲーム』は、「ミステリーってちょっと難しいかも…」と思っている方にも、一気に読めるスピード感と、心に深く突き刺さるテーマを持った小説です。

読了後、友達と「神様は本当にいたと思う?」「犯人の本当の動機は何だろう?」と語り合いたくなること間違いなしです!

ぜひこの本を読んで、あなた自身の「真実」を見つけてみてください。


 

この『神様ゲーム』を読んだ後、あなたは続編の『さよなら神様』もありますので楽しみはまだまだこれで終わりではないですよ!!