
こんにちは、ゴリさんです。
今日は、夫婦関係をゆるやかに、でもしっかりと改善に向かう
”意識改革”の本をご紹介します。
我が家は子育てに関する会話や情報の共有も多く、
価値観も大きくズレてはいないと思っています。
それでも、仕事や育児が忙しくなると、ふとしたときに不安や不満が顔を出す。
「わたしばっかり頑張ってる」
「わたしばっかり我慢してる」
モヤモヤを抱えたままだと、夫も充分頑張ってくれているのに、
つい「もっと」と求めてしまう。
そのたびに小さな喧嘩が増えて、自分も自己嫌悪に。
分かっているのに、どうにもならない──そんな気持ちになる瞬間、ありませんか?
そんなとき読んだのが、高濱正伸さんの『夫は犬だと思えばいい』。
この本は「夫婦関係の改善が、子どもの成長とどれほど深く関係しているのか」を丁寧に示してくれていて、読んでいて自然と“改善するモチベーション”が上がりました。

著者の高濱正伸さんは「花まる学習会」代表で、
長年教育現場で子どもと、その親に向き合ってきた方。
どの著書でも共通して語られるのは、
「子どもの学びや幸せには、母親の笑顔が欠かせない」ということ。
そして母親の笑顔を支えるのが、夫婦関係の安定だといいます。
本書ではまず「現代の母親・父親がどれほど追い詰められているか」
という現実から語られます。
【目次】
- 夫婦関係はどこから崩れるのか?家族の根っこの問題
- 1.現代の家族が、社会構造の変化に追いつけていないという問題
- 2.男女の違いや「本当の結婚の意味」を知らないまま過程を気づいてしまうことの弊害
- 夫は犬だと思えばいい。
- 夫は犬だと思えばうまくいく!?我が家の実践編
- 三方よしの夫婦関係。”犬理論”で見えた家族がうまく回りだす小さな習慣
- 【まとめ】夫婦はわかり合おうとするのではなく、分かろうとすることが大事
夫婦関係はどこから崩れるのか?家族の根っこの問題
この本は、高濱先生が「子どもの教育を本気で考えるなら、
まず親のあり方そのものを見直さないと根本的な改革はできない」
と感じたところから始まっています。
長年、教育現場で数えきれない家族と向き合ってきた経験をもとに書かれており、
さまざまな家族の切り口や実話が紹介されていきます。
読み進めるうちに、
“なぜ夫婦関係はこじれるのか”
“その結果、家族がどう崩れていくのか”
といった問題の根っこが、一本の線でつながってくるのが分かります。
その根本にあるのが、次の2つの大きな問題だと高濱先生は説きます。
1.現代の家族が、社会構造の変化に追いつけていないという問題
2.男女の違いや「本当の結婚の意味」を知らないまま家庭を築いてしまうことの弊害
この2つが重なることで、
母親は孤独を深め、父親も疲れ果て、どちらも限界ギリギリまで追い込まれてしまう。
その結果として夫婦関係がこじれ、最悪の場合は子どもとの関係まで悪くなり、
家庭全体が崩れてしまう……。


1.現代の家族が、社会構造の変化に追いつけていないという問題
ギリギリの母親
まず一つ目の問題は、現代社会が個別化し、
親、とくに”母親”の責任がどんどん重くなってしまったことです。
たとえば50年前。
昔は祖父母と同居するのが当たり前で、親世代・子ども世代・孫世代の
三世代同居が普通でした。
ご近所づきあいも盛んで、母親ひとりが子どもの面倒を見るという状況は少なかった。
必ず近くに「見守ってくれる大人」がいた時代だったのです。
それは都会でも田舎でも変わりませんでした。
ところが現代は、そうした地域や家族のつながりが薄れ、父親も仕事で忙しく、
さらに「自分が育った土地」ではない場所で子育てする家庭も多くなりました。
その結果、母親が一人で子育てを抱え込むケースが急増しています。

しかも今は「いい大学、いい会社が正解」という時代でもなく、
子育ての“正解”が多様化したことで、人に頼ったり意見を求めたりするのも
難しくなったように思います。
その一方で、SNSを通して共通の思いを持つ人とつながれたり、
本やYouTubeなどで情報を得られる時代にもなりました。
けれど、ネット上でつながりを築ける人は一部に限られ、
情報が増えた分、かえって迷いも増えた、
そんな実感を持つ人も多いのではないでしょうか。

お母さんひとりひとりは一生懸命にやっています。それでも孤立し、不安定な状態に置かれるのは、時代的背景があるからです。
中略
お母さんが愛する子供に、ついイライラしてNGワードを投げつけてしまうのはなぜでしょう。愛情をかけてるつもりが、甘やかしたり、過剰に守ろうとして子どもをダメにしてしまうのはなぜでしょう。それはお母さんがあまりに孤独だからです。
ギリギリの母親に、どこまで寄り添えるか。
そこに次の課題を見出した高濱先生は、今度は父親の改革に踏み出します。

父親も限界だった
子どもはお母さんが大好き。
その子どもの健やかな成長のためには、お母さんの心の安定が欠かせません。
そして、その安定には「お母さんをねぎらってくれる人」の存在が不可欠です。
そこで高濱先生は、「その役割をお父さんに担ってもらおう」と考え、父親改革を始めます。
ところが、その過程で次第に気づいていきます。
実は、お父さんたちも限界に近いのではないかと。
たとえば、こんな声が上がってきたと言います。
・ここ数年、仕事量は変わらないのに社員が減って、残業や休日出勤が増えた。家族と過ごす時間がどんどん減っている
・仕事が忙しく、自分の時間は減り続けているけど、家族との時間も大切にしてほしいという妻側のプレッシャーが最近は重たく感じる
・思春期の娘が最近よそよそしく、妻のフォローもない。家にいても居場所がないと感じる

厳しい経済状況に翻弄され、心身ともにクタクタ。
そんな中で家に帰っても、「家事・育児に積極的に関わるべき」と言われる……。
そりゃ、「母親が大変なのはわかるけど、俺たちだって限界だぜ!」
と言いたくなる気持ちも、正直わかります。
母親を支えたい気持ちはある。
でも、そもそも父親自身に“支える余裕”がない。
これが、今のリアルな現状です。

結局のところ、どちらかが悪いのではなく、
社会構造の大きな変化の中で、父親も母親も、それぞれ限界ギリギリの状態にある、
それが現代の家族が抱える、根本的な問題なのです。

2.男女の違いや「本当の結婚の意味」を知らないまま過程を気づいてしまうことの弊害
すれ違いはなぜ起こるのか?
そもそも近年は恋愛結婚が主流になり、愛し合った者同士が結婚するはずなのに、
なぜ結婚後(特に産後)お互いを追い詰め合ってしまうのか?
高濱先生は、その理由を「結婚が“約束事”であるという現実を知らないまま
結婚してしまう人が多いから」と指摘します。
本来、結婚とは愛だけで成り立つものではなく、
お互いが約束事を守りながら、多少の我慢や譲り合いを重ねていく関係のはず。
それなのに、私たちはどこかで「愛しているなら分かってくれるはず」
「結婚したら幸せになれるはず」と、過剰に期待してしまう。
そして現実とのギャップに直面したとき、「こんなはずじゃなかった」と
幻滅してしまうのです。
互いに自分の正しさや権利ばかりを主張し、
「あなたも同じことしてるじゃない」
「妻(夫)ならこうあるべきでしょ」
そんな言葉を投げ合っているうちに、夫婦関係はどんどんこじれていきます。
お互い恋心はもうなくなった?それはそうでしょう。愛は終わった?そんなものはいつか必ず終わります。本当に大事なのはそこからです。信頼に結ばれたパートナーとして、本当にがんばらないといけないのはここからです。

では、なぜそんなすれ違いが起こるのか。
高濱先生はその根本理由を、「男女の圧倒的な違いを学ぶ機会が失われていること」
だと指摘しています。
現代はネットやゲームなど、熱中できることが山ほどある時代。
恋愛には時間もお金も体力もかかるうえ、
うまくいくことばかりではなく、傷つくことも多い。
「だったら、無理にしなくてもいいか」となり、
結果として異性を理解するチャンスそのものがどんどん減っているのです。
昔は、年上の先輩が後輩に“異性との付き合い方”を伝える
文化のようなものがあったようで、例えば高濱先生自身、若いころ
野球部の先輩に「うどん食いにいこうぜ」と誘われ、
そこで「おまえ、ナンパしたことある?」と聞かれたという
エピソードを紹介しています。
その先輩は実際にナンパをしてみせ、
「こうやって相手を喜ばせる」「こうすると相手が傷つく」など、
当時は年上の先輩たちとの関係の中で、
異性とどう接するのか、どんなふうに気持ちが動くのか、
人との関わり方を総合的に学ぶ機会が多かったといいます。
こうした縦の関係の中での学びが、実は人間関係を築くうえでとても重要だった。
そんな気づきを与えてくれる話です。

男女の違いを知ることから始める
そして改めて、夫婦関係の話に戻ります。
お互い理解しようとしてもうまくいかないのは、
「そもそも男女はわかり合えない」という前提を
理解していないから。
恋愛時代の幻想を引きずり、「こんな人だと思わなかった」と嘆く……。
でもそれって、ちょっと滑稽でもありますよね(笑)。
夫婦の会話なんて、すれ違って当たり前。
話を“聞いてほしい”妻と、問題を“解決しようとする”夫。
妻からすれば「そういうことちゃうねん!聞いてくれるだけでいいの!」
夫からすれば「じゃあ、なんでその話するの?」「今それ必要?」
……で、妻が「もういい!」となる。

高濱先生はこう言います。
異性を異性として理解しようという知恵が授けられていないから、男が女をバカにしたり、女が男を切り捨てたりすることで終わってしまう。異性の正体を本当の意味で理解するのは難しいでしょう。でも少なくとも「きっとこんなふうに感じているんだろうな」ということは学び続けなければいけない。ところがそれを結婚してから学ぶという人が多い。それが問題なのです。


夫は犬だと思えばいい。
さて、いよいよ解決策の提案です。
高濱先生が伝える大切なことは、
「お母さんも苦しい。お父さんも苦しい。
お互い苦しいのだから、相手の苦しさを想像し合おう」ということ。
……ただ、これが案外むずかしいんですよね。
なぜなら、男女はそもそも脳の構造も考え方も違う“異生物”だから。
どちらかに歪みや負担がかかれば、結局どちらかが我慢するか、
最悪そのストレスが子どもに向かってしまうこともある。
そう考えると、「わかり合うのは無理」という前提で解決策を見出すしかありません。
そこで登場するのが、この本の衝撃的なタイトル
『夫は犬だと思えばいい。』
この言葉の本意は、決して相手を見下すものではありません。
むしろ「違う生き物だ」という前提で関わることで、
無理に分かり合おうとして傷つかずに済むという、
高濱先生が多くの親たちと関わる中で導き出した“知恵”なのです。
たとえば、犬が「散歩行きたい!」とせがんできたとき、
「今日は行きたくない」と交渉する人はいませんよね。
「犬だからそういうもの」と受け入れます。
同じように、「男だからこういうもの」と思えたら、
気持ちが少しラクになる。そんな発想です。
○ 飼い主に従順=家族に従順
○ ごはんが何より大事=優先してもらえることでプライドが保たれる
○ 犬はゴロゴロ・ダラダラするもの=自由な時間を与えると元気を取り戻す
○ プライドが高い=けなしすぎるといじける、上手に褒めるのがコツ

「だって男だもん。そう思うことが大事です。これは一種の意識改革です。」
つまり、“犬の飼い主”である私たち妻は、
変に期待しすぎず、かといってあきらめず、
「そういう生き物を飼っている」つもりで上手に付き合う。
押さえるべきポイントさえ押さえれば、
妻側の肩の力がスッと抜けて、気持ちが楽になります。
そうすると、夫への対応も自然に変わり、
結果として、夫自身も変わっていく。そんな原理なのです。

夫は犬だと思えばうまくいく!?我が家の実践編
ちなみに、我が家でもこの「犬理論」を意識して実践してみたところ、
意外なほど効果がありました。
⭐️たとえば
・娘が生まれてから、外食時はいつも娘のメニューを最初に選んでいました。
でもある日、「父ちゃん、毎日仕事がんばってるから、今日は父ちゃんから選ぼうね」
と声をかけたんです。
するとその日、娘は寝るまで「父ちゃんがんばってるから〜」を連発(笑)。
夫も終始ご機嫌で、なんだか家の空気までほっこり。
・また、夫が何気なく「〇〇食べたいなぁ」と言った一言を覚えておいて、
翌日さっと実現してみたことも。
「え、わざわざ買ってきてくれたの?ありがとう〜!」と何度も言われ、
語尾にハートマークが見えそうなくらい嬉しそう(笑)。
普段から「ありがとう」「おつかれさま」は言っているつもりでしたが、
“ごはんが大事”というポイントを押さえるだけで、ここまで反応が違うのかと驚きました。
そして、そんなふうに素直に喜ぶ姿を見て、こちらまで嬉しくなりましたねぇ。

まさに“犬的距離感”の威力を実感しました。
そう、男ってめちゃくちゃ単純なんですね。
これはバカにしているわけでもなく、やっぱり高濱先生の論理は正しく、
そういう特性を持った生き物なんだと、身をもって実感しました。
子供の前で「いかにお父さんがすばらしい人なのか」「立派な人であるのか」を繰り返し言い続けてあげれば、それを聞いたお父さんは、ただただうれしくなってしまいます。これをしなければいけない、あれをしなければいけない、とたくさんは言いません。ここいちばんの時に「あなたのおかげですよ」「尊重していますよ」と、ひとこと付け加えればいいのです。

三方よしの夫婦関係。”犬理論”で見えた
家族がうまく回りだす小さな習慣
相手が機嫌よく過ごせていると、こちらも楽だしうれしい。
そして、母が機嫌よくいると子どももうれしい。まさに“三方よし”です。
高濱先生は、この意識改革は夫婦間だけでなく、
職場などあらゆる人間関係にも応用できると言います。

そして、この“男女の違いを理解してうまく付き合う知恵”は、
娘にもぜひとも自然と伝えていきたい!
口うるさく言うのではなく、
-
夫婦がきちんとコミュニケーションをとっている姿を見せる
-
夫の悪口は言わない
-
夫ががんばっていることは、ちゃんと伝える
- 夫を転がしている姿も見せる(笑)
などなど。
そんな日常の積み重ねこそが、娘にとっての人生の教材になると思うのです。
一番身近な大人が、機嫌よく、楽しそうに生きている姿を見せる。
それ以上に、子どもに結婚や未来への希望を感じさせる“最高の教育”は、
他にないのではないかと、この本を読んで改めて実感しました。

【まとめ】夫婦はわかり合おうとするのではなく、
分かろうとすることが大事
// 本書のまとめ //////////////
-
夫婦は異生物だと理解する
→ 男女は脳や習慣が違う“別の生き物”と前提にすると、無理に分かり合おうとして傷つかずに済む。 -
夫は犬だと思って付き合う
→ 男性の特徴を理解し、自由時間や食事の優先などポイントを押さえると、夫も自然に機嫌よくなる。 -
ポイントを押さえた対応で家庭がラクになる
→ 期待や我慢を減らし、妻の肩の力が抜けると、夫婦の関係も自然に改善する。 -
小さな習慣で“三方よし”に
→ 相手が機嫌よく過ごせると、自分も楽しく、母が機嫌よければ子どもも安心して喜ぶ。 -
日常の積み重ねが子どもの教材になる
→ 夫婦のコミュニケーションの姿を見せ、悪口を言わず、夫の頑張りを伝えることが、子どもの人生教育につながる。 -
男女の違いを理解することは、家庭だけでなく社会でも役立つ
→ 職場や人間関係においても応用可能で、問題解決のヒントになる。 -
家庭の安定は子どもの未来に直結
→ 夫婦が機嫌よく、楽しそうに生きる姿を見せることが、子どもにとって最高の教育・希望につながる。
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衝撃的なタイトルの割に、とてもやさしい提案だった思いませんか?
上から目線で「こうすればいい」と言うわけでもなく、
専門的な用語やデータで論破するわけでもない。
たくさんの夫婦を見てきた高濱先生だからこそ提案できる、
現実的で実用的なアイデアだと、個人的には思います。
私は家庭内の空気がピリつく環境で育ったので、その悪影響は身をもって理解しています。
だからこそ夫婦は仲良くしたい。でも、自分が我慢したり無理したりするのはムリー!!
そんなとき、この本の提案はとてもしっくりきました。

こちらが変われば、相手も自然と変わります。
それが子どもの将来に良い影響を与えると思ったら、
ちっぽけなプライドなんて鼻くそみたいなもの!
全国のお母さんたち、ぜひ一緒に「夫を犬だと思い、飼い慣らして」いきましょう!