
今村昌弘 『魔眼の匣の殺人』
あと二日で、四人死ぬ――
閉ざされた“匣"の中で告げられた死の予言は成就するのか。
ミステリ界を席巻した『屍人荘の殺人』シリーズ待望の第二弾!
その日、“魔眼の匣"を九人が訪れた。
人里離れた施設の孤独な主は予言者と恐れられる老女だ。
彼女は葉村譲と剣崎比留子をはじめとする来訪者に「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」と告げた。
外界と唯一繋がる橋が燃え落ちた直後、予言が成就するがごとく一人が死に、閉じ込められた葉村たちを混乱と恐怖が襲う。
さらに客の一人である女子高生も予知能力を持つと告白し――。
ミステリ界を席巻した『屍人荘の殺人』シリーズ第二弾。
予言と超能力が交錯する本格ミステリ『魔眼の匣の殺人』
今村昌弘さんの『魔眼の匣の殺人』をご紹介します。
あの衝撃的なデビュー作『屍人荘の殺人』で話題をさらったシリーズの第二弾です。
物語の舞台は閉ざされた"匣"
人里離れた施設「魔眼の匣」に九人の訪問者が集まります。
その中には、シリーズおなじみの葉村譲と剣崎比留子も。
施設の主である老女は「予言者」として恐れられる存在で、彼らに不吉な予言を告げます。
「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」
そして予言直後、外界と繋がる唯一の橋が炎上。
完全に孤立した空間で、予言は恐ろしいことに現実のものとなっていくのです。
予言と超能力という非現実的な要素
今回私は再読(再聴)だったのですが、内容をすっかり忘れていたので新鮮な気持ちで楽しめました。
改めて感じたのは、このシリーズの大きな特徴である「非現実的な要素」の存在です。
予言能力を持つという老女、さらには訪問者の中にいる予知能力を持つと告白する女子高生。
本格ミステリでありながら、超能力や予言といったファンタジー要素が物語の核心に関わってくるんです。
現実的な推理ものを期待していると、この設定に戸惑うかもしれません。
気になった点も正直に
殺人の動機については、正直なところ少し無理やり感を覚えました。
トリックや構成の妙味を優先するあまり、人間の心理描写がやや弱く感じられる部分があったかもしれません。
ただ、これは逆に言えば、作者が「謎解きの面白さ」に全力を注いでいる証拠とも言えます。
キャラクターの内面よりも、「どうやって?」「なぜ?」というパズルのピースをはめていく快感を重視したスタイルなんですね。
こんな人におすすめ
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奇抜な設定の本格ミステリが好きな方
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『屍人荘の殺人』で衝撃を受けた方
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予測不可能な展開を楽しみたい方
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現実離れした設定も受け入れられる方
逆に、リアリティ重視の社会派ミステリや心理描写を丁寧に描いた作品を求める方には、少し合わないかもしれません。
まとめ
『魔眼の匣の殺人』は、好き嫌いが分かれる作品だと思います。
でもそれこそが、今村昌弘さんの魅力なんです。
誰も予想しない設定で、誰も思いつかないトリックを仕掛けてくる。
そのチャレンジ精神が、日本のミステリ界に新しい風を吹き込んでいます。
シリーズ第三弾を読む前の復習として、あるいは初めての方も、予言と密室と殺人が絡み合うこの不思議な世界を体験してみてはいかがでしょうか。
きっと「こんなミステリもあるんだ!」という新鮮な驚きが待っていますよ。


















