キタキチョウの水玉で,触れていなかったのが水レンズによる集光性の話です。
直進してきた光が水レンズの表面で屈折することによって,反対側に焦点を結びます。これは凸レンズに共通した現象です。
撮影中,陽が射して来て,水玉に当たりました。そうすると,太陽の位置と反対側の一部がとくべつに明るくなったのです。この玉が適当な大きさなので,集光性が高いため見えて来た現象です。他の水玉は小さすぎて明るさの変化についてはよくわかりません。
なお,点在する光の点は光源の太陽です。

それをさらに拡大して撮りました。

明るい点は玉から一定距離離れると収束していきますが,針のような一点にはけっしてなりません。いくら精度の高いガラスレンズでも! なにしろこの点は太陽像なのですから。
写真の明るいところ,つまり光が結ぶ焦点側ではチョウの表面温度がごくわずかでも高くなっているでしょう。
これで,見え方も含め,水の凸レンズがガラスのレンズとなんら変わらないことがよくわかります。これは氷でつくったレンズでも同じです。材質は関係ありません。
それで思い出すのが,水レンズのおもしろ(?)話です。
五円玉や五十円玉の穴に水を載せて同じことをやってみるとよいでしょう。窓際に水で満タンの平底フラスコを立てかけておいたら,焦点側の台板が焦げたという事例があります。ビニルハウスの屋根に雨水がたまって窪みになり,それが凸レンズになってハウス内がボヤ騒ぎになったという話も。……。
わたしはかつて,氷のレンズをつくって実験を試みたことがあります。結果はおもしろいものでした。
まさかと思われるような話も含まれますが,身近な自然のわずかな事実が浮き彫りにする,自然に共通した事象から学べるものは多いと思われます。
キタキチョウには感謝,です。このチョウ,このままの姿で越冬します。