新しい年のはじまりに、心を整える一杯を|小寒・大寒に寄り添うお茶

小寒大寒の食文化と養生法:冬を温かく乗り越えるために

冬の寒さが一層厳しくなる「小寒(しょうかん)」と「大寒(だいかん)」。これらの節気は、1月から2月にかけて訪れ、まさに一年で最も冷え込む時期を迎えます。「寒の入り」とも呼ばれ、寒さが本格的に始まり、やがて最高潮に達するこの時期は、冬の終わりを迎えるための大切な準備期間と言えるでしょう。私たちの体も、春に向けて静かに、そして健やかに整えておくことが重要です。今回は、この寒さを乗り越えるために世界各地で親しまれている食文化や習慣をご紹介し、心と体を温める方法をお伝えします。

【1】小寒大寒

一年の中でもっとも冷え込む時期、それが「小寒(しょうかん)」と「大寒(だいかん)」です。 日本の暦では、1月上旬から2月初旬にかけて訪れるこの節気は、「寒の入り」とも呼ばれ、“春に向けて心身を整える期間”とも言えるでしょう。

小寒」は、寒さが本格的に始まる合図。 「大寒」は、その寒さが極まる頃。 この時期にしっかりと体を温め、整えておくことは、昔から“春を健やかに迎えるための養生”とされてきました。

 

<1-1>中国の小寒大寒

中国の「小寒(Xiǎohán)」と「大寒(Dàhán)」は、紀元前の戦国時代に成立したとされる二十四節気(èrshí sì jiéqì)の一部。 これは農業のために発達した暦で、自然の変化に合わせて暮らすための知恵が詰まっています。小寒は1月5日頃、大寒は1月20日頃にあたり、春節旧正月)の直前にあたることが多い。

 

◎ 食文化:スープと薬膳粥

寒さが一段と厳しくなるこの季節、中国では温かいスープや薬膳粥を食べて体を温める(温補:wēn bǔ)=温めて補う)習慣があります。

 

薬膳(yào zhēn)は、伝統的な中国の食文化で、食材や薬草を組み合わせて、体調や健康状態に合わせた料理を作ることを指します。食材に含まれる成分が、体に良い影響を与えるとされており、特に季節ごとに異なる養生法が取り入れられます。

 

例えば、寒い冬におすすめされる食材には、体を温める作用がある生姜(ジンジャー)や羊肉、消化を助けるナツメ黒米などがあります。これらの食材は、季節の変わり目や体調不良を予防・改善するために用いられ、現代でも多くの人々に親しまれています。

 

薬膳はただの食事ではなく、「体を内側から温める」「気血を補う」といった効果を持つものとして、"養生(yǎng shēng)"(養生=健康維持)の一環として実践されています。

 

この時期、寒さで弱りがちな体を内側から整えるために、以下のような料理がよく食べられるのです。北方(北京・東北など)では、羊肉や餃子、熱々のスープが定番。南方(広東・福建など)では、薬膳スープや甘い粥、温かいデザート(糖水)が好まれる傾向があります。

 

  • 羊肉汤(yáng ròu tāng):羊肉のスープ。体を温め、気血を補うとされる。

👉【動画】羊肉スープの作り方|体を温める薬膳レシピ

 

  • 八宝粥(bā bǎo zhōu):ナツメ、蓮の実、黒米などを使った甘い薬膳粥。大寒の朝に食べる地域も。

👉【動画】薬膳八宝粥|ナツメと黒米で寒い季節にぴったり

 

  • 姜枣茶(jiāng zǎo chá):生姜とナツメの甘いお茶。冷えや疲れに。

👉【動画】生姜とナツメの甘いお茶|寒い季節の温かいドリンク

  • 鸡汤(jī tāng)+党参・黄耆などの中薬材:鶏肉スープに漢方食材を加えて滋養強壮に。

👉【動画】鶏肉スープ|薬膳で滋養強壮

 

◎ 習慣の広がり

土用の丑の日のうなぎ」ほど全国的に統一された習慣ではないけれど、“寒い時期に温補する”という考え方は広く知られていて、特に中高年層には根付いています。 最近では若い世代にも「養生(yǎng shēng)」ブームがあり、SNSや動画でも冬の薬膳スープが人気。

 

<1-2>韓国の小寒大寒

韓国でも中国と同じく、二十四節気(이십사절기/이십사절후)に基づいた暦が使われてきました。 「소한(小寒)」「대한(大寒)」と呼ばれ、特に大寒は“最も寒い日”として意識されているんです。

 

◎ 食文化:体を温める伝統食

韓国では冷え込みが本格化する時期、「トック(餅入りスープ)」など、体を労わる料理が食卓にのぼります。

 

  • 떡국(トック):お正月に食べる餅入りスープ。体を温め、年齢を一つ重ねる象徴でもある。

👉【動画】牛肉入り餅スープ(トック)の作り方|新年にぴったり

 

👉【動画】サムゲタン|高麗人参入り鶏肉スープ

 

※【参考記事】 

 massage10.com

 

 

  • 미역국(ワカメスープ):誕生日や産後に飲むイメージがあるけれど、寒い時期にも体を温めるスープとして登場。

👉【動画】肉なしワカメスープのレシピ|シンプルで美味しい

 

◎ 習慣の広がり

韓国でも「소한・대한=寒い」という認識は広く知られていて、ニュースや天気予報でもこの節気が話題になります。 ただし、特定の料理を全国民が食べるというよりは、「寒いから温かいものを食べよう」という自然な流れとして根付いている感じです。

 

<1-3>二十四節気

二十四節気(にじゅうしせっき)は、古代中国で生まれた暦の仕組みで、太陽の動きをもとに一年を24の節目に分けたもの。 紀元前の戦国時代にはすでに使われていたとされ、農業の目安として発展してきました。

 

この節気は、季節の移ろいを繊細に捉える知恵として、今も中国や韓国で生活に根づいているんです。

 

◎ 中国での二十四節気

  • 2006年にユネスコ無形文化遺産にも登録されたほど、文化的価値が高いとされています。
  • 暦だけでなく、食・衣・住・養生・詩歌など、あらゆる生活文化に影響を与えている。

 

◎ 韓国での二十四節気

  • 「절기(チョルギ)」と呼ばれ、農業や季節行事の目安として使われてきました。
  • 現代でも、天気予報やカレンダーに節気が記載されていることが多く、日常語としての認知度も高い

 

日本に根づかなかった理由とは?小寒大寒の風習を考察

日本にも二十四節気は中国から伝わり、江戸時代には広く使われていました。 今でもカレンダーに記載されているし、俳句や茶道などの季節感を大切にする文化にも影響を与えています。ただ、「小寒」「大寒」そのものが日常の行事や食文化に結びついていないのは、いくつか理由があるかもしれません。

① 旧暦から新暦への移行

明治時代に太陽暦グレゴリオ暦)に切り替わったことで、旧暦ベースの節気と実際の季節感にズレが生じた。 その結果、節気が生活のリズムから少しずつ離れていったのかもしれません。

② 日本独自の年中行事が強く根づいていた

七草粥、節分、ひな祭り、お彼岸など、日本独自の行事が豊富にあったため、節気に基づく風習があまり必要とされなかった可能性も。

③ 「小寒大寒」は“静かな節気”だった

たとえば「立春」や「夏至」は季節の変わり目として意識されやすいけれど、「小寒大寒」は目立った行事が少なく、印象に残りにくい節気だったのかもしれません。

 

【3】「新年の一杯」を選ぶ

一年のはじまりに、皆さんはどんなお茶を選びますか? それはまるで、「最後の晩餐」ならぬ「最初の一杯」。 新しい年をどんな気持ちで迎えたいか、自分にそっと問いかけるような時間です。

 

<3-1> 紅茶+生姜(しょうが紅茶)

冷えた体を芯から温めたいなら、 紅茶に生姜をひとかけ。 やさしい渋みと、じんわりとした温かさが、内側から巡りを促してくれます。

材料:

  • 紅茶(ティーバッグまたは茶葉)…1杯分
  • 生姜スライス…2〜3枚(またはすりおろし小さじ1)
  • お好みで黒糖や蜂蜜

作り方:

  1. 紅茶を淹れ、生姜を加えて3〜5分蒸らす。
  2. 甘みを加える場合は、最後に黒糖や蜂蜜を。

効能:

  • 体を内側から温める
  • 冷え性・むくみ対策
  • 消化促進、風邪予防にも◎

 

<3-2> 黒豆茶

黒豆茶は、香ばしさとほんのり甘みがあり、腎をいたわる冬の養生にもぴったり。

材料:

  • 黒豆(乾燥)…大さじ2〜3
  • 水…500ml

作り方:

  1. 黒豆をフライパンで香ばしく炒る(焦がさないように注意)。
  2. 鍋に水と炒った黒豆を入れ、弱火で15〜20分煮出す。

効能:

  • 腎を補い、老化予防
  • 利尿作用でむくみ改善
  • 香ばしさでリラックス効果も

👉【動画】腎を補う黒豆茶

 

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