お茶の香りで心を整える冬時間
年末年始の慌ただしさが少し落ち着き、ふと静けさを感じるこの季節。寒さが深まる冬は、心も体も内側に向かいやすく、自分自身と向き合うのにぴったりな時期です。そんな時おすすめなのが、お茶の力を活用した空間と心の浄化法。
お茶といえば、飲んでほっと一息つくイメージが強いかもしれません。でも実は、お茶には「香り」や「触れる」ことで得られる癒しや浄化の力もあるのです。
たとえば、茶香炉でお茶の香りを焚いて空間を整えたり、燻製茶でひと息ついたり、出がらしの茶葉を使って手浴や足湯を楽しんだり。お茶の持つ自然の力を、日々の暮らしに取り入れることで、心も空間もすっきりと整っていきます。
この記事では、そんな「飲むだけじゃないお茶の浄化力」について、冬にぴったりの活用法をご紹介していきます。寒い日こそ、お茶のぬくもりと香りに包まれて、心地よい時間を過ごしてみませんか?

【1】茶香炉で空間を清める
茶香炉は、乾燥した茶葉を温めてその香りを空間に広げる道具です。自然な茶葉の香りが優しく広がり、アロマオイルや人工的な香りが苦手な方にもぴったりです。お茶は古くから香木や薬草とともに空間を浄化するために使われてきており、この香りには、空間を清める効果があります。茶香炉もその一環として、現代でも空間を浄化する手段として親しまれています。
使い方はとても簡単。茶香炉の上に乾燥した茶葉(緑茶やほうじ茶がおすすめ)をのせ、下からキャンドルでじんわりと温めます。茶葉の香りが立ちのぼり、空間がすっきり整い、気持ちもリセットされます。
また、お茶の香りには、心を落ち着かせるリラックス効果があります。特に冬の季節、澄んだ空気の中で茶葉の香りが漂うと、その効果が一層際立ちます。空間全体を包み込む優しい香りは、まるで森の中にいるかのような心地よさを感じさせてくれるでしょう。
👉【動画】茶香炉の楽しみ方
<1-1> 茶香炉の発祥
茶香炉のルーツは、古代中国の香炉文化にあります。香炉自体は約3000年前の殷・周時代に誕生し、宗教儀礼や先祖崇拝のために使用されていました。日本には、仏教と共に伝来し、寺院や貴族の間で香を焚く文化が広まりました。
平安時代には貴族の間で香を焚く文化が広まり、香炉は宮廷文化の一部として愛用されました。その後、戦国時代には武将や茶人たちが香炉を美術品としても珍重し、茶の湯文化とともに香炉の価値が高まったようです。
日本では、香を鑑賞する「香道」や、茶の湯の席で香を焚く「茶道」の中で香炉が使われるようになり、香炉文化が独自に発展しました。
「茶葉を焚いて香りを楽しむ」=茶香炉というスタイルは、日本で比較的近年になって生まれたものです。香道や茶道の「香りを楽しむ精神性」や「空間を整える所作」から影響を受けて、日常生活に癒しの要素として取り入れられるようになったと考えられます。
<1-2>茶香炉が一般に浸透している国々
茶香炉の文化は主に日本で発展していますが、最近では和の香りに関心を持つ海外の人々にも注目されています。欧米のティーラウンジやスパでも、茶香炉が取り入れられ始めています。中国や韓国にも香炉文化はありますが、「お茶の香りを焚く」というスタイルは日本独自のものです。
<1-3>どの茶葉が人気?
日本で茶香炉に使用される人気の茶葉は以下の通りです。
- ほうじ茶:香ばしく甘い香りがリラックス効果を高める。
- 緑茶(煎茶):清涼感のある香りが、空気をすっきりとさせてくれる。
- 玄米茶:香ばしさと優しい香りが特徴。食後や来客時に好まれる。
その他、国によってはジャスミン茶や紅茶を焚くこともありますが、茶香炉としての使用は日本が中心です。
【2】 燻製茶で心を整える
燻製茶(スモークティー)は、茶葉を燻すことで香ばしさと深みを引き出したお茶です。燻製の香りが五感をやさしく刺激し、ひと口飲むごとに気持ちがゆるやかにほどけていきます。忙しい日々の中で、心を落ち着けたいときや気分を切り替えたいときにぴったりの一杯です。
茶葉本来の風味に、ほのかなスモーキーさが加わることで、味わいにも奥行きが生まれます。温かい湯気とともに立ちのぼる香りは、まるで静かな山あいにいるような安心感をもたらしてくれるでしょう。
<2-1> 燻製茶の発祥
燻製茶の起源は中国・福建省の武夷山(Wuyi Mountains)にあります。ここで誕生した「ラプサンスーチョン(Lapsang Souchong)」という燻製紅茶が、世界初のスモークティーとされています。
このお茶は、清朝時代の戦乱中に茶葉の乾燥を急ぐ必要があり、松の木を燻して乾燥させたことがきっかけで生まれました。この偶然から、独特のスモーキーな香りを持つ新しいお茶のジャンルが誕生しました。
👉【動画】What is "Smoked Black Tea" (Lapsang Souchong)
<2-2>ラプサンスーチョンの別名
ラプサンスーチョン(Lapsang Souchong)は、スモーキーな香りが特徴の紅茶ですが、実は中国ではその名前が異なります。中国では「蓝山茶(Lán Shān Chá)」という名前で呼ばれることが多く、これは「青山茶」の意味で、製造地である福建省の武夷山(Wuyi Mountains)に由来しています。この茶葉は、松の木で燻製されたユニークな香りが特徴で、製法の起源がこの地域にあるため、「蓝山茶」という名前がつけられました。
また、ラプサンスーチョンは「正山小种(Zhèng Shān Xiǎo Zhǒng)」という別名も持っています。「正山小种」は「正山」の部分が、茶葉が育つ場所(特に標高の高い場所)を指し、「小种」はその茶の種類を意味します。つまり、正山小种は「特定の山の茶の種類」といった意味合いで、品質の良いラプサンスーチョンを指す名前として使われます。
ラプサンスーチョンという名前の由来やこれらの別名は、この紅茶の長い歴史とその地域に根付いた文化を反映しています。紅茶好きの間では、そのスモーキーな香りと深い味わいで特に評価されており、中国や世界中のティーラウンジや専門店でも扱われています。
👉【動画】ラプサンスーチョン―燻製の風味はどのように生まれるのか?
<2-3>燻製茶の変遷
ラプサンスーチョン(松の木で燻す紅茶)は中国では伝統的な紅茶として親しまれていますが、西洋ではその強いスモーキーな香りが魅力として人気を集めています。
また、近年、日本でも静岡県の金六松本園が独自のスモークティーを開発し、注目を集めています。ラプサンスーチョンにインスピレーションを受けて、桜・ウイスキー樽・シナモン・カカオなど、さまざまな素材で燻す独自のスタイルを確立していて、今では10種類以上の燻製茶を展開しています。この燻製茶は、2020年に農林水産省の海外輸出有望商品にも選ばれていて、フランスなど海外でも高い評価を受けているそうです。
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