
朝、ゴミステーションへゴミ出しに行く途中で、道路に面して、綺麗に咲いているバラを見つけました。
パラパラと小雨が降る中、ゴミを両手に抱えて、早歩きで通り過ぎようとした私ですが、思わず足を止めて、ポケットに入れていたスマホでパシャっと写真を撮りました。
そこの家には以前、おじいさんが一人で住んでいましたが、4年ほど前に亡くなり、今は空き家になっています。
亡くなってからはおじいさんの弟さんが来て、家の管理や庭の手入れをされていましたが、最近はめっきり姿を見なくなりました。
義母に聞くと、「体調が悪くなり、出歩けなくなったようだ」と教えてくれました。
以前はきれいに管理されていた庭ですが、今は草だらけになっています。
そう言えば、裏の家も普段は人がいません。
住んでいた方が入院され、今は時々弟さんが来て、家や庭を管理されています。
斜め前の家は完全に空き家です。
ご家族の方は遠方にいらっしゃるため、ほとんど見かけません。
いつも仕事で外出してしまうので、それほど深刻に感じていませんでしたが、気づけば、ゆっくりと着実に人がいなくなっています。
近所には子供の声が聞こえなくなりました。
道で人に会うことも減ったように思います。
長男は言います。
「同級生はみんな進学で県外に出てしまって、もう帰ってこないようだよ。働くところがないんだもの。」
近所を見渡すと息子たちの同級生はいません。
10年後はさらに淋しい状況になっていることでしょう。
徐々に変化してきた生活環境が、ここ最近は急激に進んでいるように感じます。
鈍感な私が思うのですから、相当なスピードで変化しているのでしょう。
みんな問題には感じているけれど、どうしようもない、と心の中で思っています。
日々の生活に追われ、見えている物が目に映っているだけで、通り過ぎていきます。
私自身も周りの環境もずっと変わらないだろうと錯覚している自分がいます。
美しいバラが誰の目にも止まらなくなる日が来るのでしょうか。
私の足を止めるほどに「主人のいない庭に咲くバラ」は儚げにひっそりとそして誇らしく咲いていました。