
TABR01(本体/箱表記)/ 技適 R 214-250602(本体/箱表記)/ ワイヤレス規格 5.4(箱表記)/ アミューズメント専用景品(箱表記)/ 対象年齢 15歳以上(箱表記)/ 主材質 ABS / アルミ(箱表記)/ 付属品 USBコード(箱表記)/ MADE IN CHINA(本体/箱表記)/ 注意:本商品は食べれません(箱表記)はじめに
2026年1月2日。元旦の余韻がまだ床に落ちてる時間帯に、親戚が集まる焼肉の買い出しを完遂。
父の任務はただひとつ。肉を正しく、野菜を忘れず、タレを二種類にする。これだけで勝ち確。
……のはずが、帰り道に寄ったゲームセンターで「新年ノリの罠」が視界へ割り込む。緑。でかい。たぬき。イヤホン。
カップ麺の顔で、ワイヤレスイヤホンを名乗っている。しかも、UFOキャッチャーの景品カードで。
その瞬間、隣の中学生が静かに言った。
「父ちゃん、これ…会議で使えるんじゃね?」
いや、君の学校のオンライン授業は終わってる。そもそも、麺がイヤホンになる世界線が怖い。
でも彼の目は、完全に“投資家”のそれだった。新年早々、あの台の前だけ空気が違う。
息子「父ちゃん、これ…会議で使えるんじゃね?」
父「会議に麺を持ち込むな」
息子「じゃあ“運試し”。一回だけ」
父「一回だけな」──そう言いながら、なぜか父の手にはもう100円玉がある。
こうして投入。アームは滑る。景品は粘る。周囲の視線は温い。新年、最初の敗北はいつも軽い。
初手100円。アームは「触れた」という事実だけを残して帰っていく。
父「ほらな、今日は肉が主役。撤退だ撤退」
息子「待って、今ので“寄った”。次で角が動くやつ」
200円、300円……景品は少しずつ角度を変えて、“取れそうな顔”だけが上手くなる。
父「取れそうな顔が一番危険なんだよ」
息子「それ、人生の真理じゃん」
500円を越えたあたりで、父は気づく。これは音を買ってるんじゃない。会話の口実を買ってる。
そして宣言が出る。「千円まで。千円で撤退。これは投資じゃなくて上限だ」
最後の一枚が吸い込まれた瞬間、たぬきはスッと落ちた。肉じゃなく麺を獲った。年明けの事故としては満点。
息子「ほらね、投資回収」
父「回収って言うな。……でも勝ちだな」
実況ログ 千円で取るのは、音ではなく物語
- 買い出しの本命は焼肉 なのに先にUFOで千円が溶ける たぬきが強い
- 息子の提案「会議で使える」 父の本音「会議に麺を持ち込むな」
- 投資金額1000円 期待利回りは“笑い”で回収 返金不可の幸福
箱 正面(緑の圧)

箱 裏(注意書き・技適・販売情報)

箱 側面(ピクト:ON/OFF / ワイヤレス / ステレオ / マイク / 音楽 / 通話 / USB充電 / ケース充電)

製品概要
- 分類 完全ワイヤレス TWS/ネタの皮を被った実用品(たぶん)
- コンセプト カップ麺になりたい充電ケース/耳に入る“緑のたぬき”
- ワイヤレス 箱の主張は「規格5.4」 表記の圧が強い
- マイク 搭載(箱表記) 会議は通るが、感動は通らない
- イヤピ 付属は一種類のみ 選択肢は“潔さ”
付属品と、QRの地獄
付属品はUSBケーブルと紙。ここまでは普通。問題は紙に印刷されたQR。
「注意事項および説明書のダウンロードはこちら」──なるほど、今どきだ。
で、飛ぶ。
先は https://www.breakprize.com/manual。
ない。
マニュアルが、ない。
置いてない。掲載されてない。何も始まってない。たぬきの巣穴が空っぽ。
アクセスした時点では、マニュアルはありませんでした。ユーザーの耳は待ってくれない。今つけたい。今食べたい。今焼きたい。
付属品(USBコード/紙もの/QR)

外観 たぬき、耳に分裂する
ケースは“カップ麺のフタ”。開ける所作が完全に食事。
なのに出てくるのは麺じゃなくてイヤホン。脳が一瞬バグる。
イヤホン本体は緑のシェルで、ロゴの主張が強い。耳につけると「私は緑のたぬきです」と自己紹介してくる。
装着感は、イヤピが一種類しかないこともあって“合う人は合う、合わない人は即終了”のシンプル設計。
ケースを開けたところ(たぬき出現)

本体とフタ(世界観の勝利)

装着面アップ(“緑”の説得力)

接続してわかる正体 TABR01
ペアリングすると、PCに現れる名前は TABR01。たぬきは名乗らない。型番で殴ってくる。
そしてWindowsは言う。「デバイスの準備が整いました!」
うん、整ってる。耳も心も整ってないけど、デバイスだけは整ってる。年明け早々、機械が一番しっかりしてる。
Windows 接続画面(TABR01)

タッチ操作 だいたい指で理解できた
マニュアルが無いなら、指で覚える。人類の原点。
操作は左右共通っぽい挙動で、シンプルにまとまっている。
- タップ:再生/停止
- ダブルタップ(右):曲送り
- ダブルタップ(左):曲戻し
- それ以外:手探り(たぬきは多くを語らない)
この“最低限の確実さ”は評価したい。焼肉の準備中でも、指が勝手に思い出す。
なお、誤爆はゼロではない。麺は、たまに暴れる。
試聴環境
音質インプレッション
低域
低域は“下から押す”というより、“手前から押す”。
量はある。勢いもある。だが、締まりや輪郭は「ま、千円だしな」で着地する。
例えるなら、天ぷらの衣。主張が先に来て、中身の繊細さは後回し。
気持ちは上がる。精密さは上がらない。
中域
低~中域の押し出しが強い。ここがこのイヤホンの“居場所”。
ボーカルは近い。近いんだけど、空間の整理が追いつかない。
楽器が増えると、一斉に鍋へ入ってくる。仕切り?ない。分離?いない。
たぬきは言う。「混ざるのが旨い」と。確かに、麺もつゆも最終的にひとつだしな。
高域
高域は…うーん、ってレベル。
伸びの良さや抜けは期待しない方が精神衛生に良い。
あるにはある。けど、キラキラというより「ここにあります」って看板を立てただけ。
シンバルやハイハットは、紙コップを叩いた気配で現れて、すぐ帰る。
気持ちよさは薄め。耳が痛いほど尖らないのは、逆に優しさかもしれない。
音場は浅め、分離は弱め。
ただ、会議や動画の“用件”は通る。音楽で感動するより、用事を片付ける方向に強い。
焼肉の準備中に「次、肉焼く順番」みたいな現実を処理するには、ちょうどいい現実音。
使い勝手メモ
- イヤピ 付属一種類のみ 合う人は勝ち、合わない人は交換推奨(手持ち資産が正義)
- 操作 マニュアル不在でも“だいたいタップで解決”するのは助かる
- マイク 会議は成立するが、声の抜けやクリアさは期待しない方がいい
- 総評 “イヤホンとしてはお察し、プライズとしては妥当”のちょうど真ん中
低予算レスキュー たぬきを少しだけ賢くする
- 低~中域が厚いので、気になる人は200〜500Hzあたりを気持ちだけ下げると“団子”が少しほどける
- 高域の物足りなさは、持ち上げすぎると粗が出るので“やりすぎない”が勝ち
- イヤピが一種類しかないので、密閉が取れない場合はイヤピ交換が一番効く(千円の世界は物理が正義)
- マニュアルQRは、見なかったことにするのが一番効く(精神が安定する)
家族レビュー 抜粋ログ
- 息子「父ちゃん、麺が耳に入ってる」 父「言い方が怖い」
- 父「マニュアルどこ」 息子「たぬきに聞け」 父「たぬきは黙秘」
- 親戚「それ何?」 父「UFOキャッチャーで掴んだ未来」
- 息子「会議ならいけるっしょ」 父「いけるけど、勝てはしない」
千円で買ったのは、音質の革命じゃない。正月の物語だった。
低~中域の押し出しは強く、分離は弱く、高域は「うーん」。イヤホンとしての実力は“お察し”。
でも会議や動画の用件は通るし、何より耳に「緑のたぬき」を入れてしまった事実が、強すぎる。
焼肉の買い出し帰りに、UFOキャッチャーで麺を無線化して帰ってくる家庭。2026年は、きっと良い年になる(雑な願掛け)。
一言まとめ 千円で耳に入る、正月の珍事件
- デザインが強すぎる たぬきが勝つ
- タップ操作が直感的 マニュアル不在でもだいたい辿り着く
- 会議は成立する(勝てるとは言ってない)
- 1000円で“親子の会話”が増える コスパはそこにある
- 分離が弱い 低~中域が押し合って団子になりがち
- 高域の気持ちよさは薄め 音楽で伸びを楽しむタイプではない
- マイクもお察し(会議の相手に期待しないでと言いたくなる)
- マニュアルQRの先にマニュアルが無い たぬきの失踪事件
- イヤピ付属一種類のみ フィットは人を選ぶ
- 新年から“よくわからん買い物”をして運気を上げたい人
- 会議・動画の用件が通ればOKな人
- たぬきを耳に入れる覚悟がある人
- 中学生の息子と、しょうもない事件を共有したい父
価格・販売情報
| 購入日 | 2026年1月2日(焼肉の買い出し帰りに、UFOキャッチャーで運試し) |
| 投資金額 | 1000円(新年の運試し) |
| 流通形態 | アミューズメント専用景品(箱表記)/ 今回はゲームセンターのUFOキャッチャーで入手 / ただし世の中には“なぜか売ってる”場所が存在する |
| 再入手のヒント | 型番 TABR01/「赤いきつねと緑のたぬき ワイヤレスイヤフォン」系のワードで遭遇率が上がる(たぶん) |
あとがき
いい音は追える。いい買い物は、追えない。
2026年の正月、焼肉の買い出し帰りに寄ったゲームセンターで、父はUFOキャッチャーに千円を溶かし、麺を無線化した。息子はそれを“投資”と呼んだ。
音質はお察し。マイクもお察し。マニュアルは失踪。けれど、笑いと会話は確実に回収できた。
千円で家庭の空気がちょっと明るくなるなら、それはもう、たぬきの勝ちでいい。