映画感想日記

映画の感想絵と感想文

Amen (2013)

Directed/Story by Lijo Jose Pellissery

Starring: Fahadh Faasil, Indrajith Sukumaran, Kalabhavan Mani, Swathi Reddy

「ジャッリカットゥ」も「イエス様…」も見ていないので初めてのリジョー・ジョーズ・ペッリシェーリ監督作品なのだが、変な映画だったぜ!とはいえ話自体はシンプルで、村の教会を中心に、身分違いの恋や、教会の権威主義にまつわる老司祭と若い司祭の対立などがコミカルに描かれるかなりとっつきやすいコメディだった。そもそもはじまりかたが下ネタ…

教会のバンドの存続危機が一つの主要な軸としてあるので、フォーマット的にはミュージカル。なのだけど今まで見たマラヤーラムの挿入歌的ソングシーンや他の地域(例えばタミル)の半ば独立したソングシーンとは違って、ナラティブと地続きではあるけど幻視的な部分があるという感じ。「音楽」も一つのテーマなのかな。

最後はバンド対決になるのだが、歌い始めた時は「クラリネットじゃないんかいっ!」と思ったけど最終的にはクラリネットになりました。でもみんな指の動きはかなり適当でした笑。そういうところも含めて結構リアリティはない不思議な寓話的な味わいだった。

役者面。才能はあるのだが父の死のトラウマで人前で演奏できない気弱なクラリネット奏者ソロモンをファハド・ファーシルがやってるのだがおぼこい若者演技をしていた。たまに天使と降臨してくる父と交信している。ソロモンと身分違いの恋をするヒロインショーシャナ(スワーティ・レッディ)が暴れん坊で結構面白かった。あと進歩的な司祭を演じるインドラジット(プリトヴィのお兄さん!似ている)はかなり美味しい役であった。最初のダンサーを従えたダンスシーンがおもろい。

ミュージカルなだけあって音楽が多くユニークで面白かったのだが、クレジットでA.R.ラフマーンに謝辞を捧げていたので何?と思ったら音楽監督のPrashant PillaiはA.R.ラフマーンのスタッフとしてキャリアを始めたのですね。

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Varsham 雨が見つけた君 (2004)

Directed by Shoban / Story by Veeru Potla / Screenplay by M.S.Raju

Starring: Prabhas, Trisha, Gopichand, Prakash Raj

いやプラバースもトリシャも若くて可愛くて眩しくて目が潰れる!

お話は2000ゼロ年代映画らしいシンプルなラーマーヤナなロマンス&アクションもので、あるあるなぶりっ子演技とか(尖らせた口をクイクイッ!とする演技は流石に今はほとんど見ないよね…)まあ、正直古さと長さは感じるけど結構面白かったです。その中でも大卒無職という面がネックになったりと真顔になる要素が痛々しいぜ(そこまで引き摺らないけど)。

曲がめちゃ多いのだが、若きプラバースも頑張っていた。というか私が見た中で1番若いプラバースなのだが、アクションもダンスも体格が良すぎるので見栄えがすごいし、身体の使い方はもうこの頃から普通に上手い。でも声の出し方はまだ未熟な感じがあって初々しいね。

スニールやアジャイ、M.S.ナラヤナなどなどお馴染みの方々があんまりどぎつくない感じに沢山出ていたのもなんだか良かったです。

ところでプラバースとトリシャといえばPournamiも結構好きなのよ、と思ったら脚本家同じ方(M.S.ラージュ)なのねw

 

バーシャムサクシガ〜♪の歌が耳から離れない〜

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Baahubali: The Epic バーフバリ エピック(2025)

Directed by S.S. Rajamouli / Story by: V.Vijayendra Prasad

Starring: Prabhas, Rana Daggubati, Anushka Shetty, Ramya Krishnan, Sathyaraj, Tamannaah Bhatia, Nassar, Subbaraju

いやいやエピックでございました。何度見てもヴィジョンが壮絶だよね。

編集部分に関しては、こちらとしては何回も見すぎてエッっそこ切って意味通じる?!(シヴドゥの村の人々が捜索を始める部分、シヴァガミの火の儀式の説明、ピンダリの最初の言及とかがカット)、みたいなバグを起こしましたが、初めて見た方はいかがだったのでしょうか笑。そうと思えば国際版でカットしてたシヴドゥの滝の踊りとかは復活していて嬉しかったけど、未見の人が想定されているのか見た人が想定されているのかちょっとどっちつかずだったかな?ああ、でも少し足されているところもあって、色んなバージョンでそもそも撮っていたんだなあ。

アヴァンティカとシヴドゥの出会い周辺とか、評判が悪かった部分はバッサリナレーションでまとめていたり、(ちょっと不自然だったけどw)興行師であるなあという選択の仕方とかも興味深かったです。

それにしても、改めて見るとキャストみんなすごいハマっているのだが、やっぱり特にプラバースは姿形表情全てひっくるめて神がかっていて、監督の才能の円熟が勿論あるのだけど、この人以外ではこの作品は出来なかっただろうなあと感じ入りました。

 

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Mark Antony マーク・アントニー (2023)

Written/Directed by Adhik Ravichandran

Starring: Vishal, S.J.Suryah, Ritu Varma, Sunil, Selvaraghavan, Abhinaya

プロットも映像もキャラクターも結構なハチャメチャ具合で、ほぼ正気に戻らないところが若々しく、アクションなども結構ユニークな感覚で面白かった。とはいえそういったナンセンスさや感情のドライさはしっかり現代っぽいんだけど、一部の描写などヤバいところはしっかり舞台の90年代の感覚でヤバいので居心地が悪く、そういうところ監督が若いのだか若くないのだかよくわからない部分でした。

音楽自体は印象は薄かったが、音楽シーンがアクションシーンに組み込まれているのが(アクションに音楽が組み込まれているのではなく、アクションとダンスがシアトリカルに組み込まれた振り付けとなっていて)なかなか良い。

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Ohm Shanthi Oshaana (2014)

Directed by Jude Anthany Joseph / Written by Midhun Manuel Thomas and Jude Anthany Joseph

Starring: Nazriya Nazim, Nivin Pauly, Anju Varghese, Vineeth Sreenivasan

かわいかった〜。

おてんば娘プージャが助けてもらった年上の男ギリに恋をするというか、最初のうちは恋に恋しているみたいなものだったが、月日が流れ、色々ありつつも初恋を成熟させるという正統派なロマコメでした。まあ考え方的にはあんまり飛び出したところはなく、展開もゆったりしていた。 プージャがギリに高校生の頃に告白しようとするけど「勉強せえ」と一蹴されるところは安心設計でした笑。周りの大人が優しく励ましてくれるのもいいが、半分犯罪者ないい加減な親戚のデイビッドには笑った。

表情豊かなナスリヤ・ナシームが可愛い。ニヴィン・ポーリはPremamしか見ていないのだけど、こういう幻想(理想)の武骨な男役も良いね。 合同結婚式とか、ギリのコミュニスト的背景とかがカジュアルに入ってくるのも土地柄?プージャが医者の子で裕福なキリスト教徒、ギリが農家のヒンドゥー教徒だけど、そこはそこまで問題にはしてなくて、違いはあれどもお互いを思い合うという要素になっていた。話が1999年から始まるから少しレトロなはずだけどそんなにノスタルジックな感じはなかったし(上映される映画やTV番組で匂わせるぐらいかな?)、髪型とかは現代的なのであんまり時代性にはこだわっていないと思う。カンフー要素はなんなのかわからん。流行ってたのかな?

 

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Rangasthalam ランガスタラム(2018)

Directed/Written by Sukumar

Starring: Ram Charan, Samantha, Jagapathi Babu, Aadhi Pinisetty, Prakash Raj, Anasuya Bharadwaji

主人公の造形とか村の政治の組み立て方は丁寧で、テーマもなかなか骨太なものがあって結構面白かったのだけど、クライマックスもとい最終的テーマの提示が性急な感じがしたかなあ。第一の話だと思ったら第二だった、という感じなのだけど、第一の組み立てが長めだったので、あっそういう話なの…それなら第二をもっちょっと詰めて見せてほしかったような…みたいな気持ちにはなった。
村の悪徳村長プレジデントみたいなわかりやすい封建的な暴力だけでなく、それに批判的である顔をして内心では旧式の差別をいつまでも持ち続ける社会への怒り、ということなんだろうなあ、とはわかる。わかるんだけど話の流れ的には急な気がしてしまったのは否めなかったのですね〜。復讐のモチベーションやシチュエーションは激烈だったゆえに余計に。
映像の作り方は結構好きでした。脚高の草原での襲撃シーンなどが印象的で、色合いが美しかった。

 

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Maheshinte Prathikaaram マヘーシュの復讐 (2016)

Directed by Dileesh Pothan  Written by Syam Pushkaran

Starring: Fahadh Faasil, Aparna Balamurari, Anusree, Alencier Ley Lopez, Soubin Shahir, Antony Kochi

マラヤーラム・ニューウェーブを定義する作品…ということで見たかった作品だけどやっと見られて嬉しい。そして素晴らしい映画だった。

プロットは大仰なことが起こる訳でなく、街の小さな写真スタジオを営むマヘーシュの静かな日常が別れや事件を経て変化していくといったゆったりした流れだった。他愛のない出来事の積み重ねだけど街の人々の色々な出来事が重なって、全く関係のないマヘーシュにとっての大事件が起こる、という流れが人生だなあ。

とぼけたコメディを基調としつつも、マヘーシュには恋人や老父に取り残されるんじゃないかという寂しさが漂っていて、それでも新しい出会いと自身の変化に胸を弾ませるのが良かった。

そしてやっぱり泥レスリングは外せないんだな、と笑ってしまいました。Ayyappanum Koshiyumでもそうだったけど、吹っ切れた後なのにやるんだね?!通過儀式みたいな位置付けなんだろうか。

柔らかい光で描く情景ある映像が美しかった。特に雨はテーマらしく、印象的だった。

タイトルロールのファハド・ファーシルは映画の骨格で言わずもがなの力量ですが、お父さんのアントニー・コチがただものじゃないオーラがあった。序盤の夜中に見失った父を見つけた後に寝かしつけた後、心配になって一緒に寝ることにしたマヘーシュが父の指を繋ぐところが切なかったな。

 

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