北海道美術ネット新館

アートの情報や紹介を毎日発信しています

木内克「エーゲ海に捧ぐ」/佐藤忠良「帽子・立像」●旭川の野外彫刻(67)(68)

(承前)

 「旭川の野外彫刻」シリーズは2021年秋、永山地区を巡ったところで中断しています。

h-art.hatenablog.com

 じつは2020年秋に撮った野外彫刻のうち七つの紹介がまだできていません。21年にも旭川の野外彫刻を20以上撮影していますが、こちらはそもそも画像が行方不明になっています。

 とりあえず2025年10月に見た彫刻について書くことにします。

 というのは、このときに旭川市大雪クリスタルホールに行き、三つの作品を見ているのですが、見落とした作品があったのです。

h-art.hatenablog.comh-art.hatenablog.comh-art.hatenablog.com 前回の来訪時は、博物館の反対方向にあった作品に、気付かなかったのかもしれません。

 ただし、次に紹介する木内克きのうちよし(1892~1977)の「エーゲ海ささぐ」については、あさひかわ叢書『あさひかわの彫刻』ではクリスタルホールにあるとは書いておらず、あるいは近年になってから移設したのかもしれません。筆者は昨年、中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館の「木内克の造形世界」展で「エーゲ海に捧ぐ」を見ていますが、旭川市は大小2点の「エーゲ海に捧ぐ」を所有しており、どちらを見たのかわからなくなってきました。

 なお、旭川市は木内克の作品を81点も所蔵しています。

 1972年作。裸婦像です。228×48.5×38センチとかなりの大作です。

 木内は大正年代に渡欧してパリではブールデルに学んでいます。戦後はサンパウロビエンナーレに出品したり、第1回の中原悌二郎賞を受賞したりして、近代日本の彫刻家を代表する一人といってよいでしょう。

 それにしても、従来の裸婦とは相当異なった大胆なデフォルメで、当時は評判を呼んだのではないでしょうか。

 両腕はない立像。両脚をそろえ、背をだいぶそらしています。

 うねる左右の髪は、エーゲ海の波をも表現しているようです。

 なお、版画家の池田満寿夫が書いてベストセラーとなった小説「エーゲ海に捧ぐ」が芥川賞を受賞したのは1977年のことなので、木内克から題を拝借したのだと思われます。世間的には池田満寿夫の小説と映画のほうが有名なので、木内克がなんだか気の毒ではあります。

 

 

 さて、もう1点。結界のずっと奥に佐藤忠良「帽子・立像」がありました。

 こちらは前述の『あさひかわの彫刻』にもクリスタルホールに置いてあると明記してあります。

 1974年作のブロンズ像。148×59×41センチとあり、おそらく台座を省いた大きさでしょう。

 いずれも「野外」彫刻ではないため、「旭川の野外彫刻たんさくマップ」には記されていません。

過去の関連記事へのリンク

木内克「両手をあげる女」=福原記念美術館

木内克「人魚」 旭川の野外彫刻(51)

木内克「母子像」 旭川の野外彫刻(21)

 

佐藤忠良「足を組んで・女」根室市

佐藤忠良「帽子 ’92」「マント 68」 岩見沢の野外彫刻(8)(9)

佐藤忠良? 「澤田清五郎」 (札幌市豊平区平岸)

「わかば」(上川管内東神楽町)

佐藤忠良「若い女・夏」 旭川の野外彫刻(19)

佐藤忠良「若い女」 旭川の野外彫刻(15)  

佐藤忠良「えぞ鹿」 ユカンボシ川河畔公園彫刻広場(2)

佐藤忠良「鎮魂の像」(夕張)

佐藤忠良「鶴」 釧路の野外彫刻(30)  

「気どったポーズ」(網走)

「道東の四季・夏」(釧路)

「女・夏」(札幌芸術の森)

「緑」(新千歳)

 

「島本融氏之像」=北海道銀行コレクション アートギャラリー北海道 北海道銀行創立70周年 道銀文化財団創立30周年

【告知】生誕100年 彫刻家佐藤忠良展 (2013)

生誕100年/追悼 彫刻家・佐藤忠良展-“人間”を探究しつづけた表現者の歩み (2012年)

札幌第二中学の絆展 本郷新・山内壮夫・佐藤忠良・本田明二(2009年)

彫刻家・佐藤忠良さん死去

(この項続く)