(承前)
「旭川の野外彫刻」シリーズは2021年秋、永山地区を巡ったところで中断しています。
じつは2020年秋に撮った野外彫刻のうち七つの紹介がまだできていません。21年にも旭川の野外彫刻を20以上撮影していますが、こちらはそもそも画像が行方不明になっています。
とりあえず2025年10月に見た彫刻について書くことにします。
というのは、このときに旭川市大雪クリスタルホールに行き、三つの作品を見ているのですが、見落とした作品があったのです。
h-art.hatenablog.comh-art.hatenablog.comh-art.hatenablog.com 前回の来訪時は、博物館の反対方向にあった作品に、気付かなかったのかもしれません。
ただし、次に紹介する木内克(1892~1977)の「エーゲ海に捧ぐ」については、あさひかわ叢書『あさひかわの彫刻』ではクリスタルホールにあるとは書いておらず、あるいは近年になってから移設したのかもしれません。筆者は昨年、中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館の「木内克の造形世界」展で「エーゲ海に捧ぐ」を見ていますが、旭川市は大小2点の「エーゲ海に捧ぐ」を所有しており、どちらを見たのかわからなくなってきました。
なお、旭川市は木内克の作品を81点も所蔵しています。

1972年作。裸婦像です。228×48.5×38センチとかなりの大作です。
木内は大正年代に渡欧してパリではブールデルに学んでいます。戦後はサンパウロ・ビエンナーレに出品したり、第1回の中原悌二郎賞を受賞したりして、近代日本の彫刻家を代表する一人といってよいでしょう。

それにしても、従来の裸婦とは相当異なった大胆なデフォルメで、当時は評判を呼んだのではないでしょうか。
両腕はない立像。両脚をそろえ、背をだいぶそらしています。
うねる左右の髪は、エーゲ海の波をも表現しているようです。

なお、版画家の池田満寿夫が書いてベストセラーとなった小説「エーゲ海に捧ぐ」が芥川賞を受賞したのは1977年のことなので、木内克から題を拝借したのだと思われます。世間的には池田満寿夫の小説と映画のほうが有名なので、木内克がなんだか気の毒ではあります。

さて、もう1点。結界のずっと奥に佐藤忠良「帽子・立像」がありました。

こちらは前述の『あさひかわの彫刻』にもクリスタルホールに置いてあると明記してあります。
1974年作のブロンズ像。148×59×41センチとあり、おそらく台座を省いた大きさでしょう。

いずれも「野外」彫刻ではないため、「旭川の野外彫刻たんさくマップ」には記されていません。
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(この項続く)