(承前)
旅のクライマックスは最後にやって来ます。
釧路芸術館で「木村伊兵衛 写真に生きる」展を見て、同展担当の学芸員さんにあいさつして、関連イベントであるスペシャルトークを聴くのです。
芸術館の前にある彫刻作品は、冬の間に磨いたらしく、きれいになっていました。

写真展については、すでに北海道新聞(2025年5月3日)に展評を寄稿しました。
トークは、展覧会監修者の多田亞生さんと、日本を代表する自然写真家のひとりで釧路管内弟子屈町に住む水越武さんによるもの。
多田さんは岩波書店の元編集者で、かつて岩波が、水越さんをはじめ、奈良原一高、ロベール・ドアノー、濱谷浩といった人々の写真集をいろいろと出していたのは、この人の仕事なのでしょう。ただ、この日の話は、固有名詞がぽんぽんと早口で飛び出して、筆者は予習していったからいいものの、他の聴衆に理解されたかどうか、やや心配になりました。
写真展は、各章の冒頭以外に解説文のパネルがほとんどないという、潔いものでした。木村伊兵衛の写真は、難解な現代アートではなく「見ればわかる」ものなので、それもひとつの行き方でしょう。

さて、いよいよ札幌に戻ります。
帰路は、都市間高速バス「釧路特急ニュースター号」に乗ります。
釧路と札幌を結ぶ都市間高速バスは「スターライト釧路号」もあります。こちらは、道東自動車道の延伸に伴って、釧路市内のインターチェンジから高速道に乗るようになり、所要時間も5時間ちょっとにまで短縮されています。
釧路特急ニュースター号は釧路駅前から札幌駅前まで5時間14分かかります。スターライト釧路号との違いは、釧路駅前を出た後に「フィッシャーマンズワーフMOO前」に停車すること。釧路芸術館から、旅の最後にまた駅前まで戻るのはかなり面倒くさそうという理由から、こちらに乗ることにしたのです。
「MOO」内で、ニシンの燻製などをお土産に買いました。
バスは午後5時50分出発です。

ニュースター号は、スターライト号が経由しなくなった国道38号の大楽毛方面を通っていきます。しばらくの間、夕闇に沈んでいく車窓の風景を眺めていました。

道東自動車道のパーキングエリアでトイレ休憩です。
札幌駅前着は23時03分。
これで、春の道東への旅は終わりです。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
個人的には、最近ちょっと釧路方面に行く回数が多い(←カメラを忘れたりしていることもある笑)ので、しばらくは控えることになるかと思います。