北海道美術ネット新館

アートの情報や紹介を毎日発信しています

岡本光博展会場に来てみたら… 2019年秋の旅(74)


(承前)

 岡本光博展の会場のビルはエレベーターがない。
 汗だくになって階段で5階まで上る。

 しかし、5階に着いてから気がついたのだが、個展は金・土・日曜しか開催していないのだった。

 暗闇の中に、岡本さんが、事故現場などに張られることの多い黄色と黒のロープで編み上げた、俗称「トラロープ」が浮かび上がるのが見える。

 やれやれ。

 ガッカリしていたら、たまたま会場の人が通りがかって、筆者のことを気の毒がって
「お見せしましょうか」
と言ってくれた。

 岡本さんの作品は、米軍を皮肉って沖縄で展示拒否された例の「落米のおそれあり」など。
 同時開催の「アストロ温泉」というのが、これまた人を食ったおもしろいもので、光ったり回ったりする、得体の知れない物体が並んでいた。

 せっかく見せてもらったのだからTシャツぐらい買おうかと思ったが、暑さですっかり判断力をやられてしまっていて、そのまま礼を言って会場を出てきてしまった。


 9月末だというのに、どうしてこんな暑いのだ。
 そんななかを1キロ以上も歩いたから、すっかりクタクタになってしまったのだ。
 向こうに駅が見えるが、また乗り継ぎを繰り返すのはゴメンだ…。

 そう思ってタクシーを拾った。
 車内は冷房が効いていて、まるで別天地だ。

 運転手さんはベテラン男性だった。
 北海道から来たと言うと、難しい地名の話で盛り上がった。
 筆者が
「いや~、北海道も難しいけれど、名古屋も御器所とか読めないですよ。鶴舞も、つるまいだったり、つるまだったりするじゃないですか」
などと言っていると
「あれ、いまのところ左折じゃないですか?」。

 会話が弾みすぎて、道を通り過ぎてしまったのだった。

 運転手さんは大いに恐縮して、着く前に、途中でメーターを倒してくれた。

 タクシーを降りた五條橋から、円頓寺商店街のアーケードが見える。

 さあ、夕べ見られなかった分を見なくては。