北海道美術ネット新館

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道外で見た展覧会

続き■Anselm Kiefer “SOLARIS” アンゼルム・キーファー「ソラリス」(2025年3月31日~6月22日、京都)

(承前) ことし5月12日、現代ドイツを代表する画家・美術家の大がかりな個展を京都で見た際の続きです。 1998年に川村記念美術館で見た「アンゼルム・キーファーと80年代美術」展と雑に比較すると 「キーファー、丸くなったというか、成熟したなあ」 というの…

■アンゼルム・キーファー「ソラリス」(2025年3月31日~6月22日、京都)

(承前) 5月12日の続きです。 川崎でドラえもんを見て和んだ後、単身京都までやって来たのは、二条城で開かれていたアンゼルム・キーファー展を見るためだったのです。 それにしても、家族旅行の日程が先に決まっていたとはいえ、なにもわざわざ KYOTOGRAPHIE…

■ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ (2024年9月25日~25年1月19日、東京・六本木)

東京・六本木ヒルズの前にある巨大なクモの彫刻の作者(1911年パリ生まれ、2010年ニューヨークで歿)の大規模な個展(画像関連のクレジットは末尾にあります)。 昨年暮れに急逝した歌手・俳優の中山美穂が生前最後に足を運んだ展覧会だったと事前に知り、また…

2024年を振り返る・道外編

2025年の正月、SNSに流れてきた毎日新聞の「美術・この1年」を読んで 「そうそう、これだよ。こういうちゃんとした回顧ものを読みたかったし、自分も書きたかったんだよ」 という思いを強くしました。 短い行数の中に、たくさんの情報と要素を盛り込みつつ、…

■日本が見たドニ|ドニの見た日本 (2024年8月27日~10月20日、新潟県長岡市)=大地の芸術祭への道(4)

(承前) 午後3時38分、長岡駅に到着。 新幹線と在来線の2回改札口を通ることを知らず、切符が出てきてびっくりしていると、あっという間に切符が機械に回収されてしまいました。駅員に頼んで切符を出してもらいました。 閉館時刻の5時が近づいているし、土地…

■WHAT CAFE EXHIBITION vol.35 (3月22日~4月7日、天王洲)ー2024年春東京(20)

(承前) 今回の上京で達成したかったことのひとつに 「大橋鉄郎作品のハシゴ」 がありました。 新人の登竜門として知られる「VOCA(ヴォーカ)展」に、女性がピースサインを出している絵画(イラストレーション)を出品した札幌の若手大橋鉄郎さんは、別のグ…

川合玉堂が好きです 2024年春東京(18)

(承前。16はこちら) 竹橋の東京国立近代美術館に来るたびに、時間配分に失敗したという実感を抱きます。 特別展を目当てに来るわけですが、その観覧券で帰りに見られる所蔵品展がきわめて充実していて結局時間切れになってしまうことがほとんどだからです。 …

■装画を描くコンペティションVol.22受賞者展 (3月25~31日、東京・青山) 2024年春東京(15)

(承前) そろそろ更新のペースをあげなくては…。 このコンペは「本の装画を自分のイメージで描く。」というのがテーマ。 ギャラリーのサイトによると、審査員は次の4組。 ・アルビレオ (西村真紀子・草苅睦子 / 装丁家・グラフィックデザイナー) ・川名 潤 …

■VOCA展 現代美術の展望─新しい平面の作家たち(3月14~30日、上野) 2024年春東京(10)

(承前) まずは、公式サイトから引用します。 The Vision of Contemporary Artの頭文字をとってVOCA(ヴォーカ)展と呼ばれる本展は、全国の美術館学芸員、研究者などに40歳以下の若手作家の推薦を依頼し、その作家が平面作品の新作を出品するという方法により…

■佐藤直樹「そこで生えている。2024」公開制作展示 (2024年3月22日~5月13日) 2024年春東京(5)

(承前。4月8日に会期終了日を追記しました) このままでは、せっかくの2泊3日なのに初日に足を運んだギャラリーがゼロになってしまう。それは避けたい…。 ということで、遅めの夜8時まであいている「マーチエキュート神田万世橋」の JAPAN ART BRIDGE に行く…

滋賀県へ―2022年4月15、16日は計4カ所(1)

出張でした。 新型コロナウイルスの感染拡大で遠出ができない状態が続いていたので、飛行機に乗ったり、北海道の外に出たりということが、実に2019年秋の旅(リボーンフェスティバルやあいちトリエンナーレなど)以来、ということになります。 半日の会議のた…

岡本光博展会場に来てみたら… 2019年秋の旅(74)

(承前) 岡本光博展の会場のビルはエレベーターがない。 汗だくになって階段で5階まで上る。 しかし、5階に着いてから気がついたのだが、個展は金・土・日曜しか開催していないのだった。 暗闇の中に、岡本さんが、事故現場などに張られることの多い黄色と黒…

フェイクニュース? 展の会田誠作品も見てね 2019年秋の旅(30)

(承前) ところで、森美術館に塩田千春展を見に来た人に強く言っておきたかったことがある。 プラス35分ほど、よけいに時間をみておくように ということである。 塩田展の出口を出た後、さらに 「NAMコレクション」 「NAMスクリーン」 「NAMリサーチ」 という…

続き■塩田千春展ー魂がふるえる (2019年6月20日~10月27日、東京・六本木)。2019年秋の旅(29)

(承前) このインスタレーション「集積―目的地を求めて」も好きなんだよなあ。 ベルリンという、世界からアーティストが集まる大都市を拠点としながら、世界中をまわって発表や制作を続けるこの作家らしい視点。 移動。旅。 あるいは難民。 国境の変更。 流亡…

■塩田千春展ー魂がふるえる (2019年6月20日~10月27日、東京・六本木)。2019年秋の旅(28)

(承前) いまさら筆者が書かなくても、容易には言葉にしづらいタイプの感動を、すでにたくさんの人が得ていることだろう。 圧巻だった。 これほどまでに体を張って自らの「生」に向き合っている美術作家がどれぐらいいるだろうかと思った。 1) 床を見よ 冒頭…

■特別展「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」=東京'18(イ)ー16

(承前) 2月15日以来、約4週間ぶりに「東京'18(イ)」の項の続き。 図録を熟読して仏像などについてくわしく記すつもりでいたが、そんなことをしようとすると、例によっていつまでたっても先に進まないので、とりあえず概略のみ。 筆者は北海道に住んでいる…

■渡邊耕一展 Moving Plants (2018年1月13日~3月25日、銀座)=東京'18-イ(10)

(承前) 道内ではあまり見る機会がないが、近年世界的に現代アートの手法として広く普及しているものに 「リサーチ型」 がある。 筆者はこのタイプの展覧会を見るといつも、夏・冬休みの自由研究を思い出す。決してばかにしているのではなく、写真や映像、パ…

■伊藤隆道「銀座採光」=東京'18-イ(9) 東麻布から銀座へ

(承前) いちばん見たかった個展の会場を、満足しつつ後にして、東麻布の街中を抜ける。 どこかで目にしたことのある店が何軒かあるなあ―と思っていたら、どうやら「アド街ック天国」で流れていたようだ。 全国的な名所ならいざ知らず、非常にローカルな店な…

■川田喜久治写真展 ロス・カプリチョスーインスタグラフィー2017-(2018年1月12日~3月3日、赤羽橋)=東京'18-イ(8)

(承前) 川田喜久治さんは1933年(昭和8年)生まれの写真家。 エージェンシーVIVOを、奈良原一高、東松照明、細江英公氏らとともに発足させた(1959~61)、日本の戦後写真界を代表する一人である。 第12回東川賞を受賞している。 筆者は2009年、今回足を運ん…

■戦前の出版検閲を語る資料展「浮かび上がる検閲の実態」(2018年1月10日〜2月3日、神田小川町)=東京'18-イ(6)

(承前) 用事で神田小川町近辺に行ったあと、また少し時間ができた。 せっかくなので、ツイッターでときどき会話している「Shirosan001」さんからおすすめされていた、古書会館での「浮かび上がる検閲の実態」展をのぞいてみることにした。 美術展ではないが…

■藤本由紀夫「STARS」 (2017年12月2日~18年2月3日、六本木)=東京'18-イ(5)

(承前) 六本木でもう2カ所、Shugo Arts(シュウゴアーツ)と小山登美夫ギャラリーに立ち寄った。いずれも、おなじ「complex666」ビルの中にあり、前項で立ち寄った「ピラミドビル」や、地下鉄の六本木駅に近い。 なかなかしゃれた建物だが、先のWAKO WORKS O…

■ゲルハルト・リヒター “Paiting Works 1992 - 2017” (2017年12月16日~18年1月31日、六本木)=東京'18-イ(4)

(承前) 渋谷を出て、メトロの半蔵門線と都営地下鉄大江戸線を乗り継いで、六本木へ。 リヒターは1932年生まれ、ドイツの画家。 画廊は手前の大きな部屋と奥の小さな部屋からなっており、手前に「abstract paiting」の新作(世界初公開作を含むという)が、奥…

■神聖ローマ皇帝ルドルフ2世の驚異の世界展 (2018年1月6日~3月11日、渋谷)=東京'18-イ(3)

(承前) 昨年話題になったアルチンボルドの、果物を集めて人の顔に見立てた絵が、フライヤーなどのメインビジュアルに使われているけれど、展示されているのは美術品だけではない。1576年から1612年(日本で言えば安土桃山時代から江戸時代初期)に神聖ローマ…

東京2017-3(2)

(承前) 2017年5月11日。 朝6時に家を出て、6時13分に新千歳空港行きの北都バスに乗車。 (自宅から札幌駅までが遠いので最近は快速エアポートはほとんど利用しません) 空港に着いて搭乗手続きをした後、空港内のローソンで美術展のチケットをあらかじめ買い…

2017年5月10日は4カ所 東京2017-3(1)

前回4月の東京行きは、あまりにも下調べに慎重さを欠き、国立新美術館の休館日が火曜日だということを知らずに計画を立てていました。 今回のとんぼ返り日帰り東京ツアーは、前回見ることができなかった同美術館の「草間彌生」と「ミュシャ スラヴ叙事詩」、…

東京2017-2(11) まとめ

(承前。冒頭画像は、東京駅の構内) 「蛍の光」が流れる Bunkamura ザ・ミュージアムを午後7時ちょっと前に出て、まっすぐ渋谷駅へ向かいました。 スクランブル交叉点で写真を撮る時間もなく、山手線と京浜急行を乗り継ぎ羽田空港へ。 その足で搭乗手続きを行…

これぞ暁斎! ゴールドマン コレクション 東京2017-2(10)

(承前) 幕末から明治にかけて活躍した絵師、河鍋暁斎かわなべきょうさいの魅力にはまったのは、2002年、東京・原宿の太田記念美術館が開いた「初公開 イスラエル・ゴールドマンコレクション 河鍋暁斎展」でした。 とりわけ「天竺渡来大評判 象の戯遊たわむれ…

パロディ、二重の声を見て、イラストレーターの生きる道を考えた 東京2017-2(9)

(承前) 更新間隔があいて、申し訳ありません。 冒頭画像。 木村恒久の「ニューヨークの晩鐘」で、1981年の作である。 これを見たとき、ほんとうに驚いた。 2001年の事態をまるで予見しているようではないか。 すぐれた表現は予言になりうるのだと思った。 前…

■パロディ、二重の声―東京2017-2(8)

(承前) ひと言で言うと、大変な「労作」。 この企画力と資料博捜力を目の当たりにすると、道内美術館が企画している展覧会の多くとは、次元が違うとしか言いようがない。 それぐらい、すごい。 パロディーという、これまで展覧会としてはあまり取り上げられ…

■蓬春モダニズムとその展開―創造と変革― 東京2017-2(5)

(承前) さて、神奈川県立近代美術館・葉山まで来たからには、道民としては、立ち寄らないで帰るわけにはいかない施設がすぐ近くにある。 渡島管内福山町(現松前町)出身で、戦前から戦後にかけて日展などで活躍し「新日本画」の担い手といわれた日本画家…