北海道美術ネット新館

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越後妻有・大地の芸術祭2006/2024

ニキータ・カダン「別の場所から来たもの」●大地の芸術祭2024への旅(12)

(承前) 半月ぶりにシリーズ再開です。 信濃川や支流の清津川は幾段もの河岸段丘を作りながら流れており、その段差を超えるときにはカーブが連なる急坂を通らなくてはなりません。 そういう複雑な道を下って、信濃川の本流まで来ると、これまでの中里エリアで…

内海昭子「たくさんの失われた窓のために」●大地の芸術祭2024への旅(11)

(承前) なんの説明も必要ない、ただ、ひたすらに美しい作品。 中里エリアの桔梗原うるおい公園内にあり、番号は「N028」 。2006年の設置。 ところで作品が設置されている「桔梗原うるおい公園」は、その名のとおり、園内に湧水があって、まさに川のはじまる…

カサグランデ&リンターラ建築事務所「ポチョムキン」●大地の芸術祭2024への旅(10)

(承前。末尾に追記あり) 中里エリアの倉俣地区にある「N019」。 カサグランデ&リンターラの作品を見るのは2002年に帯広で開かれた現代アート展「デメーテル」以来で、とても懐かしいです。 ポチョムキン - 作品|大地の芸術祭カサグランテ&リンターラ建築…

「カクラ・クルクル・アット・ツマリ」ダダン・クリスタント(Dadang Chrisutanto / インドネシア、オーストラリア)●大地の芸術祭2024への旅(9)

(承前) 「カクラ・クルクル・アット・ツマリ」ダダン・クリスタント(Dadang Chrisutanto / インドネシア、オーストラリア)は「N056」。 中里エリアの山あいの野外に、2006年に設置されました。 09年、24年に追加され、今回数えたら100本近くが水田のなかを…

足湯と瀬替えとかかし●大地の芸術祭2024への旅(8)

(承前) 「Tunnel of Light(清津峡渓谷トンネル)」の続きです。 Tunnel of Light(清津峡渓谷トンネル) - 主要施設|大地の芸術祭大地の芸術祭 トンネルの手前右手に、カフェや土産物を扱うお店があります。 (左手は渓谷) 作者からすれば、トンネルに入…

Tunnel of Light (マ・ヤンソン/MAD アーキテクツ)●大地の芸術祭2024への旅(7)

(承前) お待たせしました。 8本目でようやっと「越後妻有アートトリエンナーレ大地の芸術祭2024」の紹介に移れます。 最初は、越後湯沢でレンタカーを借りて、山を越えて津南 つ なん町方面に向かう途中にあるこの作品。 土・日・祝日は予約制でなければ入れ…

越後湯沢を拠点にする●大地の芸術祭2024への旅(6)

(承前) 国内最大級のアート・イベント「 越後妻有 (えち ご つ ま り)アートトリエンナーレ 大地の芸術祭」の会場は、新潟県十日町市と津南町です。 越後湯沢(新潟県湯沢町)は会場ではありません。 地図を見るとわかると思いますが、首都圏から鉄路で訪れ…

長岡のバスに乗って●大地の芸術祭2024への旅(5)

(承前) 常設展示は見る時間がありませんでした。 「日本が見たドニ|ドニの見た日本」はすばらしい展示でしたが、なんと、会場には他の客がだれもいませんでした。 すいている美術館は何度も体験していますが、1時間いて最初から最後まで完全にひとりぼっち…

丘珠空港●大地の芸術祭2024への道(1)

(承前) 2024年9月12日。 3泊4日の旅に出発です。 目的地は新潟市ではなく、新潟県の十日町市と津南町です(ただし宿泊は越後湯沢)。 今回、先ごろ北海道の航空便に参入した「トキエア」に乗ってみることにしました。 所有機材はプロペラ機2機のみという新顔で…

18年ぶりに新潟へ●大地の芸術祭2024への旅(0)

(承前) 2006年以来実に18年ぶりに越後妻有アートトリエンナーレ「大地の芸術祭」のため新潟県を訪れています。 このカテゴリーに記事を追加するのも久しぶりです。 06年は、帯広の現代美術家・池田緑さんが出品作家でした。 「ヤナイさん、来ませんか」 と言…

越後妻有から東京を経て札幌に帰る 06夏休み(37)-完結

品川駅の「駅ナカ」のレストラン兼バーのようなところで、しょうが焼き定食を食う。 くたびれていたのか、コップをひっくり返して水をまきちらしてしまう。 店の入り口に求人の紙が貼ってあり、「時給1000円」とあったのにびっくり。東京は景気がいいんだな…

プライスコレクション「若冲と江戸絵画」 06夏休み(36)

とにかくすごい人。「雪舟展」並みの混雑で、非常にくたびれた。 絵の前からぜんぜん人が動こうとしないので、列も前に進まない。 おかげで時間が足りなくなり、せっかく最後に、ライトの方向を変えて屏風などを展示していた興味深いコーナーは駆け足になっ…

花鳥-愛でる心、彩る技 06夏休み(35)

読者の方も、このシリーズがまだつづいていることをお忘れでしょうが(筆者も忘れかけていた)、もうしばらくおつきあいください。 といっても、もう2カ月前のことなので、ほとんどおぼえてません。 東京滞在は、ちまたで話題の伊藤若冲を見るためだけといっ…

越後妻有から東京へ 06夏休み(34)

十日町から乗った特急はくたか7号は満席で、越後湯沢まで立ち通しだった。きょうが8月16日で、1年間でもっとも列車が込む(「混む」は誤用)時季だということをわすれていた。 越後湯沢まではたった24分だからまだしも、そこから東京まで立ちっぱなしではた…

越後妻有交流館・キナーレ 06夏休み(33)

ところが、ガイドブックの地図で見ると駅からすぐにありそうな「キナーレ」は、歩いていくと10分以上かかるのである。これは、札幌でたとえれば、エスタ(ビックカメラ)から京王プラザホテルまでまっすぐ歩くと大した距離ではないのに、線路と平行した道路が…

越後妻有・再び十日町へ 06夏休み(32)

ことしはバスツアーが来ないので、松代商店街としては3年前(前回のトリエンナーレ)よりも客は少ないらしい。それでも池田さんは「東京で個展をやるよりずっとお客さんが多い。こんなにたくさん見に来る人がいるとは思わなかった」と話していた。 今回のトリ…

越後妻有・池田緑さんに会えた 06夏休み(31)

なんとびっくり、会場には池田さんがいらして、作品「家の年輪プロジェクト」の記録のためビデオカメラをまわしていたのだ。 このblogの読者には池田緑さん(帯広)の作品をごらんになった方も多いと思うが、近年は「マスクプロジェクト」と題し、樹木にマスク…

越後妻有・松代のホスピタリティ 06夏休み(30)

松代(まつだい)は、旧宿場町らしい街並みもすてきだったが、ホスピタリティというか、歓迎の心にも、ちょっと感動した。 冒頭の画像は、商店街の一角に設けられた無料休憩所。筆者は、チェックアウト後で重い荷物をかかえていたため、ひとやすみしていたら…

越後妻有・松代の街道沿いに 06夏休み(29)

松代商店街、通称「松之山街道」の続き。古い家と街並みがすきな筆者は、もう大喜びである。冒頭の画像はお茶屋さん。渋いなあ。 つぎは肉屋さん。 自動車交通が国道に回ってしまったこともあるし、たたんでしまった店も散見され、「活気あふれる」とまでは…

越後妻有・松代へ 06夏休み(28)

明けて8月16日。東京を経て札幌に帰る日。その前に、越後妻有アートトリエンナーレで、見に行かなくてはいけないところがある。 きょうも晴れて、暑い日になりそうな気配だ。 前日のバスツアーで立ち寄るものとばかり思っていた松代(まつだい)地区。けっき…

十日町の夜・続き 06夏休み(27)

昼は「越後妻有(つまり)アートトリエンナーレ 大地の芸術祭」でたっぷり美術鑑賞、夜はうまい地酒を飲んで地元の人と会話を楽しみ、すっかり良い心持になった筆者は、酔いざましもかねて、夜の十日町をぶらぶらと散歩した。 ふと思い立って、今回のトリエ…

十日町の夜 06夏休み(26)

8月15日に新潟県十日町市などで見た越後妻有(つまり)アートトリエンナーレ大地の芸術祭の感想を延々と書いているわけだが、35度の猛暑の中でたっぷり美術鑑賞を堪能したあとで考えることは、ひとつしかない。つまり、うまいビールが飲みたい、である。ホテ…

越後妻有トリエンナーレを考える・続き 06夏休み(25)

(承前)もっとも、アートに、高齢化や交付税削減などによって元気のない地方経済を、ほんとうに浮揚させる力があるのかどうかは、専門家でない筆者にはわからない。冒頭の画像は、十日町の中心商店街にあった「娯楽会館」跡の廃墟だ。 中心商店街は、駅通り…

越後妻有アートトリエンナーレを考える 06夏休み(24)

画像は、松代・農舞台の裏山にある、田中信太郎「○△□の塔と赤とんぼ」。高さ14メートルという。地元の「こへび隊」の人が言う。 「第1回のころは、トリエンナーレ反対派の急先鋒の人が『赤トンボはあんな風に飛ばない。撤去すべきだ』と主張してたんですよ。…

越後妻有・十日町に戻る 06夏休み(23)

バスは午後6時過ぎ、出発地の十日町駅前にもどってきた。おつかれさま~。 重たい荷物を持って、駅徒歩6分のところにある、妙な名前のビジネスホテル「むかでや」へ行き、チェックイン。 6階建てのホテルといっても、耳の遠いおばあさんがひとりでフロントに…

越後妻有・菊池歩「こころの花」 06夏休み(22)

日が傾き、バスツアーもいよいよ最終盤。最後の目的地は、口コミで評判がひろがり、途中からツアーに組み込まれることになったという、十日町・中平地区の菊池歩(あゆみ)「こころの花」。ビーズでつくった花がブナ林に広がるという、美しい作品だ。 上遠野…

越後妻有・松代農舞台 06夏休み(21)

この農舞台の建築も、2003年の作品ということらしい。筆者は「機動戦士ガンダム」に登場するホワイトベースを思い出してしまった。 前項で述べたように、この中にも多くの作品が設置されているほか、レストランも併設されている。 筆者はまったくノーマーク…

越後妻有・松代城山の一部 06夏休み(20)

バスは、北越急行(ほくほく線)の松代(まつだい)駅に隣接する「まつだい雪国農耕文化村センター・農舞台」に到着。ここで25分ほど休憩し、施設の内外に展示された作品を鑑賞したり、お土産を買ったりする時間となった。しかし、「北海道美術ネット」とし…

越後妻有・儀明の中村敬作品 06夏休み(19)

バスはさらに旧松代(まつだい)町の細く曲がりくねった道を走り、山あいの儀明(ぎめい)集落へ。ここに、わらぶきではなく青のトタン屋根なのですが、なんともいい感じの、小樽にでもありそうな、大きな構えの木造住宅があり、内部が丸ごと作品になってい…

越後妻有・莇平の日比野克彦作品 06夏休み(18)

バスは、ヘアピンカーブが連続するせまい道を越えて、旧松代(まつだい)町の莇平(あざみひら)集落にある「明後日新聞社」に到着。ここは、有名な日比野克彦さんが廃校跡の校舎を利用して、週刊の「明後日新聞」を発行したり、ワークショップをひらいたり…