つれづれ読書録
来年の全国の美術展が紹介されているムックの「日経おとなのOFF」「美術展ぴあ」と月刊誌「芸術新潮」12月号を、本屋さんの店先で見比べてみて、「日経おとなのOFF」(日経トレンディ別冊)を買ってきました。 税込み980円で、壁掛けカレンダー、80の展覧会日…
「美術の窓」(生活の友社)12月号は毎年、翌年に全国で開かれる展覧会の予告特集を組んでいます。表紙にも「圧倒的情報量」という活字が躍っています。さっそく買い求めて、道内でどんな美術展が予定されているかチェックしようとしたら…。 なんと! 道内関連の…
北見市の中心部からそれほど遠くない高台にある、木の濃い緑に囲まれた伊藤せいちさんの家におじゃましたことがある。 伊藤さんは資料に囲まれて、柔和な笑みをたたえながらお話をされていたように思うが、それももう30年以上昔のことなので、後から補正され…
伊江島は沖縄本島の近く、北西の海に浮かぶ島である。島の3割以上を米軍基地で占められていることは知っていたが、これほどひどいいきさつがあったとは、恥ずかしながら不勉強で分かっていなかった。 筆者は結局、上川管内東川町文化ギャラリーで1度、札幌市…
(長文です) 1 詩人と彫刻家 荒地派の詩人北村太郎が戦争直後の1947年に書いた「空白はあったか」という時評がある。いま手元に文章が見当たらないので記憶に頼って書くのだが、要するに、先輩詩人が座談会で先の大戦中のことを「空白」と形容していたことを…
ことし1年に読み終えた本は65冊。 2023年の107冊に比べ40冊以上も減り、かなり少ない年になってしまいました。 「あれっ、ヤナイさん、仕事やめて時間できたんじゃないの?」 と言われたら、返すことばがありません。 2025年はもっと本を読み、どしどし勉強…
(承前) 2016年に『若い詩人の肖像』などを読んだ頃から、「幽鬼の街」に描写された小樽巡りをしてみたいと思っていた筆者。 まさに自分の関心にどんぴしゃりな企画展で、文学館と博物館の合同企画でもあり、シンポジウムなども開かれていたのですが、あまり…
札幌国際芸術祭SIAF2024の未来劇場(東1丁目劇場施設)の地下で美しいガラス作品が展示されている青木美歌さん。 彼女が生前の2021年春(と奥付に記してある)に出した作品写真集が、札幌市資料館(中央区大通西13)のSIAF ラウンジで販売されています。 2006年か…
先日、北海道新聞本社北1条館1階の「DO-BOX」で、出版関係部門による、展示品・訳あり品などの即売会がありました。 1冊200円という安さに目がくらみ、写真集など15冊を買ってきました。 北海道新聞社はアート関係の本もけっこう出版していますが、ここでは…
後志管内余市町出身の詩人左川ちか(1911~1936年)。 正直なところ、以前はアンソロジーなどには採録されてはいても一般的な知名度は高くなく、筆者も 「伊藤整の友人の妹」 ぐらいの認識でした。 それが、ここ数年の評価の高まりといったら、どうでしょう…
ことし読んだ書物は107冊。 2018年あたりだと年35冊などひどい年もあるので、それに比べればマシですが、仕事絡みの本が大半で、自分が読みたいアート関係の書籍がほとんど積ん読になっています。 おもしろかった本をざっと挙げていきます。 「笛吹き男」の…
月刊誌「美術の窓」恒例の、年間展覧会特集号を買ってきました。 しかし「圧倒的情報量」をうたっている割には、取り上げられている展覧会は106。 昨年の200、一昨年の300に比べると少なすぎます。 和歌山県立美術館の学芸員もツイッター(X)で嘆いていまし…
表題の展覧会(英語名は「KAWAMATA TADASHI Apartment Project 1982-86」)は2023年7月7日(金)から9月7日(木)まで、東京都江東区の竹中工務店東京本店にあるギャラリー エー クワッドで開かれた(つまり、このテキストを書いている時点ではまだ会期中である…
「労文協」という団体があります。 もとは、日本最大の労働組合の集合体だった「総評(日本労働組合総評議会)」の肝いりで1955年、進歩派文化人や働く人々が「国民文化会議」を旗揚げし(代表は日高六郎)、その道内版として72年に「北海道労働文化協会」、…
意外な方面から野外彫刻の本が出ました。 これまでの彫刻の本というと、マッスがどうのボリュームがどうのと論じたり、作者について書いたりする専門家向けの批評が多く、そこに歴史や社会の視点を持ち込んだ斬新な切り口の文筆を展開している代表的な書き手…
昨年の今ごろは 「オラオラ、おまえら、来年はフェルメール様が北海道に上陸するんだぞ! 『美術の窓』誌を買って、この目で確認せんかい」 というようなノリでしたが、今年の「美術の窓」12月号、恒例の美術展特集には、それに匹敵するような展覧会情報は残…
この1週間余り、なんだかやたらと本を買っています。 きっかけは卯城竜太著『活動芸術論』のまえがきを読んで、赤瀬川原平『反芸術アンパン』(旧名『もはやアクションあるのみ!』)を読みたいなと思って書棚を見たら、おなじ著者の『東京ミキサー計画』はあ…
おもしろかったです。 十数年前、東京で雪舟展を見ましたが、その前に読んでおきたかったです。 雪舟といえば、言わずと知れた室町時代の画僧で、日本水墨画の最高峰とされる人です。 ただ国宝「秋冬山水図」などが名高いものの、その伝記的生涯についてはか…
前作の写真集「カムイの大地 北海道・新風景」出版とそれを記念した写真展の開催から3年。 野生生物を主なモティーフにした写真集が北海道新聞社から出版されました(奥付は3月26日)。 3千円プラス税。計101点のカラー写真を収録しています。 前作と最も異な…
※9日、タイトルを少し変えました 「ことしはどんな展覧会があるのかな」 と楽しみに買うことの多い月刊誌「美術の窓」(生活の友社)恒例の特集号は、2021年版までは1月号で、さらにそれ以前は2月号だったのですが、さらに1カ月繰り上がりました。 「来年はど…
『北海道美術史』は1970年に道立美術館から出版されました。筆者は調べ物などで拾い読みをしたことはあるものの、恥ずかしながらこれまで通読したことがありませんでした。 古書店の店頭で見ると1万~1万5千円前後の値がつけられており、手が出なかったので…
アートを題材にした小説で人気の原田マハさんが、印象派を代表するフランスの画家について易しく解説した一冊。 すでに先行書はたくさんあるものの、日本を代表する舞踏家大野一雄とのかかわりや、モネの足跡を追って旅した際の印象など、他の書き手にはない…
絵画や現代アートの批評書は大量に出版されていますが、書道の評論の本は少なく、そのうちのかなりの部分が中国や日本の書の歴史にまつわるもので、現代の日本の書について論じた書物は大きな書店に行ってもごくわずかなのが実情です。 佐藤庫之介さんは札幌…
画家の富山妙子さんが99歳で亡くなり、8月19日の新聞各紙が伝えました。 参考までに北海道新聞に載った共同通信の死亡記事を末尾に転載しておきます。 富山さんに対する関心は近年高まっており、2016年には埼玉県の原爆の図美術館で個展が開かれたのをはじめ…
月刊「美術の窓」の5月号は恒例の「新人大図鑑」特集ですが、本屋さんに行くともう6月号の季節になっていたので、地元の本屋さんで取り寄せることにしました。 北海道出身者を探すのが目的です。 今年も 「注目の若手アーティストに訊く!」 「編集部が選ぶ…
札幌のTO OV cafe / gallery(ト・オン・カフェ) で8月1日まで開かれている白濱雅也さんの原画展で、「Star & Gold(スターとゴールド どうしていいかわからない)」を買って読んでみました。 分類すると「絵本」ということになるのでしょうが、物語の展開…
美術館や博物館に行くのが好きな人は多いでしょうが、それはみな、展示されている物に興味があるからだと思っていました。でも、こんな楽しみ方もあるんですね。 ミュージアムショップなどで販売している数々のグッズを、長く愛好・研究している北海道在住の…
「もっともしたしまれているカメラ雑誌」 というキャッチフレーズを掲げ、1950年以来刊行を続けてきた月刊誌「日本カメラ」が5月号で休刊し、会社を清算するということを知り、あわてて本屋に行ってきました。 4月号をめくると、月例写真コンテストへの挑戦…
そのものずばりの書名で、帯の文も 「人種差別の根源をキリスト教美術に探る」 と分かりやすいです。 米国で Blacks Lives Matter が浮上しているなど差別の問題の根深さが明らかになっているいま、タイムリーな出版だと思います。 目次は次の通り。 第1章 …
深瀬昌久(1934~2012)は、上川管内美深町生まれの写真家。 自分の家族の中に外部の人を入れて定期的に撮ったシリーズや、鬼気迫る「鴉」のシリーズなどを撮り、1992年に東川賞を受賞。同年、東京・新宿の行きつけのバーの階段から転落して脳挫傷を負い、その…