毎朝自転車通勤時に正面に見える伊吹山だけど、世界山岳観測史上最深積雪の1182㎝を昭和2年に記録しているとのコトを聞いて‥
ふ~ん?でも季節風のもろ当たるハゲ山の伊吹山の山頂でぇ~?ホントぉ~?
って流れ‥。何かの間違いだと思っていたけど、ちゃんとした測候所職員さんが残した記録だそうな‥。以降、数字だけが独り歩き続けている。

最初は検索で情報を集めていたのだけど、気象観測を生業としている彦根地方気象台伊吹山測候所の職員さんが業務として観測したと言うコト。
観測した数値は前回の『1927( 昭和2)年2月14日11.82m積雪観測の伊吹山測候所を検証?【観測データ編】』に集めてみたけど、数値しか見えてこないのでナニか観測者の手記とか生の日記みたいなモノがないかと‥検索して国会図書館と滋賀県立図書館に蔵書があるとのコトで、閲覧しに行こうと思って電話したら‥「お近くの図書館に申請すれば取り寄せられますよっ!」ってアドバイスを戴いて岐阜市の図書館から依頼してみた。
地元の米原市の観光冊子に伊吹山のシカによる植物の食害によるとされる裸地化を啓蒙している記事内に積雪量11m82cmの世界記録のひとコマのマンガがあるよ‥
厳冬期の山頂の祠の写真だけど、季節風の影響でいわゆる『エビの尻尾』が発達しているよね?風の強い証拠だよね。風が強くて積雪が飛ばされて祠も露出しているし、冬山の山頂や稜線じゃ当たり前の光景だよね‥
伊吹山測候所の記録文書を見ればその辺りの謎が判ればいいのだけどね‥それともまだ存命な職員さんにアプローチしてヒヤリングした方が早いかもね‥

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メガネのセンセイは「世界一の記録があるのよ、すごいでしょ!」って言ってるけど‥
お上の発表をそのまま受け売りで‥すごいって言われても‥ね?
でも、伊吹山測候所職員がわざわざ虚偽記録を残すとも思えないし、たまたま竿を立てたトコが吹き溜まりだったってコトなのかな?判ってれば観測場所変えればよかったと思うけどね‥

【絵ハガキ時空散歩】神話に伝わる「伊吹山」山頂に設置された測候所 - 産経ニュース
初冠雪とかソメイヨシノの開花発表とか気象台の職員さんが観測しないと記録にならないにしても、気象庁発表に飼い馴らされていると思わない?
実際に観測したコト確かなんだろうけど、チョッとというか明らかに引っ掛かる感じするよネ?若狭湾と琵琶湖経由の季節風がもろ当たる禿山の山頂に積雪11m82㎝だなんて‥
地元の米原市はもちろん、伊吹山の紹介には必ず『積雪深11m82㎝の世界記録』が付いて回るけど、数字だけひとり歩きしてソレがナニを意味しているかなんて考えられてないみたいだよネ‥
で、申請から1ヶ月くらいして岐阜市の図書館から連絡があり届いたとのコト‥貸出期間は他の貸本と同じく2週間で延長は出来ないとか‥。さっそく取りに行く‥楽しみっ

左:伊吹山の気象 彦根地方気象台編集 2002年(平成14年)
右:伊吹山測候所気象70年誌 彦根地方気象台伊吹山測候所編集 1990年(平成2年)
さっそく『伊吹山の気象』から関連のトコを抜粋っ!
1919年(大正8年)8月1日:山頂に設置された伊吹山観測所が気象観測を開始。
1927年(昭和2年)2月14日:昭和2年豪雪により11.82mの積雪量が観測され、世界山岳気象観測史上1位となる。
1929年(昭和4年)5月1日:山頂の観測所が国営の気象庁付属伊吹山測候所となる。
1965年(昭和40年)7月1日:伊吹山ドライブウェイが全線の供用を開始し、以降はマイカー利用による観光客が増加する。
2001年(平成13年)3月31日:伊吹山測候所の観測が終了(跡地は2010年に撤去されて更地化された)。
以上《参考:Wikipedia》

2伊吹山の積雪記録
伊吹山の積雪記録には、世界山岳観測史上最深積雪世界一という記録があります。
昭和2年(1927年)2月14日、伊吹山頂で記録した最深積雪11m82㎝で、この時は、伊吹山山頂では5m以上の積雪が5ヶ月、10m以上の積雪が2ヶ月続きました。最近では56豪雪(1981年)に8m20㎝を記録しています。
この時は、大雪のため山頂に勤務している気象台職員の交代ができずヘリコプターを使用して実施しました。※5ヶ月(12,1,2,3,4月)※※2ヶ月(1,2月)

写真1は航空機からの撮影です。昭和56年1月23日はヘリコプターによる交代となり、その時に撮影されたものです。この日の最深積雪は、717㎝です。1月の最深積雪は14日に820㎝を記録し、1月13日の交替予定が23日まで延期になりました。
山頂の積雪観測場所は、庁舎の北西側に20mほど離れた所です。写真に示した所に棒が立っています。この棒は積雪が増えていくに従って継ぎ足しています。

記録的な大雪
昭和2年(1927年)2月14日に記録した日最深積雪1182㎝は、世界山岳観測の第一位となりました。
この積雪の様子を昭和56年(1981年)の大雪(820㎝)の記録写真から再現してみました。当時の観測者がみた山頂の風景を想像してみて下さい。
この写真は、積雪棒の辺りから庁舎を写した写真です。
積雪面は庁舎に向かって登るように傾いています。
庁舎の西端にある窓際の雪面が、約4m高くなった場合の積雪面を点線で示しました。
※ここで判るのは、積雪深観測地点は庁舎から北西に20mほど離れてさらに下ったところとのコト‥。庁舎は山頂にある。820cm積雪があっても庁舎の1階は積雪では埋まりきっていない。塔の頂上階が3階とのコト。次の『70年誌』にこの56年同日の別の写真がある。
『伊吹山の気象』には観測員の手記は冬季の交代の御苦労とか雪庇雪崩に伴う遭難記録等々で‥実際に積雪深を計る竹竿の継ぎ足しに関する記述とか期待したけど何もなかったな‥
昭和56年豪雪時の上記の写真にしても、観測場所で8m以上あっても山頂に位置する測候所の1階部分は雪が吹き飛ばされているのか露出しているのが判るものね‥。11m82㎝の雪はいずこって感じだよね‥。
記録を残した職員サンも写真に点線を引きながら矛盾に感じなかったのかな?それとも既に発表してしまった数字がひとり歩きしていて困惑していたり‥知らんけど‥
引き続き『伊吹山測候所気象70年誌』
アナログの『ほんをかえすひ』が懐かしいね。

伊吹山測候所庁舎
大正7年12月
建設された山頂庁舎
木造平屋建一部石造2階建
(建坪19坪)
※1919年(大正8年)8月1日
昭和10年12月
建て替えされた2代目庁舎
鉄筋コンクリート平屋建
一部3階塔屋付
(建坪24坪)
昭和54年10月
改築された3代目庁舎(現)
軽量鉄骨特殊合板張平屋建
一部3階塔屋付
(庁舎面積303m2)
※2001年(平成13年)3月31日:伊吹山測候所の観測が終了(跡地は2010年に撤去されて更地化された)
※山小屋の集まる辺りの裏からの写真。測候所との間に凹地が横たわる。この凹地に積雪深の観測場所があったと思われる。って見えてるのではないかな?

※2代目測候所と思われる。

雪庇崩壊による踏み抜き等の遭難防止のためにフェンスが山頂部に張られている。雪庇が発達するのも季節風の影響をもろに受けている証拠でもある。

56豪雪(昭和56年1月23日)へりによる交替。
昭和55年12月末から降りつづいた大雪のため山頂の積雪820㎝に達する。新雪なだれ等の危険から登頂困難。寸時の晴れ間にヘリより交替を実施した。(朝日新聞社提供)

雪面に皺が寄るのは強風の証拠。強風時には雪は積もらず飛ばされてしまうのが通常。

湿度の高い季節風の影響で着氷が物凄い。

全体的に積雪量は減っている。地球規模の温暖化のせいなのか?

1927年(昭和2年豪雪)1923年(大正12年)1945年(昭和20年)1981年(昭和56年豪雪)1975年(昭和50年)1953年(昭和28年)に7~9mの積雪が記録されている。
よく聴く1963年(昭和38年)の三八豪雪時は1月2月3月で6m7m6mの積雪を記録している。

56年豪雪(1981年)時に交代要員が登れないためにヘリによる交代時の写真だって。当日は717㎝なんだけど、測候所の1階は雪で隠れてないよネ。
測候所の北西20mの位置に積雪深を計る地点があると書いてあったから、アレが観測地点だね‥。1,182㎝まであと465㎝で世界記録なんだよね‥
ちょっとイメージと違うけど、あの地点で既に717㎝の積雪があるってコトなんだね‥なんだかな‥

もう一度写真に1927年の1,182cmラインを測候所の階を目安に線を引いてみたよ。1階あたり3.5m換算で3.4階位かな?チョッと考えられないというか、気象の常識的には積雪だよね‥
56豪雪の7.17m積雪深だって、この朝日新聞社の写真では観測竹竿が7.17m埋もれた高さが測候所の地盤面と同じくらいの高さに見えるよね?
要は竹竿を立てる観測地点がその位低いってコトだよね‥ソレってナンだろ?吹き溜まりというか凹地だしね‥なんだかな‥

続いて‥近江気象歳時記 武田栄夫 著 サンブライト出版 1980年(昭和55年)
※山頂山小屋群は積雪で埋まることはないだろうね。

つまり、雪雲は若狭湾から野坂山地を越えて、湖国に進入してくる。<中略> 北西風のとき、湖国、特に湖北は、雪の通り道であることがよくわかる。


※ここでも世界の山岳で観測された最深の記録とある‥


滋賀を科学する―県彦根測候所のはじまり― 滋賀県立公文書館

滋賀を科学する―県彦根測候所のはじまり―
最初は山頂で風で雪が吹き飛ばされて11mなんて積雪なんて吹き溜まりでもなければ無理だろう‥って思ってたけど‥どうも本当らしいね‥
でも、山頂だって広そうだしそれなりに深いトコや地面が露出しているトコとかあるんじゃないかな?まぁ、現地に冬に行ってみないと始まらないよね‥関西のスキー発祥の地なんだよね‥
夏道での登山は土砂崩れとかが理由で車道を利用しない山登りが出来ないんだよね‥それにしても山頂で10mオーバーの積雪なんてコレだけ記録を見ても眉唾なんだよね‥知らんけど‥

地理院地図の3D表現で伊吹山山頂部駐車場から西登山道を経て山頂へ‥

山頂の山小屋群と一等三角点のあたりにかつての測候所がある。積雪深の観測地点は真ん中くらいかな?
【まとめ】
積雪期の登山をしたことのあるヒトなら‥こんな認識はないだろけど‥
一般的なヒトの伊吹山の山頂で観測された山岳の積雪深世界記録1,182cmのイメージってこんな感じなのだろうか‥?



例えば山頂の山小屋5軒の辺り、完全に埋もれている。
ホントなら小屋は潰れているだろう。
3代目の測候所が1,182cm埋もれた図
雪庇になるだろうからかなり無理がある
山頂一帯が11mほどの雪にすっぽり覆われたイメージ‥だけどどう思う?平地じゃないんだから静かに深シンシンと雪が降り積もるんじゃないんだけどね‥
『伊吹山の世界記録』って数字が独り歩きしているけど、チョッとホントか?って感じて欲しいかな?
数字を受け入れる前に少しその景色を想像することが必要だよね‥知らんけど‥
