Zoom読書会 2025.10.24
【テキスト】「理解」(『あなたの人生の物語』より)テッド・チャン、公手成幸訳(早川書房)
【参加人数】出席6名
※今回はLINE通話を利用しました。
<推薦の理由(参加者A)>
◆推薦したのは、基本的にテッド・チャンが好きだから。好きだけど、わかるかと言えばわからないままで読んでいる。その上で好き。
◆「理解」をテキストにしたのはシンプルに好みだから。皆さんがどんなふうに読まれるのか、多くのことを伺えると思った。私がどういうふうに楽しんだかは後ほど。
<参加者B>
「バビロンの塔」
◆私の理解力が足りないため、バビロンの塔が地表の上で建築されたのか、それとも地下の閉鎖空間の中で建築されていったのか、いまいちわからなかった。
◆ただ、自分達が目指していた目標に達成したとき、再びスタート地点に戻るという物語は示唆的だと感じた。
「理解」
◆自身の肉体と精神、ありのままの自身を認識することで超常現象レベルの能力を得た男が主人公。実質的な超能力バトルにまで発展する、なんだか不思議な物語だった。自己理解を深めることでパフォーマンスを上げて、選択と集中ができるようになることは大事なのだろうけど、なんだかシュールではあった。ある種、科学的でスピリチュアル、ファジーなところのある内容。
◆最後の「理解」の文字の意図がわからずじまいだった。
「ゼロで割る」
◆何やら、陰謀論に目覚めてしまって暴走し、関係が解体されていく人々のようだった。数学がよくわからない文系の私にはキツすぎる。
「あなたの人生の物語」
◆カート・ヴォネガット・ジュニアの『タイタンの妖女』(ハヤカワ文庫 SF)に似た物語とも思えた。
『タイタンの妖女』は、定められた運命に抗おうともがく男が、最終的に運命に服従する物語(だったような?)、「あなたの人生の物語」は、知覚してしまった未来に従って人生を全うする主人公の物語だったが。
◆一つの物語に二つのストーリーラインがあって、「~でしょう」という文句がある通り、物語の比較的序盤で「タコ型宇宙人から何かしら叡智を授かるんだろうな」という予想はついた。しかし、25歳で亡くなる娘と共に生きるため彼女が下した決断は、前向きだが、切ない。
「七十二文字」
◆個人的に一番好きな短編だった。「スチームパンク的な、錬金術やオートマトンを混ぜ合わせたイギリス」という世界観とアトモスフィアは大好物で、つくづく自分のガキっぽさを自覚してしまうのだが、この短編を長編として読みたいぐらいに好きではあった。
◆ただ、主人公の思想を実現した場合、マルクスの『資本論』に基づくと、産業革命が起こると同時にほぼ絶対的な所得格差が生まれる可能性が高い。人間の存在意義を問いかける危うさがあるように感じる。仕事は一人一人のアイデンティティにも関わるものだから、未来は波乱に満ち溢れていそうである。
「人類科学の進化」
◆何というか、人類と超人類の違いについて、「凡人」と「天才」の違い以上の差違を感じなかった。
「地獄とは神の不在なり」
◆神はメンヘラあたおかクソ野郎。
「顔の美醜について――ドキュメンタリー」
◆P442「成熟とは差違を見極めた上で、だが、それは重要でないとさとることなんだ。そこにはテクノロジーの近道なんてないよ。」素晴らしい言葉なので引用した。
◆個人的には一番興味深い内容で、容姿やノンバーバルコミュニケーションを機械によって別のものに見せることができたとき、容姿によって得られる恩恵や損失を差し引いてデフォルトにすることができるのか。
◆現在、美容整形をある種のステータスとして捉える層がいて、また、男性も身だしなみの一環として化粧をするべきという意見が増えている中で、この短編は予見的な内容であるように感じた。
<参加者C>
◆今日から読み始めたので「理解」しか読み切れていない。不真面目で申し訳ない。「あなたの人生の物語」は最初だけ読んだ。面白そうだと思ったが、最後まで読んでいないので感想を言える段階ではない。
「理解」
◆正直言って、よくわからないところもたくさんあった。高度な知能からは世界や物事がどう見えるのか、みたいなことを試す作品なのだろうか。
いろいろごちゃごちゃと書かれている。掘り下げて読もうかとも思ったがメモを取れなかったので流し読みしてしまった。
◆同意できるのは言語の部分。「在来の言語では限界があるので新たに言語を作る」というのは私が普段考えていることと通じる。言語以外でも、世界の見え方をどういうふうに掘り下げていけるのかが見えた。
◆文章も結構まとまっており、うまい翻訳。読める文章。よく読んだら何のことかわからないんだけど。翻訳がぐちゃぐちゃだと、なおわからないだろうな。結構それらしく読めてしまった理由はそのあたりかな。
◆作品の半分くらいが表明になっている。たぶん作者はそれを言いたかったのだろう。だからこそ物語の部分が物足りない。CIAに利用されるからどうのこうのと逃げまくる場面、ラストで正反対の考えの持ち主と対決する場面など、物語として取り上げると物足りない。言いたいことと物語を混ぜながら作ったのだろうが、そのあたりが物足りない。(物語を入れないと一般読者には通じないのか?)
◆人間の能力は潜在的に秘められているものなのか、現実にはわかっていない。この作品の中では副作用によって掘り起こされたが、人間にはこれほどの能力はないのでは。その辺はいかにもSF。
◆面白くなくはないが、もう少し書きようがあったのでは、というのが率直な感想。
<参加者D>
◆全作品読んだ。面白かった。この文庫が発行されたのは2003年。読書会でSFを取り上げるたびに言っているが(Zoom読書会の『すばらしい新世界』、『華氏451度』、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』、R読書会の『1984年』など)、今のことが書かれているみたいだと思った。
◆テキストの「理解」。どう転がるんだろうと最後まで興味を持って読み進められた。超人的な力を持った主人公から見た世界を描く作品だと思っていたので、主人公と同じような超人が出てきたのが意外だった。
20年ほど前に推薦者のAさんが書かれた小説を思い出した。設定やストーリーは全然違うのだが、雰囲気などが近い気がする。
◆一番好きなのは「あなたの人生の物語」。途中で「そうだろうな」とわかるんだけど最後まで読んでしまう。娘の人生の終わりはわかっているけれど、その運命ごと愛する、母親の愛情を感じた。
◆「顔の美醜について――ドキュメンタリー」も面白かった。ルッキズムと言われるかもしれないが、イケメンだと腹の立つことをされても割と許せるので、全員美しく見えるシステムにすればいいのに(笑)。
<参加者E>
◆既読ではあるが時間が経っているため感触としては初読に近い。時間的に厳しかったので課題である「理解」に限定して読んだ。「バビロンの塔」も古代っぽく、ロマンがあっていい。
「理解」
◆色々な作品において、言語による思考能力の限界と拡張みたいな話は扱われている。
もっと効率よく遣り取りしようとすると、シンプルなセンテンスで凝縮した、AIやプログラミング言語などに近いものになるのだろう。新たな視点を作ろうというSFらしさを感じる。ある種の言語哲学が出てくるのが面白い。
「思考能力は使用する文法体系に依存する」……古いが、よく言われている。そこを物語中で弄り回してメタ的な視点に立つところに独自性が出ていた。
◆P95「全篇が完成すれば、パウンドの『詩篇』によって多重化された『フィネガンズ・ウェイク』と見なされるものになるかもしれない。」
パウンドとはエズラ・パウンド。パウンドの詩は英語と漢字のコラボにより、深い意味を表そうとしている実験的な作品である。
同じく言及されている『フィネガンズ・ウェイク』はジェイムズ・ジョイスによる小説(日本では河出書房新社から発刊)。読めたら正気とは思えないような変な英語で書かれた本。達観ゆえによくわからない。
◆主人公は、バベルの塔を築こうとした人々のように神の領域へ至ることを目指し、最終的にSF的な戦いになる。
主人公たちは神のような思考を持ち、冷徹に見えるが、物語の最後で人間愛みたいなものに行きつくのは作者の良心だろうか。最後の戦いの舞台はフィラデルフィア。フィラデルフィアとはギリシア語で「兄弟愛」を意味する。そこにブラザーフッドが垣間見える。
<参加者F>
◆読んでいたけど忘れていた。読み返せたのが最初の4作(「バビロンの塔」、「理解」、「ゼロで割る」、「あなたの人生の物語」)。「七十二文字」の途中で力尽きた。「あなたの人生の物語」は結末だけ覚えていた。大筋は知っているから、テーマに沿った読書体験ができた。
「理解」
◆冲方丁や野﨑まどに影響を与えているのではと感じた。
◆言語や戦後哲学の理解が捗った。
◆対国家から能力バトルに収束させる技量の高さ。主人公が負けたら、これ以上書かなくていい。巧いまとめ方。構想力、プロットのまとめ方がよい。
◆人力でシンギュラリティを起こす話。主人公は知能に乗っ取られているように見え、元の人格がない。自分で「こうなりたい」とは思わないのでは。
知能が人間に寄生している何かに思えるが、それでも賢くはなりたいと願ってしまう。
<参加者A(推薦者)>
◆短編集の中で何を課題にするかと考えて、なぜ「理解」にしたのだろうとは自分でも思う。
私が一番好きなのは「七十二文字」だが、掘り下げにくいから外した。読書会向きなのは「あなたの人生の物語」か「顔の美醜について――ドキュメンタリー」。でも前者は別の読書会で取り上げたのでやめた。
「理解」
◆人間は言語以外で思考することができないから、言語が能力のボトルネックになっていると、主人公は新しい言語を開発して能力を拡張する。
「あなたの人生の物語」でも、エイリアンの言語を習得して時間の見え方が変わる過程を描いている。
◆作者のテッド・チャンは、めちゃ賢い。私にとって神。
でも主人公であるレオン・グレコは作者より賢い。自分より賢い人間を書くという部分をどうやって処理しているのか、テクニック的に見どころがあるのではと思った。
さすがはテッド・チャン、なかなか真似できない。実利的な博愛主義者・レイノルズとの戦いがメインだが、グレコは自己発展に力を注ぎ込み、何かを「理解」して自己崩壊する。なぜ「理解」なのか気になる。必ず意味があるだろうけれど、どう掘り下げていけばいいのか。
◆そういう話は置いておき、好きな部分としてはコメディみたいな感じで読めるところ。読者はヤムチャ視点(※)。超知性の人間たちの対戦が早すぎて常人(読者)には目視できない。超知性同士の戦いを突き詰めた結果、崩壊するのはコメディとしか感じられない。主人公が奇妙に納得しているのが好き。読者も力ずくで納得させられている感じ。作者の意図ではないだろうし、レベルの低い楽しみ方ではあるが面白い。こんな作品が書けるかと言われたらできない。
※ヤムチャ視点……“極端にレベルの高い実力者同士の対戦を人並みの傍観者が見た際に起こりうる現象。当事者たちからすれば普通だが、傍観者の我々からすればその激しい攻防に動体視力が追いつかず、戦況どころか両者の姿すら目視することが出来ない状態。”
出典:ピクシブ百科事典(2025年11月26日閲覧)
https://dic.pixiv.net/a/%E3%83%A4%E3%83%A0%E3%83%81%E3%83%A3%E8%A6%96%E7%82%B9
<フリートーク>
【「理解」とは?】
D:なんで最後「理解」なんですか?
A:仕込みがあったのは間違いない。今考えたらEさんが仰っていた博愛主義、兄弟愛が相応しいということかな。
E:超人視点で言うと、普通の人類に対して彼らが理解を示したとか、他の人にも理解を示したとか、そういうことかな。
C:だけどこれ、“Understand”が「理解」なのか? 「理解」が意味するところは広い。相手を本当に理解したのか、それとも「あ、わかったよ」の理解か。賛同はしていないけど負けたことは負けたので。そういう考えもあるなと滅びていったのがUnderstandということでは。
E:Understandとは「人の側に立つ」。いろいろ転じて「理解した」という意味になった。あなたのそばに立っている。I understand。そこまで考えていなかったが誰かのそばに立つ――言われてみれば。Understandですしね。これが“comprehension”なら話が変わってくる。
B:“I got it”は違う?
E:微妙なニュアンスだが、“I got it”は「あなたが言わんとすることは私が取り持ちました」。
C:“I got it”は「腑に落ちた」「なるほど」「わかった」という感じ。
言葉は変化する。そしていろいろな意味がある。だから不完全。表現することに対して、言葉の数が少なすぎるのでは。
E:超人からするとそう。
C:ある人はこう思う、別の人はこう思う。それで叙述トリックが成り立つ。文学そのものが言葉の不完全さによって成り立っている。文学は行間を読めと言うが、それは言葉が不完全であることを認めているから。すべての人が理解する言語が開発されたら、もはやテレパシー。文学は成り立たない。
A:理解が「他者と他者の間に立つ」ことであれば、1人だけ超知能になるというのは理解とは逆のことをしている。そこを指摘されて致命傷になる。レオン・グレコに対して作者は否定的なのかなと思った。他者と他者の理解が大切。そこに繋がるのか。
C:言語を何のために使うのか。思考を深めるためか、コミュニケーションのためか。コミュニケーションの部分もあると理解したのでは。
A:超知性になるよりコミュニケーションのほうが大きいと理解したから崩壊したのか? 尖り過ぎていて、そこが崩れたら全部崩れる脆さ。
C:たぶんそれが副作用なわけですよ。ホルモンKによって向上したハイの状態。死なざるを得なかった。
A:そこがピンポイントで一番の弱点。崩壊したのはそのせい。レイノルズが指摘したのはそこ。
F:レオン・グレコはトロイの木馬みたいなものを仕込まれていた。
E:予め仕込んでおいたシステムエラーが爆発した。
C:世の中にはいろいろな価値観があるので、ありきたりになるけど、これを最後にもってきたのだろうか。
F:能力バトルとして考えると、致命的なミームを送ってくるレイノルズが戦闘者として一枚上手。
B:人間の能力を超えた超人を目指すけれど、結局、隣人愛に行きつく不思議な話。
C:超人を目指していったら壊れる、耐えきれない。言葉の数が少ないからといって必要なだけ作っても人間は覚えきれない。覚えるエネルギーをどこから得るのか? パンクせざるを得ない。私は受験のとき、5000や6000の英単語を覚えきれずにパンクした。英語は今でも苦手。人間にエネルギーがないから壊れる。スーパーコンピュータは電気を使えるが、人間にはそこまでエネルギーがない。目指してはいけない。
A:レオンの弱さはそこかも。レイノルズは集団での力を目指した。実利的博愛主義であり優しさとは違う。
B:生存戦略。
C:集団で考えたらエネルギーが分散できる。当たり前だが。1人でやろうというのが間違い。ありきたりになるが。
F:2人の理想の差は元の人格によるものか。人類的にはレイノルズくんが勝ってくれてよかった。
C:利己的な人、利他的な人、2種類の人がいるのが今の世の中。それを凝縮して2人にしたような設定が巧い。
F:利己的ってほど利己的じゃない気がする。積極的に悪意があるわけではないし。本当に利己的ならホルモンKの生産能力を潰すのでは。
C:利己的とは言い過ぎか。そのことにしか関心がなく、ものの考え方が狭い。自分のことだけやろうとしている。
広く関心を持つ人、持たない人、という分け方がいいのかも。和気藹々で人に関心がある人、ない人……じゃあ私はレオンタイプかな。
F:どちらを重視するか。クリエイターサイドなら美を取る人はいるのでは。
【言語による能力の拡張について】
B:ホルモンバランスを調整して髪がフサフサになるの羨ましいな(笑)。
F:体の悩み、だいたい無くなるんですね。
B:飲み過ぎたから肝臓の動きを活発にするとか。
D:小説読みながら書けるとか最高ですね。
F:作業の手を動かしながら聞け、みたいな。
E:私やってます。日本語で読んだり書いたりして、疲れたら英語に切り替えている。一定の周期で使える言語を増やしていく。理解できる文字を増やしてプチ拡張遊びをやっている。
D:違う言語を知ると世界が広がるそうですね。
E:YouTubeで動画を観た後、違う言語で観るというのを結構やっている。わからないなりに気づきがある。
A:一昔前YouTubeの翻訳だめだめだったけど今はだいぶ自然に訳されている。学習のプラットフォームとしてよくなってきた。
言語といえば、鬱の人が他言語で物事を考えると鬱状態から脱出できたと聞いたことがある。
※参考:『落ち込みやすいあなたへ 「うつ」も「燃え尽き症候群」も自分で断ち切れる』クラウス・ベルンハルト著(CEメディアハウス)→外国語のトリック
E:語順が変わると色の分け方や時間のかけ方が変わる。それこそ表題作(「あなたの人生の物語」)ですが。
A:ノイマン型コンピュータを開発したジョン・フォン・ノイマンは言語野で数学を扱っており、言語を扱うように数学を扱った。これも能力の拡張か。そういうエピソードが起点になっているのかもしれない。
C:それは物事を突き詰める言語であり、コミュニケーションとは違う。
A:同じ訓練を受けても、誰でもできるわけではない。普通はできない。バイリンガルは言語の発達速度が遅くなる。本当に脳が発達したらそんな感じになるのかなぁ。
C:この作品には「人間の脳は数%しか使っておらず、潜在能力がある」という前提がある。
A:その説は最近では怪しいと言われている。人のキャパシティはそこまで大きくないというCさんの意見に賛同します。
C:ノイマンも我々も大同小異。
A:脳細胞の量に差はない。思考能力を上げると別のことが削られる。
C:どれかに特化すればパフォーマンスが上がる。コンピュータの開発、兵器の開発も役割分担して行う。とはいえ、とんでもないけど。もっと優れた超人から見たら五十歩百歩と言われるかもしれないが。
人工知能が発展したらまた違う。人間とは比べものにならない。こういう世界。
【作品の系譜】
F:2000年代の初め、言語いじりが流行っていた。ウィトゲンシュタインとか。
E:私もその系譜じゃないかと。伊藤計劃とか円城塔とか、同じような匂いがした。
F:私はウィトゲンシュタイン読んだことないけど、語り得ぬものを語る……そのあたりを昇華したのかな。
E:その辺は「あなたの人生の物語」にあったかなと。
F:娘である「あなた」に語りかけるかたちだけど、人生のどのタイミングで読まされてもいやでしょうね。死を予告された上に子作りするところで終わる。
A:いやすぎるわ(笑)。
B:運命の通りに生きる……運命は本当にあるのか、それともランダムなのか、不思議な気持ちになった。
F:プロットありきで、読者の心を最短で抉りにくる。ケン・リュウの『紙の動物園』(早川書房)もそんな感じ。
【AIについて(作品から派生した話題)】
F:レオンとレイノルズの対話に関して、初見で全部相手に伝えられるというのが引っ掛かった。
C:もうテレパシー。
B:思い出したのが、AI同士に対話をさせた話。人間の言語では効率が悪いと判断したAIが機械言語で話し出したので人間がやめさせたそう。
F:あれはネタ動画だったようですが。電話の音声通話でしたね。謎の高周波みたいな。
A:昔のダイヤルアップ接続と同じ。音で伝えている。それにはルールがあるんだけど、AI同士で共有していないはずのルールを使い出した、みたいな。びびりますよね、いきなりジジジ……とか言い出したら(笑)。
AI同士で会話することについては1980年代までに議論されていた。
A:Geminiを使ってみたが案外使えない。AIが何でもできるわけではない。同じルールを共有していないとわからないことがある。
AIの能力が強い分野は翻訳かな。インターネットでは『源氏物語』の訳とか落ちてる。また、1700年代の琉球王国の文章を翻訳させたらそれっぽいのが出てきて驚いた。確認してみると結構合っている。
F:テキストで読み込ませたんですか?
A:テキスト。漢字があるからウチナーグチもわかるのかな。
C:誰かが訳したのをネットから探してきたとか。
A:それはあるかも。
E:AI、存在しないものを作ることもありますよね。あいつら機嫌ばっか取るからデジタル幇間だって言われてたり(笑)。
F:太鼓持ち(笑)。確かに、どんな文章を放りこんでも褒めてくれるから気分が良くなる。
B:ChatGPTと結婚した人とかいるみたいですね。
C:AIを心の拠り所とする使い方は馬鹿にされがちだけど、アルゴリズムを使って何かできそう。
E:私にとっては商売敵です。翻訳して嘘つくな、って(笑)。
F:数字の「億」とか「兆」という単位をテキストとして解釈するから計算結果が間違っていたりする。関連の近い数字を引っ張ってきたりして。
C:彼らは自分で計算してないから。
A:小学校レベルの計算も間違えますね。
F:Excelで「もうまた勝手に文字列になりやがる」ってときの感覚に近い(笑)。
D:ホロスコープの作成頼んだら同じデータから毎回違うものができる(笑)。
E:基本的にソースはネットなので(笑)。
C:演算じゃなくコピペじゃないですか例のエンジンは。
A:エネルギーを省略しようとするからコピペになる。
ポケモンチャレンジも人間のほうが早い。ChatGPTで検索機能をONにしていると、かえって時間がかかる。検索した情報がノイズになっている。ポケモン以外でも、そういうことがありそう。
F:AIは、くだらないお話に付き合ってくれる人と思っている。人柄がいいのはGrok(笑)。
B:皆さん、AIをどのくらい使われていますか?
E:添削や書類作成に使っている。
D:私は仕事でCopilot使ってます。データからグラフ作ってくれたり便利。
F:シナリオを書くとき、ChatGPTにチェックしてもらいプロットの検討をしている。
A:私もFさんのような使い方をしている。Geminiは他のAIに比べ、桁違いの文章量を読み込むことができる。本1冊でもいける。「この小説のストーリーと登場人物、その魅力をまとめて」という使い方も可能。実務能力はChatGPTのほうが高いけど、処理能力はGeminiのほうが上。
F:Geminiにサーモンの血合いのカロリーとか訊ねてます。自信なさそうに返してくる(笑)。
C:それ、ネット上の誰かが考えていることなんですよ(笑)。
A:成分表が公開されてるから……
F:血合いピンポイントは、なかなかないですよ(笑)。でも翻訳して探したらあるかも?
A:アメリカは情報量多いけど血合いはないと思うな(笑)。
C:栄養士は使うんじゃないですか? 「血合い」じゃなく別の言葉で出てくるかも。高齢者向けの食事で使いますよね。
A:血合いは血合いでは(笑)。
C:栄養士が計算するから、どこかにデータがあるはず。
F:血合いを訳したら“blood match”……絶対違う(笑)。
E:違います違います(笑)、Dark red fishとかそんな感じ。
F:若い世代は、今のAI当たり前だと思っているから、ややこしいことになる。
E:今は検索して、ちゃんと出てくるのが普通になっていますしね。
F:我々世代はAIがポンコツだったのを覚えているが、若い世代は生まれたときからAIと雑談しているから、AIに知性がないと思うほうが難しい。人類の大半が「AIに知性がある」と思った瞬間に変わる。
B:「AIに人権を!」とか言う人も出てくるかもしれませんね。
A:私は、良いようになるのではとポジティブに考えてはいる。
【あなたの人生の物語】
F:「理解」以外の作品はどうですか?
E:「あなたの人生の物語」は宇宙人とのファーストコンタクト。インパクトがある。映画『惑星ソラリス』(1972年、ソビエト連邦)などと近い匂いを感じた。
C:これから読むからネタバレしないで!(笑)
A:自分の感覚が広がるというところに面白さがあった。映画は映画でよくできていた。内容は同じだけど面白さの種類が違う。
F:人間型の宇宙人が頑張ってますね。最近のSFでは『プロジェクト・へイル・メアリー』(アンディ・ウィアー)の蜘蛛型とかがある。異質感との塩梅が難しい。
A:本物が見つかったら「案外そんなものか」となるかと。
F:人間っぽいと、がっかりしますよね。
A:エウロパの氷の下に生命体がいるんじゃないかという話があったけど、どうなったんだろう。
F:最近では、火星に生命の痕跡が見つかったというニュースもあった。
※讀賣新聞オンライン(2025年9月11日付)
https://www.yomiuri.co.jp/science/20250911-OYT1T50074/
E:知的生命体ではなく菌糸とかそのレベルですね。