
「この世界の片隅に」、終戦80年の年に再上映!
戦時中の広島と呉が舞台の、2016年公開のアニメ映画「この世界の片隅に」が、終戦80年を迎えた今年、映画館で再上映されます!明日8月1日から。
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筆者は、この映画「この世界の片隅に」が本当に本当に大好きで、ぜひこの機会に多くの方に見てほしいと思っています。
この記事では、「この世界の片隅に」はどういう映画なのか、どこが良かったのかをご紹介します!
どんな映画か?
主人公は、広島市生まれで、呉に嫁いだ「すずさん」という女性。
すずさんは絵を描くのが大好きで、性格はおっとり。少し抜けてるところもアリ。
映画ではすずさんの毎日が描かれます。
ご飯を作ったり、怖い義理のお姉さんにビクビクしたり、クセのつよいご近所さんと交流したり、幼なじみと久しぶりに出会ったり、新たな友達ができたり、たまには旦那さんとデートしたり。
そのようなすずさんの普通の生活が、ただただ丁寧に描かれている、そんな映画です。
どこを素晴らしく感じたのか 「戦争は怖い」、だけじゃない映画
物語の舞台は戦時中の広島県。戦争のこと、原爆のことがもちろん描かれています。
しかし、ただ「戦争は怖い」ということだけを伝えようとしているのではなく、「戦時中だって、普通の人が普通に毎日を暮らしていたのだ」ということを強くうったえかけている映画であり、
それは当たり前のことではあるのですが、この映画を初めて観た筆者には衝撃的な事実として受け止められました。
筆者は、平和教育をきっちりしてくれる小学校に通っていました。修学旅行先は広島で、夏休み中でも8月6日は登校日で、広島と長崎で何があったのかを毎年教えてもらっていました。
戦争や原爆に関する絵本や、実際の写真で学びましたが、そこではものすごい「恐怖」を感じました。
実際、戦争が起こると人が傷ついて死ぬ。それはすごく恐怖です。
そんな怖い戦争なんて絶対に嫌。その思いはきちんと抱くことができました。
しかし、その恐怖はあまりにも強烈なものであり、私はいつしか、「戦争=怖い」で思考を止めてしまい、"一切触れたくないもの"として扱うようになっていました。
なので、テレビで戦争の話題が始まると怖くてチャンネルを変えていたし、自分から戦争について知ろうと思うことなんて全くありませんでした。
2016年、「この世界の片隅に」の公開時期あたりに、NHKを中心としたメディアでめちゃくちゃこの映画が紹介されていました。
そこに映っていたのは、かわいらしい絵柄と優しい音楽と共に、すずさんが料理をしたり絵を描いたりする姿。
戦争どうこうじゃなく、「アニメ映画として面白そう」とすごく興味を持ちました。
でもやっぱり戦争は怖い。戦争の映画だから怖そう。どうしよう。
うじうじ迷っていたら地元の映画館での公開が終わってしまいました。
しかし翌年2017年、地元の市民ホールで「この世界の片隅に」の上映会がありました。
無料で見られてラッキー。そして友達を誘ってみたらオッケーと快諾!しかもその友達は、こうの史代先生の原作漫画を読み終えており、「怖いだけの話じゃないから大丈夫」と言ってくれました。
無料でラッキー・一人ではなく友達がいる・友達が「怖いだけじゃないから」と教えてくれた、これだけの条件がそろわないと観に行けませんでした。
それほどまでに私は、「戦争=怖い」としか考えず、戦争というものを自分から遠ざけようとし続けていたのです。
観終わってびっくりしました。
やっぱり空襲のシーンや原爆の被害の描写などは怖くも感じた。
でも、この映画では、すずさんが毎日を生きる姿が丁寧に丁寧に描かれていたので、たまたま時代が戦時中だっただけの「日常系アニメ」として見ることができ、戦時中という時代に生まれて初めて身近さを感じたのです。
教科書の中の白黒写真の遠い遠い時代ではなく、たった70年ちょっと前の、祖父母やその親の世代が暮らしていた、身近な時代だと思えるようになったのです。
戦時中でも、普通に毎日料理して、ご飯食べて、仕事や学校に行って、恋をしたり結婚したりして、友達と遊んで……。
そんな当たり前の生活が送られていた。「戦争=怖い」以外のことを考えなかった自分にとって、その事実は大きな衝撃だったのです。
またこの映画では、戦争に対して私がこれまで感じていた、人が死ぬ・けがを負うなどの強烈な怖さの他に、静かな怖さも感じられました。
すずさんたちは、戦時中であっても普通の日常を送り続けるのですが、戦局が悪化するにつれて、その"普通の形"がどんどん変わっていきます。
じわじわと、静かに、戦争の影響が一般市民の日常生活にも姿を現し始める。
この静かな怖さは、初めて学ぶことができたタイプの、戦争に対する怖さでした。
そして何より、やっぱり日常系アニメだった。それも、丁寧に丁寧に日常を描いたアニメ。
毎日を暮らすということに関する、やさしさ、おかしみ、愛おしさなどで、心が温かくもなりました。
戦争映画だと思っていたのに、ただ怖いだけじゃなかった、これまで知らなかった種類の静かな怖さも感じられた。
そして何より、登場人物たちの暮らしが温かくていとおしくて、作品の世界、私がこれまで忌み嫌って避け続けていた戦時中の世界、そこに身近ささえ覚えられた。
あまりにも衝撃体験であり、しばらく椅子から立ち上がれませんでした。
観終わってすぐ、こうの史代先生の原作漫画を購入!
また、「この世界の片隅に」に関する特集は、NHKを中心にその後も何年も続けられていたので、自分から視聴してみることも!
「戦争=怖い」で思考停止していた頭が、ようやく動き始めました。広島も長崎も怖い街ではなくなった。恐ろしいことが起きた街ではあるけど、怖い街ではない。修学旅行に行った当時は怖い街としか思えなかった広島にまた行きたいとも思えるようにも。
すごく、良かったなと思います。
長くなりましたが、私は「この世界の片隅に」の、戦時中であっても普通の人が普通に暮らしていた様子を丁寧に描いているところに、大変感銘を受けたというわけなのです。
音楽もとてもいい!
優しくかわいらしい絵柄であたたかい日常を描いているこのアニメ作品を、同じようにあたたかくて優しい音楽が彩っています。
この映画の主題歌はコトリンゴさんの歌う「悲しくてやりきれない」。
1968年のザ・フォーク・クルセダーズの楽曲で、歌詞は本当に救いのないような悲しさでいっぱいですが、メロディーはそこまで陰鬱でないどころかどこか明るい感じも。
この点が、この映画のすずさんの、悲しいこともいっぱい起こるけれど、それでも毎日は続くので、今日を・明日を暮らしていく、という姿に大変合っているなと思います。
このほかにも、映画オリジナル楽曲や、昔の歌をアレンジした音楽など、音楽も魅力的な作品です!
おわりに
最後に、今回の戦後80年上映の予告映像を埋め込んでおきます。
あたたかみのある絵柄、すずさん役を演じるのんさんをはじめとした声優陣の声、コトリンゴさんの音楽、予告映像からわかるストーリー……、
何か一つでも惹かれる点があったら、ぜひに、ぜひこの機会に見てほしい映画です。
以上、お読みいただきありがとうございました!
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