ココイチ壱番屋(7630)が「夜パフェ」で新境地へ!札幌GAKU買収に見る、カレーの王様の「甘くない」成長戦略と株価
カレーの王様が選んだ「食後のデザート」は、ただのスイーツではなかった
今回取り上げるのは、「カレーハウス CoCo壱番屋」を展開する壱番屋(証券コード:7630)です。 世界最大のカレーチェーンとして知られる同社が、2023年末、ある驚きの発表を行いました。 「札幌の夜パフェ専門店『GAKU』を買収」。
「カレーとパフェ? 一体どういう組み合わせ?」 「迷走しているのではないか?」 一見すると脈絡のない多角化に見えるかもしれません。しかし、この案件を分析すると、そこには「客単価アップ」「インバウンド取り込み」、そして「時間帯別収益の最大化」という、極めて緻密で合理的な成長シナリオが見えてきます。
国内のカレー市場が成熟する中、壱番屋はハウス食品グループのバックボーンを活かしながら、海外展開と新業態開発の「両利きの経営」を加速させています。 この記事では、壱番屋の盤石な企業セグメントを解剖し、今回の「夜パフェ買収」がもたらすシナジー、そして投資家が知るべき株価のアップサイド(上昇余地)について解説します。

- ココイチ壱番屋(7630)が「夜パフェ」で新境地へ!札幌GAKU買収に見る、カレーの王様の「甘くない」成長戦略と株価
第1章:ニュース深掘り ―― なぜ「夜パフェ」なのか? 札幌発の文化を買う意味
まず、今回の買収劇の核心部分を、マーケティングと財務の両面から分析します。
1. 「シメパフェ」という高付加価値文化
買収された「GAKU」は、札幌発祥の食文化「シメパフェ(飲んだ後の締めのパフェ)」のパイオニア的存在です。 通常のスイーツ店とは異なり、以下の特徴があります。
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高単価: 1つ2,000円前後と、ココイチのカレー(約1,000円)の倍近い単価。
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夜間需要: アルコール需要が落ち込む若年層や、インバウンド客の「夜の体験」として定着。
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写真映え: SNSでの拡散力が極めて強く、広告費をかけずに集客できる。
壱番屋にとって、昼食・夕食がメインのカレー事業とは異なる「20時以降の収益源」を手に入れたことは、ポートフォリオ分散の観点から非常に大きな意味を持ちます。
2. インバウンド(訪日客)への訴求力
今、北海道・札幌はニセコと並び、世界中の富裕層が訪れる一大観光地です。 GAKUが運営する「パフェテリア パル」などは、観光客にとっての「ディスティネーション(目的地)」となっています。 ココイチも海外で人気ですが、「日本の高品質なスイーツ」というコンテンツは、カレー以上にインバウンドとの親和性が高いのです。
3. ハウス食品グループとのシナジー
壱番屋の親会社は、スパイスの巨人・ハウス食品グループ本社です。 ハウス食品はスパイスだけでなく、デザート原料や乳製品のノウハウも持っています。GAKUの商品開発力とハウスの調達・生産能力が組み合わされれば、将来的に「パフェの全国展開」や「リテール商品化(コンビニスイーツ化)」といったスケーラビリティ(拡張性)が期待できます。
第2章:壱番屋(7630)の企業セグメント分析 ―― 安定と成長の黄金比率
壱番屋の強さを理解するために、その事業構造を解剖しましょう。彼らのビジネスモデルは、フランチャイズシステムを核とした非常に高収益な体質を持っています。
1. 国内店舗事業(Domestic Store Business)
【圧倒的なキャッシュカウ・基盤】
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主要ブランド: カレーハウス CoCo壱番屋、パスタ・デ・ココ。
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ビジネスモデル: 独自の「ブルームシステム(委託加盟制度)」が最大の特徴です。社員として働き、のれん分けの形で独立させるため、オーナーの質が非常に高く、本部との信頼関係が強固です。
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投資家の視点: 国内はすでに1200店舗を超え、市場は飽和気味です。しかし、度重なる値上げにもかかわらず客足が落ちない「ブランド力(プライシング・パワー)」は驚異的です。ここで稼いだ潤沢なキャッシュが、海外や新規事業への投資原資となります。
2. 海外店舗事業(Overseas Store Business)
【真の成長ドライバー・利益の柱】
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主要エリア: 中国、台湾、タイ、インド、イギリスなど。
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戦略: 海外では「日本のカレー」を高級ファストカジュアルとしてブランディングしています。特に中国やタイでの利益率が高く、今後はインドや欧州での拡大が鍵を握ります。 ココイチ インド 進出 カレーの本場インドへの逆上陸は象徴的ですが、現地のミドルクラス層に着実に受け入れられつつあります。
3. 外販・その他事業(Outer Sales & Others)
【隠れた収益源】
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事業内容: 冷凍カレー、レトルトカレー、ドレッシング、そして今回の「スイーツ事業」。
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投資家の視点: 店舗以外のチャネルで稼ぐ力です。今回のGAKU買収により、このセグメントに「スイーツ」という強力な武器が加わります。将来的には、ココイチの店舗でGAKU監修のミニパフェを出すといったクロスセルも考えられます。
第3章:なぜ「壱番屋」が選ばれるのか? 投資ロジックの転換
投資家の皆様。ここが最も重要なポイントです。 なぜ、カレー屋がパフェ屋を買うことが「買い」材料になるのでしょうか?
1. 「コト消費」への適応
外食産業は、「腹を満たす(モノ消費)」から「体験を楽しむ(コト消費)」へとシフトしています。 ココイチのトッピング文化も一種のコト消費ですが、夜パフェはさらに純度の高いエンターテインメントです。 「札幌で、飲んだ後に、美しいパフェを食べる」 この体験価値を提供できる企業へと進化することで、壱番屋のPER(株価収益率)は、単なる外食チェーンの枠を超えて再評価される可能性があります。
2. 既存店売上の限界突破
国内ココイチの既存店売上高を伸ばすには、「客数増」か「客単価増」しかありません。 人口減少で客数増が難しい中、GAKUのノウハウを取り入れることで、既存店(特に都心店)のアイドルタイム(空き時間)や夜間営業を「カフェ/スイーツ業態」として活用する二毛作が可能になるかもしれません。これは店舗収益率(ROIC)を劇的に改善するポテンシャルを秘めています。
札幌の夜、スパイシーな熱気と甘美な冷気の間で
フィクションのストーリです。
私は東京から出張で札幌に来ている商社マン、健太(38歳)。 時計の針は22時を回っている。 ジンギスカンとビールで接待を終え、胃袋は満たされているはずなのに、何かが足りない。 「ラーメンで締めるか?」 いや、明日の商談を考えると、ニンニクと塩分は控えたい。それに、もっとこう、札幌らしい「粋」な夜の終わらせ方があるはずだ。
ふと、以前ニュースで見た記事を思い出した。「ココイチが夜パフェを買収」。 スマホで検索すると、すすきのの雑居ビルにその店「パフェテリア パル」はあった。 薄暗い店内は、バーのような大人びた雰囲気。周りはカップルや女性グループばかりだが、不思議と居心地は悪くない。
「ピスタチオとチョコレートのパフェ」を注文する。 運ばれてきたのは、もはや芸術作品だった。 繊細な飴細工、計算され尽くした層の重なり。スプーンを入れるのが躊躇われるほどだ。
一口食べると、濃厚なピスタチオの香りと、ビターなチョコの苦味が口いっぱいに広がる。 甘い。でも、くどくない。 アルコールで火照った体に、冷たいジェラートが染み渡る。 「……なるほど、これは流行るわけだ」
ふと考える。もし、いつものココイチで「ロースカツカレー400g 3辛」を食べた後に、このクオリティのミニパフェが出てきたら? それは、最強の「スパイス&クール」体験になるんじゃないか? カレーの刺激的な「動」と、パフェの静謐な「静」。
「壱番屋、恐るべし」 グラスの底のゼリーをすくいながら、私は株アプリを開き、7630をウォッチリストに追加した。 このパフェは、単なるデザートではない。壱番屋の未来そのものだ。
第4章:投資家が気になるQ&A
投資家の皆様が気になる疑問に、元上場企業広報の視点でお答えします。
Q1. 「壱番屋 株価 今後 どうなる?」
A. 海外成長と新業態の寄与で、中長期的には堅調な推移を予想します。 国内事業は安定的ですが、成長率は鈍化しています。しかし、海外店舗数の増加と、今回のパフェ事業のようなM&A戦略が成功すれば、新たな成長フェーズに入ります。特にインバウンド関連銘柄としての側面が強まれば、株価の上値余地(アップサイド)は大きいです。
Q2. 「壱番屋 株主優待 使える店」
A. 全国のココイチなどで使えますが、GAKUでの利用可否は要確認です。 現状、壱番屋の優待券はココイチやパスタ・デ・ココで利用可能です。投資家として期待したいのは、今回買収した「パフェテリア パル」などのGAKU店舗でも優待が使えるようになることです。これが実現すれば、個人投資家の人気はさらに高まるでしょう。
Q3. 「ココイチ 値上げ 影響」
A. 顧客離れは限定的で、むしろ利益率改善に寄与しています。 壱番屋は原材料高に合わせて複数回値上げを行っていますが、売上高は増加基調です。これは「ココイチに代わるカレー屋がない」という圧倒的なブランド力の証明です。インフレに強い銘柄(プライシング・パワーを持つ企業)と言えます。
第5章:今後の展望とリスク分析 ―― 最終結論
成長シナリオ:世界へ広がる「Curry & Parfait」
壱番屋の強みは、オペレーションの標準化能力です。 職人技が必要な「夜パフェ」を、いかにシステム化し、多店舗展開できるか。ここにハウス食品グループの技術力が活きてきます。 将来的には、海外のココイチ店舗に「Japanese Parfait」を導入し、客単価をさらに引き上げる戦略も描けます。
リスク要因
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人材不足: パフェのような手間のかかる商品は、提供時間が長くなりがちです。人手不足の中でオペレーションを維持できるかが課題です。
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原材料高: カカオや乳製品、フルーツの価格高騰は、スイーツ事業の利益を圧迫します。
結論
壱番屋(7630)は、「カレーの会社」から「食の体験価値創造企業」へと脱皮しようとしています。 一見、飛び地に見えるパフェ事業の買収は、実は非常に理にかなった「時間の有効活用」と「顧客層の拡大」戦略です。 安定した配当と優待、そして海外・新規事業という成長エンジンを持つ同社は、ポートフォリオのスパイス(アクセント)として、また長期保有のコアとして、非常に魅力的な銘柄であると判断します。
まとめ:壱番屋(7630)は「甘くない」覚悟で未来を作る
今回の「夜パフェ専門店買収」は、壱番屋が現状に満足せず、次の30年を見据えて動いている証拠です。
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盤石な基盤: 国内ココイチの圧倒的な収益力とブランド。
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海外の飛躍: インドや欧州など、カレーの本場や未開拓地への挑戦。
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新領域の開拓: 「夜パフェ」によるインバウンド・夜間需要の取り込み。
投資家の皆様。 次にココイチでカレーを食べる時は、そのメニューの向こう側に、札幌の夜パフェや、ロンドンの店舗が見えるかもしれません。 伝統を守りながら、革新(イノベーション)を続ける壱番屋。 その「甘くない」成長戦略の行く末を、ぜひ株主として味わってみてはいかがでしょうか。
あくまで個人的な見解であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己責任で行ってください。
最近Xを始めたのでフォロー頂けますと嬉しいです。
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