冬になって朝一で鳥を撮りにいったとき、エンジンを切って表示される燃費レポートが15.0km/Lなどというハイブリッドらしからぬ値を示した。
運転していてやけにエンジンが動いているなと気づいてはいたが、実際ここまで燃費が悪くなっているとは。
E13ノートのe-POWERでは、エンジンは次の状況で使われる。
- 走行用バッテリーの充電
- 急加速時の電力の補助
- 暖機運転と暖房用
- バッテリーが回生でフル充電になった以後のエンジンブレーキ
- 急ブレーキの際のマスターシリンダーの真空発生用
冬の寒い朝に始動すると、高い回転数でアイドリングが始まり暖気に入る。ついでに充電もするので、走行用バッテリーの容量が満タン近くまで行く(普段は3/4を超えない)。
エンジンが温まった後は、車内の温度を感知して、エアコンの設定温度になるまでエンジンを動かし、水温を上げて暖房用の熱を供給しているらしい。
ICEのクルマでは、暖房はエンジンの冷却水を室内の熱交換器に導いて暖めるようになっている。エンジンがラジエーターから捨てている熱の一部を暖房に使うので、暖房で燃費が悪くなることがない。
BEVでは、暖気を作るための冷却水がないので、家庭用のエアコンと同様にヒートポンプ式のエアコンを持っていて、これで暖房を行う。エアコンなので同じ機器で冷房もできる。ヒートポンプで外気から熱を導入することも、外気に熱を捨てることもできる。
ハイブリッドのe-POWERでは、エンジンがあるので暖房はエンジンの冷却水を使う。冷房はヒートポンプ式のクーラーで、これそのものはBEVではなくICEのものに近い。要するに冷房専用で、暖房用の冷媒の循環を行わない分BEVのエアコンよりシンプルにできている。
ICEとe-POWERのクーラーの違いは、多くのICEがエンジンのファンベルトでエアコンのコンプレッサーを回すのに対し、e-POWERでは走行用バッテリーの電力で電動のコンプレッサーを回す。ICEではオルタネーター、水ポンプ、エアコンのコンプレッサー、パワステの油圧ポンプなどをまとめてファンベルトで回すが、e-POWERではクランク軸からギヤを介して発電機を回すので、ファンベルトは省略して何もかも電動にしている。このためファンベルトにかかるロスが発生しない。
ICEではアイドリングストップが有効だと信号待ちなどで停車するたびにエアコンの冷気が止まるのに対し、e-POWERでは冷気が途絶えない。その代わり走行用バッテリーの容量がどんどん減っていき、あるところでエンジンがかかって発電する。
ICEではエアコンを動作させると燃費が悪化するが、e-POWERもエアコン動作用の電力を余計に発電しないといけないので燃費が悪化する。これはあまり違わない。
オーラでも、ICEの感覚で冬場のエアコンの温度の設定温度を夏と大差ない24℃にしていた。ICEなら室内の温度を上げるために余計にエンジンを回すことはしない。設定温度が高ければ可能な範囲で冷却水から室内向けの暖気を作ってくれる。暖房に関して追加で燃料を消費することはない。
オーラでは話が違って、室内を実際に24℃にするために余計にエンジンがかかっていた。このため走行用バッテリーの容量は3/4より高い状態が維持され、それでも余分にエンジンがかかっていた。暖房がメインなら発電はほどほどでよいであろうが、それでも走って使う以上の電力を貯めてしまうようだ。
この結果、冬に室内の設定温度が高いと燃費が悪化することが分かった。
分かってしまえば、冬は設定温度を下げればいい。18℃にして燃費が改善されたが、20℃でも問題ないようだ。このあたりなら、走行用に発電して生じる熱で室内を無理なく暖められるようだ。
ちなみにBEVでは暖房でもそれ用に電力を使うので、暖房を使うと航続距離が短くなる。
余談だが、オーラは山に登るとき、ナビでルート設定しておくと走行用バッテリーの充電を抑制して、帰りの下りで余分に回生できるようにしてくれるらしい。それでも回生しすぎて走行用バッテリーが満タンになると、発電機をモーターとして使ってエンジンを空回りさせ、それで余分な電力を消費して回生ブレーキの効きを確保するとのこと。エンジンと駆動輪が機械的につながっていないので、こういう間接的なエンジンブレーキを使うという。このときはエンジンはガソリンを消費しないが、スマートじゃないなとは思う。他にいいやり方はなさそうなので仕方ない。



