この作品、色んな意味でキレッキレな人が多かったです。皆さんお芝居が上手いというのは勿論なんですが。
ネタバレ含みます。
あの拡樹くんが中年の、ある意味しょぼいサラリーマン、というのもなかなかで。心配性で娘を溺愛しすぎてウザがられてアワアワするのとか可愛かったです。腕っぷしが弱い役というのも珍しいですが、信頼できる演技力ということに加えて、小柄で華奢というのがあったのかも。ガタイがいいとそれだけで強そうに見えますからね。
腕力が無いので哲雄はいつでも必死。きっと涙目になったことも多かったのでは。それでも半グレとヤクザを向こうに回して諦めずに闘い続けるのは、弱い人間には出来ないことだなと思います。娘への愛がそれだけ強かったのでしょうけど。一般人恐るべし、です。拡樹くんファンということもありますが、娘がいるので終始哲雄に感情移入して観てました。
相手が半グレとヤクザということで、ヒィ~怖い!ってなった人が何人も。
間島恭一役の阪本奨悟くん。堀川国広とか四月一日くんとかしか知らなかったので、あの可愛いお国ちゃんが、こんな目つきの鋭いガラの悪い男になるなんて(泣)ってなりましたよ(笑)素晴らしかったです。
勘が良くて頭もキレる半グレの中でもリーダー的存在の彼が哲雄にハメられたのは、彼が本来持っていた人の好さが出てしまったからだろうなと観てて思いました。完全には悪人になれきれていなかったのだろうと。彼があの後どうなったか気になります。
窪役の高木さん。台詞がないところでも、存在してるだけで怖すぎました。大楽の挨拶で品川駅で人がよけていく、って嘆いてましたが。中の人は後輩に慕われる面白い先輩なのにホント凄い。
麻取父の久保田さん。大楽の挨拶で「板の上では麻取という人間を愛したい」というようなことを言われてました。拡樹くんも「自分がその役の一番の理解者にならなければ」とよく話してます。いい人の役ばかりではありませんからね。
息子を愛しているんだけど愛し方が分からなかった。向き合えなかったことをずっと後悔していた。それ故にはたから見れば歪で偏執狂的な愛し方になってしまう。不器用過ぎてなんだか可哀そうでした。息子が死んだと知った時の嘆き方の激しさや、哲雄と対決した時の狂気に鳥肌が立ちました。
Xで「三木さんの喋り方に寄せている」っていう投稿を見かけて、「ああ!なるほど」って思いました。アニメを見たわけでは無いんですが。
哲雄の妻歌仙役の、ぴーすけ(天華えま)。卒業後初めて見ましたが、相変わらずいいお芝居をする子だなと思いました。宝塚時代もロミジュリのマーキューシオとか、「龍の宮物語」の山彦とか印象的な役が色々ありましたが。男性でも女性でも人外でも、役を演じるうえでは同じなんでしょうね。
歌仙さんはちょっと天然のようでいて頭の回転が早く、もしかしたら哲雄よりも度胸があるというか思いっきりがいい、そして誠実な人。哲雄を一人にするようなことはしない。似たもの夫婦だなと思いました。一番驚いたのは、二人で一緒に埋める場面。突然結婚行進曲を歌いだすんですよね。哲雄も驚いてましたが。その歌い方の抜け感が凄いなって思いました。原作やアニメの歌仙さんに近いかどうかは分かりませんけど。
大楽の配信があったので何回か見ましたが、展開のスピード感と緊張感が凄い。間島の腕が折られるところとか、知ってるのに毎回ビクッと飛び上がってしまいました。
これ、円盤にならないんですかね。特殊な形の劇場なのでバクステとか見てみたいですが。