ガエル記

散策

『百億の昼と千億の夜』萩尾望都/原作:光瀬龍 第16・17章

美しいいいい。

阿修羅王

 

 

ネタバレします。

 

 

第16章「☆アスタータ50」

神よ

なにがいけなかったのです

なぜ失敗したのですか

滅びの伝説は語る

終りが来る

終りが来る

やがて一切の終りが来る

 

シュメール

モヘンジョ・ダロ

神よわれわれはあなたのしもべ

あなたがこの宇宙この大地を造られた時より

この先これからに

何をお望みなのでしょう

これは抗いがたい運命ですか

もう取り返しがつきませんか

では来世は>

最後の審判はいつ?

われわれの長い祈りを願いを

お聞きください

神よ

 

阿修羅、シッタータ、オリオナエ、三人の戦士はついに

アスタータ50に到着した。

しかしそこも見渡す限り荒れ果てた場所であった。

6キロほど先に大きなビルが見える。

惑星開発委員会のビルだろうと阿修羅は言い「〝シ”を見つけユダの最後の言葉を問うてみる」と告げる。

 

「このアスタータ50にはふたつの太陽がある。いまっはそのうちの黄の太陽の時代だ。それが終わろうとしている。この次は青い太陽の時代になりそれが何百年も続くのだろう。そうした変化の時代を〝新星雲記”という」

 

三人はビルにたどり着くがそこは人の気配がまったくなかった。

 

遠い昔〝シ”の命を受けた委員会はこの宇宙にヘリオ・セス・ベータ型開発を行うべくここで計画を立て・・・そして失敗したのだろう。

そしてここを去っていったのだ。

おそらくは何千年もの昔・・・

 

何故開発は失敗したのか。

帝釈天は言った。人の世は苦しみばかりがあると。

繰り返される戦争、絶えざる経済危機、人間は高度な文明を持ち得てもなにひとつ解決できなかった。

人間は最初から滅びの道を歩んでいるようだ。

 

そう話し合う三人が目撃したのはナザレのイエスだった。

まだ三人に気づかず次々と物体を消し去っていく。

どうやら「証拠消し」をしているようだ。

阿修羅が呼んだ「ナザレのイエス

エスは驚き飛びす去った。

阿修羅は続けた「私の負けだ。最後に一つだけ聞きたい。その球体はなんなのだ?」

エスの背後に在る光る球体を阿修羅は指さした。

それは弥勒やポセイドンやミカエルを映し出した球体なのであった。

神様は人間の願望通りに映し出されたのだとイエスは説明した。

「この輝線が銀経、この緑が銀緯、あれが銀河系の赤道。この軌跡にこのエントロピー〈D〉の座標を重ねる。ここに新しい空間が生まれるだろう。これはまったく別の空間なのさ」

エスがそう言った途端阿修羅はつぶやいた。「それが道か」阿修羅は跳びあがりイエスを打ちすえ場を入れ替わった。

「今わかった。そうだ!ありとあらゆる文明は滅びへの道を歩んだのだ。セリオ・セス・ベータ型開発!開発とはよくもいった。来世!浄土!救い!そんなものはきやしない。最初から神々は人間など愛してはいなかった。ベータ型開発とは破壊と消滅にいたる開発のことだったのだ!」

 

第17章「☆幻の軍勢」

阿修羅はすべてが弥勒の企みだったという。

多くの惑星に生命は生まれ進化し知恵をはぐくんでいった。それら知的生物の進化を嫌いそれを取り除くには生命の発展段階に遠い未来における滅亡の必然性を加えておけばいい。

滅びへの預言を加えておけばいい。

いくらでもある。経済のゆきづまり、軍事の敗北、人口問題、心理的肉体的退廃、そのどれをとりあげてもその真の原因は遥か過去に内包されていたのではないか。

最後の審判は来なかった。もとよりそんなものは来やしない。神々は裁きなぞしない。単に滅ぼすのが目的だったのだ。

だが残念だった。我々がまだいる。我々はこの宇宙この計画の中の唯一の失敗作だったわけだ。

しかも「転輪王」「弥勒」そして「彼岸」何故そう不用意に事態と真相を暗示させるような言葉を残しておいたのだ?

 

阿修羅が開発の謎を解き明かしているあいだに彼らの背後に弥勒が現れていた。

五十六億七千万年後の救世主。絶望的なほど長い時間の後に約束された明日。

弥勒は阿修羅に問う。

「おまえたちにこの使命を与えた物は誰だ?」

阿修羅は一時意識を失っていた。

が、次の瞬間に阿修羅は弥勒が影であり幻だと気づいた。

またシッタータたちがイエスと戦っているのを感じ、この球体を守らねばと感じた。

唯一の手掛かりなのだ。

が、また次の瞬間に阿修羅は幻影を見ていた。

かつて帝釈天と戦っていた時期の幻影だった。

「見るな!幻だ。弥勒の心理攻撃だ」

だが阿修羅と帝釈天の戦いは続く。

気づくと阿修羅は帝釈天が乗る象軍団に取り囲まれていた。

「もはやのがれられぬぞ。観念してわが軍門に下れ」

そして問うた。「阿修羅、戦いの鬼よ。おまえの心は休まる時はあるまい。梵天のしろしめすこの世界を騒乱させ罪も悟らず平穏をも頼まず、やむ事なきその天魔の志はそもそもだれのため、なんのために?いったい誰がおまえをこの戦いに駆り出した?阿修羅よ」

これに阿修羅は答えた。

帝釈天らそして弥勒とその仲間をこの宇宙より追い払うべく・・・・の命を受け・・・」その言葉は途切れた。

誰の?誰の?

いつの間にか阿修羅の背に刺さったモノがあった。阿修羅は自らそれを取り除き弥勒の幻を消し去った。

そこへシッタータとオリオナエが走りこんできた。

ナザレのイエスが逃げたが気になって戻ってきたという。

ビルは崩壊し始めた。

三人は球体を運び出した。

 

阿修羅はシッタータに訊く「なぜ我々が戦うのか誰がこの戦いを命じたのか、シッタータ心当たりはないか」と。

しかしシッタータにも応えられない。

そこにオリオナエが答えた。「そいつはおそらく反弥勒の派だろうな」そしてかつて自分がエルカシアという村落で〝宗主の窓”から預言をあずかり〝道標”となった経緯を話した。

弥勒に反する者というと・・・それは「悪の神」「夜の神」

 

丹念に追って言っても難しい。

誰か教室やってほしい。先生!