息子のお誕生日会

 

私は結構モテる(つもり)。

 

そんな私は過日、息子のお誕生日会を開催してきた。

場所は息子の好きなイタリアンのお店。随分前からリクエストされていたので、予約を入れて行って来た。因みに先日、薫さんと一緒に行ったお店である。

 

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当日、私は息子へのプレゼントを用意すべく家電屋さんへ赴く。関西以外はどうなのか知らないが、家電屋さんには玩具コーナーがある。それが結構な規模なのだ。ゲーム関係から幼児玩具、鉄道模型まで揃う。息子が欲しいのはゲームソフト。間違えない様にする為、事前に奥様から写真を送って貰っている。ゲームコーナーで暫しさがし見付けたソフトを購入する。¥4,000弱と意外に安かった。

 

帰宅後、昼食を頂く。

メニューは不良中年作、スジ肉を圧力鍋で調理したビーフシチューだ(残り物)。我ながら会心の出来である。美味い。ウチの近所にお肉屋さんがあり、黒毛和牛のスジ肉が安く売っているのだ。

昨晩は忘年会でしこたま飲み、料理が美味しいお店だった為に食べ過ぎた様だ。消化に追い付かなかったのか、身体が熱くて夜中に目が覚めて眠れなかった。昼食後は一気に眠気が来た為に少しお昼寝。お昼寝は認知症の予防にもなるそうだ。30分程度寝て用事を色々と済ませる。あまりダラダラと昼寝をすると罪悪感に苛まれる。

息子は早くお店に行きたい様だ。

「パパ、僕もう待ち切れない。」

と言いながらYouTubeを見ている。そんなに楽しみにしてくれているなら私も嬉しい。

予約時間が近付いて来た為、準備をして出掛ける。上の娘はいつもの事ながら付いて来ない。「美味しい物食べに行くよ」と言っても効果無し。寂しいものよ。

 

お店に到着。夕方早目の時間にも関わらず、既にマダム達が飲食を楽しんでおられる。どうやらランチタイムからゆっくりと寛いでいる方達の様だ。

席に案内されて早速オーダーを入れる。今日は息子が主役の為、好きな物を選ばせる。とは言っても小学校低学年の男の子。大好きなピザがメインとなるが、お気に入りの生ハムの盛り合わせも忘れずに頼む。料理のオーダーが終わったところで私は一旦席を立つ。御手洗いでは無い。先程買った誕生日プレゼントを店員さんに渡しに行く為である。息子にサプライズをする為に事前に頼んでおいたのだが、Happy Birthdayを流しながらデザートとプレゼントを席まで持って来て貰うのだ。タイミングを含め最終打合せ。

 

席に戻ると息子は既にジュースを飲んでいる。おのれ!父上を待たずに勝手に飲み始めるとは。けしからん。やっと私のお酒が来たところで息子と奥様と乾杯。息子は生ハムの盛り合わせをペロリと食べ終わる。

「パパ。ハムのお代わり頼んでもい~い?」

(息子よ。その生ハム盛り合わせの値段知ってるかい?パパは一口も食べてないけどさ)

お誕生会なので心の声は吐露せずに追加オーダー。焼き立てのピザも食べて満足そうだ。私と奥様もリゾットやアラカルトを頼んで食事を楽しむ。昨日の忘年会でしこたま飲み、今日もしこたま飲む。

この日、奥様と私のお気に入りになったのは仔羊の串焼き。炭火で焼かれている為、肉の香ばしさとハーブの香りが食欲を一層刺激する。シンプルに塩だけの味付けだからこそ、仔羊の肉そのものの濃厚な旨味や脂身の甘味がダイレクトに感じられる。美味しくてワインも進む。何度かお代わりをしてしまった。

そして息子は再び

「パパ。ハムのお代わり頼んでもい~い?」

と聞いてくる。

(息子よ。その生ハム盛り合わせの値段知ってるかい?パパは一口も食べてないけどさ)

心の声を封印して追加オーダー。男の子がガツガツと食べてくれるのは正直嬉しくもある。息子はお腹いっぱいになり満足したのか、早くもアイスを食べている。私はもう少しワインを楽しみたいのだが・・・

満腹になったのならそろそろ頃合いかと考えお誕生日のデザートプレートを作戦通りオーダーする。暫くすると店内のBGMが止まり、一瞬静かになったあと、HappyBirthdayの曲が流れる。

 

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息子は「え?!」という顔をしてビックリしている。店員さんがデザートプレートとプレゼントを持って来てくれた。

「不良中年ジュニア君、お誕生日おめでとうございま~す!!」

写真を撮って貰ってプレゼントを開ける息子。

「え?凄い!これ現実?パパ、お店にハッピーバースデイ予約してたの?」

と聞いてくる。以前このお店に連れて来た時、他の席で一連の様子を見ていた息子は自分の誕生日にもやってもらいたいと思っていた様だ。店に向かう車の中で

「パパ、今日HappyBirthdayのやつやってよ。」

と言ってきたので、

「え?今日いきなり行っても無理だよ。予約してないし・・・」

と返しておいたのだ。内緒にして驚かしたかったから。高いデザートプレートには興味を示さず、目をキラキラさせてプレゼントを見つめている。

作戦大成功。喜んでくれたなら私も嬉しい。

 

お店の人にサプライズに協力してくれたお礼を伝えて家に帰る。家に帰ると上の娘がケーキを作ってくれていた。店のデザートプレートを食べなかった息子はお姉ちゃんの作ってくれたケーキを美味しそうに食べていた。一緒に出掛ける事が無くなった娘だが、こんな事をしてくれるとは。いい誕生日になった。

 

しかし・・・

 

数日後にはクリスマスが控えていた。息子の誕生日とクリスマスは3日しか変わらないのだ。クリスマスに息子がサンタさんに欲しいと頼んでいるプレゼントは¥60,000円。

 

・・・

 

上の娘のプレゼントと奥様のプレゼント、今日の食事代とクリスマスの食事代、今月はふるさと納税分も請求に乗る。カードの支払いで破産しそうだ。

まー支払いよりも頭を悩ませたのは息子のクリスマスプレゼントだ。サンタさんに貰うという建前ではあるのだが、果たして小学校2年生の子供にそんな高価な物を与えてもいいのか?正直言って高いけど、買えない事は無い。与える事が間違っていないかで悩むのだ。

 

このblogで何度か書いているが、私の実家は貧乏とまでは言わないが、決して裕福な方ではなかった。小学校4年生の頃だったと思うが、私は誕生日のプレゼントにラジコンをねだった。

「買える買えないの問題ではない。小学生の子供にそんな高価な物は与える事は出来ない。それがウチの考え方。」

と言って母親は買ってくれなかった。父親となった今なら理解出来る。しかし私も子供だった為、何度もねだった。丁度ラジコンブームでテレビでも『田宮RCカーグランプリ』を放送していた頃だ。いつもテレビを見ていた事は母親も知ってはいたのだろう。誕生日当日、当時独立起業したばかりの親父の事務所でラジコンを買う買わないの話をしていた。母親は大反対とは言わないが、やはり『与える』事に抵抗があった様だ。ところが、

 

「ナンボするんぞ?買っちゃれや。」

 

の親父の一言と、同時に財布から数枚の壱万円札を母親に渡して決着となった。母親も親父が言うならと納得してくれたみたいだ。当然私は大喜びだった訳だが、同時に親父も嬉しそうな顔をしていた事をハッキリ覚えている。あの時の親父の正確な気持ちは分からない。単純に子供の喜ぶ顔を見て嬉しかったのか、独立して子供が欲しがる物を与える事が出来る経済力を得た事を誇りに思えたのか。多分親父の性格からして前者に間違い無いと思うのだが。

 

遠い昔の事を思い出した私、もといサンタさんは奥様に¥60,000円のプレゼントを渡す事を伝えた。大人のプレゼントと考えても結構な金額。息子が高校生だったとしても高価な事は変わらない。それに息子が欲しいのは『今』だ。若い頃に欲しくて欲しくてたまらなかったシルビアやツアラーVを、この歳で手に入れても仕方ない。(ホントは嬉しいけど)

あの時、あの年齢だったからこそ輝いたのだ。

だから私の心の中で美しいまま思い出として輝いているのだ。

 

クリスマスの朝、

娘は部屋の前に。(部屋に入ると怒られるから)

奥様はダイニングの奥様の席に。

息子は枕元に。

 

それぞれプレゼントを置いた。

 

息子は大喜びでサンタさんにお礼を言っている。

「買ったのは私だ!父親とは報われないものよ。」

なんて事、今は思わない。

 

20年後、息子が父親となって、息子も子供に同じ事をしてあげられる様になり、その時に私の事を少しでも思い出してくれたら、それが最高だ。

 

私はこうしてモテて行く。