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【5471】大同特殊鋼は買いか?PBR1倍割れの老舗企業が見せる構造改革と成長余地

 

大同特殊鋼(5471)

自動車のエンジンやギア、航空機のシャフト、そしてスマートフォンの内部部品まで。あらゆる産業機械の「心臓部」に採用される「特殊鋼」のスペシャリスト、大同特殊鋼(5471)
一般的な鉄鋼(普通鋼)とは異なり、ニッケルやクロムなどを添加して強度や耐熱性を極限まで高めた高付加価値な鋼材を提供しています。

世界最大級の特殊鋼メーカーとして、特に自動車向け構造用鋼やステンレス鋼で圧倒的な存在感を示しています。近年では電気自動車(EV)に不可欠な高性能磁石や、半導体製造装置向け材料など、次世代産業へのシフトも加速中。PBR1倍割れの割安水準にありながら、日本のモノづくりを根底から支える同社の投資魅力を紐解きます。

最新株価・指標(2026年1月7日 直近終値基準)

  • 株価:1,735.5円
  • 想定株価レンジ:1,600円〜2,500円
  • PER(予想):約15.9倍
  • PBR(実績):0.62倍
  • 配当利回り(予想):2.82%
  • 株主優待:なし
  • 株主還元方針:連結配当性向30%程度を目安とし、安定的な配当継続を重視。業績に応じた利益還元を行う方針です。

【指標のポイント】
PBRは0.62倍と、解散価値である1倍を大きく下回っており、市場からは依然として割安に放置されています。PERも15倍台と、成長期待のある素材メーカーとしては標準的な水準です。配当利回りは2.8%前後で推移しており、インカムゲイン狙いの投資家にとっても一定の魅力がある水準と言えます。

最新決算・業績整理

2026年3月期の業績動向は、自動車生産の回復遅れや在庫調整の影響を受けつつも、高付加価値品の伸長により底堅く推移しています。

  • 売上収益:自動車関連の需要変動があるものの、販売価格の適正化でカバー。
  • 営業利益:エネルギーコストの上昇を吸収し、効率化により利益率の維持を図っています。
  • 純利益:特別損失の計上などがなければ、安定的な黒字基調を継続。

【決算のポイント】
主力の自動車向け(構造用鋼など)は、世界的なEVシフトの過渡期におけるハイブリッド車(HEV)の堅調な需要に支えられています。一方で、半導体製造装置向けや航空機・防衛関連の特殊ステンレス鋼の需要が拡大しており、ポートフォリオの良質化が進んでいます。会社側は通期予想に対して慎重な姿勢を見せていますが、第2四半期時点での進捗はまずまずと言えるでしょう。

競合他社比較

【調査対象銘柄のポジション】

大同特殊鋼(5471)
時価総額:約3,770億円
鉄鋼業界においては、時価総額では業界内5位以下に位置します。
ただし、「特殊鋼」という専門分野に限れば世界屈指の規模と技術力を誇り、高炉メーカー(日本製鉄など)とは異なるニッチトップ企業としての地位を確立しています。

【競合他社リスト(時価総額順)】

鉄鋼業界全体の時価総額上位5社です。大同特殊鋼はこれらに次ぐ規模感となります。

順位:1位 日本製鉄(5401)
時価総額:約3兆4,900億円

順位:2位 JFEホールディングス(5411)
時価総額:約1兆3,100億円

順位:3位 神戸製鋼所(5406)
時価総額:約8,440億円

順位:4位 大和工業(5444)
時価総額:約7,200億円

順位:5位 丸一鋼管(5463)
時価総額:約3,760億円

投資シナリオ

短期(〜3ヶ月)

想定株価レンジ:1,700円〜1,850円
直近株価(1,735.5円)は上昇トレンドの中にあります。
PBR1倍割れ是正への期待感と、直近の好地合いを背景に資金流入が続いています。1,700円台前半での押し目買い意欲は強く、底堅い展開が予想されます。次の四半期決算発表に向けて、通期見通しの修正(上振れ期待)があれば、1,800円台への定着を試す展開になるでしょう。

中期(〜1年)

想定株価レンジ:1,700円〜2,000円
レンジ下限は直近終値以下を含みます。
自動車生産の正常化と、高機能磁石(EVモーター用)の採用拡大が株価を押し上げます。
特に注目すべきは、防衛・航空宇宙分野への素材供給拡大です。地政学リスクの高まりにより、国産の高性能特殊鋼へのニーズは構造的に高まっています。これらの「国策」とも言えるテーマ性が評価されれば、PERの水準訂正(リクリエーション)が起こり、株価2,000円の大台回復も視野に入ります。

長期(1年〜)

想定株価レンジ:1,600円〜2,500円
レンジ下限は直近終値以下を含みます。
長期的には、世界的な脱炭素と電化の流れが大同特殊鋼にとって強力な追い風となります。
同社の持つ「省ネオジム磁石」技術や、高効率タービン用素材は、グリーン社会の実現に不可欠です。万が一の世界景気減速による一時的な素材需要減(1,600円付近への調整)リスクはありますが、技術的優位性は揺るぎません。PBR1倍(理論株価約2,800円付近)を目指して、長い時間をかけて企業価値が見直されていくシナリオが描けます。

割安株価

割安水準:1,735.5円以下
現在の株価は、以下の観点から明確に割安と判断できます。

1. PBR水準:実績PBR 0.62倍は、企業の解散価値を大幅に下回っており、下値不安が限定的です。
2. 同業比較:大手高炉メーカーと比較しても、特殊鋼という高収益体質の事業を持ちながらこの評価は過小評価と言えます。

長期投資家にとっては、直近終値(1,735.5円)を含む現在の水準は、将来の資産価値是正を待つための魅力的なエントリーポイントと考えられます。

この銘柄はどんな人向きか

  • 向いている人:地味ながらも高い技術力を持つ「縁の下の力持ち」企業に投資したい人。短期的な急騰よりも、PBR是正や配当を受け取りながらじっくりと資産形成をしたい中長期投資家。
  • 向いていない人:AIやITサービスのような派手な成長ストーリーを求める人。日々の株価変動で大きな利益(ボラティリティ)を狙う短期トレーダー。

まとめ・問いかけ

大同特殊鋼は、EV時代の到来や防衛産業の拡大という時代の要請に対し、その技術力で応える準備が整っています。PBR0.6倍台という評価は、そのポテンシャルに対してあまりに控えめではないでしょうか? 日本のモノづくりの底力が再評価される時、この銘柄はポートフォリオの中で輝きを放つかもしれません。

参考リンク一覧