◯高齢化と安楽死問題(4)倫理的な懸念「すべりやすい坂」問題
安楽死の容認には強い反対論もあります。ナチス時代の優生思想を引き合いに出し、社会的弱者が、生きるに値しないとみなされ、死を選ばされる可能性があるからです。
あるいは、本人がそう追い詰められることもあるでしょう。
これは「すべりやすい坂(slippery slope)」と呼ばれる倫理的論点です。
実際にオランダやベルギーでは、認知症患者や未成年まで、安楽死認められるようになっています。
ただし、こうした拡張も、自己決定権の拡大として理解すべきだという見方もあります。
命の尊厳をどう守るか、そしてどこまでが自由な選択といえるのかという議論は、今後も続くでしょう。
安楽死は単なる医療の問題ではなく、人間の尊厳や自由に関わる根源的なテーマだからです。