ふきんとうだより

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藤井聡太棋王対増田康宏八段 藤井棋王が角換わりを制す

2025年2月2日、高知市の文化プラザかるぽーとで開催された第50期棋王コナミグループ杯五番勝負第1局は、藤井聡太棋王(22歳、七冠)が挑戦者の増田康宏八段(27歳)を127手で下し、棋王戦3連覇に向けて好スタートを切りました。戦型は角換わりとなり、藤井棋王が先手番で勝利を収めました。本局の詳細を以下にまとめます。

1 これまでの戦績と結果

藤井聡太棋王と増田康宏八段のこれまでの対戦成績は、藤井棋王の6勝1敗と藤井が大きくリードしています。特に直近の3局は、いずれも藤井が先手番で角換わりを選択し、全て勝利を収めています。この第1局も藤井が先手番となり、戦型は角換わりとなりました。結果、藤井棋王が127手目で増田八段を投了に追い込み、1勝0敗と白星スタートを切りました。藤井棋王の今年度の成績は32勝10敗(勝率76.2%)、通算成績は396勝81敗1分(勝率83.0%)と、圧倒的な強さを維持しています。一方、増田八段は初のタイトル戦挑戦となりましたが、第一局を落とし、厳しいスタートとなりました。

2 戦型と経過

本局の戦型も角換わりとなりました。振り駒の結果、藤井棋王が先手番を獲得。増田八段は前夜祭で「藤井棋王にはずっと負けていて、得意戦法の角換わりが難敵。後手番だと受けざるを得ないので、先手番が来ることを願っている」と語り、角換わりを牽制する発言をしていましたが、結果的に後手番で角換わりを受けて立つ形となりました。序盤から両者慎重に指し手を進め、複雑な進行となりました。藤井棋王は持ち時間の半分以上を序盤で使い切る一方、増田八段は昼休憩時点で消費時間がわずか20分と、研究範囲内の手順を進めていたと見られます。しかし、中盤以降、藤井棋王が桂損から驚異の粘りを見せ、終盤には13手詰めの妙手を見せて勝利を収めました。増田八段の攻めが続く場面もありましたが、藤井棋王の40手先読みとも言われる深い読みが功を奏し、逆転勝ちを収めました。
 

3 食事内容

本局の昼食休憩時、藤井棋王は地元の名産を取り入れた「特製ビーフカレー」を注文しました。一方、増田八段はローストビーフ重を選び、対局に臨むエネルギーを補給しました。藤井棋王は対局中の飲み物としてお茶を選び、対局開始前にもお茶を飲む姿が見られました。食事内容からは、両者の対局に向けた集中力とリラックスのバランスが垣間見えます。
 

4 今後の展望

藤井棋王は本局の勝利により、棋王戦3連覇に向けて大きく前進しました。一方、増田八段は初のタイトル戦挑戦で黒星スタートとなり、巻き返しが求められます。第2局は2月22日に金沢市で開催される予定です。増田八段としては、藤井棋王の角換わり対策をさらに練り直し、得意戦法でのリベンジを狙う必要があります。藤井棋王はこれまでの対戦成績や戦型の傾向から、引き続き角換わりを選択する可能性が高いと見られます。両者の次局以降の戦いにも注目が集まります。

5 挑戦者の増田康宏八段 東の天才

増田康宏八段(ますだ やすひろ、1997年11月4日生まれ)は、東京都昭島市出身の将棋棋士で、棋士番号は297です。5歳で将棋を始め、幼少期からその才能を発揮し、小学校3年時に全国小学生倉敷王将戦低学年の部で準優勝、翌年には高学年の部で優勝を果たしました。「西の天才 藤井聡太、東の天才 増田康宏」と称されるほどの期待を集め、2024年には名人戦を争うトップ棋士10人が所属する順位戦A級入りを果たしています。NBAの大ファンでミニマリストとしても知られ、スタンディングデスクを愛用するなど、独特のキャラクターを持っています。将棋界の常識に疑問を投げかける姿勢が注目される一方、師匠である森下卓九段との関係性も話題となることが多い棋士です。

 師匠・森下卓九段との関係

師匠の森下卓九段との関係については、かつて考え方の違いからほとんど会話がない時期もありました。森下九段は「昭和魂」「根性論」を重視するタイプであるのに対し、増田八段は「合理性」を重んじる性格で、師弟としての距離があったとされています。しかし、近年では互いへの敬意と感謝を維持しながら関係が深まっており、特に2023年の竜王戦第3局では、北九州で共に研究に励む姿が報じられました。この際、森下九段は日本将棋連盟役員として、増田八段は副立会(新聞解説)として帯同し、笑顔で検討を行う様子が「胸を熱くさせる」と評されています。現在では、師弟関係は良好であると見られています。