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最近の嘱目句あれこれ46 2026年 (高澤良一)

最近の嘱目句あれこれ46 2026年 (高澤良一)

(俳句歳時記 第五版 冬 { 角川書店=編 }を主に参考にし、作句しました )

◼️春
嘘云ってだましてよい日四月馬鹿
鷹化して鳩となるとは疎ましき
日溜まりにだらけてをりぬ猫の夫
春よこい「アイネ・クライネ・ニヒト・ムジーク」
腹巻きに金の出し入れ干鱈売る
蜆汁砂か一粒噛み当てぬ
鎌倉の怨敵退散蒙古風
梅咲くと鎌倉おいでおいでせり
在所の梅こまめに電車乗り継いで
明月院の梅をアップのグラビア版
椿落ち地べたを打てる音向う
牡丹園人っ子一人居ぬ夕べ
涅槃図の中央大根寝そべりて
千年の都かげろふ靄の中
雛飾り雛片し了え玄関先
可惜夜の京(けい)の花屑踏むまじく
慎重も慎重手にする薄氷
雛飾り数日おいて雛片す
君子欄縁側奥に立っていた
又一つ後追ひの落つばき

◼️夏
苔売って目高も売って何でも屋
水底の巖にあめんぼ影落とす
阿字ケ池夕焼雲を映し込み
暫し無言燈台よりの夏景色
鱚と云ふ天麩羅の薄皮衣
勤皇の色帯び或る日の優(やさ)金魚
飛魚(あご)飛んで飛んで都内の小笠原
落莫と病葉散りぬ又散りぬ
茅の輪の◯に弁天島容れ名越の祓
澄江堂主人偲べと海猫鳴くや
ペンキ塗り立て蛙が有名龍之介忌
大群衆押し寄す河原花火かな
牛合はせ怯む隙無き横綱繁蔵
鎌倉のその奥梅雨の二階堂
くろがねを汚点の如く犯す黴
平九郎攀じし階水打てり(曲垣平九郎 愛宕山)
鬼灯市今日が初日の愛宕山
鬼灯市夕風のたつ階千段
洗ひ鯉雨はさっさと上りをる
振り返るものの一つに白粉花
ソーダ水思った通りすっきりす
だんまりに徹して鋏を研ぐ六月
風車に四万六千日の風
床板に頭ぶつけり摺鉢虫
過ちは過ちピカドン永久に抹殺
ビル緑化造園空間プロデュース
茶葉ぽいと土瓶と急須どちらにしょう
帰省の帰路八割方の空の便
予報的中陰性の梅雨
予報空振り陰性の梅雨

◼️秋
勧められ川越名物藷チップ
藷の街川越藷のモンブラン
藷の街川越たそがれ鐘撞いて
生き急ぎする甲斐ありて生身魂
食感もシコシコ栗のクリームシチュー
グルメツアー秋の茨城栗三昧
用足しに摑むベッドのひやひや鉄柵
覗き込む鳴門の渦巻き秋天下
日本へ脚を伸ばして雁の旅団
カニミソもぷんぷんツガニのがん汁は(大分)
だぼ鯊の呼吸ゆっくり缶の裡
葉に宿る露を数わば「億」「兆」「京」
腰屈め通りすがりのぎんなん拾ひ
喉薬「バーカバーカ」とえへん虫
高山寺流石もみぢにブレが無い
ルメールの騎乗新秋の空深く
文化の日鳩を象るハトサブレ
柿もみぢのぼんやりした色それが好き
柿もみぢのぼんやりした色わが好み
紅葉且つ散る中尽きぬ立話
黄落の三連休は近場の公園
首根っこ押さへて蓮根輪切りにす
人差し指の腹にひんやり竜の玉
曼珠沙華栄華は廃れ易きもの
立侫武多ぶっきらぼうに角曲り
月凄く水晶岳をけっぺづる
お三時のほたほた柿をぺろりと消化
邪魔をする雲をどかして望の月
流燈の大曲りして巖躱す
零余子飯掻っ込む祖父の箸使ひ
諸々の中でも錦木紅変す
点々と峡に村ある後の月
顔赤くなるまで煽り新走り
古新聞に暫し釘づけ文化の日
こっちは良しそっちは駄目よと道をしへ
出し抜けの風にゆらゆらいぼむしり
抛物線描いて夕鳥千秋楽
もみぢ観にことしも最後の三連休
ダボ鯊の釣られし面つき真近かにす
下からの石筍千年冷まじや
電球を撚ればきゅうと泣く秋夜
黄落の朝風峠を越えてチャリ
右に左に大和三山もみづれり
末枯れのサイクリングロード棚田沿ひ
シネマ観る片手に有機剥き甘栗
ぎんなんの皮剥き何とまどろっこし
ずぶ濡れの蔓梅擬実は紅熟
七合目色づき始むななかまど
ワンダフル名の木の紅葉ヒヤウイゴー
トロッコで川見て花見て高千穂線
盆栽育て完成形をイメージす

◼️冬
みかん食しあてずっぽうに出す結論
日溜まりのバス停からころ落葉馳せ
空調のハイパワーボタン押せば熱風
手抜きじゃないが師走の簡単ご飯
潤目鰯(うるめ)干し南紀の海に吹きっ晒し
用足すにこん処寒いたらありゃしない
乃木大将立像神社七五三
深夜目覚めて毛布もぞもぞ掛け直す
ちん餅や米の雨降る精米所
ちん餅は承るもの年の暮
ヘリコプター蚊のごと飛べり山林火災
雪の東名手に手をとっての平常運転
鳥取の白ネギフォンジュに長いもねばりっこ
お重ねの餅馥郁と店頭に
木の葉髪陽に透き落ちる自前の床屋
冬が来たけふはどの道あっち向いてほい
私のみ知る御寺の藪柑子
躓かぬやう用心の年とせむ
千両・万両廻りに巡らし瀟洒な家
初陣の名乗り上ぐごとポインセチア
物事は全て探検冬はじめ
冬浅きものの一つに水平線
冬浅し一筆書きの蛸入道
毎日が毎日らしく冬立つ日
毎日が毎日らしく小春の日本
一筆書き出来る法則冬うらら
海猫の糞白を主張す今朝立冬
立冬やぐらぐら薬缶沸騰させ
小春日和猫はだらだら遊びして
小春日和目高はぽこぽこあぶく吹き
万象が万象らしく玄冬到来
仕舞い忘れし風鈴外し冬籠
取り囲む海原日本冬ぬくし(地図 鰐型日本を見て)
鰐の容の島国日本冬ぬくし
硝子戸の埃を隈無く掃納
霜月の朱肉たっぷりつけ捺印
鉛筆の尖尖らせて十二月
英霊の戦艦浮上十二月
空母いぶきの連載続く十二月
こけしの頭の埃を払ひ年の暮
掌を開いて結んで年の暮
身の振り方あなた次第の年の暮(一茶に「ともかくもあなた任せのとしの暮」あれば)
一処青空残し師走空
濃紺に染まる外海十二月
サラリーマンたりし日思ふ数へ日や
年寄りのトイレは頻々凍て厳し
老大の用足し屡々凍れる夜
藁しべが川を下れる年の内
歳晩をよろけつゝ水運河を行く
よりコンパクトに写真の整理日短
観光の浅草にあり都鳥
東京クルーズの浅草にあり都鳥
べつとうや錐揉みとなる崎の鳶
行く年の東京湾に宿る船
生涯の写真の整理や年を越し
羽織へるもの羽織り大年の鐘衝きに
兎も角も口を結んで迎へる年
逝く年の灯をふんだんに東京湾
昼餉とす切り餅四角寒の入
買足せる佐藤の切り餅小つごもり
慎重に缶詰開ける寒最中
手を切らぬやうに缶詰開け寒中
冬の日や尖る鉛筆書き減らし
短日や鴉がカァと家離れ
目減りする預金残高はや師走
買い物一つ忘れをりしや日短
読み了る推理小説夜半の冬
我が家の戸締り寒さがバロメーター
小便に手を焼く寒夜続きけり
誰が残せし石ころ三つ四つ氷上に
冷たしと引き込む両指耳たぶへ
底冷えの布団の底で衝く吐息
耳許まで布団すっぽり霜夜かな
大寒気に強いらる生活きのふけふ
有無言はさず万物氷る夜なりけり
指で押しうすらひの張り具合
池の水氷る氷ると云ひつゝ氷る
首筋を攻める寒気に手をやけり
穴熊もてけふの寒気に対処せむ
短日や空白だらけの時刻表
短日や動く舗道に運ばれ行く
日脚伸ぶ一日がかりで遣る仕事
着手すべき順番を決め春を待つ
難題は後回しにし春隣
海の上金ひとつぶや冬の星
木枯らしは一号運動会は一等
改札を出て鼻先の空っ風
木枯らしと云ふ念力に近きもの
しろがねの湖面の吹き皺男体颪
寒風の砂丘深夜にかたち変え
少しづゝ家が傷むや空っ風
関東甲信吹き貫きて北下ろし
築四十年の家の挙げたるもがり笛
当たり前のやうに素通る隙間風
慣れ親しみ築四十年の隙間風
べつとうや日照不足の鉢物栽培
下総ならひゆっくり移動山間部
海へ出づ下総ならひ一安心
あまり降らねば雪恋ふやうになりゐたり
粉雪に翼を収めラッセル車
サラリーマン躓くことも無き根雪
海猫啼かせ包み愛しきものに冬靄
冬茜ドミノ倒しの夕汽笛
棒のごと夜霧の汽笛本牧沖
本牧埠頭トランクルームを呑み込む寒靄
冬の霧今海猫は五里霧中
鳴き交はす海猫を目隠し冬の霧
汽笛ぽうと東京湾の冬霞
寒靄と朗読噎ぶやうに云ふ
冬の虹あはれ片脚欠けてゐし
寒の水ふふみてさあてもう一ねむり
御用納古参社員に連れられて
御用納古参社員のあとにつき
料亭に整ひし松年忘れ
未だ上座なんていふもの忘年会
古参組上座を占めて年忘れ
倖せは何もて計るちゃんちゃんこ
着ぶくれてのぼせることもちゃんちゃんこ
近隣のどの子もみんな厚着せり
着ぶくれて突っ慳貪に断る電話
羽織るやうに毛布一枚胸元まで
紙子詠みし大野林火につながれり
かさつける音もぬくさうな紙子なる
裘立つ時鳴れり暖房車
電気毛布の小明り度数示すなり
電気毛布頼りに老いには老いの日々
電気毛布ぽかぽか股間も温もりて
つらつらと思い出すこと葛湯かな
まったりとしてゐる葛湯に運ぶ唇
湯豆腐に火の廻り来て昆布浮く
湯豆腐の箸のつけ時待ちゐたり
湯豆腐のそろそろ豆腐の煮え具合
冬至湯は我等夫婦も星を見ながら(回想)
ぎゅうぎゅうの通勤電車に揺られ年の瀬
一連の鯛焼焼く所作整然と
あつあつの鯛焼妻と半分こ
入試問題鯛焼と今川焼の違いを述べよ
鉄砲に當ったら死ぬそれがテッチリ
てっちりは薄情に似て薄切りに
ふぐと汁福引に似て當り當らぬ
すき焼や二日がかりの食べ残し
雨の夜を和気藹々の鮟鱇鍋
水戸っぽのもてなし篤く鮟鱇鍋
関東煮口を揃へてめでたき再会
煮凝りやこじれた話のより戻す
おでん屋に川風吹き込む伊勢佐木町
煮凝や話しの前提崩れたり
おでん屋の長椅子詰め合ふやから達
乾鮭のカマの辺りを持ち炙る
風呂吹の臼の如きを取り皿に
乾鮭を湯漬けに塩の噴き具合
塩引の徹底的に辛いやつ
朝飯に海苔の光沢米の光沢
体温計、注射ばかりの冬籠り
問診の◯X記入インフルエンザ
棒立ちして書店に新書読み散らし
威勢よく流行りつゝありインフルエンザ
ポリデント失せれば補充の冬籠り
亡き人の十八番を唄ふ年忘れ
板打ちつけ能登の風垣風鳴る中
雪囲施行も雑で大雑把
風垣の板張り過ぎれば盲目に
雪囲して一方を開けてあり
風垣の鉄壁じんじん鳴る風に
斜交いに見て黒石の雁木道
雪吊りの仕上がりを待つ兼六園
豪雪地雪除けてもや除けてもや
除雪車の運転難しY字の三叉路
雪吊の機材あれこれ運び込み
雪卸蹴落すやうに雪下ろし
手暗がりの根本中堂冬灯
ぴしぴしと玻璃打つ雨や冬座敷
殿様の上座は此処と冬座敷
石炭を動力源の佳き時代
煉丹の穴と云う穴焔立て
夜いっぱりの火燵這い出す声嗄れて
十一月の声聞く身辺気忙しく
賀状書く親戚筋は私の担当
賀状書く怪しき漢字はスマホで確かめ
落葉焚充分温もるまで長居
焚火囲む人等の中へ割って入り
夜焚火の顔を真っ赤に近所の五人
日本の焚火にあたると云ふ文化
蕭々と雨おとつひの焚火跡
あれこれ手かけ傍を離れず夕焚火
風穴開け炎上計る夕焚火
国道まで走り出て見ぬ火事近し
昼花火の大型版があの海市
遠火事のサイレン闇夜に吸い込まれ
冬耕や舞台のやうな平原に
冬耕の人暮れて来て消失
なぞへ畑より蒟蒻玉掘り出す
蓮根掘り旺んあっちの田こっちの田
蓮根洗ふ音のぴちゃぴちゃする黄昏
蓮根の掘処奇しくも泥亀町
蓮根掘りいとも簡単機械掘り
割干しや台地の果の水平線
懸大根日和海と言はず山と言はず
あれは大根洗ふ機械かでんと据え
大根台地は雨吸ひ尽くし黒台地
この辺り手当り次第に懸菜かな
想像して俳句を作る干し菜風呂
大根台地青空なのに雨が降る
にんげんも熊も反省付き合ひ方
鹿を喰ふ熊が出て来て大騒ぎ
死者数を先づ減らせねば熊問題
とんでも無き事態に進む熊問題
自衛隊の要請有りぬ熊問題
自衛官熊に発砲ちりぬるをわか
ギヤマンで竹瓮もどきの魚取り器
網代木使ふ古風な漁法日本に
柴漬や密談交わすごとく雑魚
小魚の数多寄り付く古柴漬
竹瓮の紐土手に繋ぎて地元の子
柴漬の古れば畑の袖垣に
手際よく竹瓮仕掛けて川上へ
泥鰌掘り捏ねるにあらずその生業
勇魚取り調査捕鯨の名のもとに
捕鯨國日本捕鯨の先細り
牡蠣打ちにぐいと傾く西日かな
炭を焼く人に逢ひたく逢ひに行く
炭窯はあの辺あたりと指させる
投げ上げるものもう尽きて池普請
投げ上げる鱗(うろくず)見てゐる池普請
夫婦して恒例の注連作り
八ヶ岳山麓使ひ寒天作り
鎌倉に七切通し羊歯刈りす
あたりかまはず一心不乱に干す寒天
寒天造り八ヶ岳連峰遠に据え
富士山の日影るが見ゆ避寒宿
梅探る歩みは夢遊病者のやう
広重も歩きし道を探梅行
牡蠣小屋のでかき看板街角に
山深く日当たる道を探梅行
モーグルで先づ金メダルサムライジャパン
青写真しかめっつらしてピースして
この端の人が私や青写真
竹馬でころんで仕舞うやもう全く
竹馬には終に乗らざりへそ曲り
縄とびの何処から入る大津波
雪合戦思う存分日が暮れて
漁師の子どんぶらこっこと縄跳びす
雪礫的中それから本気出す
夜行スキー列車に籠る熱気むんむん
夜行スキー列車長野を通過中
谷底へ急行蛇行のスキーヤー
意表つく業の続出ラガーマン
服バタバタ叩いて終る雪合戦
粒選りのラガーマン揃へてスコットランド戦
スクラムとタックルの応酬好試合
眼にも止まらぬシュートが待たるアイスホッケー
左甚五郎まがひの出来の雪兎
戦いの次の次よみラガーマン
戦いの次の次よむゲームがラグビー
左利きの生徒が作る雪うさぎ
重心上手に移して滑るスケーター
風邪ピクと脳をとらへて離さざり
脳犯すインフルエンザのウィルス菌
後頭部ヒクとひきつる鼻風邪か
風邪薬三粒ごくりと嚥む喉越し
薬飲み風邪が抜けたかつーつかつう
風邪気味で通す散歩の二、三日
いやらしき色のありあり水っ洟
青白きセンサーライトが頼りの用足し
水っ洟垂らして遊びしことはつか
歯切れよく否と云ひたる息白く
水飲みに起き寒夜の水道水
悴みて遅刻の言ひ訳探しをり
懐手解く術も無く模索中
懐手大木其処に在れば也
炬燵して猫派犬派の贔屓談
雑木にも雑念あらむ散る木の葉
腕時計の遅れ直せる日向ぼこ
十二月八日付け新聞開戦日
アリューシャンの島に集結開戦日
十二月八日新聞何報ず
名物野菜を県(あがた)納むる新嘗祭(明治神宮にて)
けふの天候アプリで確かめ七五三
行きずりは私ひとり七五三
神殿で何やら神事七五三
針祭おん母仕立てで生計立て
後学の為にと覗く羽子板市
羽子板市唯佇んで見てゐたり
羽子板市の絵柄に関心見てゐたり
玄関で大きな声出し鬼は外
妻所望大きな声で豆撒けと
コンビニで売りをる豆で鬼やらひ
瀬戸神社の豆撒き子供が主体ぞと
ふぐりおとしの言葉残るやかろうじて
途中から雨の降り出す三の酉
一の酉坂東橋で地下鉄下り
神農の虎買はれゆく祭とか
御旅所へ秩父囃子も熱気帯び
篳篥の天に吸はるゝ神遊び
日本式パントマイムを里神楽
ベニヤ板四角い囲いの札納
鎌倉の小山伝ひに十夜行
除夜詣序でに買ひ込む新聞二、三
近隣の神社へめぐる除夜参
大年のかがり火散り込む大き穴
堂柱の近くに陣取り十夜婆
万灯のリヤカー乗り入れ本門寺
山門より御堂へ連ねし十夜提灯
鉢叩きすたこらさっさとその足取り
消えさうで消えない焔臘八会
報恩講の鐘ゴンとつく本願寺
臘八や雑木を透ける星あかり
もう齢や除夜の鐘つきやめておく
決められた数打ち静か除夜の鐘
紅白の余韻覚めぬ間除夜の鐘
行きずりのカモシカ宙を飛ぶ聖夜
水道水ごくりと旨し除夜の鐘
コンビニの中も盛況クリスマス
寒行の圓歌出て来て滝行す
クリスマスソングが地上に漏れ聖夜
ジパングの末裔祝ふクリスマス
クリスマスツリー早々コマーシャル
老人の見送るものにクリスマス
聖夜待つものにコンビニ・映画館
古きよきデズニー映画等見てイヴ
何処も彼処も子連れで混めるクリスマス
sigin’ in the rain雨に華やぐクリスマス
有楽町は富士屋の聖果を提げ帰宅
あの当時聖果と云へば富士屋のペコちゃん
聖夜の灯縦に連ねし伊勢佐木町
達磨忌の隣が翁忌俳句歳時記
「そうだ京都へ行こう」空也上人像(空也忌)
白息の二文字しるき空也の忌
一茶忌の臍を抱へて笑ひけり
一茶忌や楽しく在らむとする俳句
句作りは一茶に倣らへ面白おかしく(一茶忌)
灯を灯す一軒夜色楼台図
牡丹の蘊蓄俳諧中興の祖の芸風(蕪村忌)
波郷忌や切り字の俳句は稍苦手
亜郎まで遡りけり我が師系(臼田亜郎忌)
総ルビの俳句読みけり一葉忌
思ひより言葉立たせて漱石忌
長生きは何より得と青畝の忌
徹底的に潔癖野郎の忌なりけり(中塚一碧樓忌)
エッセイを神様扱い寅彦忌
物理学てふ学問を寅彦忌
草城忌機嫌よく打つタイピスト
ご機嫌を取りつゝ教ふ碧梧桐忌
おはやうてふこゑに乙張り碧梧桐忌
ゲゲゲ忌の鳥取鳶が描く漫画(水木しげる)
街中を活歩する熊世も末ぞ
きまり悪さうに化けて出雌狸
テレビひねれば朝っ原から熊問題
冬眠を忘れた熊がゐて困る
どの熊も人を殺めてはならぬ
冬眠が上手な熊は大歓迎
熊が街中彷徨するとは大問題
拡大が倍増熊の分布域
けふも又踏んだり蹴ったり熊問題
野兎の狩られて食肉・なめし皮
漫画で見るジパング鯨の海の果
勇魚取りにペリー率いし蒸気船
白長須鯨の解体無駄無く大包丁
ペリー提督鯨油を採りに江戸くんだりまで
大航海座頭鯨は蛋白源
勇魚ども採って何ぼの大航海
寒禽のつゝと海面かすめ飛ぶ
犬鷲の海をめがけて急降下
繰り返す鷲の旋回長者ヶ崎
ベーリング海峡ごつんと砕氷船
建長寺の裏山深く笹子鳴く
晴れ晴れと朝来て啼くや寒雀
移り身の頗る速し寒すずめ
巣作りの下見かバサと寒鴉
寒鴉追ひかけられて隣家の軒
組み立てのゴミ箱の上寒鴉
梟の微動だにせぬリンゴの木
ゴロスケの啼き声真似て御伽咄
水鳥の声引きずって湖横断
ホッホッと息継ぐやうに森の木莵
舐めるやうに水鳥を撮るシャッター音
水鳥の手ブレの写真写真帖
池の央あたりへぷかり鳰の首
波に乗ることが倖せ百合鴎
をしの背に水玉幾つ秋日和
回れ右の号令かけたき浜千鳥
嘴が脚が進める群千鳥
鳰そんなに潜って飽きないか
心配になる程潜って鳰
関東の呼び名でござんす都鳥(そもそもは伊勢物語)
水上バスダダッと発進冬鴎
都鳥駒形橋経て言問橋
目のきつき浅草育ちのゆりかもめ
白鳥のこゑから先に飛びにけり
丹頂の収録の声賑やかに
冬かもめ墨田一帯橋処
白鳥の放映伝助持ち出して
雄雌の丹頂がおうぐるる哉
白鳥の首と云う首千波湖に
紆余曲折して鰰の水揚げ量
鮪の賄いインドネシアの実習生
通勤帰りの序で寒鰤四切れ程
払暁をぷかと浮き出る金目鯛(きんめ)漁
鮟鱇の糶水産棟の片隅
好物の生干し氷下魚を朝市にて
首垂れて一日寒鮒釣の爺
寒鮒の一生濁りのとれぬ沼
潤目鰯(うるめ)干す鎌倉「岐れ道」の辺り
干し上げて眼の鈍色に潤目鰯
時頼の坐像の如く凍て磐石
寒鯉の鰭一振りに凍てゆるむ
ずわい蟹売らるゝ姿脇締めて
香箱は味を買はれて磯料理
鳥取は境港のずわい蟹
香箱と松葉蟹(まつば)自慢の伯耆の海
出稼ぎもうしなくてよいもの蜆漁(十三湖)
枯蟷螂倒れ込む身を立て直す
海鼠噛む四十年は一昔
べつとうに蟷螂危うく立ってをり
其処に止まってくれないでくれ冬の蠅
冬蜂の屍はすすっと掃き捨てられ
冬蜂の死に方よりも生き方を
雲を裂き夕日沈むや寒蜆
飛ぶ気配一向に無く冬の蠅
冬蠅の其処と思へばもう彼処
冬の蠅の風貌見たし拡大して
大綿に突っ込んで其処抜けて行く
どぶ板の下の辺りで冬の虫
鎌倉の台所小坪石蕗咲かせ
べつとうや義貞偲ぶ鎌倉攻め(新田義貞)
ならひ吹く小町通りは人の波
箪笥裏のか細き声や冬の虫
八幡宮よたれそつねと散るもみぢ
蝋梅には満月・素心の兄弟あり
早梅や切岸に日は照り返し
熱海では多く見かける寒緋桜
寒緋桜咲き継ぐ其処に熱海あり
三渓園白が似合ひの返り花
養生の遠くを見据へて冬ざくら
その下に眩き池あり返り花
振り返へる先に家あり帰り花
冬ざくら此処にて小径途絶えをり
蝋梅や励まし足りぬ病患者
話題にす三渓園の返り花
被写体がブレてしろしろ返り花
蝋梅の光沢釦へ移りけり
寒ぼたん一ゆらぎして風かすか
小さけれど花数多き冬つばき
江ノ島のどの道ゆくも寒椿
建物の裏側も見ん冬椿
風が無いのに散って居るなり白侘助
白侘助ひっそり閑とした庭に
こぼれてもこぼれても白山茶花
さざんかの蘂夕冷えを託つ也
日暮れまで駆逐水雷花八ツ手
八手咲く隣家賑やか母子家庭
茶の花に躙り寄るもの裁ち鋏
寒木瓜の莟みと硬く大き実と
ポインセチア出迎え総合園芸店
白ポインセチア貴婦人めく作り
ポインセチア出窓を漁船通過中
レディース アンド ジェントルマン ディス イズ イエロー
ポインセチア
間道行けば光沢宿る青木の実
嘴の跡赤青まだらな青木の実
しろしろと青木の実と葉に鳥の糞
鳥共の取り零したる青木の実
ボーナス季出回る南柑20号
とんでもなき安値の3Lみかんかな
蔵壁に枯れ様しるき芙蓉の実
店長のお勧め宇和のみかんかな
本日のお勧め宇和のみかんかな
宇和島みかん甘くてほっぺた落っこちさう
箱買ひの蜜柑の傷物あるにはある
南柑20嘗て売れゆき制覇せり
冬林檎包丁ひたと取り込まれ
ああ長崎の小畑実のザボン売り
石棺に朽ち葉ちりぬるをわか哉
楝はぱらぱら銀杏はさらさら散るいっぽう
木の葉降り注ぐ急流九頭竜川
ゴミ出しに出向ける途中冬もみぢ
真二つに切れば吸ひつく冬林檎
風の日に残り少なに冬紅葉
濃きは濃く淡きは淡く冬紅葉
冬紅葉滅法明るき青蓮院(京都)
人それぞれに備はる美徳枇杷の花
鳥けふも来てゐる庭の枇杷の花
貧乏にも程度ありけり枇杷の花
昼からは美学の講義落葉季
床の間の寒山拾得焚火の図
落葉掻き燈籠の辺を丹念に
つと暮れて落葉の匂ふ杜の闇
一山の落葉の嵩の幾ばかり
一生懸命地べたに張り付く落葉掻き
朴落葉軍配返す如くかな
パッと舞ふ落葉つつつと石畳
庭掃除溜まる落葉を袋詰
建長寺銀杏落葉を踏みしめて
起き上り小法師決めたる落葉かな
寒木を手なづけ毎夜冴ゆる星
圧し折られしまんまで年を越す冬木
ずん抜けて冬青空に入る立木
腰に手を当てがひ見上ぐ冬木あり
寒林へ差し込む朝日矢継ぎ早
地面ばかり見ながら登る枯木山
煙草の煙一つ輪にして枯木見る
陽を受けて裸木何処か大威張り
陽を浴びて裸木何処か大威張り
まぼろしのアメンボをみる滑川
雪折れの竹のふるさと十二支所
鎌倉の奥へ奥へと枯れ進む
ある日訪へば鯉の痩せ行く滑川
渇水に鯉の痩せゆく滑川
川涸れて鎌倉此処にどん詰る(滑川)
忽然と鎌倉の消ゆ冬紅葉
寒菊の一点張り来し植栽
寒菊の苗より世話してこの彩色
野水仙波が躓く爪木崎
手に重る水仙一球選び出す
へたり込む野水仙など見たくも無し
潮しぶき上がる三崎の野水仙
葉牡丹の大振り小振り買ひ迷ふ
千両の啄まれゆく日数かな
実万両見下ろす庭の実千両
万両の背丈賞賛に値せり
葉牡丹の寄せ植えの数三乃至五
葉牡丹の寄せ植高澤家の玄関
藪柑子あぶらこうじのやぶこうじ(寿限無)
藪柑子パイポパイポのシューリンガン
枯れ菊に点火する時マッチの香
枯菊によれよれと火の廻りけり
その奥の奥を窺う枯れ蓮
冬菜畑冬菜は影を投げ掛け合ふ
白菜のおいどの辺りを撫で斬りに
押さえ付け白菜一刀両断に
緑光放つ原爆のごとブロッコリー
カリフラワー寝首欠かれて採取され
三浦大根デカさが徒して消えゆけり
葱の食べ方にも関東・関西風
精進料理たましひ色の葱使ひ
スーパーの長葱半切りにして貰ふ
大根台地三崎口から広がって
人参、じゃがいも小間切れにして三平汁
朝のニュース「あたたかくしてお過ごしください」
並行して走る麦の芽鉄路沿ひ
東京までレールは伸びて冬の草
暮れ易き日々となりをり枯尾花
雲ぽかんと置く円形劇場冬タンポポ
小坪湊の外は外海石蕗の花
石蕗の花海光集む階段丘
枯芝にへこたれて犬坐すところ
外海に面す江ノ電石蕗の花
アクロポリスの丘の片隅冬すみれ
パリの街並み冬タンポポの絮見倣ひ
いっぽん道の視野に入り来る冬すみれ
カトレアを胸の高きに授賞式
クリスマスローズ彩り披露せり
つくづく冬毛布あらよっとひっ被り
タイミング計り擲つ竜の玉
秘色宿すものの一つに竜の玉
おのづから誦すもの大寒小寒の唄
竜の玉覗けばラピスラズリ色
短日の何處を曲がって来し蠅か
もがり笛もがりもがらせ年の果つ
海峡の風に荒がふ一羽の鵟(のすり)
買はれゆき鯛も恵比寿も一蓮托生
年の火の為の大きな穴を掘る
自負に似し思ひも少しサンクスギヴィング(感謝祭)
堰の上に茫洋とある除夜の月
ヤットウの大音声寒稽古
バス大きく角を曲がって十二月
卓上の其処にあるもの片す除夜
中宮寺お顔拭かれし観音さま(煤払)
サンタさん雨に濡れないやうにと末っ子
拡大して見たきもの六花(むつのはな)(雪の結晶)
晴れた日の夕方寒し草っ原
年の瀬やリース作るにクジャクヒバ
むづかしき顔して咳する花沢徳兵衛
猫岳へオオシラビソの根を跨ぎ
こそばゆき鴨の川音三条四条
紅白の裏で「第九」やレナード・スラットキン
歳晩の餡饅「皮」より「餡」熱し
日本上空の寒気うんぬんてふ予報
大変な賑わいアメ横鮪あれこれ
朝日差し込む家の奥まで冬至以後
ポインセチア アラスカピュアホワイト素敵
ハイウエーすいすい雪は横殴り
歳末の鮪のお値段二割安
乾燥肌ボリボリ煤掃き途中にて
有馬記念大観衆は五万五千
ゲートインは順調さあさあこれからスタート(第70回有馬記念)
有馬記念レストレーラが鼻切って
迷走・波乱・激走こまごま有馬記念
ジャスティンパレス有馬記念は四回目
どれも覇者最後を飾る有馬記念
名将武豊メイショウタバルは逃げて勝利
ミュージアムマイル位置取り含めて最強
穏やかな年末年始になるでしょう(ニュース)
今年一の豪華さ花屋の花屑籠
日経のナンプレに嵌る小つごもり
楽あれば苦あり、苦あれば楽あり大三十日
小晦日味噌滓残る椀の底
銭湯は朝から遣ってる小晦日
銭湯絵に不二見当たらず小つごもり
延しに延し来しもの年のどん詰まり
首都直下地震の心配師走のニュース
師走の話題「企業受入帰宅困難者」
就中パンダ返還師走のニュース
イヴの天気サンタもしっかり傘さして
極寒の宝くじ売場に密着取材(テレビ 72hours)
けふの汽笛素敵雪中ストーブ列車
クリスマスシーズン毎夜のことシネマ観る
クリスマス近き夜「ホームアローン」観て
八十になっても「ホームアローン」観て
クリスマス映画選り取り見取りの日々
クリスマス映画見終り床に就く
イヴを堪能「リバティ・バランスを射った男」(映画)
未来都市イヴ本物の樅使ひ
緊急猟銃相次ぐ熊被害
今年のトピックス女性総理の國躍進
激動の今年来年どんな年
師走とは様々なニュース駆け巡り
裸木のいてふ君臨八幡宮
古びれど私の常着はカーディガン
イヴの夜を又々シネマ「ダイハード」
忘年会お酒はぬるめと舟唄ダンチョネ
指差喚呼きっぱり冬至の電車発つ
もて遊ぶ風船師走の独裁者(映画のチャップリン)
ぷーんと蕎麦の香師走の駅中店
終(しまひ)湯の柚子にあやかりよき睡り
冬至湯の柚子にこゑかけ上りけり
柚子湯して数へ唄など途中まで

◼️️新年
初夢でゆるゆるズボン買ひしこと
日の筋も春あらたかに迎ふ正月
表札の傾き直す大旦
銭湯にうたた寝心地の初湯かな
初刷をゆっくり広ぐ膝の上
手始めに身の廻りより掃初めす
新年の浅草にあり水上バス
元日の風にひらひら日章旗
初銭湯一見(いちげん)さんの子供連れ
スシローで何頼んだろか正月ぞ(大阪弁風に)
帰りがけマックでスパチキ初詣
あやたまの風受けバスの日章旗(2026年元旦)
ウィーンフィルニューイヤーコンサート曲目は「ギャロップ」(生中継)
正月のマックは気張ってサムライマック
神社と云う神社は行列初詣
オーダーは機械でマック正月も
初夢で妹の遊びはケンケンパ
凧凧揚がれ磯馴松(そなれ)も私も老朽化
古流凧福助上げむ浜松大会
茶葉ポイと土瓶と急須どちらにしょう
虫の羽音の古流凧なり天衝くは
アブセミの小凧は名古屋古流凧
竹筆で髭・月代を大凧絵
今年の目標去年より稼げる年
戦屁とも思はぬプーチン追放初夢
ことしの正月何と数へて九連休
初日の出昇れり房総半島越し
元日も寒気居坐る関東・甲信
新年号我が句の掲載こそばゆく

◼️相撲
客席へ転がり込んで宇良の負け
引き出しが幾つも多彩わざ師宇良
強きが大事小兵力士の勝ち角力

◼️雑
大平山かって国鉄のポスターに
ちんぷんのかんぷん帯状疱疹ちふ注射
シングリック接種二回目馬年の年を越え
働き蜂と言われた時代うさぎ小屋(日本人に対する陰口)
尿意頻り水は飲むなと云ったじゃないか(自戒)
寄る鯉に指を吸はせて阿字ケ池
乃木祀る神社鬱鬱杉林
旅するなら石燈籠の城下町
数えても仕方が無いもの齢の数
自転車をちりんちりんと日暮れの道
モノレール今幸浦を通過中
星の下一番電車発ちにけり
東京までの通勤電車小一時間
ご飯零す注意散漫叱声す
備蓄米玉子ご飯にして見むか
肥溜めに落ちし奴それが其奴の渾名(わが弟よ)
躰によき水木しげるの妖怪漫画
聞き逃す「杜子春」ラジオ深夜便
芥川の「杜子春」朗読ラジオで深夜
横須賀へ教えに来たり澄江堂
執権てふ役職下知の飛ぶ乱世
裁ち鋏紙の切れ味知ってをり
外海の荒さに徹し日本海
煌々と化石学者のファルコン・アイ(タジキスタン砂漠にて)
恐竜界の頂点制したティラノサウルス
ひとり旅降りし駅舎がいい風情
おんな港町歌って踊って八代亜紀
にっぽんのトイレ絶賛cool Japan(テレビ)
酔ひどれてもう一度逢いたい八代亜紀
サブウェイ彩色路線図cool japan
助っ人のアームロボット駅中蕎麦屋
巻き舌を以て絶賛北斎画
朝一の朝日東京湾より
サラリーマン時代以来の映画二本立て
お昼のニュースアメ横よりの生中継
日比谷公園に行きたくなりぬ行ってみぬ
日めくりの格言ふむふむ顎撫でつゝ
脱パンダ観光誘致熱を帯び(南紀白浜)
心配だAIづくめの教育環境
シネマ観ながら微糖ブレンド缶コーヒー
腹が立つ詰め込むシネマの幕間
いい人と加藤大介のこと徹子の部屋(テレビ)
「心旅」棚田だらけの明日香村
ホ句作りとその数兎も角先急ぐ
パンダ返還カンカンランラン以来にて(シャオシャオレイレイ)

以上

# by 575fudemakase | 2026-01-03 05:49 | ブログ | Trackback

最近の嘱目句あれこれ45 2025年 (高澤良一)

最近の嘱目句あれこれ45 2025年 (高澤良一)

◼️春
潮溜まりの底をド派手な雨虎
忘れ潮遊び呆けて何の稚魚
民宿の婆のお手製カメノテ汁
五段ものもずく売り手の不精が見ゆ
五段ものもずく売り手の魂胆見ゆ
平家の落人半農半漁の素もぐり漁
鷹化して鳩を哲学的に考える
小灰蝶にして見たきもの職務質問
大惨事高原レタスの不結球
高騰はレタスが筆頭道の駅
天ノ下何して呆けた土筆達
有明海苔パリッとそろっとふわっとが佳し
その作り臨春閣は雁行形(三渓園)
湯川秀樹目指す我等は理工系(関東学院六浦 学級編成)
朝夕に池に張るもの薄氷
早起きしてこれみよがしの朝桜

山菜など頬張りSLグルメ旅
浅蜊売の傍に潮吹転がって
浅蜊の中の潮吹一つ退けて売る
浅蜊が潮吹けりちょいちょい浅蜊売
掘り当てればちょろと舌出す大馬珂貝
呆け封じの寺木蓮の暗紫色
空怪し一雨来るか紫木蓮
ヴィオラ枯らす鉢の水遣り怠って

◼️夏
タイドプールにヒョウモンダコ等居ることも
藪蚊退治八十越えのええおっさん
海浜掃除総出地元のおっちゃん達
別嬪の海牛岩窪散策す
掛け時計は大方丸型時の記念日(六月十日)
海猫旺んに舞ふ大空や釣日和
釣は解散海猫舞ふ中家路とる
高級志向百年続く梅農家
天日干し百年続く梅農家
雹被害の黒き点々干し梅に
弁当に自前の梅干梅農家
ガザミとらんと海の町綱不知(南紀白浜)
大夕立の裾荒風に捲れけり
自転車は隊列組んでゆく夏野
口ずさみながら童謡花菜畑
南高梅おい頼むぜと梅農家
午後は昼寝とさっきから云ってんじゃん
リズムよく俳句は作れとくねる蛇(くちなわ)
鰻の焼おにぎり浅草の裏名物
はつなつの館山の海揺らぎ詰め
激安は猛暑で黒ずむだだちゃ豆
朝涼や高原レタスの一大産地
首振りつゝ氷雨の中を出走馬
並足で粛々梅雨の出走馬
殻付きの又殻無しのかたつむり(東京都小
島 進化論)
就中何時殻無くせしかかたつむり
幼児等の隊列百足虫の揃ひ脚
梅雨の浜釣果無く濃霧に隠る沖
薔薇一つ貧家を整す梅雨日照
大輪の紫陽花揺する雨後の風
一雨ごと色極まりぬ額の花
あじさゐの紫紺深めて房重し
一雨毎色の移るや小あじさゐ
何をしに来たのであるか冷蔵庫の前
立小便ずずっと見上げて青森椴松
ニョロニョロと何処へ消えたか蛇(くちなは)は
新聞の切り抜き大事額の花
三歩先そっちへあっちへ道をしへ
わが前をそっちへあっちへ道をしへ
ところてん喉をくすぐり胃袋へ
さくらんぼ種の仕末を思案中
餌をやればあんぐり口を緋鯉なる
餌をやればがばちょと口を緋鯉なる
帯広のお子さん連れのばんえい競馬
夏には衣替えする山アチョイと民謡に(阿岸の郷まつり音頭 輪島市門前町)
来やがったか予報通りのゲリラ豪雨
紫微(さるすべり)懺悔の果てに何を得し(北原ミレイ)
青嵐鱏の一掻き喰らふごと
いい加減にしておけと蝉諭す声
鳴き移る蝉を許さず梧桐は
天候不順トマト玉ネギ三割高
富と権力こがね虫と兜虫
横浜の未来都市の上い行く白雲
広島忌アイロニーとはどう云う意味
原爆を持つ國抱ふアイロニー
一本道タマスダレ咲く通学路
こゑ掛け合ふ朝の出船穴子漁
幽谷に小滝を掛けし青木叢
缶からカンカラの音「おーいお茶」
国産茶百%缶から冷し飲む
「おーいお茶」の横腹にホ句粋な計らい
「おーいお茶」は冷凍厳禁レンジ厳禁
ビタミンC豊富緑茶に茶カテキン
缶からのタブを起こすや「おーいお茶」
終に脱皮努力の果ての油蝉
静岡の新茶ふるまふ観光列車(いっさかほい)
王将の箸紙にホ句麦酒遣りつゝ
鈴成りの楊梅支ふささえ棒
観光列車清水で止めて捌く鯵
黙々と働くものにスプリンクラー
室育ちの立派なトマトに塩振って
御来光東京湾の方よりす
もう起きねば夏暁のベッド小鳥のこゑ
西日浴ぶ街を貴方と自転車で
階の蟻何見つけたか急行す
木登りの落ちてはならず夏けやき
病葉の決心思ふ今朝のこと
大夕立大群衆を分断す
大股にすかんぽの道町役場へ
ナイル川の千年の流れ睡蓮に
線路際の枇杷袋掛して数数千
かたばみの花に膝折る祖母偲ぶ
あっさりとしたもの昼餉は冷さうめん
アスファルトの補修了りて油照
いちめんの蓮田昭和が甦る
新築の一棟麦畑の向う
昭和の日々きのうのやうにラムネ飲む
朝採りの絹莢 味噌汁お変りす
病葉のとまどひ辺り見渡して
スーパーリンペイ見ながら甘酒やりながら

◼️秋
蜩聴き人生下りで平坦な道
長寿國日本鰐型豊の秋(Zipangeは「黄金の国」の意)
中華街抜け来焼き栗手みやげに
焼き栗の馥郁デートの中華街
駅止めの会津身不知遠き昔
途中から立ち消え河口の秋の虹
焼き栗の押し売りに逢ふ中華街
東京音頭尊徳像も聞き給ふ(二宮尊徳)
焼栗に舌鼓打ち中華街
かたつむりの殻の空洞秋の風
ビューティタイム石榴ティストティ
はるか昔の味石榴ティストティ
食後のデザート種有り柿の小片ころころ
私にはとんと縁無き白秋忌
手に取って見るだけ高値のマスカット
今宵の月とんとお見かけしない方と
銭湯は朝からやってる文化の日
他愛もないゑのころ摘むや風の中
その違いどう見る敗戦・終戦日
どぶろくや瓶の作りに凝に凝り
霧しぐれ模糊と保津川紅葉狩
タチウオ・アジ・マダイの時季と釣船屋
梧桐のもみづる青葉と黄葉の路
稲作へ職変えイルカショウのお兄さん(南紀白浜)
青・真・小・鈴鴨居る一団
鴨渡る遥かなるもの遥かにし
なっちゃない翔び方をして鴨発てる
初鴨の制動距離を比べもし
見苦しくなく初鴨の着水す
水管橋絶景もみぢの荒川見ゆ
薄紅葉越しに見ゆ湖ボート漕ぐ
薄紅葉越しに見ゆ湖いい感じ
サイカチと鳴れる気のしてその枯れ実
皂角子のからからと鳴る峠道
皂角子を仰いで通る我等一同
末枯れの河原をメダカの学校の歌
どぶろくや舌に生ハムまったりと
訳あり食材コーナー熟れ柿山積みに
落霜紅何時になったら止む地震(ない)か
うめもどき真っ赤感激覚めやらず
毎日晴れ雲一つ無き柿の里
秋日和からあげあげあげからあげ音頭
豊の秋大将いけるはこのからあげ
大銀杏抱へ一言豊の秋(鎌倉八幡宮)
十月のモップ濡らして床を掃く(小学校掃除当番)
初鴨の降りて辺りを散策す
柿の里柿の脇抜け登校児
白浜は秋鶏頭の花咲けば
爽やか写生活かすも殺すもリフレイン
紅葉の吟行俳句についての立話
早野凡平披露す爽やか帽子芸
中庭の中途半端な紅葉かな
紅葉に利く朝昼晩の寒暖差
満月に眠れるジプシーライオン画(ルソー)
関西人曰くお芋さんお月さん(女房詞)
天候曇芝良秋の天皇賞
網入れて海苔の種付け千葉富津
路地奥に良夜の灯点すスカイツリー
敗荷は猛暑のせいでこの有様
本馬場へすすむ隊列菊花賞
風格ある馬体の入場菊花賞
秋雨の中有力馬パドックへ
片言のルメール天皇賞制す
武豊のメイショウタバルは残念賞
三才馬がワン、ツー秋の天皇賞
有力馬わけても8枠メイショウタバル
出走前わっと陸自のファンファーレ
菊花賞芝三千の長丁場
ゲームクリエーター・漫画家叙勲の文化の日
菊育て職住近接計る人
バス停は雀の遊び場秋日射
ピアスして一寸洒落たり秋服に(私ではない)
狼狽えつゝもらふ勲章文化の日(私ではない)
ダンディと云ふべき池尻の破蓮
疾うに過ぎをりぎんなんの拾ひ時
ぎんなんを拾ひ損ねし年なりし
錆石榴爪弾きして通りけり
長雨に彩色整ふ小むらさき
一番星直ぐに見つかり秋の空
一つ見つかり次々見つかる秋の星
秋も深まりその日暮らしを蜩と
ゆんべの台風何処へ行ったか嘘のやう
避けやうなき颱風中国動かれず
名月はご存知武将の肝っ玉
菅浦は浮塵子ぶんぶの四足門
音程は頓珍漢でカンナ咲く
ビリッケツは男子の恥と徒競走
追いかけても離れるばかり徒競走
負けたくない運動会だがビリッケツ
徒競走どうした訳かビリッケツ
山は秋一気に紅葉すすむ秋
水神さんのお下がり銀杏ご飯かな
酸味又これ好し洋梨ルレクチェ(ラ・フランス)
大和尼寺精進料理ぎんなん・炊き込みご飯
鶏頭の頭でっかち倒れまじ
もみづれる内苑見学ぞろぞろと(三渓園)
小流れの音爽やかに聴秋閣
馬厩舎肥を使って茸作りかな(帯広)
法師蝉死ぬる日数を数ふ日々
番組を中断虫の夜のラジオ
徒競走ラストスパートの甲斐も無く
気流に乗りエベレスト越ゆインドガン
雀わくわく蛤にならむとする間際
海渡るアサギマダラの秋のルート
三角州い行く目で追う秋茜
丁寧な挨拶コスモス揺るゝ中
金木犀だらしなくなりぴちょぴちょ雨
素通しの硝子が似合ふ美術館
一般公開乾通りの紅葉狩
青空も取り込み皇居の紅葉狩
協会新聞覗くや秋の物故者欄
釣人の集合離散文化の日
鯊釣船天気に恵まれ東京湾
紅葉の中継ニュース此処熱海
じゃが・玉ネギ高騰高温障害で
模擬テストの結果よからぬ夜食かな
お会式参り池上駅で落合うて
団扇太鼓手に手に行進門徒衆
団扇太鼓でんでんぼこと打ち始め
当地にも市民農園秋麗ら
真っ直ぐに黄落抜けるいっぽん道
先づ楓風に黄変西芳寺
つと暮れてたそがれ長きべったら市
柿の種丸っこいのと真ん丸のと
ふるせ等東京湾で釣れ始む
エアプランツ辺りの空気を肥としつ
おうたむんあの手この手の観光列車
双眼鏡配られ秋の観光列車
しゅしゅぽぽと自然薯列車の明智鉄道
大正の神寂列車の秋寂びて(大正天皇お召しの列車)
紅葉繚乱嵯峨野のトロッコ列車かな
渡月橋百花繚乱の秋到来
中禅寺湖のもみぢの黄葉今月末まで
日本各地湧きに湧きたるクラスター流星
秋の山遅々と移動す雲の翳
送電塔点在もみづる那須原野
英国は塗り絵流行りの読書の秋
柿の木に登る熊あり畑不作
ちんちんを取り出しおしっこ芒原
指サック早速冷やつく指先に
日の匂ひせるたばこの葉薄黄なる
ほんのりと進む食欲柚子大根
この土日はお出掛け日和秋日和
黄落季境内上下真っ黄色
寒暖差あれば横手のホップかな
うはばみは穴の下見に精出す日々
大藁船繰り出し横手の送り盆
町会毎藁船繰り出し送り盆
端縫い着てキタさと西馬音内盆踊り
西馬音内ずずずと吸って冷やがけ蕎麦
ポートランドで習って横手でリンゴ酒作り
端縫い着てガンケ踊りを娘っ子

◼️冬
寒風に尻をからげて自転車置き場
晴れし日選び墾戸磨かん小晦日
喜多曰く「時に蒲鉾鮫じゃアあんめへ」(十返舎一九「東海道中膝栗毛」)
「かまぼこの日」が在り蒲鉾食さんか(十一月十五日)
コインランドリーは師走の混み方してをりぬ
師走には師走の混み方コインランドリー
煙濛々討ち入りの日の泉岳寺
有名なシェフ監修の節(せち)売り出せり
正月用の食材ずらり師走半ば
ブレーメンの犬、ロバ象るイヴの菓子
イヴのケーキの受付パン屋ブレーメン
師走のキネマうさぎと狐の警察官(ディズニー映画「ズートピア」)
てんこ盛りのコンテナ師走のコンテナヤード
東京まで車窓の枯れを突っ走る
電線の張り方如実冬青空
裘車窓の日向にほっこりす
まるっきり枯葉削がれて立つ雑木
酉の市大中小の福だるま
酉の市ちんまりと立つ瀬戸神社
木枯らしが梧桐の頭を削ぎに来る
枯葉舞ひもみぢ葉ふう並木道
舗装道路落葉カサカサ杖トコトコ
一冬に二回天然氷日本中へ出荷
誰も来ぬ裏日光のダイアモンドダスト
一人で雪掻き日光裏道隠れ里
天然水作り雪退け裏日光(一番氷は捨て氷 天然水作りは二番氷より)
根子岳へオオシラビソの根を跨ぎ
八幡宮枯木の間にまみゆ半月
老いて老いて溜息白息つくばかり
豪勢過ぎるおせちの勧誘呆れたお方(テレビ販売)
身の芯からぬくむよ茶碗蒸し中華風
すき焼きの具材葱提げ帰り道
具沢山喰い気を誘ふおでんかな
千三つのいてふ落葉を振りかぶり
十二月モツプ走らせ床掃除(小学校掃除当番)
買ひ得のブロッコリーなり売口上
けふあたり寒気のピークと朝のニュース
けふあたり寒気のピークと朝の天気予報
高梢に残る葉もみぢ雨上り
高梢に残るもみぢ葉雨上り
イルカ踊る海に向ひてくらした海人(うみんちゅ)
長瀞のサイクリングロードを落葉馳せ
接岨峡涸れゆく川にい行く白雲(大井川)
訳あり食材コーナー師走の人集め
あたたかいスタート十二月朔日
年の瀬の「第九」ダイダイ大好きで
恵比寿ガーデン10万球のイルミネーション(LED)
今日は何の日「おだみきをの死」(三段跳 織田幹雄)
熊の目撃頻繁熊の糞の有無(秋田放送)
熊対策庭の柿の実とりおけと
十二月二日笹子トンネル天井板落下(今日は何の日 放映)
年の瀬の早起きおもちゃのチャチャチャ
朝一の波のうねりや冬立つ日
過冷却水飛び来てだんだん樹氷となり
寝てるしかない寝ていよう除夜の鐘以後
こんもりと樹氷乗っけて大白檜曾
立ち塞がる椴松スノーモンスター
そこそこに撮れてゐるなり青写真
もう一押し氷柱は図太く太りてこそ
雪掻のあとすることもなく昼寝
なんだ置物の熊かちっとも怖くない
小便の湯気立つ先に雪後の街
悪さしたやうに酢海鼠縮こまる
赤目河豚何が不服でその口付
今朝の冷え込みダウンジャケットだとチョッとな
落葉時雨の湖岸道路をサイクリスト
菅浦を時雨が渡る黄昏れ
冬の蠅透ける硝子に遮られ
たくあんの黄色に元気貰ひけり
永谷園のカップのお茶漬冬の夜に
風邪引いたかこっそりすっきり龍角散
飛行機がぶーんと飛び立つ深雪晴れ
暮に集ひ賑やかに年送らんと
古民家村便り初雪前にして(NHK BS)
枯枝に雪アンバランスに深雪晴れ
始めてや身体労わる冬の薬膳
買い出しのあの方今夜は鰤大根?
すき焼に喉鳴る ご飯をてんこ盛り
鈴鴨に向ってcome onと女の子
三渓園水辺や桜落葉の香
一団の鴨進む方何か有る
つはぶきの林立三渓園裏口
煙草火の小火有り駆けつけ消防車

NHK秩父夜祭生中継
秩父屋台囃子トコトン夜も更けて
山車引いて若衆見処はギリ廻し
地図に辿る山車の順路は団子坂
小学校はお休み祭りに繰り出す子等
下郷の笠鉾引手三百人
下郷の山車の切り棒てこ棒抜き差しして
一年の祭を終らす秩父夜祭(川瀬祭、ジャランポン祭、御田植祭、龍勢祭)
秩父屋台囃子の練習テンテケテ
秩父夜祭小太鼓の音長丁場
ベランダに人乗り出して夜祭見物
冬花火うち上げ夜祭酣に
山國の夜気を引き締め冬花火
上町屋台の見返り鯉の滝登り
団子坂越えゆき山車はお旅所へ
中町の屋台はしっかり腰廻り(安産型)
子供等の歌舞ける屋台芝居かな
夜祭の殿勤む本町屋台
ギリ棒の抜き差し派手や中町屋台
達磨図の見返り中町屋台かな

霜の夜の小粋な一曲「茶色の小びん」
ハライソへ行くのは順ぐりきよしこの夜
止まる時顔を傾け島柄長
高梢にじゅるりじゅるりと島柄長
帯広の豚丼長ネギ、唐辛子
小晦日臼抜ける程餅ついて
胸倉より顔面襲ふ清川だし
凍みる夜の千の熱唱おふくろの唄(千昌夫)
掃納ゴミのポイ捨て腹が立つやら
御神渡り尋常ならざる天の声
二、三言花ひひらぎへ声懸けぬ
もうそんな頃よと日に当つ毛糸のセーター
重装備の釣人厚着で船着場
払暁の出船しばれる波喰らひ
強霜の船端埋まる釣人で
冬は遊びまくれインバウンドの旅に
冬を活用身体作りのアクティビティ
冬は愉しみ遊べマイ・ユアアクティビティ
冬遊び雪期に流行るアクティビティ
氷瀑を見にゆくツアースノーシュー
小春日の犬とのふれあい日差し中
雪原馳すアラスカン・ハスキー犬橇体験
スキーリゾートで犬橇体験命伸ぶ
奥入瀬でスノーシュー散歩冬満喫
かぼちゃ食べ柚子湯に入ってわが冬至
年の瀬に試して納得シュレッダー
どか雪の踏んぶし体験スノーシュー
手擦りに雪片橋に豪雪九頭竜川
平野は平ら、山はもっこり雪を載せ
賑々しく冬は風・風邪・風任せ
湯治客愛づる師走の冬紅葉
東京はぽかぽか陽気霜月朔日
夕日差し家の奥まで大三十日
風も然り今日からの十二月
日めくりに師走の文字十二月
十二月朔日何故映画の日
日めくりにコメント昔歳末たすけあい
つくねんと尿(しと)して戻る綿布団
不覚にも忘れてをりし三の酉
秩父夜祭驚天の冬花火
野沢菜漬け青空ながら刺す寒気
定番の鰈の煮付け夕餉とす
社寺の縁日多々ある中の年の市
夕月にさむさむと暮れ地平線
酉の市友との再会楽しみに
観光列車鮟鱇ローストのイタリアン
焼け止まぬ火事あり空家ばかりの街
底冷の深夜の放映サスペンス
聖夜彩るポインセチアの溢れる街
空き家多き故の火事とか今朝のニュース
息白くニュースキャスター「お早うございます」
火事のニュース朝っぱらから関東甲信
つむじ風櫟落葉を走らする
ハウス栽培のポインセチアぞ一万鉢
ポインセチアの出荷始まる鉢の数
青木の実ひっそりしてゐて気になる家
寒雀隣の家へ横滑り
寒雀隣の家へ鞍替えす
熊のこと なるようになるジタバタせず
熊穴に入るか否か其処が肝心
喪中ハガキ舞ひ込む年の瀬バイク音
朝日の矢 戸の隙間より冬立つ日
服喪のハガキ立て続き来て十二月
ことし一番の冷え込み予報十一月
悪さする熊の出没困ったもの
悪さする熊の出没年の瀬も
冠雪の便り早々倶知安より
ポインセチア乗せ置く机ガタついて
インフルエンザの注射受けし夜安眠す
寒いから寝ることにする雨小降り
股間の頭突っ込む遊び日暮れまで
もうこれ以上飲めぬと云うこと口にする
へべれけになるのはもう無理なんちゃって(燗酒)
不思議なもの寒気は痒み伴ひて
これはしたり熊のほっつき歩く街
空調のぜいぜい暖房入れし部屋
クリスマスカクタスぽっちり花落とす
葉の繋がりシャコに見立ての蝦蛄葉仙人掌
徐々に伸ぶ日脚の冬至あたたかし
雪片のちらつく馬籠宿に着く
雪暗の木曽路旅人急ぎ足
うずくまる雪の木曽路の杉木立
うずくまる雪の木曽路の風景画
下駄跡の雪にくっきり八幡宮
雪駄跡雪にくっきり八幡宮
御神域万物雪気に息潜め
日暦に残れる日数けふは煤掃
峠越す人に粉雪大いに降る
綿虫が屯す焼却炉の跡地
夏みかんの汁を絞りて熱湯に
冬と云へば昭和の老人ポンジュース
ワークマンのポケットだらけの防寒着
わが家への路が埋まらぬやうに雪掻き
大つごもり大きな穴掘る何の為
初雪のちらつく中をコンビニへ
雪掻きの音細路地を進み来る
除雪車の音細路地を進み来る
雪掻を朝っぱらからご苦労さん
夕飯の鰈の煮付けに箸伸びぬ
小春日和窓越しゆっくりい行く白雲
寒ければ電気ストーブ近う寄れ
よく見れば私の手袋びっこたんこ
「今晩は六時になります」寒波のニュース
来週一気に寒くなり空気乾燥
演武チャタンヤラクーサンクー猫脚立ちの師走かな
いざ出陣師走の渋谷の交差点
寒鯉は居合の如く水を撲ち
華と咲く尾灯師走のハイウエイ
早々と自転車点灯初冬の国道
柿の木と思うすっかり実落とせしは

◼️新年
初夢にMPの立つ蒲鉾兵舎(Military Police)
蒲鉾が出て来る読初め「膝栗毛」(十返舎一九「東海道中膝栗毛」)
食積の一員として鳴戸・蒲鉾
カラフルなかまぼこへ先づ柳箸
正月の富士さんいつもと違うなぁ
インバウンドてふ正月の迎え方
日光発祥揚巻湯葉を一日千個
お正月来たとサガンボの煮付けして
たまさかの餅焼がこれ大仕事
お喋りな雀が来てゐるお正月
田沼まで笑顔を持ってく初電話(わが故里は栃木県阿蘇郡田沼町)
地蜘蛛の腹切らせる遊びお正月
ダリの口髭十時十分夢始め
福神漬シャリシャリスープカレー好き
容態と相談の上の正月参拝
初夢にピアノ鳴らすは指いっぽん
鼻緒きつき下駄をおろしぬお正月
芳しく無き容態と初便り
卸したての下駄嬉しかり大旦
ラストシーン新年会へ出向く途中
新春演奏ではではお耳拝借します
初日の出射す方向が東京湾
おとし玉たんまりゲット令和の子
黄表紙のダンカン数の子買ひ占めぬ(義経の郎党)
本体無き香薬師像を初夢に(新薬師寺)

◼️相撲
若いのは若い裡にその芽をつぶしておけ(玉鷲談)
めいっぱい喜びを吐露一山本(敢闘賞)
現れた真のつわもの安青錦
ダントツの強さは真摯な角力ぷり
名伯楽業のデパート速攻説く(舞ノ海)
大関が近づいてくる安青錦
だぶだぶとほっそり角力の両力士

◼️雑
「シライタ」を肴に弥次喜多風呂上り
貧乏に浸りて疎開以来の私
平たく云へば帯状疱疹ウィルスの仕業
カーリング僅差の負けで男泣き
川であり町名であり滑川
鎌倉の日向日蔭を滑川
うさぎと狐はバディシネマは佳境へと(ディズニー映画「ズートピア」)
跳ね返す弾力ズック新調す
孫の手をとこどき借りるそんな齢
蓄音機で聞く楷書の歌手藤山一郎
えへへへのヘェ私のカラオケ「波浮の港」
高みに持ってゆかれる痛快エスカレーター
通販の口八丁には誤魔化されじ
飛び損ねし鳩のうろちょろ脇参道
一番当る天気アプリを使ふ日々
規格外だがお手頃価格でお届け野菜
規格外でお手頃価格を名乗る野菜
規格外だが有機を名乗る高額野菜
規格外野菜並べて道の駅
規格外野菜並べて売る昨今
パンダのあとレッサーパンダの飼育員(パンダ中国へ帰国)
仏さん閻魔さん仏様えんま様
ホ句ぼやっと諷詠この方六十年
今日の天候「関東おおむね日差しの届く日」と
流行語大賞「女性首相の働いて」
就中今日は火曜日筋トレ日(妻の介護体操の日)
流行語大賞今年は「トランプ関税」
流行語大賞今年は「古古古米」
街角で孤児たりし日を語るピアノ(テレビ放映 街角ピアノ)
街角ピアノ黄昏迫るチェコ・プラハ
街角ピアノ弾き手の人生炙り出し
老骨のジャスティンパレス健闘す(六才馬)
建築物拝見オタク万博見に
ハシビロコウじっと見てゐる眼下の雑魚
町名は旧町名のまゝ表札
人の好い奴で通りぬ西郷隆盛
人の好い奴で通りぬ鈴木亮平
竹生島グレーの海にグレーの雲
人形町は近所の保育園のお庭(日本橋)
清心丹昔身体に聴きながら(人形町にて)
手土産に人形焼や安産祈願
切れ過ぎてはいけない鋏で紙切り芸
サンダルで来てパチンコの入ること入ること
うち揃ふ顔ぶれ釣船弁天屋
口癖がそんなこんなで庭案内
入婿の三溪生糸商とし財を為し(原三溪)
ラジオ深夜便グレンミラーの「インザムード」
ジャズジャイアンツグレンミラーを今夜特集(ラジオ深夜便)
「別れの波止場」春日八郎張りの声
プサンハゲチョーヨンピル張りの声(釜山港)
意気込んで味噌汁の唄千昌夫
突き放すやうに云ひのけ師の訓辞
そもそもはダイナマイトのノーベル賞
大八洲(おおやしま)女性総理の生まれた國
倭・大和女性総理の生まれた國
払暁の波切り出船のエンジン音
高架橋渡る轟音モノレール
東京湾を真っ向旗日のモノレール
小銭入れ新調取り出す古紙幣
「心旅」亡き正平のちりりんロード(火野正平)

ハシビロコウ一か八かの一番勝負
ハシビロコウの狩のスタイル不適の笑み(アフリカ南部)
ハシビロコウのふるさとザンビヤ大湿地(野鳥の楽園)
廃鉱山鷹の目といふ硫黄哉(米子鉱山)
日めくりは下へ引き抜け切口綺麗
千玄室百歳 平和の大切説く
伴奏のピアノころりん「心旅」(自転車旅)
香薬師像現存すれば国宝級(新薬師寺)
香薬師像片手切られて捨てられて(盗難に遭う、実は金製でなく、銅製)
列車去る地元の人のお手振りに(手話で、観光列車ありがとう)
ハロワーク本日休日空底抜け
ひとり旅なおざりにせずJR九州
新発明スナック感覚餃子食む
天気予報晴れる見込みを色分けして
歌謡スクランブル菅原都々子に乗せられて(月がとっても青いから)
日の出と共に散歩の時間らじるの時間
東京の日の出に散歩す六時云々(ラジオ深夜便)
呑兵衛に昔トリスといふウィスキー
少年の肌身離さぬ肥後守
恐竜の骨の散らばるタジキスタン
いつの間に外真っ暗や本を閉ず
「型」演武初動、切れ味光りしと
大阪松竹けふはサンマの笑かさう
吟行詠演武アーナン見本とし(空手道「型」選手権)
雄物川奥処でフライフィッシング

以上


# by 575fudemakase | 2025-12-16 16:16 | ブログ | Trackback

最近の嘱目句あれこれ44 2025年 (高澤良一)

最近の嘱目句あれこれ44 2025年 (高澤良一)

◼️春
なで、はらひ、まくり、吹きつけ春疾風
枯葎一つ飛ぶ也蜆蝶
野蒜玉しこたま採ってやめられず
巨体の鯉相寄る泉春なれや
雨宿りしながら何処かでほうほけきょ
長居してそこ意地悪し春の風
ぽっかりと小便穴や春日向
上げて来て潮押せ押せの汐干潟
真ん中に御免候らへ野蒜摘
春の蚊の巣くふ仁王の網囲
春の蚊がわいわい仁王の空っ臑
春の雨に撫で肩のフランス山
手に乗せて飛島育ちのあめふらし
長棹をあやつり島の荒布漁
日経のパズルの後に食むキウイ
雉子一羽見事撃たれて死んでをり
肢体・耳裏白し日差しも麗らかに
出し抜けに海市の作る未来都市
顎先に釣糸垂れてへら鮒釣
鉛筆削りHB B 2B 春うらら
コンテナの縦積み横積み陽炎へる
フレームのあらせいとうの丈大層
菊作り心くすぐる苗買ひ足す
思ひ出の糸を手繰るや翁草
霞む方こっちは榛名あっちは妙義
春遅々と上毛三山靄に溶け
ヴィオラ・パンジーどれを買おうかと前かがみ
とすると今夜は大分暖かい
出荷まで三年かかる菎蒻植う
涅槃図に豹、獅子、猿、トラ、つる、にわとり
涅槃図の洩れたるものに何故か猫
涅槃図に嘆く人畜見てまわる
まぼろしの外郎売のこゑを聴く

◼️夏
雨垂れの木々掻い潜り夏うぐひす
浮ついたこゑとは聞こえず夏うぐひす
ピンボケの納涼羊蹄夏祭
大佐渡の黒穂にょきっと夜の秋
旅先の食堂烏賊の姿焼き
暑き夜のベッド二つが一つ部屋
舟虫が通してくれる荒磯みち
能有りの水母が考えさうなこと
蛍袋に指入れ覗く五十面
老鶯の朝から鳴いて昼になる
一寸酸っぱき顔つきしたり心太
蟇のごとまかり出でたる寅次郎
夏旺ん雑草だらけの駐車場
炎昼のなまけ処やカラオケ店
昼顔に全天燃ゆる九十九里
箱庭に侍二人たのもしや
赤泊へどたり寝転ぶカーフェリー(佐渡行)
秋田蕗刈る知床のとっぱづれ
浮輪して水母泳ぎの女の子
老鶯の案内顔や栃葉蔭
さっきから放心状態慈悲心鳥
犬っ掻きしながら注視監視員
接触冷感百パーひんやり開襟シャツ
ライム色ボタンホック無し開襟シャツ
冷え症や灸はやらねど盆の凹
灸花の青実つやつや海明り
日本橋夏雨の図や広重ぶるう
トランクルームの背面真っ赤な夕焼け空
梅雨夕焼トランクルームの横腹に
コンビナート夜景に潜伏せる荒草
廃屋の門を閉ざして蔦三昧
水馬を捕ろうと川に身を落し
ガス工事でひっくり返す灼け地べた
下手上手のはっきり児の書く祭の絵
植田過ぎ路面電車は郊外へ
気ばらずに遊びながらの植田体験
避暑旅行心は飛んでイスタンブール
朝一の森のしかゝる洗面時
たぐり、足撃、浮身、抜手これ泳法(小堀流泳法)
梅雨車中スマホ片手に老若男女
冷やし汁ブレイクそもそも婆ちゃん料理
きゅり、青紫蘇、みょうが、すり胡麻、味噌、豆腐
サンセットビューポイント飛島甘草咲く渚
ぎゃあぎゃあと飛島育ちの海猫乱舞
ごめ降りて飛島の此処何干場
煙海へ逃げて飛魚の炭火焼
江之島の鉄塔見下ろす富士・ヨット
夏めける湘南の灯が海面に
あぢさゐ季蒸し蒸す夜の強羅かな
烏賊水揚げ好調黒潮大蛇行
風鈴の舌は牛乳パックの厚紙
ぎんぎんに冷えたる恵比寿麦酒かな
飛石に先づ水打って開店準備
正面の青田遮断機上がる迄
鰻松の床几に順を待つ五人
満々の蓮池鶴岡八幡宮
朝ぐもり筆圧軽き妻のメモ
房州団扇でかきははたと風涼し
自転車のパンク持ち込む朝ぐもり
おほよその見当つけて水鉄炮
この暑気払はんとところてん三パック
日経の夏を謳歌の俳句欄
錐揉みの蝉竹林を発ちたるは
変な鳴き方にいにい蝉と直ぐ判る
あつさりと夜が明け易くなりののさん
グラス這ふつゝとクラフト麦酒の泡
線路の向う禅寺らしく青竹林
含羞草と云へば等(ひとし)と云う芸人(植木等)
含羞草うえきじゃないがこりゃ失礼
濃密な黒蜜だらりと葛切に
皮硬きハウス栽培トマトかな
帰りがけドカンと花火背後より
鰻松の戸口に「完売しました」の札
まひまひのぐるぐる廻り全き円
まひまひつぶろ軽し昇天してゐたり
茶畑に柿植う倣ひ何時よりぞ
部外者のやうに見てをる昼花火
鉄風鈴この世の鐘は僧が撲つ
人の子は残酷地蜘蛛の腹切らす
岩石に紛れる擬態山椒魚
岩床に紛れる擬態山椒魚
岩床が動いたやうな半裂か
北斎の鍵爪の浪ベロ藍もて
色白の肌に喰ひ込む海水着
痩せっぽが象牙の箸で冷素麺
剣先烏賊槽(ふね)より取り出し生き造り
鋏虫鋏み切れない物ばかり
蠅虎の好物は何頓と判らん
馬好きの我ではないが走馬灯
ストレートに薔薇の紅素手に受け
いつまでも立ち話して糠蚊の辺
灼熱の原爆象るダリの逸品
稚魚狙ふ白鷺そぞろ歩きして
水底へ目を遣る白鷺嘴一閃
岩石に紛れる擬態山椒魚
色鯉に餌を遣る女(め)の子池の端
あんぐり口開ける緋鯉に与ふお麩
色鯉に屈みて女の子お麩遣れり
アイスティ隣の客はよく喋る
大西日深く差し込む仏具店
何をしに来たかを忘れ冷蔵庫の前
油蝉籠に閉じ込め死なしめし
堂柱に三つ鱗紋お風入れ(北条)
不立文字晒せる書々にお風入れ
お風入れ京都で曝涼正倉院
道隆様の直綴(じきとう)畳まれお風入れ(蘭渓道隆 法衣)
中央に地蔵黴臭十王図(地蔵十三図)
お風入れ払子、香盒、九条袈裟
黴の書に何たらかんたら開山筆
境内を巡堂道隆開山忌(建長寺 命日法要 七月)
お風入れの解説猫図少なしと
あめんぼめくサーフィン沖をつつつゝと
驚きの苔生す石筍一千年
月日経し苔生す石筍一千年
葛売りて金峯山寺の門前町
さくら名所の吉野の葛に舌鼓
天川村紅茶、チャイなどカフェ空(くう)にて
建長寺伽藍指図を食む紙魚達
北条時頼烏帽子狩衣姿の風入れ(坐像)
にぎにぎしく風入れ時頼・家康図
ほうとうをずるっと明日は富士登山

◼️秋
墨染の小蝶飛ぶ也佐渡の盆
米不足何をぬかすか小役人
高山の水からくりに舌を巻く
酒つきてしんみりと聞くいとど哉
木魚打つ寺の真昼の底抜けて
露の玉つまみ損ねて壊したり
落書きの字体に見覚え秋の暮
調理中スマホが助っ人食の秋
手洗ひにウィルス流せる音の秋
空深く秋晴れの日のサインポール
トタン屋根錆よ錆よと泡立草
秋雲に翳付き生まる立体感
トランクルームコンクリに生ふ草の花
湾岸の風の鹹(しほはゆ)しトランクルーム
つづれさせトランクルームを丸呑みに
草の穂のしょんぼり暮れてトランクルーム
港湾風景壊しにかかるもの真葛
泡立草葛が席巻コンビナート
コンビナートうそ寒の貨車出入りす
本牧埠頭秋のきりん草めく重機
うそ寒や俳句そもそも殺風景
木瓜の実を成らして幾とせその巨大
望月の残滓薄黄の泡立草
蜻蛉釣メスに紐つけオスを釣る
路面電車ゆばうと見てゐる秋の雲
我が庭は敵地敵草今コスモス
揺れ具合てんでんばらばら黄花コスモス
先生の一押しプランツ黄花コスモス
虫声はアルファ波にてオーケストラ的調和
虫声は和音でスズムシ、カンタン、キンヒバリ
秋晴れの釣りスタイルや吊りズボン
どの雑草よりも背高泡立草
長き夜の残業終電にて帰宅
秋雨の東京湾に注ぐ川
長靴で栗割りポンと毬を蹴り
中津川店屋店屋の栗きんとん(菓子処)
ひょいひょいと長靴履きの栗拾ひ
朝市の口上「とことん甘い栗」
一部屋にベッド二つや寝待月
へなへなの紅葉を止どめゐる立木
厄介物の網諸共に蜘蛛払ふ
運動会バトンゾーンに立つ私
敗荷のカサと音して源平池
軍手しっくり福助の鉢落とすまじ
うそ寒き堂央無著世親像(運慶作)
宝塔を片手にポーズ多聞天
手土産に甲州ぶだうの深むらさき
ぶだうに説法ぶだう作りのお寺さん
この在所ワイン作りにベリーA
柿干すに田んぼに柿屋組み上げて
薬壺替りにぶだう手にしたお薬師さん
鶴の子てふ渋柿ご当地名物ぞ
先代も未だ未だ達者柿を取る
通草殻に茸詰め込む郷料理
一苦労手なづけ難き通草栽培
蕎麦の日の雨の予報が的中す
秋天下自転車で来て散髪す
拾ふ葉に何の虫穴首傾げ
運動会滑って転んでいじけた私
すり減りし鉛筆とがらす夜寒かな
台風の進路は五十一通り(天気予報 日本直撃の)
霧雨の打ちたなびきて盲目に
文殊の智慧思はすものに白式部
背高ノッポのアメリカハナノキ色づく葉
白式部三粒ぽっちりそれが佳し
相撲草手折り勝負を二、三番
秋草のすすっと抜ける・抜けぬもの
雑草は根から取らねば秋日和
唐突に彼の人思ふ梅擬
らふそくの絵柄手書きの菊・牡丹
菊花展色とりどりにその趣向
たまさかのテレビ観戦菊花賞
この家主蔓梅擬を溺愛す
ずぶ濡れの赤き茨の実雨弾く
三渓園入口菊苗のオンパレード
鹿の目のめんこし頭撫でて遣り
鹿の目の清けき寧楽に来て居たり
雀蛤となりペテン蔓延る世を慨嘆
マネキンのうそ寒立像キリコ展
寝る前に用を足しおくうすら寒
残る蚊の羽音に驚く部屋暗がり
返り花三渓園を漫歩して
Kindleの端末親し読書の秋
大きめな枕賜る敬老日直撃
芸は身を助くは真文化の日
塗装工骨休みして文化の日
たわいなく抜ける露草午前中
りんご狩写真背びらに天気予報
菊の展示だるま・福助一緒くた
バイオリンソナタ朝から文化の日
下葉の枯れなんぞ気にせぬ菊作り
菊苗を選んでもらふ色にも配慮
菊苗は四本千円ここ数年
菊の展示一通り見て内苑へ
菊花展最中の茶会三渓園
恒例の盆栽菊展三渓園
正門近くに盆栽の菊売れる店
買足せり色とりどりの盆栽菊
欲張って買ひ足すものに盆栽菊
ジャイアント馬場の頤(おとがひ)思ふ懸崖菊
四方より千客万来菊花展
裏方より入門菊の三渓園
スリッパのあたふた駆けつけたまんまの秋夜
好日や木賊は真っ直ぐ来る日も来る日も
いい加減にしておけ振りかけ唐辛子
房総の月下の館山見ゆ晴夜
捉月の伝牧谿は猿猴図
秋闌くや建長寺境内絵図
見るからに奪衣婆すさまじ渇筆画
大菊の仕立て筆頭七本立て
一文字一重の花弁十六枚
針管に感心する方目を細め
走り出す花弁の妙(たへ)や厚走り
握り締む拳突き上げ大掴み
美濃菊は花弁が帆を立て走る様
福助のちんちくりんも賞を得て
天川村澄む水のこゑ山のこゑ
一年も費やし育む小菊の懸崖
傷ものの身不知転じてジャラートに
たんぽぽの穂絮小風に昇天す

◼️冬
真冬の景気関税懸けたり懸けられたり
星月夜ひとりかも寝ん綿布団
鎌倉の闇夜貫く十夜道
能なしの煤逃げ駅前パチンコ店
角っこの妙に艶々炬燵かな
朽ち葉打つお岩木山の通り雨
もみぢ葉のかさりと落ちてアメリカハナノキ
風鈴は冬眠よう働いてくれました
冬物干しそんなこんなで一日暮れ
塩、胡椒モヤシで鱈のホイル焼
鱈と云へばムニエル釧路産がお勧め
野菜の皮・へたを活かしたけんちん汁
賑やかしポインセチアを軒下に
枯れ芙蓉妙に浮き浮きして外出
人生はあっと云ふ間ぞ青木の実
犬小屋に犬がだらだら青木の実
究極の赤を極めるポインセチア
神奈川沖浪裏師走の千円札
池尻に三溪偲ぶ返り花(原三溪)
竜の玉持ち腐れてふ言の葉あり
布団干し日和と弾む妻の声
布団干す濡れ縁ありて重宝す
布団干す団地空家の市松模様
瀬戸神社海に真向ふ追儺式
階段を上がった処に追儺社
あらかたは掻き出せる泥池普請
餅つきのやうな音して池普請
なやらひの鬼ひやぁひやぁと悲鳴上げ
投げ方にもっと工夫を鬼やらひ
「鬼は外」ともっと大きな声出して
小心者のやうに小声で鬼やらひ
冬青空エィと切り裂く飛行音
冬青空遠ざかりゆく飛行音
寒ければ家の中でも襟巻して
木の葉髪刈り込まれ我小ざっぱり
何にしやうかと氷上を滑らす物
銀髪の走者戦線脱落す
雪山を眺むわが眼と雪めがね(ゴーグルをして)
雪合戦行き尽く処まで行きて
おっ母が呼びに来るまで雪合戦
マスクして風邪をうつさぬ日本人
マスクして一億欠ける日本人(あまりにも几帳面)
冬の蠅少々頭でっかちな
雪礫一つや二つ喰らっても
竹馬やよたれそつねと向き変へて
シャチコバって撮られてゐたり青写真
押しくら饅頭押されて泣くなもう日暮れ
おしくらまんぢゆう声も躰もぽっかぽか
見せ物ではありませんコアラの耳袋
縄飛びの中途半端な弧に躓く
竹馬の宇宙遊泳愉しめり
体重を乗せて切る餅かって出ぬ
竹馬をツツツと走らせ草っ原
ゴーグルかけ怪人二十面相の真似
くつさめの第二波も又大きかり
通学路傍に行列雪達磨
続く咳一旦止んでそれっきり
雪だるま描く子供の輪郭線
雪礫命中されば倍返し
大部屋に響き渡れる大嚔
鴛(をしどり)にいづこからともなく迫る夜気
翳ゆらゆらさせて鴛羽繕い
一掻きに鴛の進める距離如何程
鴛を押す推進力は尚続く
水底より見上げてみたし鴛鴦の沓
就中鴛鴦の睦みのとこしなへ
水掬うに勝手が良くて鴛鴦の嘴
たゆたへる胸元辺り鴛鴦の水
水鳥の愚かな翳を乱さずに
遮断機は閉ざされたまゝ枯芒
告げ止まぬ熊と津波のダブルニュース
告げ止まぬ津波のニュース九州場所
一房づつ味はふ八幡浜みかん
温暖でみかんの王國八幡浜
映画の日の朝の食事の寒卵
前開きのカーディガン着てご満悦
前開きのカーディガン着てシネマ見に
股引を引っ張り出して一日干す
股引の穴の修繕極めて難し
股引の擦り切れる処決まっておる
恰好はどうでも股引愛用す
ポッポッとトタンの屋根に冬の雨
仕草は一緒蚊帳と毛布は端掴み
滑り込む毛布は慈愛に満ちてゐる
この寝相脚で毛布を蹴っ飛ばし
鯨のごと潜る毛布の海原に
電気毛布とりわけ朝は「強」に入り
ずずずと新雪瓦を滑る音
新雪のドカンと落ちて家の裏
大年の魚の投げ売りデパ地下にて
大年の身体一転さぁ寝ねん
池尻に三溪偲ぶ返り花(三渓園)
除夜の鐘衝き了え青年背を返す
断捨離の本山積みに年を越す
断捨離本山と積み上げ年を越す
喉元を過ぎる熱さよ根深汁
小食が板につきたる根深汁
根深汁啜り安堵のやうなもの
ほとぼりが覚めてゆくやうに根深汁
巻繊汁ぐつぐつ煮え来具だくさん
粕汁や鰤の頭(かしら)か椀に盛り
冬帽の似合ふ政治家麻生太郎
冬帽の似合ふ人又似合はぬ人
冬帽には頓と縁の無いわたくし
角曲がり来る冬帽の一青年
冬帽子大正ロマンを裡に秘め
冬帽とて柔らかなるを佳しとせり
胸張って遺影に収まる冬帽子
冬帽の似合ふ俳優(わざおぎ)早川雪洲
帽子芸と云へばほんじゃまかの早野凡平
帽子芸が最高ほんじゃまかの凡平さん
末廣は会津の地酒冬銀河(新城杏所に次句あり「東京の悪を憎める冬銀河」因みに杏所は妻陽子の親戚筋で会津の醸造家)
襟巻していつもの帽子黒の帽子
マフラーして浮き立つこころ金婚式
雪國の除雪予算は如何程
消雪パイプ露出してゐる橋袂
雪原を均らしにかかるロータリー車
除雪車の精根尽きて眠る雪中
黙々と雪掻き登るラッセル車
ラッセル車の一進一退もがり笛
まざまざと夜明けの峠ラッセル車
機関庫に出動を待つラッセル車
命縮める思ひで取組む雪卸し
雪卸しの転落ニュース新潟より
スコップで一突き二突き雪卸
和気あいあいボランティアの雪卸し
雪踏みや路地をちょこまか近所の婆
雪踏みに婆が出て来て小一時間
雪山の秋田杉林等間隔
御託宣天から降って冬雲雀
冬の鵙一休みして桂の木
冬の鵙一声も無く庭離れ
冬鵙のしばらく黙ってゐたが去る
着ぶくれて何とでもなる金の遣り取り
寒禽の滑り込む庭落葉季
沢庵は色味が全て味は二の次
寒禽の番であらむ啼き交わす
寒禽の庭から庭へ矢継ぎ早
寒雀声から推して今朝は二羽
寒雀胴にしるけき矢文様
わが庭に居るは束の間寒雀
寒雀丈高き木のてっぺんに
チチチチと声を零せり寒雀
寒雀ちゅちゅんがちゅんと石畳
寒雀ごにょごにょ云って我が家去る
寒雀飛び去るこゑの遠(おち)よりす
法堂(はっとう)のうしろ辺りで啼く笹子
笹子来る道幾通り建長寺
さゝ鳴の藪駆け抜ける気配して
さゝ鳴や辛抱強く待てば啼く
さゝ鳴や塔頭の庭貫きて
体操せねば身体は弱る寒雀
小用足しそそくさと出づ寒厠
寒雀上る下るを繰り返し
階に公暁の銀杏寒雀
ふくら雀じっと鎌倉石の上
手袋は薄手に限るこの自在
寒雀遊びごころを大切に
寒雀行ったっきりになる狭庭
食べ残し熊は雑食ご用心
朝一の頭上ばさっと寒鴉
冬服をお天道様に当てゝ干す
肩冷ゆる日や暖房を試し焚き
通勤路遠廻りして枇杷咲く道
戸袋に賢さうなる蠅虎
通勤ルート八手の花の咲ける道
暖房を入れ始めたる通勤車
一輌は女性ばかりの暖房車
冬の雨うち煙らせて大井川
焼藷の匂ひ鼻衝く師走のデパ地下
焼藷の甘ったれたる香の風筋
冬林檎服でこすって丸齧り
引き締まる今朝の気温や冬紅葉
一望の大根台地や靄上げて
墓原に枯るゝ鶏頭冬の雨
学童の登校路にして枇杷の花
千筋の畝疾走三崎の冬菜畑
岬鼻に轟く波濤冬菜畑
枯銀杏の足下に木片紐着き石
腰に食ひ込む枝打ちの命綱
猟犬の横目ぎょろりと擦れ違ふ
寒釣の醍醐味魚信は竿伝ひ
寒釣の羽田晴夜の星の数
牡蠣小屋の看板でかく小柴港
夜咄はゾクゾクするやつ絵らふそく
夜咄は佳境に入りぬ和蝋燭
大枚の値のつく熊の皮ならむ
ふくらふの深謀遠慮見倣ひたし
粉雪の落ち来る鹿の鼻っ先
冬紅葉ちりぬるをわかと散り果てぬ
鯨肉は昭和の味よと象牙の箸(祖父 繁蔵)
窓といふ窓に板張り冬構
風に悪ささせぬ目配り冬構
独り言云ふ癖つきて冬籠
覗き窓一つ残して冬構
冬囲筵、丸太を総動員
雁字搦めに家の目隠し冬の能登
サイレンの音追ひ駆けてゐる布団の裡
町内の消防団員馳せ来て出動(火事)
纏ひつく毛布にからまれ白昼夢
遠富士を目で追ってゐる暖房車
富士山が飛んでゆくなり暖房車
雪の不二飛んでゆくなり車窓
姑の妻へ優ママよりの膝毛布
膝掛して監視員坐像のごと
だだっ広く寒き館でキリコ展
サインポールくるくる冬青空の街
目くるめくサインポールやもう師走
凍れる朝一二三で寝床を起ち
古布団に顎(あぎと)を埋め長話し
電子書籍に夜な夜な浸り冬籠
けふは快晴と妻に云はれて布団干す
感謝してせんべい布団を打ち捨てむ
嘴突っ込み頻りに水鳥何漁る
つくねんと一日が暮れて干蒲団
厚着して亀遊館てふ銭湯に
唯一輪鉄線の返り花
空深く咲く鉄線の返り花
返り花白一閃のクレマチス
着ぶくれてスマホの画面を繰る車内
着ぶくれて遣ること行き当たりばったり
着ぶくれて遣ること次第に大胆に
ねんねこ半纏ぬくしやひとつ童謡でも
冬怒濤集り砕け立ち上がる
神奈川沖浪裏解剖冬立つ日
古写真にちゃんちゃんこの我納まりて
熱き湯に顎まで浸かり小つごもり
つはぶきの莟める内苑にて茶会
大味なみかんでありぬLサイズ
短日に急かされ了る庭仕事
一寸羽織るものを探してカーディガン
体重を上手に乗せて切るが餅切り
焼く餅の仕上がり待たるきつね色
立ち登るランチスープの湯気ほのぼの
サイゼリヤランチスープのぬくもりに
翁の日とやかく云はれほうれい線
息白しプールを洗ふ飼育員
暖房を入れる日もあり紅葉月
竹馬の超難しと音を上げぬ
マスクして象の世話する飼育員
日向ぼこなどと云う術忘れをりし
ともかくも火の気の欲しいお酉さま
水面にぷるんと貌出す鳰
鴨撃の装束それらしくていいや
綿虫を突き抜けてみよ二度三度
サブちゃんに紙の雪降る年忘れ(北島三郎)
蜜柑剥く妻に変わって蜜柑むく(老人の手の震える病)
LED聖樹の街中都電ゆく
アイスホッケー攻めても攻めてもさっぱりや
アイスホッケー一瞬きの間に得点
アイスホッケー選手なる義父慶應出(大正生まれ)
股潜りパック打ち込むアイスホッケー
スノーボード収納バスの横っ腹
風邪薬早速嚥んで一安心
スケートのおっかなびっくり繰り返し
スケートは恐怖の連続尻込みす
スケート二、三歩歩いただけでたじたじす
枯れ草に弥次郎兵衛めくシーソーの影
切干しの縮れ放題潮風に
切れのあるジャンプす男子シングルフリー(フィギュアスケート)
スケーターのジャンプは恰も竹トンボ
赤レンガ二棟の間にスケートリンク
妻共々ことし早めのインフルエンザ
耳更に遠くなるなり風邪心地
四回転二本を決めてフィギュアフリー
日章旗背に滑走のスケーター
回転に継ぐ回転つつがなくスケーター
目くるめくスピンを決めてスケーター
ゲレンデはうさぎの遊び場飛んだり跳ねたり
雪山に雪煙上げてスキーヤー
新雪の比良山琵琶湖一望に
赤城山膝下の村の蒟蒻畑
河岸段丘好みの蒟蒻当り年
高電圧鉄塔膝下の蒟蒻掘る
大いなる梅干貌の蒟蒻玉
此処沼田赤城山(あかぎ)の見守る蒟蒻畑
中・高はミッションスクール鑑三忌(内村鑑三 関東学院)
冬薔薇を扱いかねて剪ることやめ
冬ばらに刺され血を吹く指ねぶる
坂内の小盛り餃子に舌鼓
抱へごこち天下一品なる文旦

◼️️新年
先師林火紙子鳴らして厠行(初夢)
未だ八十あなた任せの年じゃなし
朝顔に正しく向ひ朝の立ちしょん(元朝)
初夢に水素燃料電池船
戦の神毘沙門天を初夢に
潜り込む術は土竜に一歩譲り
書棚より一冊抜きて大旦
お喋りな雀来てゐるお元日
鎌倉がよかろと決す初参
息凝らし五行の構へ歌留多取
攻め込まれ此処が踏ん張り処の歌留多
松過ぎの風巻き込んでどんど焼
爆づ音の千差万別どんど焼
黒煙が白煙になりどんど焼
買初めにすすきあしらふ絵らふそく
絵ろふそく5 匁2本入り買初
つくねんと砂利を踏みしめ初詣
黄の褪せし付箋紙付きの本読み初め

◼️相撲
いい加減な喉輪外れて負け相撲
荒角力中でも古参の高安は
そこ引いて破れべくして負け相撲
蠅払ふごとく横綱莫迦力
高安にも小細工技術あり納得(内無双)
照ノ富士自分の躰と相談して
小兵力士この頃殖えて大歓声
玉鷲の42歳の角力視よ
勝ち急ぐことを戒め元横綱(照ノ富士春雄)
大ノ里躰が臨機応変に
玉鷲凄し館内どよめく突き落し
藤ノ川の角力美事と云ふ他なし
大ノ里万全寄り切り初日白星
針刺しは毒まんじゅうと解説琴風
取りこぼさず初日白星いい角力
初金星伯桜鵬は大手柄

◼️雑
ああ云へばかう云う子供アメリカ母ちゃん(tvワタシが日本に住む理由)
声殺し正調はるみ応援歌
小さな旅アンコ椿と寅さんと
寅次郎アンコ椿を旅に聞く
覗く人片付けろとは寅の弁
なでしこや竹槍もって本土決戦
筏士が素っ飛ぶやうに大井川
お飾りの大統領が何ぬかす
プーチンの家庭教師が何ぬかす
剥げ仁王処々に紙つぶて
新知識スマホの細菌便座の十倍
スマホ向け除菌をうたうグッズが数多
トランクルームの後ゆ重機が首伸ばし
港湾の風の鹹(しほはゆ)しトランクルーム
言葉遣い隙間だらけの桃子さん(辻桃子)
隙間佳しホ句の真髄隙間也
ワーファリン呑みに血止めの絆創膏(庭仕事の最中に)
つまらなき景を敲(たた)きて面白く
交易所古代の風吹く舟着場
ラドン湯やバドガシュタイン鉱石沈め
意図する処判るが地震に強き街(ガス工事等頻発)
ラドン湯のジェット噴流愉しめと(亀遊館)
ラドン湯や泡湯に私の屁も交ぜて
丹波築山よーいよーいのでかんしょ節
ボサノバが日本に来た日ささやく日(小野リサ)
感情のジェットコースター隼人のピアノ(角野隼人)
健吉の「ことばの歳時記」斜め読み(山本健吉)
羊より今では牛が新西蘭(ニュージーランド)
天気雨からっと上がる給料日
ボサノバが日本に来た日ささやく日(小野リサ)
その昔艀溜まりの石川町
船名は「とびしま」飛島航路かな
投げる時顔に皺寄る藤沢五月(ロコソラーレ)
飛島の生徒三人小学校
スナップショット湘南の海たゆたふを
たゆたひつうるほふ相模の海と山
江ノ電に揺られっ放し眠くなる
胡粉作り膠と牡蠣殻百叩き
ヤットウの柳生の庄を帰りがけ
頭の中空っぽにして般若心経
だみ声の隣の亭主夜勤明け
曜日毎に注意こまごまゴミ出し規則
ゴミ出しは篤と分別表を見て
言葉並べ棒読み俳句も一境地
Jipangの島形して焼魚
関東各地今日より日差しが届きさう
何処押してそんな結論出す君は
鯉にお麩餌付け上手な女の子
俳句好きの政治家嫌いが下す論評
蛇笏句の詠ずや甲斐の郷土色
俳句三昧龍太のおっぽり出したもの
ブラックバスの氾濫琵琶湖霞ヶ浦
太郎にとりマッカーサーは屁の河童(麻生太郎)
世は大平金婚式など無頓着
病床のおならの逃げ場無きベッド
ジョンウエインの「黄色いリボン」や久しぶり
北斎の怒濤図描くは天界ぞ
蓼食ふ虫AIもって介護ロボット
とてつもなく大き才能AI流行り
老舗らしき風格会津の蝋燭屋
嬌声上げ絵付け教室絵らふそく
伝統の焔赤黒絵らふそく
暗澹たる色して会津の絵蝋燭
老いたくて老ゆるにあらず金平糖
シュールの森深き館でキリコ展
土産とて河原に拾ふ唯の石
選句時のテツの名乗りは岡田鉄
高階に眼鏡曇らせランチスープ
鳶舞ふが見ゆサイゼリヤ高階にて
サイゼリヤ遠くの街を一望に
サイゼリヤ笑ひの元は女高生
紅が白に負けとる後半がんばりや
稚拙味の木造だるま、朱衣達磨図
蘭渓道隆坐像描くに曲彔なし
伸ばす処伸ばし春日の「長崎の人」(春日八郎)
建長寺三門、法堂一直線上
麺麭切り包丁のやうな戟(げき)持ち広目天
棒の雨田畑山林貫きて

以上


# by 575fudemakase | 2025-11-17 10:38 | ブログ | Trackback

辻桃子句集 水蜜抄を読んで (高澤良一)

辻桃子句集 水蜜抄を読んで (高澤良一)

共鳴句 選出させて頂きました。
()内は小生のコメント風感想。



かんざしの額にふるるも淑気かな

よく狙へ外すなかれと初射的
(淋漓と詠み切って好感)

一扇は柱かすめて投扇興
七草や氷の上に氷張り

社まで行って凍れて帰りけり
(成り行き俳句も好感齎す)

バスっこが雪にはまるも湯治行
(方言も句作の重要な助っ人)

彼岸会の雑魚の集へる水の中

うすらひの上やうすうす水走り
「うす」「うす」「うす」の3語でリズムをとる

田んぼには水入ったと行々子
(「遠回し」も時に効果的)

江ノ島
ひるがほのひらきかけたる畳じわ
(一瞥して逃さじ「畳じわ」)

波乗りを終へ自転車で帰りけり
(淡淡も一俳句作法)

大蕗の葉下に入りて蕗刈りぬ
堂といふ堂にあふれてお遍路は

磨ってをる夏書硯に松のちり
(繊細な目配りも作句には必要)

薔薇置いてグランドピアノくもりけり
くらがりに水音ありて螢まだ

朝烏賊の目玉がうごき盆の市
(磨くべきは観察の鋭さ)

馬の歯のがしがしむしる海霧の草
立待のがつくんと船着きにけり
(「がしがし」「がつくん」の擬似擬態も句作の大いなる助っ人)

秋潮の泡のしばらく砂にかな
(観察の妙)

秋風に掃いみせるや箒売
秋風に吹かるるものに石の面

ひらたけのたんとこぼせる山の土
(「たんと」援用の効果)

秋草や修学旅行で来し宿屋
(回想も俳句になる)

柿の実のたわわな下に犬が閑(ひま)
(犬が閑には驚いた)

「童子」芋煮会
芋煮ゆる湯気に日のさす磧かな

人と犬冬田の果てを返しくる
(最後まで見届けて一句)

行く年の畑の大根はあと五本
(俳句とはよく見ろの御教訓か)

ひしめきて堰落つる順待つ落葉
(「順待つ」に発想の柔らかさ)

椅子の座の天鵞絨(ビロード)はげてクリスマス
(マイナス思考も俳句になります)

寒禽の啼くや不殺生不邪淫と
(ふと北条実時の不殺生を思ひ起こした)

水の面にただ寒木と日輪と

春荒れのぶちまけたるがごとき雪
(雪の名詞止めが心地よい)

鍋焼の中にかくれてゐる玉子
(この判じ物面白し)

月今宵みんなあなたを忘れない
(???だが含むところ何かありそう)

手つかずの絽も紗も襤褸も土用干し
十五夜や「童子」三十周年の

門入れば石石あれば石蕗の花
(石石の繋ぎの妙)
上句見てゐて小生一句賜った
法堂は今工事中石蕗の花(建長寺 お風入れ2025/11/03)

寒けれど時雨たれどもあひにきし

骨折、吾は
撃たれたる毛物めきしよ冬籠
(撃たれたる毛物に唖然、感服)

春の夜や出湯にあればみな裸
(楽しいハダカ)

うつくしき赤と緑を西瓜かな
(お手制の水彩懐かし汝を偲ぶ)

突風やいつせいに花たちさわぎ
(「花」一文字の働き)
わが背子の声でかくして鬼は外
(「でかく」は夫君元気さんか「お茶目」な表現このもし)

ひるがほに脱げば水着のしたたりぬ
やうやくに捨てし手紙や火恋し

半分は真つ黒なりし夕立空
(嘗て船旅の太平洋上で見たスコールを思い出した。驟雨がシャワー状あっちにもこっちにも)

枯野抜け次の枯野に入りにけり
(芭蕉さんを彷彿)

一枚の水に戻りぬ薄氷

花見上げ花咲爺のやうに老い
(老いの表現面白し)

行く春や耳の中にも道ありて
(意表を衝かれ唖然)

葉をむいてへそのあるなり柏餅
(臍の変化球を投げられた)

菖蒲湯に我は海の子とぞ歌ひ
(横濱市民は誰もが「我は海の子」を歌える。小学校で歌唱指導している故。私めも歌える)

昼寝覚め我が家に帰りゐたりけり
(齢とるとこんな感慨も)

月の湯に金粉ショーのダンサーと
(横浜野毛の大道芸祭でのそれを彷彿)

三人で芸者歌留多といふをまた

清方の女佳かりし夏座敷
(鎌倉は小町通りの鏑木清方美術館で詠まれたか)

初昔生きてあはんといひしこと

春窮のけんちん汁も建長寺
(私めも数日前お風入れを見に建長寺へ)

なんだいと近寄ってくる羽抜鳥
(「なんだい」の磊落振りが抜群)

初富士やただ真っ白にかたまれる
(「かたまれる」と言いきった英断)

せつせつと独活むく夫や家事に慣れ

美容師が床のわが髪掃く暮春
(髪結いさんも俳句道場)

てつせんや集めし蔵書もういらず
てつせんの鉄なす蔓に今年も芽



参考の為 「あとがき」の一部を抜粋する。

辻桃子がなくなって、その残したものの、多さに茫然としている。東京の書斎、津軽の書斎には、たくさんの句、著書、蔵書、たくさんの帽子。いざ纏めようとしても、どこから手をつけたものか途方に暮れる。この句集は、生前、桃子が纏めた第十五句集『白桃抄』に入り切らなかった句を、桃子自身がもう一冊出すつもりで赤を入れておいた句稿だ。最期までよく働いた。もっともっと句は残されているが、残された句稿になるべく手を入れず、桃子が出したかったのはこんな句集ではなかったかと思いながらの刊行となった。(後略)

二〇二五年七月 
津軽、白鳥書屋の窓から、林檎畑と岩木山を眺めて
如月真菜

以上
妄選 妄語陳謝


# by 575fudemakase | 2025-11-06 07:28 | Trackback

角川 俳句賞(2025年)を読んで (高澤良一)

角川 俳句賞(2025年)を読んで (高澤良一)

()小生のコメント

セーターの上を涙はしばらく玉(はちゃめちゃな詠み方が面白い)
アイロンをンと押しつける年の暮(撥音便が利いている)
口に餅ありてこどもに餅を切る
愛嬌もある竹馬も乗りこなす
自転車の三つ停まりぬ種物屋
甘酒の粒噛んでゐる花見かな
水番の耳にだんだんなつてきし
団扇の子はうばうに風送りけり
一寸の辛子に濁る心太
墓拝む人のうしろに拝みけり

鎌倉であらかた降るる浴衣かな(「降るる」文法的に見て問題ないか?)
暑き日の犠牲バントといふ一死
母校かく小さかりしか雪間草

退勤の通用口に春の月(この方の詠み方に丹精さを感じた)
洗ひ干すズックの雫いぬふぐり
春昼や撫でやれば猫うらがへる
制服に慣れて久しき桜かな
神輿揉む夫の破顔よ三社祭
かぶとむし送る荷箱に空気穴

雉の眼の下より閉ぢて春寒し
ティーバッグ上ぐれば回り緑の夜
噴水の前の高さを越えんとす
卓袱台の脚うちに折れ滝の前(「滝の前」取り敢えずは「OK」だがもっとやれそうな気がする。もっと普遍的な処へ持ってゆかれないか。小生も疎開先でこの昭和の卓袱台にはご厄介になりました) 
郵袋がデッキの隅に年つまる

芹揺らしながらどんどん水すすむ

十穴ブーツ九まで緊め上ぐ(以下その繊細さに納得)
ふゆりんご煮つめて金に透きとほる
ひかり折り重なりあへるゼリーかな
ソフトクリーム垂れくるを舐む倒れくる

日矢の射すあたり蓮華の野であらう
案山子またけふも案山子のまま暮るる(ふーんと唸りました)
ふさはしき名を与へられ寒牡丹

柿の実にめりこんでゐる柿の蔕(これ結構)
唇に大福の粉冬近し

春月やどすんと返す麺麭の生地
腋と股拭ひて祭手拭ぞ

月大き一本道を引き返す

こちら側の車窓はずっと真葛原
牡丹雪大騒ぎして雨に変はる

牡丹も大きく咲かす畑かな
落葉掃く軽いお辞儀の形して

雷の馬鹿に大きなやつ一つ(この磊落さを買いたい)

以上
(妄言陳謝)

# by 575fudemakase | 2025-10-26 07:29 | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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