普段は乱読雑読で3冊ほどの併読で、読む一方から忘れていく無精者だが、この秋はじっくりと読んだ
一冊があった。 山本兼一の「利休にたずねよ」である。
利休切腹の日から遡り、利休と関わった信長や秀吉との茶の湯を通しての主従関係で
どうして切腹しなくてはならなかったのか。
物語は章を追って50年余を遡り利休19歳のとき、買われてきた高麗の美女との出会いがあり、この美
女に終生おもいを寄せる利休の恋慕が利休の生き方の底流にある。
二人で高麗へ逃げようとするが追いつめられ、最後の茶を点て美女は毒を飲み死ぬ。
あとを追う利休は毒を飲みきれず捕まる。
高麗の美女が持っていた緑釉の香合をその後50年余の間、利休は持続ける。秀吉に譲れと乞われても
決して譲らなかった利休の宝物。これも切腹への道につながる。
最後の章は第一章の切腹の日にもどる。茶室で利休の切腹を確かめた妻、宗恩(後妻)は床の香合を庭
の石灯籠に投げつける。高麗美女への恋慕が詰まった利休の宝物は消えた。
妻として、秀吉への怒りとともに、高麗女への嫉妬心の炸裂で鬼気迫るラストシーンだった。
うん、面白かったと思ったところでちょうど、佐賀の呼子、名護屋城博物館で秀吉の「黄金の茶室」展が行
われていて11月4日まで。読書の続きで出向きましたよ。
山里から七山を下り浜崎へ出て、虹の松原を西に抜けて呼子方面へ。名護屋大橋を渡り博物館はすぐ。
平日で来館者は少なくじっくりと茶室を眺めた。カメラ撮影OKとは珍しい。
すべてが黄金の組立式の茶室。三畳で床一畳、敷居も鴨居も壁もすべて黄金。障子の骨も黄金で、紙の
代わりに薄い紗織の絹で緋色。たたみも赤い猩々緋の羅紗。茶の道具もすべて黄金。
このキンキラキン、利休ならずとも、わぁ~趣味悪いと思ったね。
利休の侘び寂びの茶と秀吉の絢爛豪華な茶の大きな違いが利休切腹へと繋がっていく。
今日知ったが12月8日封切りで映画もできているようだ。利休役は市川海老蔵。行こうかな。