スプーキーじいさんって何考えてるの!?

貧乏・暇なし・不健康。一人暮らしのじいさんのブログです。このブログに広告とか金儲けは入っていません。スターは一個だけ付ける主義です。税込表示です。

創作、小説

小説 コールセンターの二人 2

「うわー、人多いねー」 とマイコさん。 「アメ横ってどっち? あっち?」 マイコさんがはしゃいでいるのが珍しい。 今日は二人でアメ横を見に来たのだ。マイコさんは年末の混み合うアメ横をテレビでしか見たことがなく、そもそもアメ横に来たこともなく、そ…

小説 コールセンターの二人

「ねぇ」「うん?」「早く夜にならないかなって思わない?」「えーっと」「あたし今そういう気分」「Hなの?」「全然違う! それとは別!」「サーセン」「サーセンじゃない!」 オレと隣の席のマイコさんが働いているここはコールセンター。同じ派遣会社か…

小説 末っ子と、長女と

私が若い頃の話だ。 私がその頃付き合っていたのは、職場で知り合った二つ下の女性だった。仕事は大企業の某プロジェクトで、多くの会社が参加していて、私と彼女は別の会社に所属していたが同じグループだった。 彼女は可愛らしく、仕事の合間の会話が楽し…

小説 そば屋の面倒くさい客

19時、仕事が終わった。さて、どうしようか。 「どうしようか」とはつまり、晩ご飯のことだ。今日は12時に昼飯を食べた、今は19時過ぎ、そしてうちに着くのは…… スーパーに寄らないといけないから21時か。ここで何も食べないで長く電車に揺られることは、今…

未来のギアでボーッとしないでね

日経トレンディによる来年のトレンド予想によると、第一位は「肩掛けプライベートAI」だそうです。 日経XTRENDの記事 ↓ https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/01086/00001/ ネックスピーカーみたいなデザインのこの製品を首にかけます。これにはマイ…

夢のパワードスーツ

SFっていうのは「Science Fiction」の略であり(「Sci-Fi(サイファイ)」とも書く)、ま、科学的に破綻のない範囲内で現実の世界から離れてトリックや冒険を楽しむもの、と考えればほぼ正解でしょう。 そんなSFの中によく登場するのが、人が着るタイプのロ…

小説 床屋さんの音楽

私は派遣で働いています。仕事は半年間くらいのところが多く、勤務地もバラバラです。 今月からは東京の郊外の街で働き始めました。その街は駅前は栄えていますが、ちょっと歩くと静かな住宅地というところです。駅から現場までは、二十分くらい歩いて通って…

小説 彼女の眼鏡

正直、見つけるまで忘れていた。メガネケースに入っていた、女物のメガネだ。私が年末だからって大掃除をしていたときに、棚の奥で見つけたものだ。まだあったんだ。一気に蘇る、あの頃のこと。 随分前になる。自分が中年と呼ばれることにすっかり慣れきった…

『エンドレス時代劇』

昔々、仲間と集まってマンガを描いていたことがあります。今風のアニメ絵じゃなくて、昔の少年マンガ誌をパロったような感じで、コピー誌も作ったりしてね。一人、雑誌のマンガ賞に応募して佳作を取るくらいのがいて、彼の作品は本当に上手かったです。私は…

小説・窓外の少年

相変わらずの朝の通勤列車。私はヌメるつり革に掴まりながら(後で除菌しよ)、むっとする空気の中で文庫本を読んでいた。耳にはイヤレシーバー、流れているのはfurui riho。座席には着ぶくれして眠り込むサラリーマン、スマホを見るOL。立っている乗客同…

小説 敵に立ち向かった少年とその後

私は高校生のときに、魚屋さんでバイトをしていました。土日祝の昼から、閉店時間の19時までで、忙しかったけど時給はよかったです。 そのお店は「大将」と「奥様」の中年夫婦が経営していて、あとは私が入ったときに辞めていった先輩と、「ユナさん」とい…

小説 空港の英国人

今から十年以上前のことだ。 当時の私は都心で一人暮らしをしていた。お休みは土日祝で、大概は土曜日に家事や買い物を済ませてしまい、日曜日は自転車で出掛けていた。三十代の終わり頃にそれまで乗っていた自転車が故障してしまい、丁度その頃CS放送で見た…