※今年は言葉(コピー)についてもう少し考えよう。遅
広告「両備システムズ」
ともに挑む、ともに創るー。コピーを学び始めたとき、企業が言いたいことなんか、大体誰かが言ったことがある。企業が大きくなればなるほど「いいこと」はほとんど言い尽くされている。それでもまだ誰も言ってないことを言う、言うやつがいる。賞を獲るのはそういうものだ、と教わった。
でも最近、逆にどんどん似通っているように思う。何屋さんかどんなビジョンかそんなことより、”いい感じを大きく言う”傾向が強い気がする。どこかで聞いたようなこと、どこの会社でも言えることを言う方が「いい」時代。寄せる良さ、その正しさ、みたいな。
広告の役割も変わったからかもしれない。そんな表現一つで付いたり離れたりしないからだろうか。
「冬季五輪開幕まで1カ月」
ミラノ・コルティナ冬季五輪。岡山出身の選手が3名、メダルの獲得が期待される。ショートトラックの中島選手、スノーボードの木村選手、フィギュアの吉田選手。若い才能が、この西日本の地方都市から生まれている。
環境と言えば冬季国スポが岡山で開かれたが、通年使用可能なスケートリンクが複数ある岡山は西日本では稀。そういう物理的な環境なくしては冬季スポーツは不可能。ただ何より、「やってみたい」という子どもの気持ちが育ち、選手になるまで継続できたことが素晴らしい。
メジャーだろうがマイナーだろうが、好きなことが見つかり、やりたいことができる世の中であってほしいとつくづく思う。いろいろやって違うと思えばやめていける…それがいいと思う反面、継続は力であるということもあり、この見極めが難しいところ。
ひとつ言えるのは、好きなら続けること。好きをやめてしまうことの後悔は、後から大きくなってやってくるのだ。
次の面「年男年女」に小学5年生の女子ボクシング選手が出ている。兄に憧れ始めたボクシングで世界を目指す…本当に好きなこと・やりたいこと・なりたい姿に向かっていること、これが大事だと思う。そしてその目標も明確。こんな歳になって、地元の小学生から生き方を学ばなければならない…。
「希望育む人材育成」
その「年男年女」に知人のNPO法人代表が出ていた。彼がUターンする直前に、とある地域創生のイベントで一緒になった。代表となった今、感慨深いものもあるが、それでもやりたいことが見つからなかった学生時代、とある。案外きっかけはそういうものかもしれない。
実は近い業界にいたこともあり、まったく年齢が違うのに仲良く話をさせてもらった。その自分の感想は「こんな優秀な人間は会ったことがない」。あの時、出会った方々と経験はその後の自分にも影響を与えていき、しばらくNPOの活動にも参加を続けた。やはり出会い、だな。
広告「はるやま」
紳士服の初売り広告、全15段。広告デザインも手法もまったく変わらないので、70周年を迎える周年スローガンを見る。
ここのところ企業の周年によく関わるが、ここも70周年。「科学で、着るを変えていく。」が紙面の左上と右下に、周年ロゴとともにあるが、周年独自のものでもなさそうだ。サイトを見ても企業理念には出てこない。タグラインというべきものか。
この広告紙面からは科学感はあまり感じられないのと、スローガンに紳士服感を強調していないようだが、「科学」「変える」が正月紙面にも反映されても?
ただ、文字がぎっしり詰まった金と赤のおめでたい広告が、2026年に生き残っているのが嬉しい気もする。
「自治体の課題 調査研究」
やはり大学というのはそういうためにある。人と時間とビジョンがある学生が、地域の課題に取り組む。特に調査などフィールドワークが出来るのが大きいはず。
我々のような企業と自治体との間に、もしくは自治体と大学が組んで(そもそも産学官連携組織)と思うが、その際「若者視点で解決策」がカギ。その解決を誰がするのか、解決策までなのか解決なのか。とても興味がある反面、本当に機能すると一つの業種がなくなるか特化する気がする。その後のシナリオは誰が描くのだろう。Win-Win-Loseではいけない。
広告「東芝デジタルソリューションズ」
東芝で、「世界にまだない、あたりまえ」をつくろう。ーこれも…その説明(ボディコピー)も大きな級数で12行。ここにも「ともに」「つくる」がある。さっきの両備システムズと競合関係にあるはずだが、使われる言葉は似る。結局ブランドの印象、か。
広告「SUENAGA Group」
正月らしい。15段広告が続く。
こちらは「挑戦は、この地域を、ここに暮らす人たちを楽しくしていく。」ー両備システムズの「挑む」同様、挑戦・Challengeという言葉。つまり各企業はそれぞれの持場ではあるが、ベクトルは同じと映る。「世界」と付く東芝デジタルソリューションズと「地域」と付くSUENAGA Groupの対比は鮮明だが。
広告「ヤマト運輸」
こちらは50周年。グループとしては100周年だが、宅急便が50周年のようだ。この業態名称とCM、クロネコヤマト(昭和51年にはすでに猫がいる)の語感が、これほど定着し耐久性を持っているのに驚く。
「人と、歩む。町と、歩む。絆で、歩む。」ーボディコピーも薄っぺらい理念を繰り返すのではなく、真実のストーリーを描いている。厚み、面白みがまったく違う。そしてなにより「歩む」の繰り返しは、配達員の汗をかき人手で運ぶ姿にも通ずる。絆もこのストーリーから、本当のことだとわかる。町も、決して「街」じゃない。個人的には素晴らしいコピー。
広告「RYOBI GROUP」
今度はグループ全体の広告。「想像もつかない世界へ。」ーグループとなると俄然元気のある広告になり、Rがキャラクターとして大きく存在している。SUENAGA Groupもグループ広告だったが、岡山でも増えてきた。
ボディコピーは、やはり「挑戦」そして「ともに」。未来とか変化とか課題とか新しいとか、どうしても企業メッセージは今はそうなる。そうなるからこそ、どう表現するかで印象が変わると思うのだが、考えが古いか。
広告「CENTURY」
驚いた。広告主(社名)などない、当然連絡先、所在地、二次元コード、検索窓、URL…など一切ない。初めて見たとき、CENTURYが何を表すのかわからなかった。中央にクルマはあるが、まさかあの「トヨタ」センチュリーだとは思わず、ボディコピーに「走り出す」とあるから自動車かもと思ったが、紙面のどこにもトヨタ・TOYOTAの文字はない。これぞ、ブランド広告。どんな層にどう届けばいいか。その計算のもとで成り立っている。
広告・販促でカーディーラーをいくつか担当していたことがあるが、これは驚いた。